セリム・ブラッドレイ

登録日:2010/04/12 Mon 22:20:00
更新日:2023/08/13 Sun 13:58:09
所要時間:約 7 分で読めます




セリム・ブラッドレイとは、漫画鋼の錬金術師』の登場人物。
CV:三瓶由布子(アニメFA)
演:寺田心(実写映画版)


作中の主な舞台となる軍事国家アメストリスの大総統、キング・ブラッドレイの息子。
実子ではなく養子で、元々ブラッドレイの親族だったらしい。
年齢は10歳くらい。

性格は純真無垢かつ人懐っこく、親思いで勉強熱心。
12歳で国家錬金術師となったエドワード・エルリックに深い興味を抱いており、エルリック兄弟にあった際にはとても感動していた。







以下ネタバレ









☆プライド


お父さま」に最初に創り出された「傲慢(プライド)」の名を持つ「始まりのホムンクルス」。
セリム・ブラッドレイの正体。

事実上組織のNo.2で七人のホムンクルスの長男でありリーダー的存在。
昔からアメストリスの要人達の傍に常におり、為政者の監視・排除といった役割を担っていた。

なおセリムという身体は「容れ物」で、本体は巨大な影に無数の目や口が備わったような不定形の生命体。
紳士然とした丁寧な口調で話すが、本性はその名が示す通り非常に慇懃無礼で「フラスコの小人」時代のお父さまによく似ている。
エンヴィー以上に冷酷・残忍な気性の持ち主であり、ホムンクルスの兄弟ですら駒としか見ていない。
彼曰く『仲間ではなく共同体』。

「セリム」としての性格は全て演技であり、末弟にあたるラースとは、大総統キング・ブラッドレイとその養子セリム・ブラッドレイとして「家族ごっこ」を演じているだけである。
その一方で何も知らされておらず、養子の自分を実の息子同然に大切にしているブラッドレイ夫人に対しては、“母親”として割り切れない感情を抱いている。

ホムンクルスとしての固有能力は、影としての本体を自由自在に操ること。
本体から影を自由自在に伸縮させることが可能で、形状を薄く変化させることによる斬撃や備わった無数の口による咀嚼といった物理的な攻撃を繰り出し、並の防壁を意に介さない攻撃力を持つ。
視覚器官も備わっているために射程も非常に長く、超広範囲に渡る探索なども可能。
さらに他の生物を取り込み同化することで、取り込んだ対象の能力を自分のものとして使用する能力も備えている。
攻防どちらにおいても隙がなく、同じホムンクルスであるグリードをして「俺から見てもありゃ化け物だ」と戦慄するほど。

ただし、「容れ物」の中でしか生きられないため、本体を収納するセリムの肉体と国土錬成陣トンネルを超える事ができず、本体から伸ばした影を分離させることもできない*1
また影の性質を持つため、強烈な閃光や完全な暗闇の中では「本体の影」ができず、セリムの肉体が堅牢に作られている事からダメージこそ負わないものの、身体能力は子供そのものである為、一切の攻撃手段を失う。
ちなみに「容れ物」の見た目の成長には限界がある。

「約束の日」に向けてエド達「人柱」をアジトへ連れて行くため、グラトニーと共にまずアルの鎧を乗っ取って操りエドの身柄を狙う。
そこで劣勢に立たされるもグラトニーを食らいその能力を得てエド達を追い込む。
しかし、アルの活躍によって彼と共にヴァン・ホーエンハイムによって閉じ込められる。
軍用の通信符号を使って連絡を取りキンブリーに助けられた後、キンブリーと共にアルと闘うが、ヨキの活躍によって隙をつかれアル達を逃がしてしまう。
以前「車なんざ避けようと思えば簡単に避けられるぜ」と息巻いていたクセにヨキの車にはねられたプライドかわいいよ、プライド。

そして、ロイ一行の前にキング・ブラッドレイと共に立ちはだかり、金歯医師を媒体にロイを最後の人柱にするのに成功したものの自らを扉を開けるための礎にしたため「セリム」の身体は崩壊寸前になってしまう。


以下更にネタバレ













目を付けたエドを新たな「容れ物」にしようと襲い掛かるが、見下していた人間に取り入ろうとする醜態を“傲慢(プライド)でありながらプライドがない―美しくない”と自ら取り込んだキンブリーに邪魔立てされ、エドの内部侵入を許してしまう。
心の隙を突かれついに「容れ物」が砕け落ち本来の姿(掌サイズの胎児)が露見する。

エドに分解されていく中で最後に思い浮かべていたのは、実の父親である「お父様」ではなく、偽りの両親であった筈のブラッドレイ夫妻の姿であった。
この時エドは「セリム」の身体を物理的に破壊すればプライドを完全消滅させることは容易だったのだが、敢えてそうせず内部に存在した本体を掴みとり生存させたところに彼が以前語った「殺さない覚悟」というものが見て取れる。







戦いの後、エドからブラッドレイ夫人に引き渡される。
が、最早ホムンクルスであった記憶は失われており普通の子供として育てられる事となった。



しかし、デコの突起物(ピタゴルァスイッチ)を押すとプライドモードに切り替わりグラマンを震撼させた。

『触らないで下さいよ下等生物』

『あなたがブラッドレイの列車を爆破したって事ママにちくりますよ』

…四コマでの話だけど



【アニメ第一期】

CV:津村まこと

大総統であるキング・ブラッドレイの養子というのは原作と同じだが、こちらでは本当に何も事情を知らない普通の子供。
ビジュアルもほぼ同じだが、髪型はちょっとマスタングっぽい。
原作のセリムを見た後だとそのギャップに驚かされることだろう。

もちろんホムンクルスやらなにやらとは何の関係もなく、何も知らずに日々を過ごしていたと思われるが、
最終回、義父であるブラッドレイから“宝物”を渡されたセリムは、誰よりも尊敬している義父からそれを託された事に責任を感じ、
火を放たれた屋敷にわざわざ戻って金庫から“宝物”を持ち出そうとするが、その“宝物”が義父――ホムンクルス・プライドの唯一の弱点である遺骨であったため、
今まさに襲撃者であるマスタングと戦っていたブラッドレイにとって、父を思ってのこの行動は、最悪であった。

遺骨を持ち出されたことでブラッドレイは怒りのあまりセリムの首をへし折って殺害するも、時すでに遅し。
弱点を握られたブラッドレイは圧倒していたマスタングに形勢逆転され、倒されてしまうこととなった。

なお、このシーンでの

大総統「だから、人間は愚かなのだ!!」

ロイ「これが愚かだと言った人間だ!」

というセリムを巡る二人のやり取りは非常に深い。


原作ではまだセリムの正体まで話が進んでおらず、アニメでのセリムの哀れな最期に視聴者は大きな衝撃を受け、スタッフも「どうしてセリムを殺すんだ!」と抗議したとか…。 



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最終更新:2023年08月13日 13:58

*1 容れ物から出た影は霧散して消滅する