ズオ・ルー(され竜)

登録日 :2012/03/16(金) 17:38:56
更新日 : 2015/08/03 Mon 14:03:55
所要時間 :約 4 分で読めます






人と人の形をした豚の見分け方を教えてやろう
人の形をした豚は泣き叫ぶだけだが、人は行動する


浅井ラボ著『されど罪人は竜と踊る』の登場人物。

一人称は『私』。
名前はウルムンに伝わる民話から。ある女性が自らの身を投げ打ったことで復活を遂げた革命の竜の名前である。

曙光の鉄槌の現党首であり十三階梯を上回る咒力を持つ。


所属:曙光の鉄槌
系統:数法系
異名:“砂礫の人喰い竜”
階梯:到達者級(十三階梯以上)


使用魔杖剣:
鈍色の魔杖剣



◇容姿
凄惨な傷痕が縦横に走る皺深い、しかし老いよりも老年を重ねた“長命竜(アルター)”のような強靱さを感じさせる顔に遮光眼鏡をかけた砂色の髪の男性。
その遮光眼鏡の奥の瞳は深い緑色をしている。が、それは大地を潤す若葉の緑ではなく、地獄の底で燃えたぎる緑炎の鬼火を思わせる苛烈さを内包した緑。

基本的に遮光眼鏡は外さず、また(挿し絵を見る限りでは)口元にもマスクをしているため、その素顔は見れない。ただ分かるのは皮膚の見える部分には必ず傷痕が通っているということのみである。

◇性格/特徴
十三階梯の“剣舞士”ギギナは彼を一目見ただけで『危険』と判断するほどの威圧感を持ち、ラズエル社御曹司レメディウス・レヴィ・ラズエルを人質とした身の代金交換の際には逸ること激昂することも無く交渉に参加し、レメディウスの急死と謎の第三勢力の襲撃にも取り乱すことなく冷徹に事を進めた。

また彼ら“曙光の鉄槌”に物資を売りつけた密売人パルムウェイ曰わく『無知と浅慮の末に破壊しか思いつけないような低能どもとは明らかに違う』と接触したことを後悔するほど理知的で、ある種の気品すら持ち合わせていると称した。
しかしやはり過激な反政府組織のリーダーであるためか、独裁政治の指導者ドーチェッタ打倒のためには手段を選ばず、作中では禁咒中の禁咒《六道厄忌魂疫狂宴(アヴア・ドーン)》を手に入れ、ラズエル社とそこにいる人間全てを目標にしたテロを予告した。

前述のレメディウスとは実はウルムン解放の下に協力関係にあり、レメディウス自身が自ら犠牲となることを承諾するほどの強固な信頼関係を築いていた。



◇戦闘方法
本来、強大な咒力と演算能力を持つ“竜”しか扱えない咒式干渉結界を人の身で纏い、発動する数法系第六階位《酸組式逆変法(スイー・トリー)》は“人喰い竜”の異名に違わぬ陰惨な虐殺風景を容易く生み出す。

また凡百の咒式士には不可能ともいえる“竜”並みの咒式干渉結界を張ったまま高階位咒式を多数同時展開するというムチャを平然と行い、十三階梯咒式士など歯牙にもかけぬ隔絶した実力を持つ。
彼と対峙したガユスは生命線である咒式を封じられそもそも戦えなくなり、ギギナの剣戟は結界に阻まれ、両者ともに掠り傷すら与えられず敗北した。





以下ネタバレ


























使用魔杖剣
“内なるナリシア”

その正体は死んだ筈のレメディウスその人。
ドーチェッタのようなゲスが安穏と生き、ナリシアのような優しい少女が苦しみ死ぬ理不尽な世界に絶望し自らを呪ったレメディウスは、ナリシアを“喰う”ことで死地から生還。
『弱く愚かなレメディウスは死んだ。ナリシアとともにな』と名を捨て、その天才的頭脳と強大な咒力を用いドーチェッタに対する“復讐”とウルムンの解放を目指して闘争を開始。

『灰よ、竜に告げよ』で起きた禍つ式事件及びラズエル社戦略級咒式発射事件は全てドーチェッタを殺し、民衆の手で独裁政権を倒させるための布石。曰わく『15年前から盤面の相手はモルディーンただ一人』とのこと。


なお、前述の人質交換の際に死んだレメディウスはズオ・ルーの一代前の党首であるゼムンの顔や体格を咒式で作り替えたものである。




ガユスは復讐のためなら何もかもを平然と踏みつけにしていく凶暴性を危険と判断し、後の悲劇を食い止めるために。
ギギナは『他人の遺志を自分の意思と勘違いしている』と不快感を露わにし切りかかるも前述の通り両者ともにダメージを与えることすら叶わず、ガユスたちに己の無力さと『天才』という言葉の重さを突きつける結果となった。





ナリシアの遺志も含めて私自身の意思。それを選び取った私の意志が私を動かす。それは私にも止められない


おまえたちでは私に勝てない。なぜならおまえたちには覚悟が足りない
賢しげに批判はできても、何もできないし何かをなそうとしない


そんな人間など恐れるに足らない。そんな人間は存在していないに等しい


おまえたちは惨めに地面を這いずっていろ。そして、そこでいつまでも負け犬の遠吠えでもしているがいい


しかし“天才”の気高い理想は民衆には終ぞ理解されず、武力蜂起を促すための演説の最中に民衆から石礫を投げられ逃亡。
逃亡先の隠れ家で死体となって発見されることになる。


追記・修正をお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/