エアームド

登録日:2011/04/30(土) 21:58:13
更新日:2024/04/25 Thu 12:07:50
所要時間:約 8 分で読めます




全身が硬いヨロイに覆われている。

時速300キロのスピードで空を飛び刀の切れ味を持つハネで切り裂く。




出典:ポケットモンスター、3話『ニャオハとなら、きっと』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

ポケットモンスターシリーズに『金・銀』から登場したポケモン


■データ


全国図鑑No.227
分類:よろいどりポケモン
英語名:Skarmory
高さ:1.7m
重さ:50.5kg
タマゴグループ:飛行
性別比率:♂50♀50

タイプ:はがねひこう
特性:がんじょう(一撃必殺技が効かない。HP満タンの状態からひんしになるダメージを受けても必ずHPが1残る)
  /するどいめ(命中率を下げられず、相手の回避ランク上昇も無視する。手持ちの先頭にするとレベルが5以上低い野生ポケモンの出現率が半減する)
隠れ特性:くだけるよろい(物理技を受けると防御が1段階下がり、素早さが2段階上がる)

HP:65
攻撃:80
防御:140
特攻:40
特防:70
素早さ:70
合計:465

努力値:防御+2

2倍:ほのおでんき
1/2:ノーマル/ひこう/エスパードラゴン/はがね/フェアリー
1/4:くさむし
無効:どくじめん


■概要


身体が「鋼の鎧」で覆われた鳥のようなポケモン。

鋼の身体により見た目は重そうだが、羽の中は空洞になっているため思ったよりもかなり軽く、時速300キロものスピードで飛行する事が可能。
その割に素早さ種族値は低いが…まあポケモンではよくあr(ry

その羽は非常に鋭い切れ味を持ち、これとそのスピードを武器に戦う。また戦いによりボロボロになっても、羽は一年に一回生え変わる。
昔の人々はそのエアームドから抜け落ちた羽を加工し、刀や包丁として使っていたらしい。
「はがねのつばさ」が最も似合うポケモンと言っても過言ではなく、自身もレベルアップで覚える。

主に茨の中に巣を作り、ヒナの頃から茨の棘に鍛えられながらその頑丈な鋼の身体を手に入れるという。

元々は「ヨロイドリ」という名前で、開発の最初の方にすでに原型が完成していたようである。

■ゲームでのエアームド


初登場となる『金・銀』では銀バージョンでのみ45番道路に登場する(対となるのはマンタイン金関係ないじゃん)。
入手は遅いが非常に硬く、育てればなかなか頼もしい。
ただし自力で覚える攻撃技、特にひこう技は極めて貧相なのでやや相手を選ぶのが難点か。
タマゴ技では「ドリルくちばし」や「ゴッドバード(クリスタルから)」を覚える。後者は溜め技ゆえに使いづらいので「ドリルくちばし」を採用したいところ。

ルビー・サファイア・エメラルド』では113番道路に登場。
特攻の努力値稼ぎでマグマッグ狩りやパッチール集めをしている最中に出てこられるとウザいため印象に残っている人は多いはず。
こちらは割と早めに捕獲可能で、やはり頼もしい。
ひこう技は相変わらず貧相だが、「つばめがえし」があるため随分とマシになった。

また地味に秘伝技を多く覚えるため対戦以外でも秘伝要員として優秀だったりする。
関連性は不明だが、スカーレット・バイオレットのDLCではブルーベリー学園での「そらをとぶタクシー」役に抜擢されている。
ヨルノズクの時もそうだったが、これでもエアームドの大きさは1.7mである。たださすがにパワー不足なためか担当するのは2匹。

主要トレーナーでは某ウィッシュことダイゴや、ヒワマキシティジムリーダーナギ、ミオシティジムリーダーのトウガン(強化後)、フキヨセシティジムリーダーのフウロ(BW2のみ)、アローラ四天王カヒリ(SMのみ)などが使用。

ポケモンコロシアムポケモンXDではスナッチ団ボスのヘルゴンザが使用。
前者はダークポケモンである。後者は普通のポケモンだが、スナッチ団アジトの戦いの際になぜかはかいこうせん」を使用する(本来は覚えられない)。

どちらもその硬さに泣かされた人は多いはず。

なお、対のマンタインはDPt進化前のタマンタが登場したが、エアームドには追加されなかった。
まあ、種族値を考えると防御120のきせき対応のはがね・ひこうとか言うとんでもないものが生まれるので、今となってはこれでいいのかもしれないが。

剣盾以降は本編には登場せず、DLCでの復帰が基本になっている。

なお、ヘビーボールが似合うポケモンにもかかわらず50kg弱しかないため捕獲率がダダ下がりになるちょっと困ったお方。
それを察したのかは不明だが、SVではネリネが交換でエアームドをくれるのだがなんとヘビーボール入りになっている。


■対戦でのエアームド


非常に高い防御力が特徴的で、それ以外の能力は特攻以外平均的な物理耐久ポケ。

独特かつ優秀なタイプを持ち、はがねタイプの弱点であるかくとうとじめんをひこうタイプと複合する事により打ち消しているため、
物理にとても有利な耐性を持つ。
4倍弱点は無く、弱点はほのおとでんきのみ。
さらに回復技「はねやすめ」を使うことで弱点をガラッと変えることができる。
物理系の強力な技が接触技が多いこともあり、接触技を受けた際に反射ダメージを与える『ゴツゴツメット』が持ち物としてメジャー。

ガブリアスのメインウェポンであるドラゴン技とじめん技を両方半減以下に抑えられるのが魅力。
げきりん」で突っ込んできたのを『ゴツゴツメット』で受けられればしめたもの。
この点は同じドラゴン受けでも「げきりん」を完全に無効化する=強制攻撃を解除するフェアリータイプにはないメリットである。
メガガルーラにおいても有用なポケモンだが、「グロウパンチ」の積みの起点にされることがある点は注意。
無論、役割破壊の「だいもんじ」には十分な警戒が必要。

このように耐性、耐久、そして習得技が絶妙にシナジーし、非常に優秀な物理受けとして有名である。
その凄さは、一時期物理アタッカーは真っ先にエアームド対策を意識していた程。
「無道」と呼ばれていたが、これは当時のオタクコミュニティが漢字変換や連想ゲームから俗語を作る傾向が強かったことに由来している*1。そもそも2ch用語にも「藁」ってのあったし。

また「まきびし」と「ふきとばし」を覚える事から多重コンボ(通称「昆布」)の始動役として最も有名なポケモンでもある。
自身の硬さとも相性が良いため、対戦で見掛けるエアームドはやはり昆布が多い。
……と思いきやそれを逆手に取り「ブレイブバード」で奇襲をかます突撃型も存在する。

他にも少数派だが「のろい」「つるぎのまい」で積む型、「こごえるかぜ」「おいかぜ」で素早さサポートに回る型などもあるので一概には言えない。
実用性はともかく、微妙に型が広いのも利点のひとつ。
ただ結局、第三世代以前は攻撃面にろくな技がなかったことも相まって、ヘンなことを考えない型が始末に負えないほど強かった。

欠点は鉄壁と言える物理面に対して特殊耐久はな事。特殊アタッカーの相手は出来る限り避けたい。特に弱点であるほのお技やでんき技を受けると致命傷を負う。
物理アタッカーの役割破壊的な「だいもんじ」「かえんほうしゃ」「オーバーヒート」にも非常に弱い。むしろエアームドのせいで物理アタッカーのほのお技持ちが流行ったぐらい。
ただ特殊面が紙というのはあくまで印象論に近く、たとえばくさやあくなどにはしっかり抵抗力を持つ。等倍弱点でも、たとえばタイプ不一致の「れいとうビーム」くらいなら割と耐えてしまう。

攻撃技もやや微妙で素の火力も決して高いとは言えないので、相手に負担をかけにくいのも地味に痛い。
一応「のろい」や「つるぎのまい」で補えないこともなく、「のろい型エアームド」なんてのも存在した。これもこれで結構厄介である。

補助技が中心の耐久ポケなので「ちょうはつ」等の補助技潰しにも注意したいところ。


~昆布とは~
「コンボ」を「昆布」と誤植されたのが語源。
「まきびし」「どくびし」「ステルスロック」等を蒔いた後、「ほえる」や「ふきとばし」で強制交代させ設置ダメージを与えていく戦法。
場合によってはさらに「すなあらし」が加わる。

一見、与えるダメージは少しずつで派手さに欠けるが、確実に相手のパーティをじわじわと削っていき体力を摩耗させていくコンボ…もとい昆布。
特に、相手の『きあいのタスキ』を潰したり積んで居座る相手に抜群の効果を発揮する。
戦略自体は残っているが、第五世代のあたりから「受けループ」という新しい俗称が台頭するようになり、第六世代の頃には完全に死語になっていた。

ぶっちゃけ今でも金銀で遊んでいるような人でもなければ、言われてやっと「あったねそんなの!」と思い出すようなものであり、物知りというよりオッサンの証明みたいなもん。
ポケモンも長寿ゲーなので、こういう略称の流行り廃りが存在する。決して公式が取り上げない陰の歴史を表記できるのが、この手のwikiのいいところだ。

とか言ってたらSVのDLC第二弾に登場するはがねポケモン使いのネリネのエアームドはこの昆布戦法を狙ってくる
がんじょう+タスキ持ちのアローラダグトリオで初手からこちらをじわじわ削ってくる難敵となっている。

■エアームドの歴史


登場直後の第二世代ではその性能は特に重宝され、当時の二大要注意ポケであるガラガラカビゴンの両方に強い事も相まって大活躍。
だいもんじを習得できる物理ポケモンは当時エアームド対策でサブウェポンとして搭載していることが多かった。
この時期はタイプごとに物理・特殊が決まっていたことは有名だが、エアームドは当時の物理タイプのすべてを等倍以下に抑えられる。まさに物理受けの鬼だった。
しかもはがねタイプなので毒も受けない。優秀なタイプと種族値が完全に噛み合ったポケモンだったのだ。

第三世代では「まきびし」を取得し、昆布の使い手になる。
さらに努力値システムの変更により両刀のポケモンが減ったため、物理受けとして起用しやすくなった。
しかも特性「がんじょう」を得たことで、耐久型のポケモンを一撃必殺で強引に突破するという戦略を物理受けを兼ねたエアームドがシャットアウトしてくれる始末。
先述の通り物理技を否定できる性能は相変わらずであり、特にエアームドが苦手な特殊技を否定できるハピナスと組んだ「ハピムド」コンボは伝説のように語り継がれている。
この2匹さえいれば本当にあらゆる戦略を否定できてしまう。現在なら対策として挙げられる「ちょうはつ」が当時は2ターン固定であまり強い技ではなかったこともあって厳しいポケモンだった。

言い方を変えれば、この2匹をどうにかできるようになって初めて対戦のスタートラインに立てるという存在と言えるのかもしれない。
ところでシンクロによる性格一致すらない劣悪極まりない厳選環境において、この2匹をどうにかできるような理想個体を入手できる確率がどれくらいあるかは……あ、ここにプロアクションリプレイあるじゃん!*2
そもそもまだレンタルwikiすらない時代で、しかも対戦環境が完全にがらりと変わった最初の時期。今では笑ってしまうほど単純なことも、当時としては高度な技術。
自分が常に勝つために「対処方法は自分で考えろ、気づけないような弱いやつは弱いやつ同士でつるんでいればいい」というスタンスの不親切な人も多く*3、そのコミュニティの空気になじまなければならないという当時の事情もあって対処できなかった人も多かったのだ。

さて、第三世代はおぼえるわざの把握が極めてめんどくさいことに加え、ローカルルールの多さ*4も相まって大変混迷を深めた時期である。
現在のようにLv50フラットというシステムがない上にコロシアムやフロンティアがLv100をLv50よりも上級のコンテンツとして用意していたこともあり*5、バンギラスやカイリューを使えるようにオープンレベルにしているコミュニティも決して少なくなかった。
このLv100コミュニティで極めて嫌がられた都市伝説のような戦略に「ハピムドバンギ」というものがある。
当時天候始動を行える特性を持つ一般ポケモンはバンギラスしかおらず、さらにすなおこしが永続。バンギラスを先発で出して悪天候スリップダメージ、あとは相手に合わせてくるくるポケモンを入れ替えて「ほえる」「ちきゅうなげ」などでじっくり腰を据えて戦うという、受けループの先祖ともいえる戦略である。
受けループについては当wikiの該当項目でたっぷり語ってくれてるのでこの世代の特有の話に移ると、この戦略の最大の恐ろしさは、当時のレスポンスの悪い通信においてものすごい勢いで乾電池を消費すること。
時間も金も精神力もすり減らされる戦略として大変嫌がられた。オフ会のポケモンコロシアムを用いた勝ち抜き大会などでこれをやってしまうと、待たされている他参加者が退屈してポケモン対戦を初めて大会の進行がしっちゃかめっちゃかになったり。

金銀の互換切りに怒ったプレイヤーが金銀世代に残ることを表明したり、公式大会のルールがダブルバトルだったこと、当時特有の不親切な仕様の数々もあり、第三世代のシングル対戦の研究は今とは比べ物にならないほど遅かった。
実際に研究が進んだ現在(2020年以降)ではそこまで強い枠というわけでもないようだが、15年以上前のそんな環境で気づけという方が難しい話。
今のように強いプレイヤーの真似が簡単にできるような時代ではなかった当時は、そういう素朴な話がいくつも残っている。


第四世代では「ステルスロック」の取得により昆布に磨きがかかり、強力なタイプ一致技「ブレイブバード」や再生回復技「はねやすめ」等も取得して使い勝手が向上した。
しかしこの時期には「技ごとに物理・特殊が設定された」「ゴウカザルをはじめとした炎ポケモンなどの台頭」「こだわりメガネ、いのちのたま、たつじんのおびなどの火力増強アイテムの強化」「スカーフトリックやちょうはつといった居座り型ポケモンへの対処策の強化」など、
第三世代以前でぶいぶい言わせていたエアームドにとって周囲の環境に逆風が吹き始める。さらに「ランダム対戦の整備」「レンタルwikiの一般化」「ポケモン対戦動画の流行」により研究が加速し、こういった戦略への対抗手段が簡単に講じられていくようになる。
第四世代の最初期、ゴウカザルの評価が「厨ポケキラー」だったのは、ひとえに上述のハピムド(+バンギ)パッケージにたやすく回答を用意できたからだというのが挙げられるほど。
この時期にもなるともはや往時の強さは見られなくなり、対処の容易な平凡なポケモンという評価に落ち着いていった。
もちろんそれでも不用意な「げきりん」を相手に出てきて居座ったりはできたわけだが、第三世代での悪評もあってかエアームドは徹底的にマークされていくことになる。

特殊受け代表のハピナス等と組ませると良いが、双方を倒せるゴウカザルの登場があったり、
一時期はガブリアス等の物理アタッカーが「だいもんじ」等を搭載した時期もあったり、徹底的にメタられた時期もあった。
スカーフトリックをはじめとした新しい戦術も台頭し、古い戦略しかとれなかったエアームドは次第に苦境に立たされていくことになる。

さらにはプラチナ発売では二刀流ポケ代表とも言えるボーマンダが大暴れし、同じく強化されたサンダーの台頭もあってか、エアームドはガチ環境から姿を消してしまった。
対戦の理論が大きく躍進し、エアームドの強さはそれほどでもないと知られるようになったのも大きいだろう。そもそも伝説のポケモンが台頭すれば種族値が劣るポケモンが姿を消すというのはどんな世代も同じだし。


第五世代では特性『がんじょう』の強化と世代ごとに強化されている。
しかし発売当時はナットレイポリゴン2等、他に強力な受けポケも多かったせいか、時代は辛かった。

しかし『マルチスケイル』カイリューの登場でステロの需要が高まったり、
ローブシンドリュウズといった「積んで全抜きを狙う」物理アタッカー増加、二刀流アタッカーの減少等で、
それらに強い&『がんじょう』強化もあり安定してステロが蒔けるエアームドが評価され始めた。
新アイテムの『ゴツゴツメット』のおかげで「はねやすめ連打してるだけで勝てる」状況が出てきたのも嬉しい。
同じはがねタイプのハッサムやナットレイと違って「めざめるパワー(炎)」が4倍じゃないのも強み。
『がんじょう』が大幅に強化されたとはいえ、『かたやぶり』には問答無用で貫通されてしまうため、『かたやぶり』と一撃必殺技を両立できるカイロスドリュウズオノノクスあたりは特に注意しておきたい。

そしてラッキーやグライオンと組んで「受けループ」を作り出すPTも開発されたりもしており、過去の栄光をすっかり取り戻した。

が、第六世代でははがねタイプの耐性からゴーストあくが消滅。相対的に耐久力が落ちる羽目に。
同時にフェアリー耐性を入手したものの、フェアリー技は「じゃれつく」を除いて全て特殊技であり、特殊耐久は紙であるエアームドにとっては半減でも結構痛い。
その為第五世代に比べるとやや数を減らしているが、一応第六世代は物理偏重環境ではあるため、まだ需要自体はなくなってはいない。

第七世代では長らく固有タイプだったこの複合タイプ2匹目のポケモンとしてテッカグヤが登場した。
攻撃力や特殊耐久はボロ負け、物理耐久も迫られると一見あちらの劣化に成り下がったように見える。
しかし、あちらは高速再生技も設置技も覚えず、『がんじょう』も持たないので差別化は容易。
というよりエアームドの動かし方は数世代前から受けループの一角としての流し要員に特化しているので、構築段階で実際にテッカグヤを意識することはまずないだろう。

またテッカグヤの他に半減なはずの「サイコキネシス」を受けられないカプ・テテフが登場したことから失速したとの評価が初期に多かったが、
エアームドは本来特殊アタッカーに積極的に受け出す動きはしないので結果的にこれも杞憂に終わっており、はがねタイプ自体の相対的な地位上昇もあって第六世代と同等の使用率を堅持している。

第八世代では、剣盾のDLC『鎧の孤島』で再登場したことでランクバトルで使えるようになった。
この世代で覚える新技は有用なものに限れば「ダブルウイング」「ボディプレス」の二つ。特に「ボディプレス」は自身の非常に高い防御を攻撃に転用できることから火力面での強化が大きく、「てっぺき」と併用すれば詰みに追い込むことも可能。
勿論今までの主流戦法だった昆布も可能だが、「どくどく」は没収されてしまった。
この世代では同じ複合タイプのアーマーガアが新たに登場しており、攻撃、特殊耐久で差を付けられており、物理耐久もほぼ同等とまたもや強力なライバルが生まれてしまった。
しかしあちらは「ステルスロック」「ふきとばし」を覚えないことや特性の違い、「ボディプレス」の火力差や素早さと差別化要素は多々あるのであまり気にしなくていいだろう。
意外にもダイマックスとの相性は良く、「ダイジェット」と『くだけるよろい』で素早さをガンガン上げられるため、『じゃくてんほけん』がほぼ必須なもののまさかのアタッカーとして奇襲の域を越えかねない活躍が望める。

ともあれエアームドの全盛期の話というのは、今ではもう個人サイトの閉鎖やサービス終了などもあり「若い人の耳目を集める面白い話」くらいしか残らない傾向がある。
いわば「耐久全盛と個人コミュニティの時代」「互換切りと新しい対戦ルールの時代」「通信の配備と研究の加速の時代」という、ポケモン対戦の混沌期を常に前線で歩んできたポケモンだったのだ。


■アニメでのエアームド


アニメでは金銀編で登場。
タケシロコンをたやすく倒し、サトシヒノアラシを戦闘不能寸前まで追い込むが、途中でやる気の炎に目覚めたヒノアラシに敗れる。

他にはジュンがシンオウリーグで使用。
「まきびし」を撒いただけでシンジブーバーンの「かえんほうしゃ」の一撃で倒れるが、シンジのポケモンに交代する度にダメージを与える役目だった。


■エクスプローラーズのエアームド


出典:ポケットモンスター、3話『ニャオハとなら、きっと』、
2023年4月14日から放送中。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon

アメジオの部下であるジルとコニアの空を飛ぶ要員として登場。
エクスプローラーズはリコロイ編におけるロケット団ポジなので、エアームドもなかなかのポジションを得た。


■ポケモンカードゲームでのエアームド


第二世代の「ポケモンカードneo」から登場。当時特殊なルールを用いていた鋼タイプの貴重なたねポケモンとして多くのカードが印刷された。
しかし肝心の鋼エネルギー(のちの特殊鋼エネルギー)はデッキに最大4枚までしか入れることができず、しかも鋼タイプ以外につけることで反動ダメージを抑えるために用いらて規制がかかり、
ワザを使うのに鋼エネルギーが必要になるエアームドは大して使われなかった。つまり遊戯王でいえば《サイバー・ドラゴン》が強すぎてまったく使われなかった派生モンスターみたいなもん。 

その後鋼タイプがすっかり一般化したことで、エアームドもごくごく平凡なポケモンになってしまった。
初期のイラストは現在のものと異なりメカっぽい印象が強く、ポケモンの作画資料の変遷などの裏方事情をそこはかとなく察せるようになっている。


エアームド「Fight on Fly now 鋼の翼 羽ばたかせ♪」



記事の中に追記修正を施す。編集合戦で傷つきながら育てられた記事の量は多くなる。

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最終更新:2024年04月25日 12:07

*1 後述の「昆布」という俗称もこの流れに近い。この手の略称で悪い意味で有名なのが「炭水化物」。コメットパンチ→コメパン→米パン→炭水化物、というものである。その痛々しさから今でも語られることがあるが、当時からすでに「ああいう略称使う奴とは距離置こうぜ」となっていくタイプの俗称だった。他にもKEKKINGUとキーを打つ手間がまったく変わらない「欠勤王」なんてのもある。個人サイトの時代というのは今のwikiやまとめサイト、Youtubeやニコニコ動画、note、その他大手サイトのような強いコミュニティというのがなく、この手の話題がガラパゴス的に発展しやすかったのだ。

*2 ポケモンの第三世代はGBAのチートの敷居の低さと厳選環境の劣悪さから、対戦の場において改造が大横行した。中には改造を部分的に容認しているコミュニティもあったほど。レコードチェンジをして出現した秘密基地で本来覚えない技をふんだんに使ってくるポケモンがいるなんてまったく珍しいことではなく、口では改造大反対と言っておきながらしっかりPARのお世話になっている人が上級者の中にもいたほど。本当にそれくらいすごい環境だったのである。また、ニコニコ黎明期の「改造ポケモン」も基本的に第三世代のROMを使っている。つまりあんまり理想的な個体を持っていると逆に改造が疑われるような時代だったってこと。エメループはその点本当に画期的な発見だったのだ。

*3 レンタルwikiによる戦術の共有が一気に流行したのは、昔のインターネットの不親切な雰囲気に対する反動というのもある。現在では逆に収益化の容易さもあって「強い人にじっくり教わりたい」というスタンスに人気が出てきたようだが。

*4 これ自体は第二世代にも存在していた。当時の対戦ゲーはポケモンに限らずTCGや格ゲーなども、バランスが悪すぎるゲームにローカルルールで対処して多様性を保つということが行われており、こういったローカルルールを嫌う層と非常に激しい対立を起こしていた。ただそういったことを加味しても第三世代はかなり混迷を深めており、その世代で現役で遊んでいた人を3人連れてきたら証言が全員食い違うなんてこともざらにある。

*5 「Lv50だと進化前が出てくるが、Lv100だと使うポケモンが最初から強い」など。