登録日:2011/10/02 Sun 23:06:54
更新日:2024/04/15 Mon 20:21:34
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作中では、主人公カイジが落とされた
帝愛グループの地下強制労働施設で流通されている。
表には未来永劫認知される事は無いだろう。
価値は日本円のきっちり10分の1。
例えばカイジらのひと月分の給料91000ペリカ→9100円となる。
地下強制労働施設の日当は35000ペリカ=3500円だが、そのうち借金の返済(2000円)、シャワーなどの施設利用料、食費(1150円)と言った名目で9割が持って行かれ、
実質的な手取りは1日3500ペリカ=350円である。
週1日の休みがあり、計26日の労働で月給が91000ペリカとなる。
目次
【概要&デザイン】
作中で確認できる限りでは3種類のペリカが確認できる。
どれも、日本紙幣において本来偉人の顔が印刷されている箇所に、帝愛グループ会長である
兵藤和尊の顔が刷られている。
10000ペリカには真正面から見た兵藤。
1000ペリカには兵藤の横顔。
100ペリカにはこちらに流し目を送る兵藤。
そして兵藤の顔と共に、中央に『TEIAI』の文字が貼り付いている。
裏面を見ると、『MONEY OF HYODO』
直訳すれば『兵藤の金』 である。
帝愛、兵藤……見るたびに連想される、自分を呪いたくなる言葉が書かれているこの札。
しかしこの札、地下生活で生活する者達の希望である。
札のデザインがどうであれ、地下生活者はこれを貯める。
デザインなど気にできないほどにこの紙幣は魔力に満ちている。
カイジを初めとした労働者もこの資金の為に働き、ギャンブルをしたのだから。
【勤労奨励サービス&地下のチンケな売店で販売している物の一部】
商品 |
値段 |
備考 |
一日外出券 |
500000ペリカ |
24時間地上に解放される。必要日数分購入することで二日以上の外出もできるほか、手持ちのペリカを円に両替してもらえる。 解放地点は前もって指定するかたちで、日本国内に限られる。許可されるには条件有り。 移動範囲は日本限定であり、かつ発信機付きの腕時計と黒服による監視がつくため逃亡は当然不可能だが、逃亡の意志さえ見せなければ移動は比較的自由らしく、『1日外出録ハンチョウ』ではレンタカーによる長距離旅行や徒歩で東京→神奈川の越境を行っている。 それでも抜け道があるのか『賭博黙示録』では大槻班長がハワイ旅行を構想している。 |
一日個室券 |
150000ペリカ |
24時間労役を免除され、旅館風の個室での休養を許可される。エアコン、ビデオ、浴室等を備える他、食事などの各種ルームサービスあり。冷蔵庫にあるビール(アソヒ・ハイパードライ)は缶と瓶の二種類あり、三本まで飲める。 食事サービスは有料で、下記のフルコースディナーの三種類+イタリアンの各30000ペリカ。 マッサージなどルームサービスの多くは無料だが、基本的に名ばかりのセルフサービス。ただしカラオケだけはまとも。自分の歌声が思い切り外に聞こえることを除けば。 |
フルコースディナー |
100000ペリカ |
和洋中の三種類がある。作中に登場したのは洋食のみで、内容はTボーンステーキにサラダ、スープにライスと豪華な内容。 ただし肉はあまり良い物ではないらしく、『ハンチョウ』で登場した大槻の邪神(肉食欲の化身)には逆効果であった。 |
サービスランチ |
30000、20000、10000ペリカの三種類。 |
普段の昼食はおにぎり二つに漬け物というものなので弁当ではないかと思われる。アニメ版『ハンチョウ』では高い方から順にポークステーキ+ライスorパン、オムライス、カレーライス(全てサラダとコーヒーor紅茶付き)。 |
ポテチ(うすしお味) |
3000ペリカ |
カルビーポテトチップス |
ザッポロポテト |
3000ペリカ |
バーベQあじ |
ホカホカ焼き鳥 |
7000ペリカ |
きちんと電子レンジが用意されており、注文が入るとレンチンしてくれて、名前の通りホカホカで食べられるようになっている |
肉じゃが |
- |
値段は不明だが、カイジが焼き鳥と一緒に食べている。 |
チーズちくわ |
5000ペリカ |
|
ビール250ml |
3500ペリカ |
|
ビール350ml |
5000ペリカ |
漫画ではアソヒ・ハイパードライ。映画ではキリン一番搾り。 |
ビール500ml(ロング缶) |
6000ペリカ |
ビール缶3種の中では最もコスパが良い。班長の商才がうかがえる値段設定。 |
柿ピー |
1000ペリカ |
|
柿ピー小袋 |
500ペリカ |
|
柿ピー3粒 |
100ペリカ |
|
いかくん |
8000ペリカ |
映画版で値段が判明。 |
オードリーヘップパーン |
3000ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。C班での映画『ローマの休日』上映記念のスペシャルあんぱん。 |
当りつききなこ棒 |
一回50ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。C班限定の品。値段が判明した物の中では最安値。 |
グリコ プリッツ |
2000ペリカ |
『ハンチョウ』で値段が判明。サラダ あっさり塩味 |
ブルボン ブランチュール |
3000ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。 |
チョコチップクッキー |
2500ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。 |
地下チンチロリン参加料 |
300ペリカ |
|
柿放題 |
1ヶ月5000ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。上記の柿ピー1袋が1ヶ月5000ペリカで最高10袋まで食べられる(実質半額)。 |
KP Unlimited |
6ヶ月30000ペリカ |
柿放題を6か月分契約すれば柿ピー無制限で食べ放題。但し、途中解約は30000ペリカの違約金。 さらに無料で解約するには契約してから丁度6ヶ月後の日のみでその日に解約しないと自動更新される。つまりその日大槻が一日外出していると…描かれてないけど暴動や大槻の物販店不買運動まで行くんじゃないかなこれ |
地下映画館 |
10000ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。 C班の班長・小田切によるタブレットを使っての映画鑑賞。 |
スムージーパック |
10000ペリカ→非売品 |
『ハンチョウ』で登場。兵藤の機嫌が良い時に地下に提供されたミキサーに合わせて大槻が販売。 ミキサーでスムージーにする用のカットフルーツで、ラズベリー+リンゴ+オレンジのラズベリーロマンスなどの味が存在した。 地下映画館の人気を主にミキサーの稼働音で映画の音を意図せず妨害して食うほどの勢いを見せていたが、その後兵藤の機嫌が悪くなりミキサーが没収されたので現在は非売品。 |
地下プロテイン |
100g 8000ペリカ |
『ハンチョウ』で登場。大槻が地下の筋トレブームに便乗して販売。フレーバーはチョコ、バニラ、バナナなど |
ブルボン アルフォート |
1枚1000ペリカ(転売価格)→取り扱い禁止 |
ブルボンのお菓子の中でも特に人気であったが、その人気故にダフ屋行為が横行した為、現在は取り扱い禁止 |
アングラモンスターズカード |
1パック5枚入り3000ペリカ→5000ペリカ →取り扱い禁止 |
D班班長瀬戸内入魂の創作カードゲーム。 大槻の介入もあって大流行となったが決闘者達の間で問題行動が目立ち始め、労働時間中に影で決闘していた者が出たのをきっかけに販売中止。 既に流通していたカードも全て黒服に没収されてしまい、現在は取り扱い禁止。 |
これを円に換算するといかにぼったくってるか分かるだろう。
ただ映画のみ1000円なので、普通の映画館の相場が1800円なのを考えると寧ろ割安ではあるが。(ただしタブレット鑑賞。なお発案者は大槻ではなく小田切である)
しかし地下での娯楽は飲み食いと書庫にある古本、古雑誌と
囲碁、
将棋、
トランプの類。
そして条件付きで許可される第一第三第五土曜日のギャンブルなどのみ。よっていとも容易く消費されてしまう。
数日分の外出券ともなると、まず他人から騙し取らないと貯まらない。
ただ物販に関しては、『ハンチョウ』で班長自身が外出券を使って仕入れをする描写があるため、割高にしないと利益がでない可能性が高い。
また外出券の購入に関して黒服自身がお金を出してもらうことも可能らしく、『ハンチョウ』では
宮本の誕生日に
大槻・
沼川・
石和を呼ぶ為、3人分の外出券の半分の費用(75万ペリカ=7万5000円)を宮本が出していた。
なおアルフォート以外のブルボン製品については1班につき3種まで販売でき、また品目がかぶらないように
ドラフト会議で決められている。
外出権の5万円も割高に見えるが、誰か1人が1日外出をすると帝愛の黒服が
24時間常に監視をしている
ため
1人が1日外出するのに黒服が少なくとも3、4人は交代で拘束される。
いくら帝愛がブラックだとしても5万円のうちほとんどがその分の人件費で飛んでしまう。
逃亡防止の各種対策処置まで考えると本当に儲け度外視の勤労意欲向上サービスなのだろう。
また、病院で出される疾患などに対する薬剤にもペリカが必要で、過酷な肉体労働で怪我を負う、または不健康な労働環境で病気にかかり、しかし治療の為のペリカが払えずそのまま……という労働者も珍しくはない。
そもそも労働者用の医務室自体も、例に漏れず環境は劣悪な上に医療設備自体も不十分で、更に治療にあたるのは田沼という医師免許も無く医療技術はおろか知識すらもあるのか怪しい担当医とは名ばかりの債務者。
そのため、治療費を余裕で払えるはずの大槻すら『ハンチョウ』にて一日外出で片足に打撲を負った際には、完治出来ずやむなく再度外出して自己療養を余儀なくされている。
故に、怪我であれ病気であれ本格的な治療が必要な場合は地上の病院などで治療を受けねばならず、当然ながら治療費以外に外出券購入の負担も発生するため、多くの労働者はまず簡単には払えないだろう。
ただし労働者は借金の利息が免除されているため、給料から引かれている返済分により着実に借金は減っていく。帝愛にしては珍しくその点ではトラップが無く、完済すれば地下から解放される。
『ハンチョウ』では木村が満期で地下から解放されるシーンがある。
なお作中で地下強制労働施設が建設しているのは地下シェルターに加えテニスコートなど、総理大臣など政界に属した人間にも贈与できる規模の物件である。
帝愛グループ会長である兵藤和尊はこれを「王国」と呼んでいる。
【余談】
〇TBS系のTV番組「
水曜日のダウンタウン」では実際に紙幣となったペリカが製作された。ある企画で使われる予定だったのだが、トラブルによってその企画はお蔵入りとなってしまった。その後「雑誌広告の札束風呂 絶対後入れ説」という企画で現金の代わりにペリカが使用されている。15億ペリカ近く作られた為、今後も登場することが期待される。
〇上の「水曜日のダウンタウン」スタッフが作った番組「カイジ 人生逆転バトル」では、一般視聴者とモノマネ芸人が換金可能なペリカを奪い合うというシュールな戦いが繰り広げられ、何故か強制労働と物販まで再現された。
〇カイジと同作者の作品「
天 天和通りの快男児」のスピンオフ作品「
アカギ」の更なるスピンオフ作品「
ワシズ 閻魔の闘牌」でも地下帝国に似た強制労働施設が登場しており、同様に独自の通貨が流通しているのだが、こちらでは施設が偽札工場の隠れ蓑という裏面があり、その為独自通貨も不必要な程精巧に作られているという設定になっていた。
〇かつての日本の炭鉱では、これによく似た「炭鉱切符」なる私製貨幣が実際に用いられていた。各炭鉱の内部でのみ通用し、売店で日用雑貨や食用品と交換できるシステムだったが、「いつでも日本円へ交換できる」と掲げているのに実際には出来なかったり、出来ても謎の手数料が差っ引かれていたり、ひどいときには責任者の交代に伴っていきなり紙切れと化すというとんでもない代物だったそうだ。経営者側は給料の何割か(炭鉱によってはほぼすべて)をこれで支払うことによって賃金を抑えて丸儲けでき、さらには労働者の脱走のハードルを上げることも出来て一石二鳥だった。逆に言えば労働者側にはメリットゼロだった。
〇特に沖縄・西表島にあった西表炭鉱は、炭鉱切符のシステムに加えて、島外で声をかけて連れてきた労働者に運賃やら斡旋料やらの名目で借金を背負わせる→借金返済のために問答無用で働かせ続けるという回避不能のトラップを構築し、さらには孤島であるゆえに正規の連絡船以外では脱出できないという、地下帝国そのままの強固なタコ部屋構造を完成させていたことで知られる。
〇↑のような事態を防ぐために、戦後に制定された労働基準法では「賃金はよほどのことがない限りちゃんと通貨で支払うこと(意訳)」ときっちり定められている。なので、仮に地下帝国の労働者たちの給与が10倍100倍に高くなって地上の平均月収を上回るところまでいったとしても、ペリカである限りは法的にアウツである。ただ、作中で描写されている限り、ペリカと日本円の交換はキチンと事前に公表されているレートで行われており、そこにトラップはない模様。
〇また、作中でペリカの偽造防止技術がどれほどかは不明だが、その態様によってはすき入紙製造取締法に抵触する恐れもある。
最終更新:2024年04月15日 20:21