母なる系呪文(DM)

登録日:2011/11/25 Fri 22:36:20
更新日:2024/03/12 Tue 12:22:35
所要時間:約 25 分で読めます






大いなる大地の力よ!今ここに奇跡を起こさん!


母の意志は時により鋭く、より攻撃的となる。


星の力が古き紋章に宿る時、禁断の力が世界に蘇る。



母なる系呪文とは、TCGデュエル・マスターズ」に登場する《母なる大地》から派生するカード群のことを指す。
どの呪文も
  • 自然文明の呪文
  • マナゾーンと場のクリーチャーを入れ替える
という特徴を持つ。
自由度の高すぎた元祖《母なる大地》の調整版として性質を残しつつ、スペックを落としているという側面が大きい。


元祖

母なる大地 R 自然文明 (3)
呪文
S・トリガー
バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置いてもよい。そうした場合、そのマナゾーンにあるカードの枚数とコストが同じかそれ以下の、進化クリーチャーではないクリーチャーを1体、そのマナゾーンから選ぶ。そのプレイヤーはそのクリーチャーをバトルゾーンに出す。

初代「母なる系呪文」にして全ての元凶。
効果が少し分かりにくいが、要するに場とマナゾーンのクリーチャーを入れ替える。
単純に考えるとアドバンテージが取れず、微妙に感じるかも知れない。
しかしながらこのカード、マナルールブレイカーの問題児かつデュエマ史上屈指の汎用性を誇り、現在はプレミアム殿堂に指定されている超強力カードである

何故このカードが強力かというと、まずデュエマでは要らないカードをマナゾーンに置いてマナを発生させる必要がある。そこで、大体の場合は序盤マナコストが大きくて使えないカードをマナゾーンに置く。
このマナゾーンに置いた強力カードを、後半に僅か3マナ(出したいカードをタップして使えば実質2マナ)でマナゾーンから出せるのである
高マナカードほど単体で強くマナ数に対してアドが稼ぎやすいカードが多いので、このカードとマナゾーンに戻すクリーチャー分のコストを加味しても、それを補って余りあるアドを得ることも容易い。

しかもマナゾーンからクリーチャーを選ぶ時にそのクリーチャーのマナコストの数以上のカードがマナゾーンに無ければならないが、場のカードをマナゾーンに置いてからマナを数えるため実際には1マナ軽くなる(=1ターン早く出せる)のも見逃せない。

しかもちゃっかり文明指定が存在しないため、適切な文明がマナに存在しなくても場に出すことができてしまう

当然ながらマナゾーンのクリーチャーが使えるということは疑似的な手札同然で事故が起きにくくなり、マナゾーンのクリーチャーの種類が増えるほど柔軟性があがり強くなる。
つまり万能サーチカードに近い動きができるため事故を抑えつつデッキの同名クリーチャー数を減らせて、その枠に他のカードを入れることができる

さらに場のクリーチャーをマナゾーンに置き、そのあとマナゾーンから同じカードを出すという動きも可能。
CIP能力を使い回すことが可能で間接的に手札補充からサーチ、除去にまで変化する。

そして更に、なんとシールド・トリガーも付いていて相手のカードも対象に取れるため、このカード単体でも疑似除去になり対速攻や対ビートダウンでも腐らない
勿論、対コントロールで相手のシステムクリーチャーを除去、もしくはその場面では逆に不利に働くクリーチャーに無理やり変換しても強い。


この様にたった3マナにも拘わらず、序盤中盤終盤まで完全に腐る場面が存在しないほど超多様な使い方が可能であるのがこのカードの強い所である。
特にマナコスト数はおろか、文明をもある程度無視できる疑似的な万能サーチカードであることはゲームデザイン上の大問題であり、
本来は開発側の意図しない強さと引き換えに事故りやすいデッキ、つまり多様な文明でハイランダーに近い=多様な状況を想定した万能デッキをこのカードで無理やり回すことができてしまう
そのため同時期に使えた【ボルバルザーク】デッキは異様な数の派生が誕生し、あらゆるデッキに対抗し続けることができてしまうことになった元凶でもあった。
無論このようなカードがあっては《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》のように正常にデザインした筈のカードが壊れカードになってしまう可能性があるなど、まともに後発カードの開発ができなくなってしまうため、プレミアム殿堂入りするのは時間の問題であった。


「母なる〜」派生

母なる紋章 R 自然文明 (3)
呪文
文明をひとつ選ぶ。バトルゾーンにある自分の、選んだ文明のクリーチャーを1体、マナゾーンに置いてもよい。そうした場合、その文明と、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャー1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

《母なる大地》の最初の調整版。
色を指定しなければならず、相手に使えないことにより汎用性はかなり下がった。
しかし、進化クリーチャーを出せるようになった。これは後の【エンペラー・キリコ】デッキで非常に重要になる。

また、根本的なマナゾーンとクリーチャーの入れ替えギミックや、cip使い回しが可能な点は変わっていない。
自然が入るとほぼ間違いなく入っていた本家ほどではないが、これも多くのデッキでよく使われていた。
後述する《ギャラクシー》とのシナジーが強力だったこともあり、調整版のこのカードも殿堂入りし、後にプレミアム殿堂入りになった。

母なる星域 R 自然文明 (3)
呪文
バトルゾーンにある自分の、進化ではないクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。そうした場合、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化クリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

《母なる大地》というよりも《母なる紋章》の調整版。調整版の調整版って……
「進化クリーチャーも出せる《紋章》」から「進化クリーチャー専用の《星域》」と変わった。その代わりに文明制限は撤廃されている。
今までと比べて出せるクリーチャーの幅がかなり狭くなり、汎用性は著しく下がったと言える。
しかしやはりマナとクリーチャーの入れ替えギミックが強力であることに変わりはなく、それまで微妙な性能だった【エンペラー・キリコ】デッキを一気にトップメタに押し上げた。

【キリコ】は本人のプレミアム殿堂入りによって消滅し、その後目立ってこのカードが暴れることは無かったため、
上記の二枚と違ってプレミアム殿堂となっていない母なる系呪文でもある。このカードの登場でようやく《母なる大地》の調整は完了したと言える。

幻緑の双月 P 自然文明 (2)
クリーチャー:ビーストフォーク 1000
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、自分の手札を1枚、マナゾーンに置いてもよい。
母なる星域 P 自然文明 (3)
呪文
自分の進化ではないクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。そうしたら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ進化クリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

ツインパクトとなった《母なる星域》。相方は《幻緑の双月》。
派生元2種が殿堂→プレ殿と使える枚数が減っていったのに対して、なんと《星域》は8枚体制で投入することが可能となった。

使用感に関しては元のカード2種を普通に足したようなもの。ただし、カードタイプにクリーチャーを持ったことで《クイーン・アマテラス》による踏み倒しは不可能となった。
《星域》は低コストとはいえ序盤に使っても効力を発揮しなかったため《双月》面のおかげで序盤に引いても腐らなくなったほか、このカード自身を効果のタネとすることも可能に。
ただ新章ではNEOクリーチャーの登場から純粋な進化クリーチャーの新規カードがほとんど無いため、踏み倒し先がインフレについて行けていない。*1

後の王来篇において、進化クリーチャーの大幅なテコ入れが入りこのカードの活躍の機会が増えると思われたが、同時に早出しギミックも増加したためこのカードの採用率が上がるという事もなかった。
しかし続く王来MAXにて、
  • 進化元を必要としないS-MAX進化クリーチャー
  • 横に殴れるクリーチャーがいれば出したターンでゲームエンドまで持っていける
という要素を持つ鬼札中の鬼札、《CRYMAX ジャオウガ》が来てからは状況が一変する。

  • マナに《CRYMAX ジャオウガ》がいる状態で6マナたまっており
  • 適当なクリーチャーと攻撃可能なクリーチャーがいて
  • 自然を含む使用可能なマナが3マナある
という上記三つの条件がそろっていれば即、デュエルを終わらせることができる凶悪カードとして頭角を現した。

一見すると三つも条件を達成することは少々難しいように思えるが、メインで採用されるデッキである【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】では《天災デドダム》や《地龍神の魔陣》をはじめとしたリソース回復手段が豊富であり、普通にデュエルを進めるだけでも以上三つの条件を達成することは容易だったりするため、当デッキにおいては《CRYMAX ジャオウガ》に並ぶ超重要カードの地位を確固たるものとしている。

cipを使い終わった後のクリーチャーや召喚酔い、デメリット効果で攻撃出来ないクリーチャーをタネにすれば無駄も省けて一石二鳥、序盤に《CRYMAX ジャオウガ》をマナに置いたとしても《星域》の効果で引っ張り出せることでマナ管理も容易となるのに加え、実質的な召喚コストを4少なくすることができるなどまさに至れり尽くせり。

ちなみに5マナしかたまっていない状態でも《デドダム》を出して効果で単色マナを埋めることで《星域》を唱えるマナを確保して6マナに到達できるうえ、召喚酔いしたそれを《CRYMAX ジャオウガ》に変換できるという即効かつ無駄のないコンボが可能。
加えて《CRYMAX ジャオウガ》がマナにない状態でも《デドダム》の効果によってマナ埋めし、強引にフィニッシュを決めに行くことができるのも評価ポイント。

また【青黒緑CRYMAX ジャオウガ】では
  • 別に最速召喚を狙わず各種ハンデスやメタカードで相手を固めてからフィニッシュする」コントロール寄りデッキ
  • 各種マナブーストを駆使してとにかく《CRYMAX ジャオウガ》の最速召喚を狙うアグロ寄りデッキ
の主に二種類に大別されるほか、周囲の環境の変遷に対応する過程で採用枚数が変動したりすることはあるものの、いずれの場合にも《星域》からの《CRYMAX ジャオウガ》が強力ムーブであることに変わりないので基本的には3枚以上採用されるのがほぼセオリーとなっている。

神歌の星域 R 自然文明 (3)
呪文
バトルゾーンにある自分の、進化ではないクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。そうした場合、自分の最大マナ以下のコストを持つオリジン進化クリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

デュエプレ版の《母なる星域》。
コスト踏み倒しの対象が進化オリジンに限定され、TCG版で猛威を振るった【星域キリコドラゴン】や【キングロックキリコ】のように多彩な進化クリーチャーを踏み倒すことが出来なくなっている。
また、TCG版から大幅強化された《超天星バルガライゾウ》や究極進化との兼ね合いもあるものと思われる。

母なる緑鬼龍ダイチノカイザー P 自然文明 (7)
クリーチャー:グリーン・コマンド・ドラゴン/ハンター/エイリアン 7000
このクリーチャーが攻撃する時、相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つ、進化ではないドラゴンを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出してもよい。
W・ブレイカー

呪文ではないが効果や名前的に《母なる大地》の派生であるためここに。
「マナゾーンにあるコスト以下のクリーチャー」を「マナゾーンからバトルゾーンに出す」効果を持っているが、元手のクリーチャーが要らないなど色々と別物。
まず第一にコストが重い。そして効果がアタックトリガー故即効性でないため除去に弱い。更に効果を使えるか不安定。極め付けに7コストのドラゴンにはもっと有用なクリーチャーが大量にいると、かなり不遇。
構築済みデッキの枠埋めカードであるため仕方ないとも言えるか。

母なるパック P 自然文明 (3)
呪文
自分のクリーチャーを1体、マナゾーンに置く。
デュエマの未開封拡張パックを1つ開けて、相手に見せる。その中から、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体選び、バトルゾーンに出す。残りを自分のコレクションに加える。

母なる系呪文と《カモン・ビクトリー》系列のハイブリッド。
《カモン・ビクトリー》系列として見た場合、開封するパックに制限が無くなっているため、パックの絶版を気にすることなくカジュアルな場で使えるようになっている。どういう心配だよ
実用性はランダム性が高すぎる時点でお察し。更に公式ルールの関係で店舗大会ならともかくCSなどでは使用できない。
地味にマナ送り効果と踏み倒し効果が別口になっているため、マナに送るタネがいなくても踏み倒しを行うことができる。だからどうした。

母なる聖地 R 自然文明 (4)
呪文
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体、タップしてマナゾーンに置く。その後、そのクリーチャーよりコストが小さいクリーチャーを1体、自分のマナゾーンから出す。

マナゾーン版《転生スイッチ》といった趣きの調整版。
踏み倒す対象を参照する際の数値がマナへ送ったクリーチャーの コスト となった。
使い勝手は変わっているが便利な呪文である事に代わりはなく、早出しできる名目コストが大きいクリーチャーを入れ替えれば早期に強力なクリーチャーを踏み倒し可能。
《予言者ローラン》や《雪精 ベルベール》を媒介に、コンボデッキでの採用が見られる。


「〜大地」派生

父なる大地 C(UC) 自然文明 (3)
呪文
S・トリガー
相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。その後、進化ではないクリーチャーを1体、相手のマナゾーンから選び、相手はこれをバトルゾーンに出す。

《紋章》とその派生と違い、「S・トリガーで相手のクリーチャーを入れ替える」方の使い方を残した調整版。デメリットがある代わりにコストの低い除去カードとなった。
相手の大型クリーチャーを小型クリーチャーに入れ替えられる点でそれなりに有用。また、踏み倒しメタのクリーチャーを出しておくことで入れ替え先のクリーチャーを場に残さないという運用も可能。
地味に踏み倒し効果が「そうした場合」ではなく「その後」になっているため、相手のクリーチャーがいない時に使い《百発人形 マグナム》等と併用すると擬似的なランデスとして使うこともできる。
また、相手に踏み倒しを強制するため《ドラグ変怪》によるライブラリアウトを狙う事も可能。
総じて玄人向けのカードとなっている。

獰猛なる大地 R 自然文明 (8)
呪文
進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。相手のマナゾーンから進化ではないクリーチャーを1体選び、相手はそれをバトルゾーンに出す。その後、バトルゾーンから自分と相手のクリーチャーを1体ずつ選び、持ち主のマナゾーンに置く。

《母なる大地》の効果自体を弱体化させるという方向ではなく、むしろ両方を兼ね揃えた上でコストを上げるというアプローチのされた調整版カード。
相応に重いのだが、《勝利宣言 鬼丸「覇」》などを少し早い段階で出した上で入れ換えるクリーチャーは全て自分が選ぶ都合上厄介な相手クリーチャーを場から離せる除去能力まで持っていることから、ビッグマナ系デッキにおいて大活躍。
重く強いクリーチャーが増えてきた事もあって、2013年6月に殿堂入りとなった。
その後も5色デッキなどで活躍していたが、2022年7月に殿堂解除となった。当時に比べてコスト踏み倒しメタや、下記の《蒼龍の大地》が登場したのも大きかったのだろう。
現在も【4色ロマノグリラ天門】などで採用されている。

偉大なる大地 P 火/自然文明 (8)
呪文
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを1体、マナゾーンに置いてもよい。そうしたら、名前に《ボルベルグ》とあるクリーチャーを1体と進化ではないクロスギアを1枚、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

ボルベルグ》限定となった《母なる紋章》。
対象が狭過ぎるためまず使われることは無い。切札勝利のファンデッキ前提のカード。

大地と悪魔の神 P 闇/自然文明 (10)
呪文
バトルゾーンにある自分のクリーチャーをすべて、マナゾーンに置く。その後、進化ではないデーモン・コマンドと進化デーモン・コマンドを1体ずつ、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。

自身の場を一掃しつつ、進化デーモンコマンドを進化元ごと一気に出すという豪快なカード。
名前は《大地と永遠の神門》のオマージュだが、効果的には《母なる星域》の派生。二枚踏み倒すことと対象の狭さから《偉大なる大地》とも近い。

効果は進化クリーチャーを一気に出す……というだけではなく、進化元とするクリーチャーのcipも使える。
《知識の破壊者デストルツィオーネ》や《邪霊神官バーロウ》などの強力な効果を使用した上で《悪魔神ドルバロム》や《覇王ブラックモナーク》などの重量級フィニッシャーを場に出すことができ、組み合わせ次第ではこれ一発でゲームエンドに持っていくほどの性能も。

ただしそれに比例してコストも重く、母なる系の呪文の中でも最重量である。
このカードでフィニッシャーを呼び出すというより、このカード自体をフィニッシャーとして扱うような運用が必要。

蒼龍の大地 R 火/自然文明 (8)
呪文
S・トリガー
自分のマナゾーンにあるカードの枚数より小さいコストを持つ、進化ではないクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。それが火または自然のクリーチャーなら、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その2体をバトルさせる。

大地系の効果に加えて、強制バトルの付いた呪文。
マナ送り効果が無くなっている上に選べる対象がマナの枚数「以下」ではなく「より小さい」となっているため、踏み倒し用のマナが従来のものよりも二枚多く必要となっている。
ただし効果の強力さは健在。
強力な多色デッキ用マナブースト呪文である《獅子王の遺跡》・優秀なマナ基盤兼初動クリーチャー《天災 デドダム》・およびビッグマナ系で有用な大型クリーチャーが大量に登場し、【5c蒼龍】という強力なデッキが誕生した。

生命と大地と轟破の決断(パーフェクト・ネイチャー) SR 自然文明 (5)
呪文
この呪文を自分のマナゾーンから唱えてもよい。そうしたら、唱えた後、墓地に置くかわりに自分の山札の一番下に置く。
次の中から2回選ぶ。(同じものを選んでもよい)
►自分の山札の上から1枚目を、タップしてマナゾーンに置く。
►コスト5以下のクリーチャーを1体、自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。
►このターン、自分のクリーチャー1体はパワー+3000され、タップまたはアンタップしているクリーチャーを攻撃できる。

いわゆる《パーフェクト呪文》の一角で、5マナで5マナのクリーチャーを2体踏み倒せる何かを間違えてしまった呪文

文明指定なしの踏み倒しなので、マナの文明を問わずどんなクリーチャーでも出すことが可能。
さらにマナゾーンから唱えることができるためハンデスの心配もない。何ならマナにあるこのカード自身をタップして放てるため他に自然文明のカードを入れる必要がなく、どんなデッキにも入る汎用性を誇る。

何より2枚のカードを同時に出せるのがチート過ぎた。2枚組み合わせれば即死コンボに繋がる組み合わせがこのカードがあれば1ターンで、相手の介入の余地なく実現可能になる。(通常こういったコンボを行う際は、1体出したあとに相手にターンが返るため、逆転の可能性が生まれるが、《生命と大地と轟破の決断}》は一枚でその可能性を完全に否定する。)
【メルゲドッカンデイヤー】や【緑単ネイチャーループ】などの即死ループデッキの核として機能し、当然のごとく殿堂入り
誰が言ったか「母なる大地とタメで話せるカード」。規制後ですらなお暴れ続け、22年秋現在このカードの値段は通常版でも4000円を超えることがしばしば。
殿堂入りしたことによりこのカードを引けるかで勝敗が決まるようになって運ゲー感が強まったため、いっそのこと温泉送りにしたほうがいいのでは?という意見も根強かった。

そして2023年3月の殿堂発表でついに温泉行きが決定し、《母なる大地》系の呪文では3枚目のプレミアム殿堂となった。

地龍仙ロマネアース SR 自然文明 (8)
クリーチャー:アース・ドラゴン 12000
ガードマン
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から4枚まで、タップしてマナゾーンに置く。
自分のターンの終わりに、このカードの呪文側を、バトルゾーンに置いたままコストを支払わずに唱えてもよい。
仙なる大地 SR 自然文明 (6)
呪文
自分のクリーチャーを1体マナゾーンに置く。そうしたら、自分のマナゾーンにあるカードの枚数以下のコストを持つクリーチャーを1体、自分の手札から出す。

かつて《龍仙ロマネスク》と共にプレミアム殿堂コンビを食らった2枚がそれぞれ形を変え、ツインパクトとしてまさかの合体。
呪文面の《仙なる大地》は自分のクリーチャー1体をマナゾーンへと送った上で、その時のマナ以下のコストを持つクリーチャー1体を手札から踏み倒すというもの。
これ単体では自壊がマナ送りになった《緊急再誕》だが、クリーチャー面と合わせる事で真価を発揮する。

《地龍仙ロマネアース》はガードマン&T・ブレイカーのコスト8クリーチャー。
基本性能の時点でも強いが、ロマネスクの派生らしくcipで4枚ものマナを充填してくれる。
更にはターン終了時に《仙なる大地》側を踏み倒して発動できるため、貯めたマナを存分に活かして高コストのクリーチャーを場に出せる。
ただ発動タイミングがロマネアース召喚からターン終了時まで空くのが欠点か。

深淵なる大地 R 自然文明 (3)
呪文
G・ストライク(この呪文を自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
自分のアビスを1つ、マナゾーンに置いてもよい。そうしたら、自分のマナゾーンの枚数以下のコストを持つアビスを1枚、マナゾーンから出す。

アビス版《母なる紋章》とでも呼ぶべき大地呪文。
マナゾーンから出せるアビスは「1枚」指定なので進化クリーチャーからタマシードまで対応しており、更にはG・ストライクで受け札として機能する優秀な性能で【アビス】には必須の1枚…でもなかったりする。

というのも、2023年時点でのアビスデッキは軽量級~中量級を中心に組まれていて大型アビスが入る余地はなく、この呪文でマナゾーンから出したいファッティ候補があまりいないのである。
また、種族に「アビスへの誘い」が付いていないのでメクレイドを始めとしたアビス対象のサポートを受けられず、デッキの潤滑油になりそうで微妙に嚙み合っていない。

そのため、このカードが収録された2023年時点ではあまり評価が高くない。
とはいえ性能自体は間違いなく強力なので、今後のカードプール次第では壊れカードと化すポテンシャルを秘めた1枚である。


母なる系呪文と相性の良いカード

《母なる大地》は低マナでフィニッシャーを出せるので追撃がかけやすく、追加ターンにマナからSAを引っ張ってくることも出来たため相性はかなり良かった。

また、相手の《ボルバル》を自分のターンに《大地》で引っ張り出すと
「自分のターン→相手の《ボルバル》による追加ターン(終わりに敗北)」という順番となり、相手の強制敗北を誘えるため強力なメタになった。
総じて《ボルバル》と《大地》は切っても切り離せない存在であったといえる。

前述の《ボルバル》がプレミアム殿堂入りしてから登場。
シールド焼却・高いパワー・Tブレイカー・そしてスピードアタッカーとフィニッシャーとしてはあまりにも強力なためコストを踏み倒すと手が付けられない強さだった。
ただしマナゾーンから踏み倒すには最低9マナ貯める必要があるため、最終的には《ロスト・チャージャー》や《ダンディ・ナスオ》で墓地に落とし、《インフェルノ・ゲート》で蘇生させる方向にシフトした。
それでも《ナスオ》の関係で自然が入ったため、相手のサファイア対策にもなるので基本的に一緒に入れられていた。

やはり《母なる大地》と言えばこのカードであろう代表的カード。
《ロマネスク》はマナを一気に増やせるため、そのマナを効率よく使用する手段として《大地》は最高のカードだった。ロマネスクを出して増えた4マナで唱えられ、さらに《ロマネスク》をタネに使うことで場から離してデメリットも防ぐことができる。最悪の場合、4ターン目に9マナになり2ランデスが飛んでくる。
この組み合わせが余りにも強力だったために、《ロマネスク》と《母なる大地》or《母なる紋章》を同じデッキに組み合わせて入れることが出来ないというプレミアム殿堂コンビという新しいルールが作られた
なお、現在は《母なる大地》のプレミアム殿堂入りと、《母なる紋章》の殿堂入りのタイミングで解除されている。

場から離れないため、《ギャラクシー》を指定することで場を減らさずにクリーチャーを出すことが出来た。場合によっては増殖していくためブロッカーも合わさり正に鉄壁。
このカードの全盛期には既に《大地》は殿堂入りしていたが、《紋章》は4枚投入できた。
この組み合わせを中心とした【白黒緑ギャラクシー】は、公式大会ギャラクシーマスターで全国大会優勝に輝いた。それが最後の原因となったのかその後《母なる大地》はプレミアム殿堂に、《母なる紋章》は殿堂入りになっている。

《大地》も《紋章》も3マナなのでcipで唱えることができる。またオリジンでもあるので、このカードで《母なる星域》を唱えて他のクリーチャーをタネにすることにより、マナから《エンペラー・キリコ》を出すことができる。これにより《エンペラー・キリコ》は一気に場に出しやすくなった。
【キリコ】全盛期を支え、【キリコ】をあそこまで凶悪化させた原因ともいえる組み合わせである。

《ネイチャー》から2体同時に出すことで、《デイヤー》によるGR召喚→《メルゲ》によるドローとディスカード→《デイヤー》によるGR召喚→…の繰り返しで、超GRのクリーチャーをすべて場に出すことができる。
GR召喚を出す際に《ツタンメカーネン》による強制ドロー、《早撃連射マグナム》によるGRクリーチャーの破壊、《永遠の少女 ワカメチャ》による山札回収と組み合わせることで、反撃の余地なく相手の山札を1ターンでライブラリアウトすることが可能
当然こんな理不尽コンボが許されるわけがなく、《メルゲ》のプレ殿でコンボは消滅。また、《デイヤー》と《ネイチャー》も後に別のカードと暴れたため殿堂入りに。


関連カード

無頼 ダイチ-3 C 水/火/自然文明 (3)
クリーチャー:ビーストフォーク/ディスタス 3000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
ササゲール3(ディスペクターを召喚する時、コストを3少なくしてもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。そのディスペクターのコストは0以下にはならない)

王来篇ではディスタスとしてまさかのクリーチャー化を果たした。
イラストに描かれているのは《母なる大地》で魔方陣に包まれた名無しのクリーチャーであり、どうやらビーストフォークだった模様。

G・ストライク持ちなので守りに貢献できる他、ササゲール3でディスペクターの召喚コストを大きく軽減できる。
とは言えそれ以外には能力もないため、《ディスタスゲート》や《砕慄接続 グレイトフルベン》等のディスタスサポートも併用したいところ。


デュエル・マスターズ プレイス

紙でも大暴れした事もあり、聖拳編シリーズに入っても実装を見送られていた。
ところが実に7シリーズ越しのエピソード1シリーズのパックにて、まさかの収録を果たした。

  • 2022年11月24日~2023年10月26日
母なる大地 VR 自然文明 (7)
呪文
S・トリガー
クリーチャー1体をその持ち主のマナゾーンにおいてもよい。そうした場合、そのマナゾーンから、その最大マナ以下のコストを持つ進化でないクリーチャー1枚をバトルゾーンに出す。

コストが大幅に引き上げられた事以外はなんとTCG版そのままの性能であり、プレイスユーザーのみならずTCGプレイヤーも驚愕させた。
発動コストが4も重くなったとはいえその汎用性は据え置きであり、今後の活躍が期待されている。

そしていざ実装されると案の定活躍した。
デュエプレはそもそもマナ色に関するルールが調整されており*2、その都合で紙版に比べるとタッチカラー*3を入れやすいが、母なる大地の文明を無視して展開する能力のお陰で本来そのデッキには入らないような大型フィニッシャーを入れやすくなりデッキの構築幅を大きく向上させるに至った。
とはいえ、さすがにコストが上がり取り回しが大幅に悪くなった影響は小さくなく、本家ほど自然文明を入れるならとりあえず入れとけというわけにはいかないカードとなっている。
総じて良調整のカードとして落ち着いたと言ったところか……今のところは。

一方、カードプールが紙版の現在でも通用するような強力なファッティを多数輩出したエピソードシリーズに突入していることもあって、それらで追加されるカードとこのカードが出会った時果たしてどのような活躍を見せるのかは期待と不安が高まるばかりである。


そんな悪い予感は的中し、ドラゴン・サーガシリーズと共に登場した《龍素記号Sr スペルサイクリカ》との出会いでついに爆発。
サイクリカの方もcipの呪文踏み倒しにターン1制限が付けられていたのだが、TCG版と同じく【大地サイクリカ】を結成して環境を塗り替えた。
偽りの王 ヴィルヘルム》を中心に強力クリーチャーを多数呼び出し、相手の動きを封殺するコントロールデッキとして暴れ回ったのである。
あまりの暴れっぷりに運営からも問題視されてしまい…

母なる大地 VR 自然文明 (8)
呪文
S・トリガー
クリーチャー1体をその持ち主のマナゾーンにおいてもよい。そうした場合、そのマナゾーンから、その最大マナ以下のコストを持つ進化でないクリーチャー1枚をバトルゾーンに出す。

2023年10月26日付けで調整が行われ、効果の方はそのままにコストが7から更に1引き上げられて8となり、サイクリカでも踏み倒せなくなった。
プレイスでの登場から一年を待たずしての弱体化であった…。



追記・修正はマナと場のクリーチャーを入れ換えながらお願いします。

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最終更新:2024年03月12日 12:22

*1 NEOクリーチャーは下にカードがある状態でバトルゾーンに存在している時しか進化クリーチャーとして扱われないので、マナにいるときはこのカードの対象に選ぶことができない。

*2 カードをプレイする際は同じ文明のカードをタップする必要はなく、マナゾーンに同じ文明のカードがあればそれで使用可能になっている。

*3 デッキに数枚入るそのデッキが使うメインの文明とは別の文明のカード、あるいはそれをデッキに入れる構築技術