ミスマルカ興国物語

登録日:2009/07/22(水) 00:52:44
更新日:2024/02/11 Sun 13:48:29
所要時間:約 6 分で読めます




林トモアキ著のライトノベル。イラスト担当はともぞ。
角川スニーカー文庫から出ており、12巻+「エックス」+外伝1巻の計14巻が出ている。

お・り・が・み』『戦闘城塞マスラヲ』の続編だが、かなり未来の話で文明が一度崩壊した後の世界になっているため、前作から続けて出てくるキャラは少なく、ファンタジー色が強い世界観になっている。
ただ前作に登場した用語や武器などは多いので、やはり前作を読んでからの方がニヤニヤ出来、12巻後に展開された『ヒマワリ:unUtopial World』は終盤で本作世界へとリンクしている。
話の流れとしては1~7巻が第1部、8~12巻が第2部に当たる。

発売から評判になり、林トモアキシリーズが広がる起爆剤的な役割の作品になった。

漫画化もされた(全4巻)。



【あらすじ】
大陸に存在する小国「ミスマルカ」
そこには国の内外を問わずアホ、馬鹿、大うつけで名の知れたマヒロ王子がいるのだが、その本性は……。


今、蛇の紋章を持つ小国が「策謀」と言う名の牙を剥く。





【主な登場人物】

《ミスマルカ王国》
◆マヒロ・ユキルスニーク・エーデンファルト
魔人
ミスマルカ王国王位継承者。15歳。
大が付くうつけとして国の内外を問わず有名なぐーたら王子。
たびたび着替えを覗いてメイド達(下働き)や近衛騎士(護衛)にボコられるが、その親しみやすい性格ゆえ国民や兵には慕われている。
実は凄まじい魔導力を持っているが、ある事件により封印されている。しかし、マヒロ自身は別に気にしておらず、封印を解くより専属メイドをつけてくれる方が嬉しいらしい。
趣味は読書で、旧文明についても精通している。
魔力を封じられた「事件」での後悔から「武力による争い」・「安易な暴力」を嫌うようになっており、一見話し合いで解決を望むが優しい(馬鹿)少年に見えるが、その本性は……。
敵味方双方共に予測不能な行動をとり、「暴力」以外なら詐術を平気で使い時に捨て身の行動すら取る「蛇」。近しい人たちへの感情は有るので冷血ではないが、行動は基本「理性」で判断し、1巻では内通者に気づいても特に罰しなかった。
もっとも、そうはいってもまた10代なため、予想外の出来事や人々の秘めた思惑に直面して動揺したり後悔を引きずったりするなど人間らしい面も多々ある。
ある意味その「暴力以外なら何でも使う」というスタンスが、「アレ」 に繋がっているのかもしれない。
ご飯にサバ缶と醤油をぶちまけて食べるのとバイクがお好きな庶民派。

7巻ラストでエーデルワイスらの裏切りも合わさりミスマルカ王国が陥落した後は帝国の臣下兼新王となるも、「むしろ権力を使えてありじゃね?」という思いからあえて受けいれる。
さすがにいつか超えんとしていた父や真面目な兵達の死のショックや帝国傘下にあるゆえの「余裕」等から、その後1年程は「腑抜けて」しまうほど無気力鬱だったが、シャルロッテの無茶な指令で少しづつ立ち直っていっている。


◆パリエル・カーライゼル
半魔人
マヒロの近衛騎士。18歳。
毎回毎回マヒロに振り回される苦労人。
ある意味マヒロの習性を熟知しており、マヒロを探す際
「王子〜、抱いて〜」
「イエス、マイハニー!!」
とおびき寄せる事も可能。
童顔だが、胸は大きめCカップ。
危うく触手でハァハァされそうになる。いっそハァハァされてくれれb(ry
出身は侵略されたエルクレセル。
実力は大陸全体で見てもかなり上位クラスだが、周りが化け物だらけで弱く見える可哀想な娘。
キレるとヤーさんみたいに口が悪くなる。
実はマヒロが過去起こした「事件」は彼女を守るために起きており、しかも後にそれが彼女やジェスの故郷を滅ぼした遠因になってしまった(直接的には帝国の侵攻ではあるが)ことが判明*1
本人もまた、5巻でジェスに自身の過去の出自を知られたことが切っ掛けで少しづつ過去に向き合わざるを得なくなり、7巻ラストで逃がされた後8巻以降では故郷の出身者レイナーと共に傭兵業を始めている。


◆エーデルワイス
魔人
元帝国出身の侍従隊長でパリエルの上司。メイドの地位向上に多大な貢献をした偉人。
美人だがかなり性格に難があり、鉄面皮で超が付くほど厳しい。
たとえ王子と言えど、問題を起こせば旧文明の遺産、禁断の教育指導用具「張閃(ハリセン)」ですっぱたく。
パリエルがマヒロを殴っても「顔を殴ると問題になるのでやめろ」
帝国にいる元部下のメイドからも未だに恐れられている。
とにかく怖い人。だが、10~12巻にて実は過去喪った故郷の人々の事をずっと引きずっていたことが判明。その復活手段を得ようとするあまりマヒロを利用しようとするが…
自らの願いゆえに7巻・11巻と2度もマヒロを裏切ったが、彼にとってはそれでも大事な人にあたり、12巻では極限状況に至っても彼女との関係を捨てなかった。



《神殿教団》
◆ジェス
人間
神託により選ばれた勇者。
顔の右側に傷を持ち、右腕も失っているため「隻眼隻腕の勇者」と呼ばれている。
性格はぶっきらぼうで愛想がない。
魔王を倒すことを目的としており、そのために神器『聖魔杯』を欲している。
傷に加えてみすぼらしい服を着ているため、山賊のように見えるが、これには理由がある。
Eランクだが……。



◆エミット
人間
神殿教団のシスター。ジェスと一緒に行動している。
かなり快活な性格で、前々作の誰かを思い出さないでもないが、別にイカれてはいない。
魔法が使えるので戦力になる。


◆リーゼル・ファリス・マクラーレン
ハイランド王国の王子であり、同時にSSランクの勇者でもある少年。
ジェスとは同期。
素で優しい人物で誰にでも親切に接し、ジェスの容貌も気にしない。
『光の御子』と呼ばれる。


◆シーナ・ミルローザ
Sランクの美少女勇者で、民衆のアイドル的存在。
もちろん腕も立ち、『虹剣』の異名を持つ。ジェス、リーゼルと同期。
性格は活発で、ジェスとは度々言い争い(一方的に文句を付けるだけだが)になる。



《グランマーセナル》
◆ルナス・ヴィクトーラ・マジスティア
魔人
帝国第三皇女。
姫でありながら前線に立つ戦好きな性格。
使用している魔法剣〈七星〉から『光輝の剣』と呼ばれ、一振りで百を断ち、一戦においては万を屠ると言われるほど強い。


◆ユリカ・美島・マジスティア
魔人
帝国第二皇女。ルナスの姉で、妹想い。
『闇の法王』の異名をとる魔導師だが、活字中毒という不治の病に侵され、本ばかり読んでいる。
テンションは常に低く、大抵の事には動じない。。


◆シャルロッテ・アルセイン・マジスティア
魔人
帝国第一皇女。
「白薔薇姫」とも称される美貌と謀略の才を兼ね備えた怖い美女。
第2部ではマヒロによく命を下すようになり、外伝ではメインキャラとなっている。

◆レイナー・ラングバルト
魔人
将軍であり、帝国三剣の一人『猟剣』。
冷静で無愛想。常に戦闘体制みたいな雰囲気で笑わない。
武器は、かつて初代聖魔王と共に戦った勇者が使っていたとされる『黒の剣』を使用。


◆長谷部沙耶香
人間
帝国の三剣の一人『強剣』。
かつては勇者も輩出した神殺し四家「長谷部」の血筋だが、本流「名護屋河」の技も使える。
強いがウブでからかいやすく、可愛い娘。


《その他》
エミリオ・アプリコット
雑貨屋を営む少年でマヒロの友人。
兵隊から魔物まで何でも扱い、高度の魔術を使う闇の商人。



《ゼンラーマン》
◆ゼンラーマン
マヒロ王子の呼びかけによって現れる自由の騎士。
全てを超越する自由を有する存在である。
Zの文字が描かれた仮面“のみ”を身につけたその姿は正に『自由』!!
腰を振ることで漢の象徴を揺らすそれは「ゼンラーペンデュラム」と呼ばれるゼンラーマンの魂の鼓動!!
技も多様であり、ゼンラーバウアーを始めとして殺傷力はないがダメージは大きい技を繰り出す。

弱点は言わずもがな。
うにが苦手。



【主な国】
◇ミスマルカ王国
かつては中原一帯を纏めていた大国だったが、現在は小さな国。
剣に蛇が絡んだ家紋を持つ。


◇グランマーセナル帝国
大陸南部に存在する帝国。国力、軍事力は強大であり、人魔平等を謳う「スズラン条約」を破棄、大陸を侵略し始める。
その目的は……。


◇エルクレセル
帝国に侵略された国。王家の者は背中に紋章を持ち、アウター「億千万の刃」の剣技を伝えられている。
「一本が〜……」


◇ゼピルム共和国
スズラン条約を守る国。国防長官はまるで未来をよんでいるかのような優秀さから「先読みの魔女」と称される。



【聖魔杯】
旧文明から存在する伝説の神器で、世界を統べる器とまで言われる超国家遺産。
力はいくつかの紋章に分けられ世界中に散っているため現在はただの器だが、それでも多大な影響力を持つ。
ちなみに紋章が散らばっている理由は万が一の場合のセーフティと、終末戦争により汚染された大地を浄化するため。
作中ではミスマルカ王国が器の管理を担っており、12巻では王家の先祖は初代管理人イカレシスタークラリカ・エーデンファルトだと判明している。












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最終更新:2024年02月11日 13:48

*1 マヒロの力の余波で国の防衛戦力にも深刻な損害が発生し、迫る帝国軍を止められなかった。