ジャッカー電撃隊

登録日:2009/12/14(月) 21:23:06
更新日:2024/04/24 Wed 13:14:55
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ジャッカーは強化カプセルの中で、各々の強化エネルギーを浴びて、無敵のジャッカーになるのだ!


スペード、エース!

ダイヤ、ジャック!

ハート、クイン!

クローバー、キング!

ーッグ、ワーン!


画像出典:ジャッカー電撃隊 最終回『大勝利!さらばジャッカー』より、(1977年12月24日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG


ジャッカー電撃隊!




『ジャッカー電撃隊』とは1977年4月9日から12月24日までNETテレビ改めテレビ朝日系で全35話が放送された、スーパー戦隊シリーズ第2作。
原作は前作『秘密戦隊ゴレンジャー』と同じ石ノ森章太郎。

●目次

【概要】

スーパー戦隊シリーズの第2作だが、石ノ森先生の名作『サイボーグ009』に通じる主人公らがサイボーグという設定が大きな特徴で、シリーズで唯一の設定。

タイトルのジャッカー*1やデザインにトランプのスートが付いていることからわかる通り、全体的なモチーフはトランプの戦隊。
名乗りの前には名刺代わりなのか、トランプカードを投げつけたりオープニングテーマには「コバック」「フラッシュ」「フォアカード」といった具合でトランプに関連する用語が入っている。

放送初期は麻薬取引や殺人事件など、作風が前作『ゴレンジャー』と打って変わってかなりダークなものとなった。故にメインのターゲットである子供が着いて行けず、視聴率が低迷。
テコ入れとしてジョーカーに代わる行動隊長として番場=ビッグワンをメインに据えつつ、前作同様のコメディ路線に変更したものの、視聴率の回復には繋がらず、スーパー戦隊シリーズで唯一となる3クール目で打ち切られた作品となってしまった。
ちなみにテコ入れ案の中には「クライムを陰で操る未来人『エムぺリアン』を追って来訪した別の未来人『ペイジワン』と手を組んでタイムマシンで時間移動する」という内容のものもあったが、今までと世界観が余りにも違いすぎるという理由で没になっている。
ささきいさおの歌うエンディングテーマ「いつか、花は咲くだろう」は名曲である。

本作と『ゴレンジャー』は石ノ森章太郎原作のためシリーズから除外され、原作者存命時は『バトルフィ-バーJ』が第1作とされていた時期もあったが、現在では統合されて『ゴレンジャー』が第1作、本作が第2作、『バトルフィーバー』が第3作として位置づけられている。

「47戦隊47都道府県」では群馬県を担当。
札遊び繋がりで上毛かるたの代表的な地であるからだろうか。


【あらすじ】

悪の限りを尽くし、無法と犯罪の都市の設立を目指す犯罪組織「クライム」。
この脅威に対抗するため、国際科学特捜隊の鯨井大助長官は予てより進めていたサイボーグ部隊の結成を強行、スカウトした2人の若者と殉職した特捜隊員1名がサイボーグ手術を受けた。
一度は鯨井の誘いを断った桜井五郎もクライムの非道ぶりを目の当たりにして、自らサイボーグになることを決意。
かくしてサイボーグ部隊「ジャッカー電撃隊」は誕生した。
4人は生身の身体を失った悲しみを心の奥に秘め、クライムと戦い続ける。


【登場人物】

◆国際科学特捜隊


メンバーがサイボーグで普通の人間ではない戦隊は本作のみ(ゲストを含むなら『鳥人戦隊ジェットマン』のネオジェットマンも該当する)*2
また、メンバーが4人構成の戦隊は本作と『爆竜戦隊アバレンジャー』のみである(『獣拳戦隊ゲキレンジャー』もゲキバイオレット加入後からゲキチョッパー加入まで一時期4人だったこともある)。

ちなみに名乗りの時の並びは固定されており、左からダイヤジャック・スペードエース・クローバーキング・ハートクイン。
これは頭文字をとると「JAKQ=ジャッカー」になるため。最終回ではセンターにビッグワンが入った。
また、物語中盤からは浪花節めいた口上を述べながら戦うようになった。

強化カプセルによる変身は「その場で一瞬で変身する」ゴレンジャーとの差別化を図るために導入された要素であり、桜井役の丹波義隆が変身ポーズを嫌ったからというのはデマである*3
推測ではあるが本作の玩具展開は当時大ヒットしていたタカラの『ミクロマン』シリーズを露骨に意識したものとなっているため玩具メーカーの要望もあったのでは?と言われている*4


スペードエース桜井 五郎(さくらい ごろう)(演:丹波義隆)
「真っ赤に燃える正義の血潮、悪を切り裂くアトム()ち!」
元オリンピック近代五種ゴールドメダリスト。コードネームは「エース」。
当初は「親から貰った体を大切にしたい」という思いと、次のオリンピック出場*5を見据えていたために改造手術を拒んでいたが、クライムにカレンが襲撃される現場にたまたま居合わせ救出した時、クライムの悪辣さとその脅威を実感し、正義感から手術を受け入れた。
冷静沈着かつ熱血漢、正義感の強い子供好き。改造後は腕に内蔵されたダイヤルを回すことで中性子スコープを発動。透視能力であらゆるカモフラージュを見破る。
チェンジ後は、500馬力の出力、持ち前の運動能力を駆使し核エネルギーを帯びた鞭で弓にも変形するスペードアーツから放つアトム射ちで戦う。
左肩の後ろにサイボーグとしての力の源である原子炉があるが、ここを攻撃されると暴走するという弱点を抱えている。何?それ以上の大惨事になるって?
投げるカードはスペードのエースで、このカードに「NINTENDO」と書かれているのは有名な話。親友はバトルジャパンになったとか。
ビッグワンの印象の強さから勘違いされることも多いが、シナリオにおいては一貫して主役を担当している*6
なお初期の戦闘時の決め台詞は「ジャンプ一閃赤い風、うなって踊る核のムチ!」だった。

ダイヤジャック東 竜(ひがし りゅう)(演:伊東平山)
「怒りのエレキで鍔鳴りさせて、守ってみせるぜ青い地球!」
ボクシング元ジュニアウェルター級世界ランキング第2位のボクサー。コードネームは「ジャック」。
現役時代に八百長を強制され、これを拒否して試合を投げ出し国外へ逃げ出した過去がある。
逃亡後はラスベガスでハスラーをやっていたが、殺人事件に巻き込まれ、容疑がかけられたことで日本へとんぼ返り(嫌疑はこの過程で晴れた)というなかなかハードな経歴の持ち主。改造後は右腕に内蔵された電磁ナイフ・エレキカッターであらゆるものを寸断する。
チェンジ後は持ち前のスピードと電気が流れる剣・ダイヤソードが武器。それからエレキ斬りという袈裟斬りや、コマのように回転して繰り出す稲妻斬り、宙返りしながら横一文字に斬る回転斬りといった多彩な剣技を繰り出す。
趣味はモダン・ジャズ。また作中では子どもたちの野球チームのコーチとしての顔も見せている。
投げるトランプはダイヤのジャック。
ちなみに初期案ではスーツが赤になる予定だった(スペードエースが青)。
また、本編ではマスクのダイヤの部分が青というより藤色に近かったが、後の『海賊戦隊ゴーカイジャー』や『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場した時にはスーツが新調されたのかハッキリ青色になっている*7
なお初期の戦闘時の決め台詞は「スピード一番青い星、ギラリぎらぎら電気剣!」だった。
ちなみに、スーパー戦隊バトル ダイスオーにおいては代役の声優として稲田徹氏が担当した。*8

ハートクイン/カレン 水木(演:ミッチー ラブ)
「娘十八涙を捨てて、戦場(いくさば)に咲く桃の花!」
元麻薬担当刑事。
クライムの傘下にあった麻薬組織の摘発後、報復を受けて父を失い、自身も両腕を失う重傷を負うものの居合わせた桜井に救出され命拾いした経緯がある。そのため桜井が記憶喪失状態になった際には「自分は桜井さんに助けてもらった身でありながら今の自分は桜井さんに何もしてあげられない」と言って謝っていたことすらある。
その後父の仇を討つためジャッカーへの加入を志願、磁力エネルギーで稼動するサイボーグとなった。左手の人差し指にマグネチックカウンターを内蔵。クライム車両の重量を探知することができる。
変装術に長け、空手も得意。また磁力を操り銃弾を引き寄せたり跳ね返したりなどの小技も駆使する。
チェンジ後は磁力を使ったQ型の盾・ハートキュートの磁力パワーを駆使して戦う。ただし攻撃を防ぐのではなく、専ら剣のように使ったり、手裏剣のような投擲武器として使うことが多かったが…
なおハートキュートの磁力で翻弄された戦闘員に対し「可愛いわよ♡」と言うこともある。誰得?
投げるカードはハートのクイーン。
ジャッカーの初期メンバーは「エース」「ジャック」など基本的に対応する図柄の名前で呼ばれるのだが、彼女のみ「クイン」ではなくなぜか名前で呼ばれる事が多い。
因みに初期の戦闘時の決め台詞は「ヒラリ一転桃の花、咲かせて散らす磁力盾!」」だった。


クローバーキング大地 文太(だいち ぶんた) (演:風戸佑介)
「重いパンチが唸りをあげりゃ、緑の風が渦を巻く!」
元国際科学特捜隊員で海洋学者の卵。コードネームは「キング」。
事故で死亡していたが、サイボーグ化によって蘇生された。
ただこの事故というのが潜水艇での海底調査中に起きた酸欠。普通に考えれば脳細胞が死滅しているはずなのだが……*9
そのため、一部では「人工頭脳で復活したのでは?」という疑惑まで上がっている。
色々な科学分野に通じた知識人でもあり、技術者としての能力も高い。
実は過去に飛行機事故で家族を亡くしており、第4話で妹の面影を見た少女がクライムによって飛行機事故に見せかけて殺された際は、機体の残骸からレーザー攻撃の痕跡を探し出しクライムの攻撃であることを立証するという執念を見せた。
重力エネルギーで稼動するサイボーグでチェンジ後は700馬力の出力を誇り、腕にはめたクラブメガトンを駆使して戦う。クラブメガトンはチェーンつきで強烈なクラブメガトンパンチを繰り出すことも可能。元ボクサーのジャックがなればよかったんじゃね?というのは禁句
投げるカードはクローバーのキング。
けん玉が趣味であり、偶然なのか37年後のグリーンに引き継がれた。
子ども好きでタケトンボやビー玉、鞠突きなどで一緒に遊ぶ事もあるが、野球の腕はからきし。
当初は学者らしい冷静なキャラだったが、話が進むに連れてコメディリリーフとして描写される事が増え、日常パートで軽口を叩くようになったり、けん玉を始め多趣味な側面などが強調されるようになった。
第19話では糸車を材料にラジコンタンクを製作し、これが彼の窮地を救う事になる。
なお初期の戦闘時の決め台詞は「パンチ一撃緑の火、目から火の出る重力パンチ!」だった。

J ジョーカー/鯨井 大助(くじらい だいすけ) (演:田中 浩)
国際科学特捜隊日本支部長官。妻子持ち。
クライムに負けないサイボーグ部隊を結成すべく、唐突に「サイボーグにならんか?」とメンバー候補者をスカウトしてまわった変人
自ら指揮官となり、「ジョーカー」と称し、黄色い専用服を纏うが、変身はしない。
第23話で番場を後任とし、ニューヨーク本部科学技術庁長官となるが、最終回とその後日談となる劇場版には登場。


1 番場 壮吉(ばんば そうきち)(演:宮内 洋)
国際科学特捜隊日本支部2代目長官にして、行動隊長。
シリーズ初の追加戦士であり、俺が出た途端本作のカラーまで変えてしまった異色の存在。
詳細は当該項目を参照。ちなみに外の人は本作の後、演者の師匠でもあるエースの父上率いるGメンへ赴任したとか。


姫 玉三郎(ひめ たまさぶろう) (演:林家 源平)
23話から登場。松山支部からジャッカー本部に配属になった炊事当番見習い。
のんきな性格で、時折空気の読めない言動をしでかして皆を困らせる。趣味は落語(演者の本業も落語家)。
本作から10年後には超人機の相棒であるロボット犬の声を担当した。


ジャッカーの必殺技


◇ジャッカーコバック
ビッグワン加入までの決め技。
機械怪物の周囲を包囲するように展開、一気に距離を詰めてスクラムを組むとともに密着させた頭部からそれぞれのエネルギーを注入、空中へ蹴り飛ばしたところに全員のエネルギーを放って爆破する。

◇ビッグボンバー
ビッグワン加入後の決め技というより武器。ジョーカーが秘かに開発していた。
初期メンバーそれぞれの持つパーツで大砲を組み上げ、ビッグワンが持ってきた砲弾を装填して放つ。
技の威力は申し分無く、アトミック魔女の土手っ腹に穴を開け、テンタクルス入道やキャプテンゴーストも胸部に穴を開けられて絶命している。しかし穴を開けられたシーンのクオリティが恐ろしく低い


ジャッカーのメカニック

スペードマシーン
スペードエースこと桜井の専用マシン。
時速400kmで走る自動車
スカイジェットにより短時間の飛行も可能。

マッハダイヤ
ダイヤジャックこと東の専用マシン。
時速450kmで走るレーシングカー型自動車で、ジャッカーのマシン内では最速を誇る。

ハートバギー
ハートクインことカレンの専用マシン。
時速350kmで走るバギー。

オートクローバー
クローバーキングこと大地の専用マシン。
時速400kmで走るオンロードバイク

スカイエース
主に桜井が操縦するジャッカーの戦闘機。英語表記はSKY ACE。
強化カプセルの輸送の他、デビルシャークとの戦闘を行う。
主装備は機首部に内蔵された速射砲・スカイロケットとガルウイング部に装備されたミサイル・エースミサイル

Vシネマ『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』ではガオライオンの雄叫びに応えるかの如く歴代レッドメカと共に参戦し、ゴレンジャーのバリドリーンと『バトルフィーバーJ』のバトルシャークと共に、巨大化したはぐれハイネス・ラクシャーサへの総攻撃の先陣を切った。
映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』では人々の想いの力でバリブルーンや歴代戦隊ロボと共に実体化し、黒十字王に苦戦するゴーカイオーゴセイグレートに加勢した。
なお、いずれも実機が現存しないため、フィルム編集やCGなどで対応している。

ジャックタンク
スカイエース内に搭載されたジャッカーの六輪装甲車。名前こそジャックだが、東以外のメンバーも搭乗することもある。英語表記はJACK TANK。
車体前にロングハンドというバゲットを内蔵しており、それを使いあらゆる場所をクライミング。後部ハッチに内蔵されたマジックハンド・クライミングハンドと併用することで、エレベーター代わりに降下もできる。
車体上部には二門の砲台・タンクロケッターも装備されているため、クライムのアジトに侵入してロングハンドと併用し一気に壊滅することも。
なお、地中に潜ることも可能。


犯罪組織クライム

首領アイアンクロー(鉄の爪)のもと、世界各地で活動を行う国際犯罪組織。クライム要塞島を本拠地としている。
地区ごとにクライムボスと呼ばれる幹部がおり、戦闘ロボットである機械怪物(デビルロボット)と兵士であるクライマーを指揮して活動を行う。
兵器製造や密輸、麻薬密売、暗殺、爆弾テロなどえげつない犯罪行為を犯しており、計画の邪魔とあらば子供も殺す

鉄の爪(アイアンクロー)(演:石橋雅史)
犯罪組織クライムの首領。石川五右衛門のような頭をしており右腕に鋼鉄の爪を宿す。
通常は要塞島で指揮をとっているが、自ら出撃することもある。性格は冷酷非情で、失敗した部下は容赦なく処刑する。
変装の名人でもある。

シャイン(声:依田英助)
第23話から登場。アイアンクローも恐れるクライムの真の首領。
まばゆい光を発し、光の球となりアイアンクローに指令を伝えたり、怪物のような影を見せて威嚇する。
本当のシャインはこの球体を通じて第2銀河系のシャイン星から指令を出していた宇宙人で、世界征服が目的だったらしいが、劇中ではその姿を現すことはなかった。
一応、石ノ森先生による全身画も描かれてはいたのだが……
なお、劇場版の「ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー」(時系列的には最終話以後)では、クライムの復活を耳にしたジャッカー一同が「鉄の爪は死んだはず」というような発言をしているが、
そもそも本人の撃破描写がないシャインのことはクライム側を含め全員スルーしていた。*10

クライムボス
クライムの幹部。本部から派遣された機械怪物と協力して作戦を遂行する。
ポジションは千差万別で
  • なわばりをもち、そこで様々な犯罪行為を牛耳っている。(第1・2話の東京ボスなど)
  • 自ら犯罪の最前線に行き実行犯をする。(第7話のクライムライダーなど)
  • 外部の人間でクライムに協力したことで地位を得た。(第11話の藤田所長など)
などいろいろおり、作戦が失敗すると死の鉄槌があるとされるが、実際に刑死した者もいれば偶発的な事故で死亡した者、ジャッカーの攻撃で死亡した者、クライムの怪人に殺害された者もいる。
第20話を最後に登場しなくなる。

機械怪物
クライムの超科学力によって製造された犯罪遂行ロボットで、デビルロボットとも呼ばれる。
人間と同レベルの知能を有し、言葉も喋る。動物、兵器、妖怪など様々なものをモチーフとしている。
ポジションもいろいろで、クライムボスとの関係も用心棒や道具扱いだったりするのもあれば、同話のクライムボスと別系統の指揮下のもの(このタイプはボスにため口が多い)もあり、
とくに後者はクライムボスの裏切りを見つけて始末したものもいる。
ネーミングは「デビル+個体名」。中には「デビルアクマ」というストレートな物も。

侵略ロボット
第23話より登場。
クライムの真の首領シャインの出現と同時期に導入された高性能ロボット。
宇宙で作られているらしく、知能・戦闘力ともにデビルロボットを遥かに凌駕している。
此方のネーミングは「動物をもじった名前+肩書き」が殆どだがアトミック魔女のように当てはまらない物も。

クライマー
戦闘員。短剣や銃が武器。灰色一色でのっぺらぼうなマスクを着用と、歴代戦闘員の中でもかなりシンプルな風貌をしている。
正体は人間の犯罪者という設定だが、第6話で「クライマーと武器の全てを電気エネルギーに切り替えれば~」とクライムボスが発言しているところを見るとサイボーグ改造されたか、
もしくはロボットへの置き換えの計画があった模様。

デビルシャーク
クライム要塞島から発進するクライムが誇る戦闘機。ロケット弾が武器。

クライム装甲車
大砲などを搭載。


【劇場版】

前作『ゴレンジャー』とのクロスオーバー作品にして、『ジャッカー』の完結編。
シリーズ初となる異なるスーパー戦隊同士が共演した作品であり、後のスーパー戦隊VSシリーズ先駆けでもある。 

【余談】

制作当時の放送事情

1970年代半ば、東映特撮テレビ番組は危機に瀕していた。
ドル箱である仮面ライダーシリーズが放映を終了し、それまでの軸が不在となる。
そして待っていたのは、「第二次特撮ブーム終了」「制作費削減」のダブルパンチであった。

だがそんな中にあって、彼らは新たな光を手にする。
一つは『がんばれ!!ロボコン』、そしてもう一つが『秘密戦隊ゴレンジャー』である。
この2作品は東映テレビ特撮においては珍しい2年以上のロングランを達成し、スタッフ・キャストのノリも良いままに突き進んでいた。

しかし、1977年春…彼らの前に暗雲が立ち込める。
それは上記の2作品を放映する日本教育テレビ(NET)が、テレビ朝日に改組される事態であった。
他のテレビ局よりも一段劣る扱いの「教育局」から脱却する慶事に、NETはある決断を下したのである。

『せっかくの機会なんだから、マンネリ番組は終わらせた上で心機一転しようぜ(意訳)』

かくして、一大番組改変が実行される。そしてその結果は……
  • がんばれ!!ロボコン(放映期間2年半)→ロボット110番(9ヶ月)
  • 秘密戦隊ゴレンジャー(2年)→ジャッカー電撃隊(9ヶ月)
  • 特別機動捜査隊(16年)→特捜最前線(10年)
  • 非情のライセンス(2年半)→海峡物語(半年)
  • 破れ傘刀舟悪人狩り(2年半)→破れ奉行(9ヶ月)

……「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」とでも言えばいいのだろうか。
「人気があれば1年以上でも続く」70年代テレビ界にあって、失敗と取られかねない結果が続出する。
どうにか『特捜最前線』を確保した東映一般ドラマ部門はともかく、特撮ドラマ部門においては窮地に追い込まれるだけの結果に終わってしまった。

その後、東映特撮はマーベルとのコラボを図った『スパイダーマッ!スパイダーマン』、東京を離れて京都での制作を試みた『宇宙からのメッセージ・銀河大戦』といった挑戦を繰り返す。
そして『バトルフィーバーJ』『電子戦隊デンジマン』では『ゴレンジャー』への、『ロボット8ちゃん』では『ロボコン」への回帰が起こる。
そこから「スーパー戦隊シリーズ」「不思議コメディーシリーズ」という大河が形成されてゆくのである。

クローバーキングの名前について

どうも当初は「クラブキング」という名称だったらしく、放送開始前に企画書を渡されて描き始めるという事情がある幼年誌のコミカライズ版ではこの名前で登場している。
また、同時期に放送された同じ東映製作の特撮番組『5年3組魔法組』にゲスト出演した際も、撮影時期の関係からか劇中ではクラブキングと呼ばれていた。
挿入歌の歌詞でもクラブキングと呼称されており、それがそのまま使われていることからも、この名称変更は急だったことが窺えるのだが、変更された理由は不明。
ただ、トランプのスートとして正しい表記は棍棒に由来するクラブであり、クローバーは形が似ていることから使われる俗称なので、少なくともスタッフがこの事実を知らないで命名したわけではないことは確かなようだ。
2001年に発売された『スーパー戦隊アニバーサリーカード』でもクラブキングと記載されているが、放送終了後にこの呼び名で書かれたのは同カードのみのため誤植なのか意図的なものなのかは不明。


【後年での扱い】

海賊戦隊ゴーカイジャーにて◆

ジャッカー電撃隊のモチーフとなったトランプで宇宙帝国ザンギャックと勝負する回にてジャッカー電撃隊へのゴーカイチェンジを披露。
名乗り直前のトランプ投げつけも再現されているが、よ~く見るとスペードのエース、ダイヤのジャック、ハートのクイーン、クローバーのキングに加えてジョーカーのカードも敵に投げつけている。
これはビッグワンこと番場壮吉の名字がジョーカーの別名「ババ」に由来することを踏まえたものだろう。
ただし、ビッグワンはゴーカイイエローが担当するため当然女体化し、立ち位置もゴーカイジャーの並びに準ずるためにビッグワンが右端に追いやられる格好になり、違和感が激しい……

機界戦隊ゼンカイジャーにて◆

ステイシーザーダーク戦隊ギアでジャッカー電撃隊の初期メンバー4人を召喚。ジャッカーコバックも披露した。
これに対抗すべくツーカイザーはジャッカー電撃隊の戦隊ギアでビッグワンを召喚。
ビッグワンの幻影がツーカイザーに乗り移るとビッグバトンが出現し、逆にステイシーがその命令を受けたジャッカーの初期メンバー4人に襲撃されてしまった。
ちなみにセッちゃんはこれを「ビッグワンの権力」と紹介したが、その紹介映像のビッグワンが何故か杖をポンと叩いており、セッちゃんは驚いていた。


追記・修正はサイボーグ化手術を受けてからお願いします。


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最終更新:2024年04月24日 13:14
添付ファイル

*1 大正〜昭和初期に使われていた「JOKER」の読み。ネットで調べても中々出てこないが、大正時代に発行されたトランプの本などに記載がある。

*2 そもそもこの当時のいわゆる「変身ヒーロー」とは宇宙人や改造人間などの「普通の人間とは異なる者」が主流で、生身の人間が強化服を纏った『ゴレンジャー』がその中で異彩を放っていたのであり、それを考えると元鞘に収まったとも言える。

*3 丹波が変身ポーズや決め台詞を恥ずかしがっていたこと自体は事実であり、バイクの免許を持っていないこともあってゴレンジャーではオファーを断ったのだが、本作では「今回はカプセルに入って変身して車に乗るから」と言われ、断る理由がなくなって出演を引き受けたとのこと

*4 当時実際にフィギュアと強化カプセルのセット玩具が発売されている。

*5 余談だが史実では本作の3年後、「次のオリンピック」のはずだったモスクワ五輪を日本がアメリカ・中国らと共にボイコットする事を決断。日本にとっての次の五輪は1984年のロサンゼルスを待つ事になる。

*6 類例としては『忍者戦隊カクレンジャー』のニンジャレッド/サスケ。あちらも戦隊レッドで話の中心にいるが、リーダーおよび最終回でのセンターはニンジャホワイト/鶴姫である。

*7 この他にもクローバーキングやハートクインのスーツの色も燻んだ色から明るいものになっている。

*8 稲田徹氏のTwitterでの発言より。

*9 ちなみに死亡シーンも存在。酸素が尽きていることを訴えながら息絶えるシーンは本作のトラウマイベントの一つである。

*10 TV最終回で、シャインの正体を知った鉄の爪が呆然とし、自分が操り人形だったと告げられると否定もせずに悔しがる描写があるので、手の内がばれたことでクライム側は彼に従う者がなくなり、ジャッカー側もそれを把握してもう地球に手は出せないと認識しているようである。