ジャッカー電撃隊

登録日 :2009/12/14(月) 21:23:06
更新日 : 2017/07/11 Tue 22:25:57
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ジャ ッカー 電撃 隊!



1977年4月9日から12月24日まで全35話が放送された、スーパー戦隊シリーズ第2作。


【あらすじ】


悪の限りをつくす犯罪組織「クライム」に対抗するため、国際科学特捜隊の鯨井大助長官は予てより進めていたサイボーグ部隊の結成を強行、スカウトした2人の若者と殉職した特捜隊員1名がサイボーグ手術を受けた。
一度は鯨井の誘いを断った桜井五郎もクライムの非道ぶりを目の当たりにして、自らサイボーグになることを決意。
かくしてサイボーグ部隊「ジャッカー電撃隊」は誕生した。
4人は生身の身体を失った悲しみを心の奥に秘め、クライムと戦い続ける。


【登場人物】


◆国際科学特捜隊


サイボーグで普通の人間ではない戦隊は本作のみ。(ゲストを含むなら『鳥人戦隊ジェットマン』のネオジェットマンは存在する)

スペードエース /桜井 五郎(さくらい ごろう)
元オリンピック近代五種ゴールドメダリスト。
当初は改造手術を拒んでいたが、クライムを許せない正義感から手術を受け入れた。
冷静沈着かつ熱血漢、正義感の強い子供好き。チェンジ後は、 核エネルギー を帯びたにも変形する スペードアーツ と500馬力の出力、持ち前の運動能力を駆使して戦う。
親友は後のバトルジャパン。
外の人は大霊界の人の息子(大霊界の主役でもある)であり、ジャッカーの変身が「強化カプセル」というその場で変身できない特殊な形になったのは彼が変身ポーズを嫌がったための措置である。

ダイヤジャック /東 竜(ひがし りゅう)
ボクシング元ジュニアウェルター級世界ランキング第2位のボクサー。
チェンジ後は持ち前のスピードと電気が流れる・ダイヤソードを駆使して戦う。
趣味はモダン・ジャズ。

ハートクイン /カレン 水木
元麻薬担当刑事。
麻薬組織の摘発後、クライムからの報復を受けて父と両腕を失ったことからサイボーグ化手術を志願、 磁力エネルギー で稼動するサイボーグとなった。
変装術に長け、空手も得意。
チェンジ後は磁力を使ったQ型の盾・ ハートキュート を駆使して戦う。

クローバーキング /大地 文太(だいち ぶんた)
元国際科学特捜隊員で海洋学者の卵。
事故で死亡していたが、サイボーグ化によって蘇生された。
重力エネルギー で稼動するサイボーグでチェンジ後は700馬力の出力を誇り、腕にはめた クラブメガトン を駆使して戦う。

J ジョーカー/鯨井 大助(くじらい だいすけ)
国際科学特捜隊日本支部長官。妻子持ち。
クライムに負けないサイボーグ部隊を結成すべく、メンバー候補者をスカウトしてまわった。
自ら指揮官となり、「ジョーカー」と称し、黄色い専用服を纏うが、変身はしない。
ビッグワンを後任とし、ニューヨーク本部科学技術庁長官となるが、最終回と後日談劇場版には登場。

1 ビッグワン/番場壮吉(ばんば そうきち)
国際科学特捜隊日本支部2代目長官にして、行動隊長。
シリーズ初の追加メンバーであり、本作のカラーまで変えてしまった男。
詳細は当該項目を参照。

◇スカイエース
ジャッカーの戦闘機。強化カプセルの輸送の他、デビルシャークとの戦闘を行う。

◇ジャックタンク
ジャッカーの装甲車。池中に潜ることも可能。

◆犯罪組織「クライム」

首領アイアンクロー(鉄の爪)のもと、世界各地で活動を行う国際犯罪組織。クライム要塞島を本拠地としている。
地区ごとにクライムボスと呼ばれる幹部がおり、戦闘ロボットである機械怪物(デビルロボット)と兵士であるクライマーを指揮して活動を行う。

◇アイアンクロー(鉄の爪)(演:石橋雅史)
犯罪組織クライムの首領。石川五右衛門のような頭をしており右腕に鋼鉄の爪を宿す。
通常は要塞島で指揮をとっているが、自ら出撃することもある。性格は冷酷非情で、失敗した部下は容赦なく処刑する。
変装の名人でもある。

◇シャイン
アイアンクローも恐れるクライムの真の首領。
まばゆい光を発し、光の球となりアイアンクローに指令を伝えたり、怪物のような影を見せて威嚇する。
本当のシャインはこの球体を通じて第2銀河系のシャイン星から指令を出していた宇宙人で、世界征服が目的だったらしいが、劇中ではその姿を現すことは無かった。
石森による全身のデザイン画も描かれていた。

◇クライムボス
クライムの幹部。本部から派遣された機械怪物と協力して作戦を遂行する。
20話を最後に登場しなくなる。

◇機械怪物
クライムの超科学力によって製造された犯罪遂行ロボットで、デビルロボットとも呼ばれる。
人間と同レベルの知能を有し、言葉も喋る。動物、兵器、妖怪など様々なものをモチーフとしている。

◇侵略ロボット
第23話より登場。
クライムの真の首領シャインの出現と同時期に導入された高性能ロボット。
宇宙で作られているらしく、知能・戦闘力ともにデビルロボットを遥かに凌駕している。

◇クライマー
戦闘員。短剣や銃が武器。灰色一色でのっぺらぼうなマスクを着用と、歴代戦闘員の中でもかなりシンプルな風貌をしている。

◇デビルシャーク
クライムが誇る戦闘機。ロケット弾が武器。

◇クライム装甲車
大砲などを搭載。


【作風】


この作品の初期は前番組である『秘密戦隊ゴレンジャー』と打って変わって余りにもストーリーがダーク過ぎて(麻薬取引、殺人事件etc)子供が着いて行けず視聴率が低迷。テコ入れとしてクライムの背後にいた悪の未来人「エムぺリアン」を追って来た未来人「ペイジワン」がジャッカーとともにタイムマシンで時間移動して悪の陰謀を砕く案を石森プロが提案したが、それまでの世界観と異なるためにNGとなり、最終的にジョーカーに代わる行動隊長として『ゴレンジャー』に出演していた宮内洋を新たにレギュラーとして起用し、彼が演じた番場壮吉/ビッグワンを物語の中心に置く他、コメディテイストを大幅に加えるなどゴレンジャーの擬似路線に転換(後期必殺技であるビッグボンバーもゴレンジャーハリケーンのような変形機能が持たせられた)したが視聴率の回復には繋がらず、3クールで打ち切りになった。
ちなみに、スーパー戦隊シリーズで打ち切りとなった唯一の作品である。

翌年1978年には完結編である映画『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』が上映された。正式なVSシリーズではないが、初のスーパー戦隊共演作品でもある。

ささきいさおの歌うエンディングテーマ「いつか、花は咲くだろう」は名曲である。


【余談もしくは周辺事情】


1970年代半ば、東映特撮テレビ番組は危機に瀕していた。
ドル箱である仮面ライダーシリーズが放映を終了し、それまでの軸が不在となる。
そして待っていたのは、「第二次特撮ブーム終了」「制作費削減」のダブルパンチであった。

だがそんな中にあって、彼らは新たな光を手にする。
一つは「がんばれ!!ロボコン」、もう一つが「秘密戦隊ゴレンジャー」である。
この二作品は東映テレビ特撮においては珍しい二年以上のロングランを達成し、スタッフ・キャストのノリも良いままに突き進んでいた。

しかし、1977年春…彼らの前に暗雲が立ち込める。
それは上記の二作品を放映する日本教育テレビ(NET)が、テレビ朝日に改組される事態であった。
他のテレビ局よりも一段劣る扱いの「教育局」から脱却する慶事に、NETはある決断を下したのである。

『せっかくの機会なんだから、マンネリ番組は終わらせた上で心機一転しようぜ』

かくして、一大番組改変が実行される。そしてその結果は…
  • がんばれ!!ロボコン(放映期間2年半)→ロボット110番(9ヶ月)
  • 秘密戦隊ゴレンジャー(2年)→ジャッカー電撃隊(9ヶ月)
  • 特別機動捜査隊(16年)→特捜最前線(10年)
  • 非情のライセンス(2年半)→海峡物語(半年)
  • 破れ傘刀舟悪人狩り(2年半)→破れ奉行(9ヶ月)

…「数撃ちゃ当たる」とでも言えばいいのだろうか。
「人気があれば1年以上でも続く」70年代テレビ界にあって、失敗と取られかねない結果が続出する。
どうにか「特捜最前線」を確保した東映一般ドラマ部門はともかく、特撮ドラマ部門においては窮地に追い込まれるだけの結果に終わってしまった。

その後、東映特撮はマーベルとのコラボを図った「スパイダーマン」、東京を離れて京都での制作を試みた「宇宙からのメッセージ・銀河大戦」といった挑戦を繰り返す。
そして「バトルフィーバーJ」「電子戦隊デンジマン」では「ゴレンジャー」への、「ロボット8ちゃん」では「ロボコン」への回帰が起こる。
そこから「スーパー戦隊シリーズ」「不思議コメディーシリーズ」という大河が形成されてゆくのである。

はたして1977年の変革は、スタッフたちにとって数年間の寄り道に過ぎなかったのか。
それとも、別の何かがそこにはあったのだろうか…

本作とゴレンジャーは石ノ森章太郎原作のためシリーズから除外され、バトルフィ-バーjが第1作とされていた時期もあった。現在では統合されゴレンジャーが第1作、本作が第2作、バトルフィ-バーが第3作となっている。



追記・修正はサイボーグ化手術を受けてからお願いします。

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