馬岱

登録日:2009/06/03 (水) 12:12:46
更新日:2023/12/27 Wed 09:40:35
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[概要]

馬岱とは、三国志に登場する武将の一人。
馬超の従弟で、馬超の父である馬騰に仕える。
扶風郡茂陵県の人と伝わる。

[経歴]

以下は『三国志通俗演義』準拠の経歴である。


208年 馬騰の死
馬騰は曹操暗殺計画に加担するが、曹操はそれを知り、馬超を除く馬騰とその一族を入朝させ殺した。
しかし、後続部隊であった馬岱は難を逃れ、命からがら馬超の下へと逃げ帰った。
このことを知った馬超は反曹操連合を作り、馬岱もその一軍として参加した。


211年 潼関の戦いとその後
曹操との戦闘は当初は連合軍が優勢であったが、賈クの離間の計により、優劣は逆転し、馬岱たち連合軍は瓦解した。
馬岱は馬超たちと共に羌族の地に逃げて再起を図ったが失敗し、漢中の張魯を頼って落ち延びた。


214年 劉備の臣下へ
馬岱は、張魯の賓客として日々を過ごしていたが、荊州の劉備が蜀を攻めたことにより劉璋から張魯へ援軍の要請があり、馬超と共に益州へ入る。
しかし、この戦でも敵の離間の計により、主君と張魯の折り合いが悪くなり、馬岱と馬超は劉備に帰順する。
このことに恐れをなした劉璋はついに劉備に降伏し、この功により馬岱は平北将軍として劉備に召抱えられる。


222年 馬超の死
馬岱と共に長い間、数多くの戦地を駆けてきた馬超であったがこの頃、病に臥し、最期に馬岱に後のことを頼み、没した。


233年 北伐と偽降
馬超の後任として北伐に参加した。
この頃、諸葛亮魏延を危険因子として、馬岱にそのための策を授けた。
それは、火計で司馬懿と共に魏延を葬るというものであったのだが、突然の雨により失敗してしまう。
諸葛亮はこのことが魏延に知れるとマズイと思い、馬岱に後の昇格を約束し、馬岱の将軍職を剥奪した。
諸葛亮の思惑を知った魏延は諸葛亮に詰問したが、馬岱の火計の失敗のためと説明したが魏延は信用せず諸葛亮に、
「将軍職を奪ったと言うならば、馬岱を私の副官にしたい、馬岱の失敗なのだろう?異論は無いな丞相」
と言い、諸葛亮等をドキリとさせたが、馬岱は快く了承し魏延の配下となった。
馬岱は魏延に当初は諸葛亮の回し者と疑われていたが、魏延の副官を演じることで信頼を得ることができた。
こうして、馬岱は魏延の副官という名目で諸葛亮のために魏延の監視を行うようになった。


234年 「ここにいるぞ!!」
諸葛亮が陣中で没し、蜀軍は全軍退却することとなったのだが、その途中で魏延と司令官である楊儀の間に争いが起こり、馬岱は魏延と共に反乱を起こす。
これにより、馬岱は魏延と同じく蜀への謀反人とされてしまった。
しかしそれでも魏延と共に楊儀を追撃し、ついに追いついた。
追い詰められ、篭城する楊儀は生前に諸葛亮から魏延たちが反乱を起こしたら、これを読めと言われたことを思い出し、書を開いた。そこには、
魏延に俺を殺せる奴はいるか、と三度言わせよ、と書いてあるだけだった。



楊儀「貴様にかなう者がいないと思うのならば、俺を殺せる奴はいるか、と三度言ってみせよ」

魏延「フン、諸葛亮が死んだ今、この国に俺にかなう奴がいるはずがない。良いだろう言ってやる」

魏延「俺を殺せる奴はいるか!!」

魏延「俺を殺せる奴はいるか!!」

魏延「俺を殺せる奴はいるか!!」

馬岱「ここにいるぞ!!」

魏延「なんだとッ」

ドカッ
馬岱は生前の諸葛亮に魏延が「俺を殺せる奴はいるか」と三度言いきった所を斬るように、と命じられていたのだった。

こうして魏延の首級を上げた馬岱は楊儀の下に馳せ参じ、この策を説明した。

馬岱は、この功により魏延の爵位をすべて譲り受け、謀反人の汚名も晴らしたのだった。


[正史(『三国志』『晋書』)での馬岱]

独立した伝記は立てられておらず、記述は多くない。しかし馬超の死に際して後事を託されたことは記載がある。

また、諸葛亮が魏延を焼き殺そうとした話はなく、従って馬岱の降格はもともとない。
楊儀と魏延の争いでは、普通に楊儀に命じられて魏延を斬った。
その後、魏を攻撃して牛金に撃退されてたりする。最終官職・爵位は平北将軍・陳倉侯。


[各メディアの馬岱]


●真・三國無双シリーズ

かつては王平、楽進らと共にファンから参戦を熱望されるキャラの一人ではあったが、
無双シリーズでは何故か月英に求婚するモブの一人だったり、見せ場はあったものの、馬超の影に隠れてあまり目立たない存在だった。

似たような立場に張包(張飛の息子)がいるが、あちらはOROCHIでかなりプッシュされているためかなり目立っていた一方、馬岱は洗脳されていた。

しかし三國無双6にて満を持して参戦。声優は袁紹と同じ人。
猛将伝では使い方こそ真逆だが、おなじみの台詞も発している。
言動と見た目は軽薄そのもので信頼の置けなさを感じるが、魏延と仲が良く諸葛亮との関係を取りなしたり、西涼時代からの主従である馬超に振り回されたりと実は苦労人。


●三国志大戦

そこそこのスペックだが貴重な伏兵持ちの騎馬兵、アンコモンという手に入りやすさ。
更に風間雷太先生の手掛ける「眼鏡を掛けた銀髪のイケメン」というイラストが加わり使用率はかなり高かった。
スペック要員だけと思いきや計略もシリーズが進む度に強化されていき、3ではなんと神速戦法を会得し相手のデッキによれば隠れた切り札にも使えた。
特に伏兵解除時の台詞「ここにいるぞ!」は一種のミームと化し、中には君主名に採用し伏兵単デッキを使う剛の者までいた。

ゆく某年のX’masの日、2ちゃんねるのとあるスレ(本スレ)に『このゲームを独りでやっている兵(つわもの)はおるか!!』
と書き込みしたところ、その書き込み後には『X’masの日に独りでこのゲームをしている者は』

こ こ に い る ぞ !

馬岱だけで出撃するものが多発したと云う。

意図を察した者は、その姿に涙し対戦相手にささやかなプレゼント(このゲームの勝利)を贈った。
尚、最近は毎年の恒例行事と化している。

また、蜀の馬岱(神速)では魏延(大車輪)を倒すのはまず不可能だが
『ここにいるぞ!』と言わない群雄馬岱(一閃)は魏延(寡兵)のメタ。

Tシャツが販売された。


●三国志大戦(新版)

蜀の方は1コストに下げられ、ついでに計略も奮激戦法にされた。
伏兵セリフは「私は、ここにいるぞ!」流石である。
ついでに魏延と一騎討ちすると特殊セリフになる…のだが武力差3。果たして勝てるのだろうか。
「君を討ち取る者は…ここにいるぞ」
更に旧馬岱と横山LEもコンパチで参戦したが、持つことが推奨される将器の関係で通常排出<復刻<横山の図式が完成してしまった。

群雄の方は一閃から再び回復計略に戻され、馬岱は地味、粘り強いというだけになった。
そして何故かこっちも「ここにいるぞ」とのたまい出した。早い早い。

どちらにせよ魏延には勝てない。

後に一閃が蜀に来て、『ここにいるぞ』と言うように。落城時ではあるが…。
魏延よりかなり頭が良いので伏兵ダメージと合わせれば魏延を倒せる。
が、特殊セリフの対象は忙牙長。そりゃないよ…。


●コーエー三國志

そこそこの統率と高めの武力を持つ優秀な武官。知力と政治も低くはなく、強いというより便利な武将。
馬騰や馬超の存命中は目立たないが、北伐の頃には主力の一人になってくれる。
ただ没年不詳のため寿命が安定せず、作品によって蜀の滅亡直前まで生きていたり正始の変時点で死亡済みだったりと安定しない。
近年の作品では一騎打ち等で「ここにいるぞ!」も言ってくれる。魏延と一騎打ちさせると「わしを殺せるものはいるか」→「ここにいるぞ!」の流れを再現できる……のだが、武力は魏延の方が上なので……。


●横山三国志

「わしを殺せる奴はいるか!!」一回で斬り殺している。
意外にも登場したコマ数が作の全ての登場人物の中で11位となっている。

●BB戦士三国伝

外伝「武勇激闘録」に、「蒼漣の金豹」馬岱ガンダムとして登場。
演者は設定されていないが、キットは武者ブルーガンダムことブルーディスティニーのものを流用しているため実質的には従兄弟と同じ演者である。
なので新規パーツの鎧を剥ぐと例の青ジムまんまの姿になる。
ここでも「ここにいるぞ!」はしっかりやった模様。
ぶっちゃけ空気な上に新造パーツの合体ギミックや元ネタ準拠の赤目シールくらいしかめぼしい点の無い不遇の侠。




「貴様以外に編集・追記ができぬのなら、この項目に編集及び追記ができる奴はいるか、と三度言ってみろ」

「俺以外に編集・追記ができる者がいるはずがなかろう。良いだろう、言ってやる」

「この項目に編集及び追記ができる奴はいるか!!」

「この項目に編集及び追記ができる奴はいるか!!」

「この項目に編集及び追記ができる奴はいるか!!」


「ここにいるぞ!!」


「なん…だとッ…?」

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最終更新:2023年12月27日 09:40