日本料理

登録日:2012/09/11(火) 20:08:38
更新日:2018/07/08 Sun 13:09:26
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いただきます



日本で発達した料理体系。ハヤシライスナポリタンなどの洋食ラーメンなどの中華料理も広義では含まれるが、そちらは当該項目を参照。

四季の変化が明瞭であり、それぞれの季節に適した食材や調理法を用いることを重視する傾向にある。
山菜などの四季折々の新鮮な材料が豊富で、それらの持ち味を活かすためにあえて淡白な味付けをすることが多い。
また周りを海に囲まれた風土のため魚介類も多く使われる。

日本の水は殆どが軟水であり、煮物や汁物を作るときに素材の味や香りを引き出すのに適している。
そのため味付けのベースとして出汁を取ることが発達してきた。
出汁の材料は植物性は昆布や椎茸、動物性は鰹節や鳥獣の骨などがあり、これらを水に浸して旨み成分を抽出する。
そこに醤油などを加えたものを料理に使って味を調える。

包丁捌きや盛り付けの美しさが非常に重要視されているのも特徴の一つ。
皿の上に一つの風景を描く様はまさに芸術といえる。

また、炭水化物、脂肪、蛋白質の三大栄養素のバランスが良く、海外では注目された事がある。

肉じゃがやすき焼きなど、お菓子以外の料理に砂糖を多用する世界的にも珍しい特徴がある。 

一つの特徴としては、基本的に日本の料理文化は「ボトムアップ」型であることが挙げられる。
フランス料理に代表されるように、基本的に食文化というのは上の立場の人間に作られる料理が発達した後に、その技術が庶民に広がる「トップダウン」形式を取りやすいが、日本の料理は多くが庶民の文化発祥でそれが高級料理として洗練されてきた歴史がある。
寿司も天ぷらもすき焼きも全て元をただせば庶民料理である。
これは、「禅」などの影響もあってか、長く政治のトップにいた武士層が高級な料理を好まない傾向にあったことが影響しているのかもしれない。
ねぎまの殿様にも見られるように、むしろ庶民の方がよほど美味いものを食べていたのである。
それもあってか、日本料理店は細分化が非常に激しい。「寿司もうどんもすき焼きも全部同じ店で食べられると思っていた」というのは、日本に来た観光客がよく口にする台詞である。

■食材

稲(米)には大量の水と高温が必要であり、雨が多く湿潤な日本は栽培に適している。
温度に関しても真夏の猛暑に成長期を合わせることによって米作りが可能になった。
他の国のインディカ米と違い、日本の米はジャポニカ米であり粘りが強く冷めても美味しく食べられることが特徴。

  • 豆類
日本は歴史的に動物性蛋白質の摂取が少なかったため、大豆が蛋白質と脂肪の補給源として重要な役割を担っていた。
しかし大豆は消化し辛いという欠点があったため味噌や醤油納豆などの発酵食品や豆腐や黄粉(きなこ)などの加工食品が重宝された。
完熟豆だけではなく未熟豆やサヤエンドウなどの若ざやなども野菜として食べる。
また菓子類にも使われ、特に餡子の材料として小豆などが多く使われる。

  • 野菜、山菜
春は筍やタラの芽、夏はキュウリや茄子、秋は芋や栗、冬は大根や蓮根など四季の移り変わりに応じて様々な野菜が採れる。
季節ごとに取れる野菜は
春…香りの強いものや苦みのあるものが多く新陳代謝を促す
夏…水分が多く含まれたものが多く暑さを凌ぐ
秋…脂肪分が多く冬の寒さに備える
冬…身体を温めて寒さを凌ぐ
といった傾向があり、その季節に相応しい効能がある。
なお元々日本原産の野菜は少なく*1、ほとんどは海外からやって来たものである。
またゴボウを食用とする世界でも珍しい国である。

  • 魚介類、海藻
日本は海や川など水が豊富であり、地域や季節によって様々な魚介類が食べられている。
生で食べる刺身や寿司、保存の効く干物、焼き物や煮物など調理法は多種多様。
また昆布や寒天、わかめや海苔などの海藻も好んで食べる。(海外では海藻を食べる文化はあまりない)

  • 肉類
今でこそ食肉用に育てられている牛肉・豚肉・鶏肉が主流で馬肉等も食べられているがこれは明治以降。
牛や馬は農耕用に飼われていた。
開国以前は、獣は主に山で捕れる鹿肉・猪肉・兎肉が、鳥類は雁、鴨、雉、鶴などが主流だった。
しゃぶしゃぶ、すき焼き焼き肉など薄切りにした肉を使う傾向にある。

その歴史は意外に浅く、食べられるようになったのは江戸時代から。
主な料理は柳川鍋などの卵とじやだし巻き卵
すき焼きの溶き卵や卵かけご飯など生食することも多い。(海外では衛生上の観点から生卵を食べない地域が多い)

  • 果物
野菜と同様、四季折々で様々な果物が採れる。
栗や梨、蜜柑などが代表的。

不発酵の緑茶が一般的。
その中でも日光を浴びて育った煎茶が最も良く飲まれている。
血糖値が過剰に上昇するのを抑えたり、脂肪を付きにくくする効果がある。



■料理

  • ご飯、飯
米(主に白米)を水で炊いたもの。日本人の主食でありソウルフード其の一。
「ご飯」「飯」という言葉が食事を意味する言葉でもあることからどれだけ重要な存在かわかるだろう。
これを握り固めて携帯性を高めたものがおにぎり

具材をだし汁で煮立たせ、味噌で味付けした汁物。日本人のソウルフード其の二。
地域や家庭によって具、出汁、味噌の個性が出る。まさに家庭の味。

  • 煮物
材料を出汁で浸して醤油・酒などで味付けして煮る調理法。
水で食材を柔らかくして煮汁の味をしっかり含ませることができるのは日本の水があってこそ。
使う材料は野菜、肉類、魚介類、豆腐など様々。
素材ごとにそれぞれ合った方法で別々に煮て一つの器に盛り付ける炊き合わせは味だけではなく見た目も素晴らしい一品。

他の国の麺類が味の濃いソースやスープで食べることが多いのに比べて、日本の蕎麦や饂飩(うどん)は茹でたものをツユに浸して食べることが多い。
もちろん味噌などで濃厚な味付けをしたものも好まれて食べられている。
また日本の麺類は他国と比べてコシが重視され、弾力に富んだ噛応えのある麺が多いが大阪や福岡ではコシのないうどんが好まれる。

季節の食材に小麦粉や水で作った衣を付けて油で揚げた大阪発の料理。天婦羅とも書く。
ツユや塩、大根おろしなどで食べる。

鍋に具材と出汁を入れて煮込んだ冬の定番。
海の幸、山の幸など多種多様な食材を一度に楽しめる。

上質な魚介類や肉を切り身にしてワサビ醤油などにつけて食べる。
盛り付けだけではなく食材の切り口にも美しさが求められる日本の包丁文化の極といえる。

  • 寿司
元々は東南アジアを起源とする淡水魚の漬物で鮎や鯛、猪や鹿を漬けたもの。
漬床に使われる米の乳酸・発酵により酸味と保存性を高めている。
日本ではそれを洗練させて、一晩で食べられる押し寿司や江戸時代に誕生した酢飯に刺身を乗せて握り一口サイズで食べられるようにした握り寿司が主流。
ご飯に直接すし酢や具を混ぜたちらし寿司も人気がある。

  • 焼き物
魚や肉などの材料を火で直接加熱する料理。
一口に焼くといっても、串に刺して直火で焼く、網に乗せて焼く、鉄板で焼くなど方法は様々。
味付けも塩をふるだけのものから、西京焼きのように醤油や味噌などのタレに材料を漬け込んだものまで幅広い。

野菜や魚、肉などを調味料に漬け込んで保存性を高めたもの。
日本では梅干しや沢庵漬けが有名だろう。

丼に盛ったご飯の上に具を乗せたもの。丼の代わりに重箱を使う場合もあり、その場合は
~重と呼ばれる。


■和菓子

  • 大福
柔らかなお餅で餡子を包んだ菓子。
餅に豆を混ぜた豆大福や中に苺を入れた苺大福などのバリエーションがある。

  • 餡蜜
明治時代に誕生した豆や寒天、果物に蜜をかけて餡子を盛ったもの。
生クリームやアイスクリームを乗せることもある。

  • お汁粉
砂糖で甘く煮た小豆に餅や白玉団子を入れたもの。
冷やして生クリームやアイスクリームを添えても美味しい。

主に餡子を寒天で固めたもの。
栗やさつま芋が使われることもある。

  • 団子
ご飯(うるち米)を丸めた物を何個か串にさし、醤油だれや餡子などをかけたもの。

  • 煎餅
ご飯(こちらはもち米)を練ったものを焼いたり揚げたりして味付けした物。


■お茶

  • 煎茶
日本では最も一般的なお茶で新芽が出てから摘み取りまで日光を浴びせて育てた緑茶を使う。
程良い苦みと旨み、渋みが特徴で暖かいままでも冷やしても美味。
漬物を乗せたごはんに煎茶をかければお茶漬けに。
精進料理ではだしとして使う事もある。

  • 抹茶
蒸した緑茶を乾燥させて挽いたもの。
普通に飲むだけではなく、牛乳を入れて抹茶ミルクにしたり、ケーキなどの洋菓子に使って抹茶風味にするなど用途は広い。
塩と混ぜた抹茶塩は天ぷらのお供に最適である。

  • ほうじ茶
緑茶を茶色になるまで焙じたお茶。
香ばしくてほんのりと甘い風味が特長。


追記・修正は美味しい日本料理を味わいながら行ってください



ごちそうさまでした。

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