カラドボルグ

登録日:2010/03/07 Sun 00:44:24
更新日:2022/11/13 Sun 00:06:50
所要時間:約 4 分で読めます




1:

神話に登場するカラドボルグ

ケルト神話に登場するアルスター戦士、フェルグス・マク・ロイの所持する愛剣。

神話において無敵の剣とも評されている。
曰く、

『虹の端から端まで長く伸び、一振りで丘の天辺を三つも斬る』

ほどの威力と攻撃範囲があるという。

例えるならば一面の荒野に展開した軍隊の大半がこの剣の一振りで吹っ飛ばされるのだ。

結構なチートである。

この剣があってフェルグスは一騎当千の働きをしたと伝えられているというが、ある種当然の結果だといえる。

因みに『カラドボルグ』とは『硬い稲妻』又は『煌めく剣』という意味のアイルランド語。
余談だがこれは『エクスカリバー』のウェールズ名である『カラドヴルフ』と語源が同じ為、エクスカリバーの祖ではないかという説もある。

さらに余談となるだがFate/stay nightを知る人でなくとも武器に詳しい人は知っていると思うが、エクスカリバーの祖は『グラム』とする説もある。

これは『選定の剣』だという位置付けと一度折れて再び打ち直されるという記述から来ている。
(グラムは樫の樹に、カリバーンは岩にぶっ刺さっている)
しかしこれだけの性能を持ちながらも、伝説中の活躍はいささかしょっぱいものだったりする。

コノートの間に起きた『クーリーの牛争奪戦』での話。
元々、フェルニグスはアルスターの王位継承者であったが、先王の未亡人ネサをものにしたいという欲求にかられ、ネサに求婚する。
ネサは結婚を承諾する代わりに、息子のクルフーアに一年だけ王位を譲ってほしいと申し出、フェルニグスはそれを受け入れてしまうのである。
しかし、一年後、フェルニグスが王に戻ろうとするとしてもクルフーアは王位を返さない。
クルフーアはその見事な政治手腕で善政を行い、家臣たちの心を掴んでいたため、誰もフェルニグスが王に戻るのを望まなかったのだ。
騙されたことに気が付いたフェルニグスは反乱を起こすが、これに失敗、息子まで失いコノートへと亡命する羽目になった。


やがてコノートとアルスターの間で戦争が起こり、戦場で息子の仇であるクルフーアを発見したフェルグスが、首を置いてけと言わんばかりにクルフーアに襲いかかる。
だが、クルフーアはオハンという強力なをもっており、フェルニグスのカラドボルグによる渾身の攻撃はオハンにあえなく弾かれてしまったのだ。
3度も切りかかりながらオハンには傷一つつかず、更にはオハンの「所有者の危機を察知しかなぎり声を上げて知らせる」という機能の為に、援軍が到着、ついにクルフーアの殺害をあきらめざるを得なかった。
あまりの結果に腹を立てたフェルニグスは、代わりに三つの丘の頂を切り落としたという。

ようするに、やつあたり。
別の話では、盟友コルマクがフェルニグスに対し王殺しをやめるように説得し、フェルニグスはついにクルフーアへの復讐を思いとどまったともされている。


2:

Fate/stay nightに登場するカラドボルグ

アーチャーが使用する「偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)」が登場。
一応は「剣」だが、アーチャーが「矢」としても使い易いように改良しているので、形はドリルっぽい。
「偽」や「Ⅱ」という単語が入っているのは、その為である。


ウルスターゆかりの者がこの剣を使う時、クー・フーリンはこの剣の前に一度敗北しなければならないという。

アーチャーは本編では「矢」としては2回(内1回は壊れた幻想として爆破)、剣としては士郎との戦いにおいて一度使用している。

キャスター戦では外したとはいえ余波だけで防御を突破し、消滅寸前に追い込む致命傷を与える程で、
もし彼女が空間転移をしようとしてもその空間ごと抉っていくらしく、直撃したなら完全に消滅したとも。(型月作品における空間などの攻撃は同じ空間系でなくとも同じ威力なら相殺可能)
(因みにこの時は態と外している)
凛ルートの序盤でアーチャーの専売特許ともいえる『壊れた幻想』で壊れたり、
キャスター戦で使用された後は回収されたか不明だったり、
士郎戦では士郎が投影したカラドボルグを砕いた後に投げ捨てられたりと、
扱いはあまりよろしくない。まぁ使い捨て可能な投影宝具としての利点が存分に発揮されているとも言えなくもないが。

なお、士郎は弓を使わずに使用する。 

また、『偽・螺旋剣』はアーチャーが改良した別物のはずだが、アニメ版で金ぴかが使った原典が同じ形状をしているのは気にしてはいけない。

そして、映画版に登場するものが別物にしか見えないが気にしてはいけない。

Fate/EXTRA』ではパートナーサーヴァントの一体、アーチャーの最強スキルとして登場。
投影精度3が必要、消費MPは70と攻撃用の投影スキルの中では一番使用条件がきついが、威力は一級(+BREAK効果)で雑魚なら場合によっては一撃KOできるレベル。
ただ、MP量がさほど多くないアーチャーにとって消費MP70はポンポン使えるものではなく、基本的に中ボス以上のレベルの敵に使うことが多い。

Fate/Grand Order』では、フェルグスの参戦に伴い本家が満を持して登場。その外見はまさしく「取っ手つきドリル」。
しかし、捻じれている以外の共通点はない。投影品の装飾はカリバーンやエクスカリバーの方が近い。三つの丘は斬ったというより削ったのだろうか…


「−―――I am the bone of my sword.
(我が骨子は捻じれ狂う。)」

「―――“偽・螺旋剣”
(カラド…ボルグ)!」


「―――たわけ、かわせといったのだキャスター!」



他にも一部名前が変わっていたりするが、様々なゲーム等に出ている。

案外名前だけは有名かもしれない。



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最終更新:2022年11月13日 00:06