死霊の盆踊り

登録日:2012/05/13 Sun 10:06:06
更新日:2024/03/31 Sun 04:49:57
所要時間:約 4 分で読めます





死霊の盆踊り』(原題:Orgy of the Dead)とは、1965年に公開されたアメリカオカルト・エロチック・ホラー映画
原作・脚本は知る人ぞ知るエド・ウッド
制作・監督はA・C・スティーブン。

その独特な内容と作風は、映画界に衝撃を与えた。2005年にはDVDも発売されている。
また、ティム・バートン、ジョン・ウォーターズ、クエンティン・タランティーノ等の著名な映画監督にもファンが存在する。




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これから話す物語は
気を失うほどに恐ろしい


夕闇と共にすべてが始まる




【恐怖ポイント】

監督『死霊の盆踊りどうだった?』

観客『『『俺達の時間を返せ』』』

以上













この映画、ホラー映画の皮を被った超絶クソ映画である。通称Z級ホラー、史上最低のハリウッド映画

原作のエド・ウッドも『プラン9・フロム・アウタースペース』(以下『プラン9』)『グレンとグレンダ』『怪物の花嫁』といったクソ映画の製作に定評があり、史上最低の映画監督と称された人物である。


■ぶっちゃけどうでもいいストーリー

売れない小説家のボブは、恋人のシャーリーと共に小説のネタ探しをするため真夜中の墓場へドライブに行く。
だが途中でシャーリーが引き返すよう強く迫ったため、ボブは仕方なくをUターンさせるが失敗。二人は車ごと崖から落ちてしまう。

そして崖の下の墓場で、二人は、死霊たちの宴を目撃する……!


■特に何もない内容

上映時間91分のうち殆どが女死霊が裸踊りをするだけというシュールなシーンで占められている。

また、出演している役者の台詞が棒読み。
特に夜の帝王に至っては明らかにカンペを見ている演技。
事故った筈なのに車が消えるだの、真夜中のシーンの筈なのに突然昼に変わるだの……と突っ込み所が非常に多い。
そして『プラン9』とは違いで製作されている。だからなんだ。

メインというか、一番長い女死霊の躍りのシーンも、工夫してカメラワークや照明でエロく見せたり死霊らしいメイクや演技をしていたりする……なんて事はご安心ください、一 切 ありません。

つまりカメラはほとんど固定で、ダンスも素人レベル。死霊らしいメイクも施されておらず、一人が踊る時間もバラバラという有り様である。
それが数十分の間延々と続くのである。ちなみに女死霊は何故かトップレスで皆おっぱい丸出しだが、正直言ってちっともエロくはない。

「女死霊のおっぱいが丸見えだと!?見るしかねぇ!」

なんて思って本編見たら後悔する。

普通の映画として作られたわけではなく、ポルノ映画の予定だったが、エロ規制をすり抜けるためにホラー映画という名目にされたのである。
まあポルノとしても落第なのは紹介した通りだが。
あとホラーっぽさを出そうとしたのか、何故かミイラ男狼男が出る。

その異常な程のクソっぷりから、一周回って一部ではカルト的な人気があり、『プラン9』等、他のエド・ウッド原作のクソ映画らと共に語り草となっている。
実際、項目序盤で述べた「ティム・バートン、ジョン・ウォーターズ、クエンティン・タランティーノ等の著名な映画監督にもファンが存在する」というのも事実だし。
なお『プラン9』にも出演した霊能者のクリスウェルは監督と仲が良く、本作では実名で出演している。

日本では1986年に成人映画として公開された。
いや、まあ確かにおっぱい出してるし原題は死霊の乱交パーティー(Orgy of the Dead)だし、色んな意味で子供に見せられない内容だけどさ……。

日本での配給を担当したのはのちの映画評論家の江戸木純氏。
映画配給会社に就職して最初に担当した映画がこの作品で、彼はこの会社に入ったことを後悔したそうな。

しかし、ヤケクソ気味にとりあえずつけておいた邦題「死霊の盆踊り」がその馬鹿馬鹿しさ故に話題となり、結果的に「史上最低の映画」としてヒットした。
日本で話題になったことに気をよくしたA・C・スティーブンは舞台挨拶に自腹で来日。
さらに帰国後は続編制作の為の出資者を日本から募るべく江戸木氏に脚本を送って来たそうだが、設定が未来で音楽がロックになった以外はまったく同じ内容であったとのこと。
もちろん出資者など現れるはずもなかった。

ちなみに江戸木純の名前はエド・ウッド・Jrから取られている。


ラスト?最終的に死霊達に見つかり捕まった二人が踊りを無理やり見せられて、死霊のボス二人が言い争っているうちに朝になって、朝日を浴びた死霊達が消滅して助かりましたとさ、めでたしめでたし。



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最終更新:2024年03月31日 04:49