ながされて藍蘭島

登録日:2010/11/14 Sun 00:42:46
更新日:2024/04/25 Thu 16:11:18NEW!
所要時間:約 6 分で読めます




『月刊少年ガンガン』で2002年6月号から連載されている藤代健(ふじしろ たけし)作の漫画

一言で言えばコテコテのハーレムコメディなのだが、現在では一つの大きな特徴で知られる。
それはガンガン最長連載記録を現在も更新中であること*1。単行本既刊40巻。(2023年現在)
さながらガンガン界のこち亀であり、おかげで「実はまだ続いてる漫画」などの話題になると名前が挙がっては驚かれるのがお約束。なんせメディアミックス展開してたのもゼロ年代後半までだし……。
序盤から張り巡らしている伏線はこつこつ回収してはいるが、良くも悪くもラブコメを貫いており終わる気配はない。

◆あらすじ

父親とケンカをし、勢いで家出した少年・行人。
だが、その時乗っていた船から転落し、嵐や大渦に呑み込まれ、一つの島に流れ着く。
その島「藍蘭島」は女の子ばかりの島だった!!

◆登場人物

(CV:アニメ版/ドラマCD版)

主人公。14歳。
百年に一度級の大嵐に巻き込まれ、乗っていた船から落ちて遭難。
幸か不幸か女の子ばかりでほぼ脱出不可能な島、藍蘭島に流れ着く。
基本的には一般的な中学生男子だが、誰かのために身体を張ることを躊躇わず、いざという時には漢を見せる。
そのため、当初は島唯一の男性という物珍しさからアプローチしてくる住民が大半であったが、
巻数を重ね、住民との交流が深まるにつれて、行人本人に好意を寄せる住民がじわじわと増えていっている。

祖父のスパルタ紛いな教育もあったおかげか、筋肉質。剣の扱いにも慣れている。
それでも、最初は現代っ子ということもあって島の住民には心身共についていけない場面があったが、
島の生活に慣れていくにつれて心身が鍛えられ、時折我に返って驚くほどに島に馴染んでいる。

一方で、異性への免疫は周囲が女性ばかりという環境にいながら全く付いておらず、
純粋過ぎてラッキースケベに遭う度に鼻血を大量に噴出させる鼻血ブースター。
ポロリはもちろん、パンチラでもお約束のように鼻血を出す。それでも最初期よりは耐性が出来ているが、やはり最終的には鼻血オチ。
尤も、行人と同世代かそれ以下の住民は基本的に男性に会ったことすらないため、恥じらいが全くなく*2
パンチラどころか行人の前で着替えることにすら抵抗がない同世代の異性に囲まれていれば、こうなるのも仕方ない部分もある*3
なお、鼻血を出すときの効果音は通常は「ブー」だが量が多いと「バフッ!」になる。

この手の作品では珍しく読者からも人気で、メインヒロインのすず以外を抑え、ランキング2位に輝いた時もあった。
スペックが高く、顔も良く、性格も男らしさがあるため、女性読者の心を掴んだのかもしれない。

美咲という妹がおり、21巻でついに再会した。しかし彼女は実は藍蘭島生まれであり、実妹ではなく義妹であった。

伏線はじわじわ回収されてはいるものの、未だ様々な伏線を抱えている。

ヒロイン。13歳だが巨乳で身長も高い、島でも指折りの器量よし。屈指の運動神経を誇る。
ただ後述のあやねの弁によると初潮はまだとのことで、肉体の成熟具合を加味すると不妊体質の可能性もある。
もしもそうであるならば、不妊治療が出来るか分からない島の医療状況を考えると、
「女性しかいない島に漂着した唯一の男性の妻に最も近い女性が子供を産めない」という、色んな意味でまずい状態かもしれない*4
学習能力も高いのだが、勉強は大の苦手。
現代日本であれば順当にいけば中学二年生くらいの年であるが、一時期不登校になるほど島の学校・勉強が嫌いであり、
行人が先生をするようになってからは通うようになったが、ろくに勉強をしてこなかった弊害で九九を覚えるのにも一苦労の有様で、
行人の授業を受ける前に基礎から学ぶために補習を受ける羽目になっており、あやねからもよくアホのすずと馬鹿にされたりしている。
連載19年にして14歳になった。

膝まである長いとび色の髪を、青いリボンポニーテールにしている。
着ている衣服は母親のすずらんが若い頃に身につけていた物とほぼ同じ。

純真で優しい性格で、突如同居することになった行人を家族として暖かく迎え入れた。
決まった仕事は持たないが、割となんでもできるので普段は住民の稼業の手伝いをして回っており、住民から頼りにされ、親しまれている。
滅多なことでは怒らないが、苦手な辛い物を食べさせられたり、驚かされたりして本気で怒らせると凶暴な猫のように大暴れする。これは母親譲りの凶暴性が現れていると言える。
あやねは幼少期、悪戯をやりすぎてすずを本気で怒らせたことで大惨事になったため、以降はやりすぎないように気を付けているという。

両親はそれぞれ別々に行方不明になっており、行人が流れ着いてくるまでは友達というより弟分や息子のような存在のとんかつという子豚と一人と一匹暮らし(?)をしていた。
行人を家に住まわせてからは、すず本人が異性に興味がないこともあって彼の保護者のような立場になるが、
同居生活の中で仲を深め、肉体的にはすずの方が強いままだが、精神的には行人の方がすずの兄のような関係になっていく。
なお、寂しがり屋のため、「家族と風呂に入りたい」感覚で隙あらば行人と風呂に入りたがる場面が多々ある。

海龍神社の巫女。16歳のつるぺた。
すずをライバル視しており、事あるごとに張り合うがほとんどの場合返り討ちに遭う。

悪戯好きですずやゆきの等をからかっているが、やりすぎてしっぺ返しを喰らうのが常。
一方で根は良い子であり、いつもすずをからかっているのは寂しがり屋なのに一人暮らしの彼女を気に掛けているためで、
特にすずが寂しがる雨の日には、何かと理由を付けて彼女の家を訪ねるとか。

姉のまちの悪戯や自分の悪戯のしっぺ返しなどで幼い頃から痛い目を見まくった結果、不死身ばりにタフな身体になっており、
死にそうな目に遭っても「まああやねだし」で心配されないのが基本で、あやね当人もよほどのことでなければ不幸を不幸と思わないほど慣れている。
また、その体質やポジションもあって、ヒロインの中でも容赦ない顔芸を連発しているが、美少女であることも事実で、
もんじろーを慈しんでいる時など、優しい表情を浮かべているあやねは行人もドキリとするほどの美少女オーラを放つ。

最初こそはすずに対する対抗意識から行人を誘惑しようと動いていたが、とある一件がきっかけで異性として意識するようになった。

海龍神社の巫女であやねの姉。18歳だが見た目はほぼ幼女
しかし、本人曰く『脱いだら凄い』とのことで、実際バストサイズはDカップ。

興味のあることしかやりたがらない、人をからかうことが大好きなど見た目通りの幼い振る舞いが目立つが、
時折年齢相応の落ち着きや包容力を見せることも。
なので序盤から行人が他の女の子と仲良くしていても「浮気も甲斐性の一つ」といって余裕をみせる場面も。
しかし、行人のことを本気で想うようになってからは、嫉妬深い一面も見せるようになった。

この性格から、興味がある呪術等に関しては天才と言っても過言ではないレベルの実力を有する一方、
興味がない家事等に関しては、あやねに押し付けてきたこともあって壊滅レベルと両極端。
料理については、音だけ聞いているとどんなスプラッター映画かと思うような凄惨な調理を行い、
出された料理も見た目は食欲が失せそうなほどアレだが、味はとても美味という訳の分からない腕前。

ちなみに、妹のあやねには過激な悪戯や報復を繰り返し、彼女からは恐れられているが、
これは妹が嫌いなのではなく、可愛がりの方向が明後日の方に向かった結果で、幼少期は目に入れても痛くないほど(普通に)可愛がっていた。
あやねもそれを察しているのか、姉の地雷を踏まないように気を付けつつも、基本的には仲の良い姉妹関係を築いている。

海龍様関連やとんかつの正体におそらく気付いている数少ない人物の一人である。

島唯一の洋館に住む眼鏡っ子。14歳。
洋館図書室の怪しげな本や島に流れ着くいかがわしい本を発見してはよく読んでいる。

一見まともそうな子だが、その実島一番のトラブルメーカー。いろいろと腹黒い面も覗かせる。
因果応報で痛烈なしっぺ返しをもらっても懲りないが、誰かを死に至らしめるなどの洒落にならないトラブルは起こさず、
変なスイッチが入らなければちょっと知識欲が強いだけの普通の女の子である。まあ割と頻繁にそのスイッチが入るのだが。
その性格もあって行人に対して異性的な意識を持つのも住民の中では遅く、本格的に自覚し始めるのにも連載から10年以上かかっている。*5

行人同様外から流れ着いた中国人の少女。13歳。
「ウメウメ」でも「バイバイ」でもなく「メイメイ」。

元は家族で雑技団をしていた。極度の上がり症で、ジャグリングをすると投げている物がホーミング弾の如く客席へ飛んでいく。
恥ずかしがり屋で人見知りをする性格が災いして行人らの住む村に来ても食べ物を分けてほしいと言えず、やむを得ず泥棒をしてしまっていたが、
行人たちの優しさに触れ、勇気を出して泥棒していたことの告白と謝罪をしたことで村に受け入れられ、村の住人となる。

初期から行人に惚れてはいるが妄想癖が強く、少し暴走気味になる場合も。
また、控えめで悪感情を見せることはほぼないが、行人との関係を(誇張して)あやねが自慢した際には、
無意識の嫉妬心が、ジャグリングしていた物が正確にあやねの方に飛んでいくという形で発露していた。

島の最年少。11歳。
いつも友達の動物を引き連れている。…というかその上に乗っている。

甘えん坊で結構わがままと子供っぽい性格だが、子供と言われると憤慨するお年頃。行人も妹感覚で接している。
従姉であるちかげには赤ちゃんの頃から面倒を見てもらっており、いろんな意味で頭が上がらない。

大工見習い。巨乳。
代々大工の棟梁を務める家の娘だが、大工の才能は全く無く、家具を作れば前衛芸術じみた代物が出来上がる。
一方、見習いとなってからは一家や兄弟子たちの食事を三食作っていたこともあり、料理の腕前はかなりのもの。
男勝りな性格もあり、行人が流れて来るまでは自分も女の子なのに女の子にモテていた。

よく妹弟子のみことに風呂を覗かれたりするせいで、島の住人には珍しく裸を見せることへの抵抗感を持っており、
その現代人同様の振る舞いを見た行人には感動された。

また、その言動とは対照的に結構根は純情乙女で、行人に対して満更でもない態度を取っている他、
人目に付かないところでこっそりめかし込む、女の子らしい趣味を持っている。ちなみにその時の姿は初見ではりんと気付かれないほど美少女。
なお、行人のことは「ダンナ」と呼んでいるが、これもこういった内面が影響している。

忍者三姉妹の次女。
宮本武蔵の本を読んでから侍に憧れるようになった。
一人称は「拙者」で、語尾に「ござる」をつける、まあ平たく言うと間違った侍口調で話すが、
あまりに驚いたり、素の振る舞いをしたり、家族と接する時には素の京ことばを話す。

実家を出奔し、剣術を極めるべく修行していたが、はっきり言って剣術の腕は素人同然の我流。
しかし、実家で受けていた忍者としての訓練により、身のこなしやスピードに関しては人間離れしており、
後述の行人との試合でも、しのぶは剣術の素人故に攻撃が直線的過ぎて行人に狙いを先読みされ、いなされていたが、
行人の側もしのぶの動きが速すぎて攻撃が当たらず、からあげ曰く「互いに有効打が入れられない」拮抗状態になっていた。

行人の剣道の腕前に興味を持って試合をし、彼の力量とラッキースケベで負けたことで弟子入りする。
以降は彼を「師匠」と呼び慕うようになり、褒めてもらいたがったり構ってもらいたがるなど、年上の妹のようなポジションに。
なので珍しくすずが警戒する場面もある。

重度の方向音痴で、人に道を教えてもらっても即座に違う方に歩き出してしまうほどの筋金入り。
そのため、行人に弟子入り後はすずの家に行けない危険性を考慮し、彼女の家の近くに自身の家を建ててもらい、そこから通っている。
ちなみに、自宅は風呂がない設計なので、修行絡み以外でもすずにお世話になっている。

実は行人とは二度もキスをしている。

雪女の半妖。
驚異的に陰が薄く、他のキャラはおろか、作者にまで忘れられていた。まるで三沢大地。初メイン回でもネタにされている。
所謂ダルデレでとんでもないものぐさの引きこもりだが、行人が絡むとやる気を見せる。

アニメは最終回のエンディングあたりで少しだけ登場。
実は行人が生き別れになった妹の美咲にそっくりなのだが、行人はそれにしばらく気付いておらず、
ただ「どことなく見覚えがある」という感覚から、会うとみちるの顔を凝視してしまうことが多かったようで、
それがきっかけでみちるは行人に好意を持つようになったとか。

  • 東方院美咲(CV:清水理沙)
本土にいる行人の妹。ブラコン。
行人の家出前に、自分の誕生日にデートをする約束をしていた。

行人は自分の(血の繋がった)妹であることに疑いを持っていないと思われる一方で、
回想では美咲が年子であること、互いの誕生日について意味深に話す場面があり、
行人と美咲は血が繋がっておらず、また、美咲はそれに気付いている可能性が示唆されていた。

一部のモブ陣より登場回数が少ないが、藍蘭島に来そうな雰囲気を見せ始め、ついに21巻で兄を連れ戻しに来襲。
しかし結局島に残ることが決定し、一緒に住むことに。
そして25巻にて、かねてより前振りされていたように、美咲はみちるの妹であり、藍蘭島出身であることが確定した。
島にいた頃の本名は今の名前の読みと同じ「みさき」で、東方院家に拾われて行人の妹として育ったようだ。
なお行人の家出時と襲来時までの数ヶ月で恐ろしい程にスタイルが成長している*6

  • くない
忍者三姉妹の長女。学校の先生。…なのだが学校の話があまり無いので、読者的にはみちる並に影が薄い。
行人を恋愛対象と見ない数少ない人物なので話が作りにくいのも理由かもしれない。
ただし、人気投票では10位にランクインし、全ての人外キャラよりも人気がある模様。

忍者三姉妹の一番下。りんの家に住み込みで修行している職人見習い。
心の中はエロオヤジ。珍しく住民の中では行人に恋愛対象として見ておらず、りん絡みでは危険視している。
逆にりんさえ絡まなければ、セクハラする際に行人を誘ったり、
毒で倒れた時に文句を言いつつも山まで薬草を探しにいったりと優しい一面を見せている。
姉二人が苦手。
なお、大工の才能はかなりあるらしい。

  • おばば(CV:くじら/磯部万沙子)
最初に藍蘭島に流れ着いたアイランド号乗員の生き残りにして島の長老。
行人が島の恋愛絡みでドタバタするハメになった元凶でもある。
名前は「こと」。
医術に長けるほか、年齢が年齢なだけにそこらの妖怪より妖怪じみている。
25巻で若い美少女な見た目の妖狐になったが、元がババアなのを分かっているのでドキドキしない。
東方院家と血縁関係であったことが判明し、行人のお婆さんでもあった。東方院家の中には妖怪の血を引く者がいるかもしれない。

  • すずらん
すずの母親。夫は高虎。富士山に出かけたきり行方不明となっている。
子どもの頃はかなりのお転婆で、からあげの飛びたいという希望を叶えるためにかなりのスパルタ特訓を課していた他、
現在ほどではなくとも、当時の島で最強クラスだったからあげを完封できる*7ほどには腕っぷしも強かった*8
忠興曰く「(すずと比較して)武人のオーラがあった」、清正曰く「猛々しいとか勇猛果敢とかってカンジ」、秀秋曰く「すずちゃんは母親とは正反対の女子らしい娘」と、
周囲からも散々な言われようであり、夫の高虎も彼らに反論するどころか「本人が聞いてたらここの全員瞬殺だぞ」と同意する始末であった。
ただ、お転婆であるところを除けば、天然でちょっとお馬鹿、面倒見が良い(ひよこの頃からからあげの面倒を見ていた)など、容姿も含めて娘そっくりであり、
今でもすずらんを知る者からは、すずは「一部を除いて」当時の母親に生き写しだとよく言われている。

すずが産まれてからは、娘が自分に似ないようにお淑やかな母親を(無理して)演じており、その甲斐あってすずは大人しく優しい性格に育ったが、
キレたりすると(素の)母親譲りの凶暴性を見せたり、あやねすらも震え上がる怒気を漲らせたりする。

なお、2年程前に幽体離脱してすずの元に現れたことがあったが、その時にとんかつをすずの家に連れて来た張本人でもある。
海龍様と何らかの関係がありそう。

○動物・妖怪など

  • とんかつ(CV:渡辺明乃/細野雅世)
すずと同居している3歳(原作初登場時は2歳、すずと出会った時は1歳)の幼いオスの子豚。
饅頭やボールのような形態で手が無く、足は肉の中に隠れている。手の代わりに耳を使うことがある。
見た目も不気味なヘンテコ形態だが、レントゲンで見た体の中身はさらに不気味な構造。
昔のおまけで自ら自分の体のレントゲンを見せて肉の中に足があることを強調していた。
また、飛び跳ねたり、風船めいた大きさに膨らむほど伸縮性のある身体だったり、
鼻穴で大量の水を吸って出したりするなど、現実の豚とはかけ離れた能力を持っている他、
人語が話せず、「ぷ」か「ぷー」としか言えないなど、島の動物の中でも特異な存在でもある。

まだ幼いためか、人の頭に乗って甘えることが多かったり、蝶を追いかけて何度も迷子になったりと行動も子どもっぽい。
性格も、ちょっと泣き虫で怖がり、甘えん坊と子どもっぽさが目立つが、すずのパンツやバニーガール姿を見て興奮するなどスケベな面もある。
好物は豆腐で、すずの家では毎日食卓に豆腐(冷ややっこが多い)が並んでいる。
食欲は旺盛で、自分の身体よりも大きな豆腐もすぐに完食してしまうほど。
なお、ちかげによる変身魔法騒動では、もんじろーと違って魔法は直撃したが、何故か人間態ではなくリアルな等身の豚に変身していた。

いつもすずや行人と一緒に行動しており、特に付き合いの長いすずには家族として接されているが、
実は生まれた時からすずの家にいる訳ではなく、1歳の時にすずらんに連れられてすずの家にやって来て居候になったという事実がある。
ただ、その事実はすずも含めて島民の多くには知られていない。

人間と暮らしている動物の中では最も幼く、未熟であり、すずや行人に甘えることが多い息子のような存在。実際、とんかつ自身もすず・行人を友達ではなく親のように見ている。
掃除を手伝ったり、釣りをしたりと彼なりに家事もしているが、幼さもあってお手伝いの範疇を超えることはなく、基本的にはすずと行人に頼っている。
一度一匹でおつかいをした際には、過保護なすずや行人が陰ながら手伝っていた。彼が一人前になるのはいつの日になるだろうか。

まだ幼くて身体が小さくて柔らかいこともあってか、戦闘力は全然高くなく、美咲とのバトルでも全く役に立っていなかった。
すずも割ととんかつに過保護な割に、バトルに加えたり、危険な場所に連れて行ったりと、ナチュラルにスパルタ気味なのはすずらんの影響だろうか*9
一方、キノコ探し、特にマツタケを匂いで見つけられる、膨らむことでクッションになれるなど、戦闘以外ではいくつか特技があり、
すずと共に食材採集に行ったり、行人についていって高所から落ちた彼をクッションとなって助けたこともある。

実は海龍様の「目」を担っている動物の一体で、他の「目」の動物と違って島で生まれた訳ではなく、海龍様が存在する世界で生まれた可能性があり、
「目」の自覚や自分が海龍様から生まれたという自覚も、そのほかの「目」の動物と違っておそらくあると思われる。
しかし、他の「目」の動物のようにずば抜けた能力は今のところ持ち合わせていない。
ちかげが使った動物が人間になるはずの変身魔法で人間にならずにリアル豚になったり、
海龍様の目を紹介する話でとんかつの紹介の時にまちの回想に出てくる「人間がいたのですが・・・」などの発言から、
とんかつは実はあのヘンテコ豚の姿が本体ではなく、人間があの姿になっている可能性が噂されている。
すずらんや海龍様との関係がありながら、すず達にすずらんの事や自分の親の事を一切話さないのは、
彼がまだ幼く未熟で話せるだけの知能がないからではなく、何か都合の悪い事があるからかもしれない。

  • からあげ(CV:太田哲治)
ふっくらまんまるのニワトリ。26歳。
すずのお隣さんのニワトリですずの保護者がわり。妻子持ち。
行人が動物の言葉を理解できるようになってからは、彼にとっても保護者のような立場に。
西のぬしで、複数の異名が付くほどの強さを持ち、行人に稽古をつけてやることも。
面白そうだから、とぬしであることを周囲に口止めしていたこともあり、行人は本人にバラされるまで気付いていなかった。

子どもの頃はすずらんと姉弟のように育ち、一時期は空を飛ぶために彼女とスパルタ特訓に明け暮れたが、
そもそも飛べないニワトリであることに二人して気付いておらず、事実を知った時にはグレてたかたかや皇とヤンチャ*10をした。
結局、連れ戻しに来たすずらんの地雷を踏んだことでたかたか共々〆られて更生し、子どもが生まれてからは親バカとなった。
すずらんとは姉貴分・弟分の関係であり、彼女の娘であるすずのことをまるで娘(姪?)のように気に掛けているのもそのためと思われる。
実は海龍様の「目」の動物の一体で、抜群の戦闘センスを持っている。島で生まれ育ったので、本人には「目」の自覚はない。まちは彼が「目」であることに気付いている。

  • はつ
からあげの奥さん。何故か京都弁。
夫が留守の間は娘達のももとささみの面倒を見たりしている。
隣人付き合いは良好で、すずや行人におかずをおすそ分けされた際には産みたての卵でお返しすることも。
ちかげの変身魔法で人間になった時は、貞淑で美人な奥さんになった。

  • もも・ささみ
からあげとはつの娘達。
まだ幼く、からあげが家にいる時は遊んでもらっている他、
家に来た行人に「遊んでー」とねだっている場面があり、おそらくすずにも懐いていると思われる。
大きさも手乗りサイズとかなり小さめで、とんかつの鼻の穴が大きいのもあるが、二羽がその穴に入って塞いでいたこともある。
美男美女のからあげとはつの血を受け継いでいるので、人間になった時は美幼女になった。

  • 紋次郎(CV:渡辺明乃)
卵の時からあやねに育てられている体の大きなオスダチョウ。11歳。「もんじろー」とひらがな表記で呼ばれがち。
あやねが甘やかして育てた影響もあって、やんちゃで我儘な性格に育ち、よく駄々をこねたり、モノを壊したり、あやねを蹴り飛ばしたりしていたが、
あやねが行人に付きっきりだった時に不満が爆発して彼女と喧嘩→仲直りを経て、大人しくて良い子になった。
ちなみに、初期は人語を話していたが、徐々にとんかつ同様に人語を話さなくなり、「くぁ」しか言わなく(鳴かなく)なった。
なお、ダチョウという種族もあってか身体はかなり大きく、1歳の時点で既にあやねを乗せられるほどに育ち、
それもあってあやねにおんぶされるのも(あやねの身体的負担もあって)1歳で卒業している。

11歳ではあるが島の学校へ通っている描写がなく、あやねの家族も含めて、あやね以外の人物と関わっている場面はほぼない。
とはいえ、あやねの家の手伝いとしておつかいや荷物・人(動物)運び、掃除などをしている描写があり、少なくともあやね家の家族とは見なされている様子。
羊羹が好物で、何でもかじったり、あやねとサッカーをして遊ぶのが大好きな一方、風呂が苦手で大嫌い。
知能はあまり高そうではないが、運動能力に関しては抜群で、特に足の速さは、島一番の韋駄天と呼ばれているほど。
それに関連して脚力やキック力も強く、あやねや行人を遠くまで蹴り飛ばしたことも。この脚力で頻繁に蹴られているのにぴんぴんしているあやねとは
もしサッカー選手として育てればかなりの大物になれそうなほどの素質の持ち主である。

ちかげの変身魔法では上手く避けたので人間に変身しなかった。

実は海龍様の「目」であり、島一番の脚力というずば抜けた能力の持ち主である。島で生まれ育ったのでもちろん「目」の自覚はない。

  • くまくま(CV:宮崎優子)
ゆきのと一緒にいる面子では最も付き合いが長いメスクマ。ゆきのと同い年の11歳。臆病だが力はかなり強い。
ちかげの変身魔法で人間になった時は可愛らしい怪力の美少女になった。

  • たかたか(CV:鈴木琢磨)
ゆきのの母かがみと馴染みのタカ。からあげや皇と同い年の26歳で独身。
やんちゃな甥っ子の子守など色々と苦労が絶えない様子。
今はクールな振る舞いをしているが、子どもの頃はからあげや皇と同じくやんちゃだった。

ペンギンのかき氷職人。妻子持ち。からあげとたかたかと同い年の26歳。
体格が良くかなり喧嘩が強い。
子どもの頃は不良で、からあげ・たかたかと徒党を組んで悪さをしていた。

ちかげの家のメイドをしているメスゾウ。16歳。
島一番の美少女らしい。
よく悪さをするちかげに手を焼いている。
料理の腕前はかなりあるらしい。
ちかげの悪戯で住人が動物に、動物が人間になった時には、思わず行人がみとれるほどの金髪美人になった。

  • まーくん
魔人。ちかげの家で居候中。頭が良くなく願い事をよく勘違いする。

  • 遠野さん(CV:夏樹リオ)
藍蘭島から見て「外の世界」に約200年封印されていた河童。どう見ても藍蘭島の動物のフォルムなのは気にしてはいけない*11
梅梅によって封印を解かれたが、既に現代には同族はおらず、住める環境もなかったため、
友達となった梅梅と共に、仲間・住環境を探して旅をしていた。
藍蘭島に流れ着いてからは、しばらくきゅうり畑に現れる怪物扱いされていたが、
梅梅と再会し、今までの狼藉を島民に謝罪して以降は島民に受け容れられ、水車小屋で梅梅と共に暮らしている。

ちなみに、遠野さんを封印していたのは200年前の僧侶・空堅だが、彼とは友人関係にあり、
封印は、過激な妖怪排斥を行っていた『破邪宗』から守るためにやむを得ず取った手段であった。
現代では空堅は既に故人となっているが、「無害な妖怪を守り、『破邪宗』を壊滅させた英雄」と歴史に名を残している。

ラフな口調で話すことから行人には同性だと思われていたが、実は女の子であり、
ちかげの変身魔法騒動では、水棲生物(?)故に裸族のワイルドな美少女に変身していて、行人に驚きと共に鼻血を出させた。
200年前は喧嘩に明け暮れていたこともあって喧嘩慣れしており、また、妖力によって雷を落とすこと等もできるため、戦闘力はかなり高め。

頻繁に登場するキャラでもないにもかかわらず、人気投票では11位と大健闘し、人外キャラでは一番人気のキャラになった。

  • びふてき(CV:夏樹リオ)
修行中のしのぶと出会い、それ以来一緒にいる仔牛。女の子。
とんかつと同様、人語が話せず「も、もー」しか言えない。
年齢はまだ幼そうだが、おそらくとんかつよりは高そう。
すきやきというガタイの良い兄がいる。
しのぶと出会う前は兄と放浪の旅をしていたので肝が座っており、幼い女の子でありながらしのぶに森で置き去りにされても物怖じせずにしのぶを呼んでいた。
そのすきやきは、ガタイが良いあまりに勝負を挑まれがちな自分の傍にいることで妹にも類が及ばないようにしのぶに預けたのだが、
しのぶはびふてきを可愛がっていて過保護気味な一方、方向音痴でドジなためにびふてきもその割を食って危険な目に遭うこともあると若干本末転倒気味。

月見亭の女将をしているからくり人形。
初登場はドラマCD。
料理や接待から全砲門全弾発射まで何でもこなします。
実はアンドロイドであり、ジャックなどの宇宙人との関係がかなり深い。

  • ぱん太郎(CV:太田哲治)
東のぬしのパンダ。妻子持ち。年齢はおそらく20代。
ぬしのなかでは若いが、モコモコな外見のほとんどが筋肉で腕力はある。
妻子持ちだが浮気性で、時折奥さんに〆られている。
未成年である梅梅に手を出すなど、特に若くて可愛い女の子が好み(ロリコン)な模様。

  • しまとら(CV:飯塚雅弓)
二尾の妖猫にして南のぬし。
外見から想像もできない猛者らしい。
変身もできるが、変身プロセスは初見ではまず目を逸らしたくなるレベルでキモい。
既婚。奥さんは島一番の食いしん坊であり、ぽっこりしてきたために痩せるまで夫婦で過ごす時には常に人間に化けているとか。
実は海流様の「目」。島生まれ島育ちなので自覚はない。
子どもの頃におばばに鍛えられていた。

二尾の妖虎。獰猛な生物が多い北にあって力でぬしになった。
ガンコで好戦的ではあるが、ぬしとしての落ち着きもある。
独身…かと思われていたが実はバツイチだった…と思えば実は奥さんがおり、愛想を尽かされそうになっている。
実は海龍様の「目」。島生まれ島育ちなので自覚はない。
小僧の頃はひ弱そうな感じだったが、おばばに鍛えられて強くなった。

  • さしみ(CV:吉川友佳子)
海のぬしであるシャチ。
大渦に人が行かないよう見張っている。
ぬし唯一の女性…というか牝で、彼氏募集中。

  • とげ太
りんの家に暮らしてる職人のおっさんペンギン。30代独身。
職人らしく厳しい性格でりんやみことをよく叱っているが、実はかわいい物好きというお茶目な一面もある。
薄毛やくないの積極アプローチに悩んでいる。

  • ぺんぺん
ゆきのの家に暮らすオスペンギン。怪しい外国人のような口調で一人称はミー。ペンギンのくせに寒いのが苦手。
まだ子どもだが高知能で外の世界の言語を何か国もマスターしたり、同じインテリのちかげや行人とも普通に高度な会話をしている。
紅夜叉編ではちかげと行人とタッグを組んでいる。行人とは推理小説の貸し借りをするほど仲が良い。少々スケベな所がある。
実は海龍様の「目」で藍蘭島でも屈指の頭脳の持ち主である。島生まれ島育ちなのでもちろん「目」の自覚はない。

  • いぬいぬ
ゆきのの家に暮らすメス犬。鼻が利く。

  • はむはむ
ゆきの家に暮らすメスハムスター。
寒い時は口の中に人間や動物を口の中に入れてあげている。

  • いのいの
ゆきのの家に暮らすオスイノシシ。鼻が利く。

  • うさうさ
ゆきのの家に暮らすメスウサギ。
とんかつと似たような形態で手が無く、足もおそらく肉に隠れてる。
長い耳を手代わりにしているが、アニメでは湯呑みが持てないなど不便な面もかなりある模様。

  • かもかも
ゆきのの家に暮らすカモ。一人称が僕なので多分オス。ミミズが大好き。
長年空が飛べないと思っていたが、行人の助言のおかげで飛べるようになった。

  • きつきつ
ゆきのの家に暮らすオスキツネ。スケベな性格で人間のセクシーな女性が好み。
いたずら好きで口も悪く、よくゆきのをからかったりしている。

  • はりはり
ゆきのの家に暮らすハリネズミ。性別不明。

  • フクフク
ゆきの家に暮らすオスフクロウ。
プレイボーイである。

  • 粉雪
美咲と契約している雪の精霊で、日中はマスコットのような見た目で美咲の傍にいるが、
夜に家に帰ると藍蘭島でも屈指のとんでも美少女の姿になる。
小雪と細雪も粉雪とは三姉妹の関係で、この二人も粉雪と同様に夜に家に帰るととんでもなく美少女の姿になる。人気投票をもしまたやった場合、かなり上位に食い込む可能性が高そう。

  • 小雪
みちると契約している雪の精霊。普段は雪だるまの姿でみちるの傍にいるが、粉雪と同様に夜に家に戻るととんでも美少女の姿になる。

  • 細雪
雪の精霊。粉雪と小雪と同様に夜に家に戻るととんでも美少女に。

  • ジャック
謎の宇宙人。藍蘭島によく現れる。UFOに乗っている。
ドジな性格で、ちかげや行人に正体を暴かれそうになったことがある。
ドジをする度に上司によく怒られている。

◆島の特徴など

藍蘭島は、東西南北それぞれ特徴的な地形と森を持つ。

東:主に湿地帯。食虫植物などが生い茂る森のある地域。
西:唯一人間の集落がある平坦な地域。
南:池や川などが多く、高低差の激しい地域。
北:森がるほかに、砂漠や岩山など険しい地形が多い地域。
富士山:島中央の山。山頂は常に雪に覆われている。
海:周囲を大渦で囲まれており、大きい嵐でも来ない限り、島から出ることも島に入ることもできない。


◆謎や伏線など

○流された男性陣とすずの母すずらんの行方
○地下の大型生物−行人「どこかで見たような…」 (2巻・13巻)
○島は海龍様の気によって守られているらしい (8巻)
○みちるの母の美咲を知っているかのような反応(10巻)
○龍神島の地下境内
○龍神の寝返りと一致する地震の時期(11巻)
○東の地下迷宮と、さくやの感じた懐かしさ(13巻)
○海龍様の目とは…?


◆TVアニメ

製作:feel.
2007年4月4日から9月26日まで放送された。
作画とストーリーの細かくも大切な部分を飛ばしていたりするため、一部では黒歴史扱いされることもある。
ドラマCDとアニメではヒロインのすず役(堀江由衣)以外のキャストが総入れ替えとなっている。


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最終更新:2024年04月25日 16:11

*1 ガンガンは決して長期連載が多い雑誌ではなく、他に現行で連載10年超えてるのは『とある魔術の禁書目録』コミカライズ(2007年開始)だけで、名だたる人気作も10年くらいで終わったものが殆どである。

*2 りんのように、単純に人前で肌を見せるのが苦手という子もいるが少数派。

*3 島出身ではない梅梅など、極一部以外は何故肌を見て気絶するのかわかっていないレベル

*4 尤も、作中世界は河童がいたり、それが普通に話せたりと超自然的な現象が起きているため、島の医療では無理でも何らかの形で体質が改善される可能性もあるが。もっと言えば、可能性があるというだけで不妊体質と決まったわけでもない。

*5 その回では行人も異性というより男友達感覚で接していたことをぶっちゃけている。

*6 元々はかなりスレンダーな体格であり、行人がみちると美咲がそっくりであることに中々気付けなかったのにもスタイルの違いが影響していて、襲来時に顔を合わせた際は「美咲はそんな巨乳じゃないから偽物」とまで言い放ったことで美咲にぶっ飛ばされている。

*7 一時期グレていたからあげがたかたかの前で秘密をバラしてからかった際にはマジギレして二人を叩きのめし、結果として更生させた。今でもこの時のお仕置きはからあげのトラウマであり、たかたかもこれ以降すずらんを見かけると「姐さん!」と畏まるようになったという。

*8 姉弟のように育ったこともあり、からあげと二人(?)で出歩いている時に「島最強姉弟」と言われている。

*9 ついでに、ぐりぐりしたり膝を頬にぶつけたりと、すずらんがからあげにやっていたものほどではないが、傍目には痛そうなスキンシップもしている。とんかつの身体構造上、見た目ほど当人には痛くないのかもしれないが、行人がこのようなことをとんかつにしている描写はない。男らしさに拘っているはずの行人がオスであるとんかつに激甘なのは、自分が祖父や親父から受けたスパルタを他の子ども(とんかつ)にさせたくないからかもしれない。

*10 尤も、その内容は行人からすれば「(外界における)一般的な野鳥の生態」だったが。

*11 なお、あやねの母のちづるには河童の友人がおり、藍蘭島には同族が棲んでいることが示唆されているが、遠野さんが同族を探していることをちづるが知らないこともあって、遠野さん本人は藍蘭島に同族がいることを知らずにいる。