地のエル(超越生命体)

登録日:2011/08/25 Thu 23:54:18
更新日:2022/09/13 Tue 22:02:58
所要時間:約 7 分で読めます







塵から生まれし者よ……塵に返るが良い



■地のエル■


「地のエル(El of Ground」は『仮面ライダーアギト』の登場怪人の一体。
闇の力」の最も強力な眷属にして同胞である7体のエルロードの内の一人。



【データ】

種族:超越生命体(高位の使徒)
呼称:地のエル
身長:220cm
体重:170kg
特色/力:敬虔のカンダ、熱砂

※強化体でも身長・体重・武器は変わらず。


【概要】

『アギト』の“最”最終章とも呼ぶべき、物語のエピローグとなる最終3話に登場。便宜上は『アギト』本編に於ける最後にして最強の敵である。

しかし、なかなか敵(アンノウン)サイドに光が当たらず、最終的な物語の着地点に迷い続けた『アギト』の演出の煽り、それも最終的なしわ寄せを受ける形になってしまった敵キャラクターであり、エンディングまでに物語が加速化するドラマ展開に全く関わる事が出来なかったという、不遇の強豪怪人である。

同胞である「水のエル」や「風のエル」には外見上の性別と発する声質が逆転している演出があるのだが、「地のエル」のみは性別も声質も男性型で一致している。


【能力】

ライオンに似た超越生命体で、「大地」を司るエルロード。
地中を時速80kmものスピードで移動し、拳からは人間を灰にしてしまう熱砂を出す能力を持つ。
「アギト」の因子を持つ者を能力で生成した熱砂を振りかけて塵に変えて消滅させると云う「不可能殺人」を行った。

専用武器は「敬虔のカンダ」と呼ばれる長剣で、アギトのシャイニングカリバーを砕く程の威力を持つ。
反面、G3ーXの電磁ナイフ「GK-06 ユニコーン」と互角な事をネタにもされる。
戦闘で効果を発揮する様な特殊能力は見せなかったものの、純粋な身体能力と戦闘能力が高くアギトやギルスを圧倒している。


【劇中での活躍】

「闇の力」の中で眠っていたが、「聖地」の守護の為に目覚めさせられていた「風のエル」に続いて、「アギト」の力を持つ者達の抹殺の為に目覚めさせられ命令を実行し続けた*1

アギトのバーニングフォームをも凌ぐ力を持つがシャイニングフォームを顕現させたアギトには及ばず、撃退される。
……しかし、逃げ込んだ「聖地」で主の「闇の力」から新しい生命を受け強化体に変貌。
シャイニングフォームをも超える能力を得た上に「風のエル」とのリンチにより追って来たアギトを倒すが、其処にG3ーXを北條から奪った氷川が乱入。「人間力」を発揮しG3ーXの限界以上の力を発揮した氷川の前に2体は防御を崩された上に、倒した筈のギルスまでもが復活。
2対1から3対2に形勢が逆転し、復活と共に最初からシャイニングフォームを顕現させた怒りのアギトに圧倒され、最終的には“紋章2倍掛け”シャイニングライダーキック(威力は90t!)を受けて爆砕された。


【劇中の経緯】

Vol.49〜51

「アギト」撃退の為にアンノウンを保護すると云う、目先の安心の為に危うい方向に進み行く警察上層部の陰謀に嫌悪感を募らせ乍らも、自らの無力を嘆く氷川……。

同僚の可奈が自分と同じく「アギト」に目覚めつつある事に驚き、そして自ら生命を断とうとする可奈の姿に姉、雪菜の幻影を見る翔一……。

自らを健気に愛そうとしてくれる蠍座の少女、リサに心を開いた矢先に「闇の力」の呪いにより再び愛する者を奪われた涼……。

そして、最愛の女を救えなかった罪により、皮肉にも仮初めの命と名前を以て復活した沢木は、それでも人類の進化を信じ、最期の時まで「偽りの神」に目を開き、人類を見る様に語り続けるのだった。


「アギト」の力を巡る物語……ここに、ひとまず完結。


【関連人物】

※「風のエル」の項目も参照。

  • 沢木哲也
「きっと俺が……勝つさ!!」
エピローグ篇に於ける主役にして、『アギト』の真の中心人物。
彼に関連したエピソードのみは以前から伏線が張られていた為に、抜群の完成度を誇る。
嘗て、人類の中で最初に「アギト」に目覚めた女=雪菜を愛しながらも、自ら命を断とうとする彼女を救えずに、彼女の後を追い、自らの命も断っていた。
しかし、皮肉な事に「アギト」の殲滅を願う「闇の力」は彼を“最初のアギトを殺した男”として、自らの使徒として仮初めの命を与えて復活させていたのである。
……屈辱的な状況の中、自らの真の名を失い乍らも、愛する雪菜の為に「アギト」の力が人類に未来を齎すと信じ、沢木は「闇の力」に目を開き現在の人類の姿を見る様に訴え続けた。

それにより永遠の生命を得る資格を失った沢木だが……愛する雪菜の弟である翔一を始めとする「アギト」の力を持つ者達に全てを託し、満足の内に2度目の死を迎えた。

「可奈さん、生きてください! 俺も生きます! ……俺のために、アギトのために、人間のために!!」
名前の失われた過去の自分と「津上翔一」として生きてきた現在の自分を繋ぐ「料理」を通じて、接近した岡村可奈に「アギト」に目覚めた事で悲劇的な死を迎えた最愛の姉、雪菜の幻影を見るが、沢木の言葉もあり、今度は命を救う事に成功する。
一年後、イタリアンレストラン「AGITO」を開店。美杉家の面々に「翔一スペシャル」を振る舞う。

「ただの人間だ!!」
目覚め行く「アギト」を恐れる上層部に対して、翔一を始めとする、自らが触れて来た「アギト」の力に目覚めし者達を信じ、反旗を翻す。
一年後は、故郷の香川県に左遷される話も立ち消えになり、警視庁の捜査一課で活躍中。
……だが、最後の台詞やG5ユニットの存在から、この世界では未だ「アギト」が危険視されている事が判る。

「俺は不死身だ!!」
不器用な自分を不器用に愛してくれる水原リサの存在に久方振りの安らぎを覚えた涼だが、運命の悪戯から再び愛する者の死を目の当たりにする事になる。
自暴自棄のまま「地のエル」に挑み、殺害されたかに思われた涼だが、彼に宿るギルス(「アギト」の力)は彼に死ぬ事を許しはしなかった。
最終決戦では、2体のエルロードと云う強敵の前に苦しむ、全てを失った戦いの中で得た盟友である翔一と氷川を鼓舞し、運命を人類の手に引き寄せる事に成功させる。
 ……一年後、戦いの日々から解放されながらも、孤独に生きる彼に駆け寄って来たのは……。

  • 闇の力
超越生命体の盟主にして、嘗て人類を生み出した謎の存在。その正体は、結局は最後まで謎のまま。
最終決戦で同胞たる2体のエルロードが滅ぼされた後に、自らも逃走を図るが、アギト(翔一)の攻撃を受けて現世での肉体を失う(魂は不滅)。
死に行く沢木の許を訪れ、「アギト」は人間自身が滅ぼすと語るが、それでも「アギト」を信じる友の言葉に、自らも人間の進化を含めた未来を見守る事を決意。現世から姿を消す。

※天空の星を動かす描写を余りに荒唐無稽として失笑する人間も多い様だが、地球上の人類に対する一種の魔術や幻術であった可能性もある。
(※ドッペルゲンガーを見せると云う効果や、星座は地球上でしか意味を発揮しない並びの為)。







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最終更新:2022年09月13日 22:02

*1 役割はロード怪人と同じ