幻想水滸伝4

登録日:2011/07/15(金) 08:39:26
更新日:2023/03/03 Fri 17:32:21
所要時間:約 5 分で読めます




幻想水滸伝4とは、KONAMIが製作したPS2ゲームである。
発売日は2004年8月19日。
キャッチコピーは『108人の待つ海へ。それは、冒険か。出会いか』
キャラクターの作画は幻水1の河野純子が担当している。


◇特徴


シリーズを通しての特徴は幻想水滸伝シリーズの項目を参照して欲しい。
今作で最も話題を呼んだのは、キャラクターに声がついたことだろう。
最近のゲームではCV付きは当たり前だが、幻水シリーズは仲間だけでも108人いるため、本当にボイスがつくのか当時は期待と不安が交錯していた。結局、イベントや戦闘に参加しないキャラはCVなしではあったが。
また、従来の戦闘はメンバーは6人だが、今作は4人となっている。(メンバーが4人になっているのは、今作と幻想水滸伝ティアクライスのみ)
本拠地システムも健在だが、城ではなく巨大船となり、本拠地ごと移動する。
尚、ナンバリングは「4」だが、シリーズの時系列は一番最初である。
そのため、後の時代の幻水作品に出てくる人物の祖先らしきキャラや、1で登場する例の彼がやさぐれ状態で登場したりと
過去作をプレイしたユーザーなら、にやりとする場面も多々ある。また過去作品(1~3)からのコンバートは無い。


◇あらすじ


舞台は太陽暦307年、群島諸国。
群島諸国の国境に位置するガイエン公国の島・ラズリルに拠点を置くガイエン海上騎士団に所属する主人公は、ある事件をきっかけに濡れ衣を着せられ、仲間と共に街を追放される。

敵国の将軍との遭遇、無人島漂着などを経て辿り着いたのは、群島諸国の南東に位置するオベル王国。
その国王、リノ・エン・クルテスに出会い、そこから群島諸国と、それを狙うクールークとの戦いに身を投じていく…


◇システム


今作はシリーズで唯一、町の中もフィールド上360度回転のフル3CGでマップで動く。
主人公の背後からの視点がデフォルトだが、主人公視点からでも操作は可能(ただしかなり酔いやすい)
また、本拠地=移動方法のため、またたきの手鏡(フィールドマップ上で使うと本拠地に戻れる、シリーズ通してのアイテム)が街中でも使える。
ちなみに持てる所持金額も大幅に増えた。

戦闘システムは上記にあるように、戦闘メンバー4人とサポート1人構成。
戦争システムは今回は『2』に近く、ターンごとに船を前後か左右かに動かし、攻撃範囲内に相手の戦艦が入ったら、紋章砲か白兵戦で攻撃するというもの。紋章砲には属性の概念があり、属性が有利だと敵の紋章砲をかき消して一方的に攻撃が通る。
駒となる船には、船長・砲台主・白兵4人をそれぞれ配置する。特に船長と砲台主はキャラによって能力が大きく変わるため、最も重要だろう。


◇キャラクター


4主人公の項目を参照。シリーズで1、2を争う程の不幸っぷりを見せる漢。
序盤は片手剣を使用するが、途中から双剣を使う。

主人公の幼なじみでラズリル領主の一人息子。シリーズ一のヘタレで愛すべき馬鹿。
主人公とは仲は良いが、領主の息子と屋敷の小間使いという立場の上、
自分より有能で有望視されているのをそれとなく自覚しているためか、多少ぎくしゃくしている。
「腕が動かなかったんです!」

  • タル、ポーラ、ケネス、ジュエル
海上騎士団の仲間達。序盤にこの中から二人選んで任務を行うが、この時選んだ二人が後に主人公が追放された時もついてくる。選ばなかった二人も後で仲間になる。
それにしても彼らは何の罪を犯してないのに騎士団の地位を捨て、命の保証もない漂流刑に付き合ってくれるとかいい人にも程がある。

  • フレア
オベル王国の王女。王女の割にはかなり行動派。
主人公達が漂流しているところを発見し、保護する。

  • リノ・エン・クルテス
オベル王国国王で、フレアの父親。
いつも軽装のため、見た目は近所のおっさんだが、国王らしく頭がきれて器もでかい人物。
主人公と深い関わり合いがあるので、作中の演出やテキストはよく読みこもう。

  • エレノア
今作の軍師。
軍師の名家、シルバーバーグ家の一員で、昔はかなり活躍していたが、ある事件をきっかけに無人島に引きこもって呑んだくれていた。
口は悪いが実力は衰えていない。

  • トロイ
クールークの若き天才将軍。
11年前、彼の指揮した船一隻でガイエン海上騎士団の船を壊滅寸前まで追いやったことがある。
主人公とは漂流中に出会う。

  • クレイ
群島やクールークなどで商売を行っているクレイ商会の創設者。左腕が義手になっている。
以前はエレノアの弟子だったようだが…?

  • レックナート
毎度お馴染み夜這i……赤月帝国の魔術師の島に住む盲目の女性。
今回も登場するのは真夜中。主人公に罰の紋章について教え、その行く末を見守っている。


◇クソゲーオブザイヤーについて


本作は2004年のクソゲーオブザイヤーの受賞候補としてノミネートされていた作品でもある。
ただし、所謂「ヨンパチショック」でハードルが思いっきり下がる前の、所謂
「ストーリー展開がシリーズのファンの間で賛否が起きた」
「難点はあれど遊べない(進行出来ない)ほど酷い出来ではない」
ような物も含まれていた時代の評価である事に留意されたい。

挙げられた欠点として、

1.船移動が遅い
これはプレイした9割の人が思うだろう。船の移動速度が遅いうえに操作も癖がある。そのせいでストーリーがテンポよく進まないのである。
これは中盤でビッキーを仲間にすればある程度改善されるが、仲間にする場所が、交易好きではない限りあまりいかない場所だし、ビッキーの存在を知らない新規プレイヤーなら存在に気付かないままクリアした人もいるだろう…。

2.ロード時間が長い
待ってる間は可愛らしく動くドットの主人公たちを見ていよう。

3.ストーリーが短い&駆け足
制作期間が短かったらしく、他のシリーズと比べてかなり短い。仲間集め、やりこみ、ミニゲーム等の寄り道をしないと
総ボリュームは「1」並ではないかと思うぐらいである。ストーリーの構成も「必要最低限の会話で話が進む」ような淡白さで
お話も「え?これで終わり…?」というような作り。
この反動か、次回作の5は普通にプレイしても大ボリュームとなっている。
ただ、逆を言えばサクサク進める…とも取れる。全体の難易度もそこまで高くないし、仲間集めも歴代でも屈指の簡単さで
複雑怪奇なフラグを必要とするキャラはほぼ居ない。


以上の不満点はよく挙げられるが、主人公の生い立ちなどの裏設定やシンプルな戦闘、魅力的なキャラクター×108+α、中毒性のあるミニゲーム、良曲の多い音楽、変に味のあるアイテム、幻想シリーズ初の「ゲームクリア時のデータを引き継いで強くてニューゲーム」が実装されたり等、評価できる点も多くあるため、シリーズに興味がある人なら是非プレイして頂きたい。時系列の関係からこれを入門としてもいいだろう。



なお、番外作品に『Rhapsodia』がある。
こちらは本作の2年後の群島諸国とクールークが舞台となっており、新しい主人公が据えられては居るが、今作の主人公やキャラが大量に出演し
本編では語られなかったエピソードや、4からのコンバートで、4主人公とスノウが使用可能になったり、両人の幼い頃のエピソードが差し込まれたり
いろいろと話を投げたまま終了した今作を補完するようなストーリーであるため、実質4の続編・後編とも言える作品である。
4をクリアした後に「主人公どうなった…?」と思った方や、4が気に入った人はぜひプレイしよう。


現在は入手が難しいが、電撃文庫からノベルが全3巻で発売されている。
こちらは今まで幻水シリーズのノベルを書いていた堀先生と違い、高瀬美恵先生が書かれているが、仲間加入時のエピソードや主人公の心境が丁寧に描かれているため、おすすめ。 





追記・修正こそ、誇り。

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  • 船の移動速度はR1を押している間だけ解消dきるんだけどねぇ -- 名無しさん (2014-10-18 18:38:20)
  • ↑移動早くなってもエンカ多いし戦闘に移るまでが長いし王者の紋章が宝探しで入手だしで解決になってない気がする -- 名無しさん (2014-10-31 00:49:38)
  • ところで電源文庫てなんぞ← -- 名無しさん (2014-12-25 20:28:55)
  • 船の遅さとか、まさにクソゲーだったけど、選んだ仲間と漂流する序盤の展開が好き過ぎてリメイク希望。 -- 名無しさん (2016-10-01 08:12:26)
  • ↑2 言われて気づいて吹いたw -- 名無しさん (2017-02-15 16:38:44)
  • 選んだ仲間(女性二人)と島で生活するハーレムエンドを選んだ。(まあ猫は居るが) -- 名無しさん (2018-09-26 01:28:14)
  • ラプソディアではまだまともだった頃のブランドの話とか、クールーク皇国のその後や内情とかが補完されてて良かった。……正直本編でやってほしかったけど……。 -- 名無しさん (2020-08-04 18:08:29)
  • 船は遅さもそうだけど、ストーリー上の範囲外に出ようとするといきなり反転(その間、操作不可)というのがストレスだった。海なのに中盤までは微妙に自由がないし。 -- (2022-09-16 19:53:09)
  • 船移動ばかりな上島についてもほとんどイベントがないせいで盛り上がる場面がないし、シナリオの長さはⅠ以下だと思うわ。プレイ時間の半分は海の上と言っても過言ではない。 -- 名無しさん (2023-03-03 17:32:21)
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最終更新:2023年03月03日 17:32