ショタミヤタモブレ(R18)


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素早く駆け抜ける音が、どこからともなく聞こえる。その音はペタペタと、この冷たい地面を裸足で駆ける音だった。
時に疎らにすれ違う人を避けながら、無造作に置かれたゴミを蹴りながら、様々な物にぶつかりそうになりながら、何とかその足は止まることなく走り続けられていた。
その細い手足と身体の薄さは、このスラム街での苦しさを生きながらに表しており、着ている服は勿論の事使い古され、所々破れ解れて見窄らしい。肌や髪も薄汚れていたが、その若さ故に、他の年老いた人間を見たときのような不快感は無い。
何よりその目は、冷たい中に確かな生への執着心を感じさせた。彼は今生きるのに必死になり、走り続けている。止まれば最悪、殺される恐れがある。だから走り、できるだけ遠くへ逃げなくてはならない。大通りから路地裏へ曲がる。寝転ぶ見知らぬ人間を避け、また別の道へ。息が上がって来るのを、必死に整えながら、はあ、と息を吐いた。
今日は失敗した。関わったのはろくでもない人間だった。いや、この近辺でまともな人間など数少ないだろうか。ただ、自分の勘は間違っていたとしか言いようが無い。少年は考えながら、次の道をまた曲がろうとして、
「っ!?」
頭をつかまれ、腕を掴まれ、引きずり込まれた。古い、誰も住んでいない古びた家の中へ。投げ飛ばされたベッドのマットレスから、目にも見えるほどの埃が舞った。思わず吸い込んでしまい、げほげほと咳をする。相手を見ようにも、涙で視界が滲み、ぼやけていた。何より薄暗い室内は、こちらには不利であるし、武器になるようなものは一切の姿が無い。相手が見えずとも、誰かは分かっているのだ。今日散々に失敗した、取引相手の男である。
とにかく逃げようとベッドから降りるより前に、両足首を掴まれ、引き寄せられそうになるのを、必死に抵抗しようともがくが、その汚らしい手は思った以上に力があり、こちらの骨が折れるのでは無いかと軋む感覚に悲鳴をあげた。
「そんな逃げなくてもいいじゃないか」
ねっとりと、身体を這うような声が耳まで伝う。太い図体から出されるそれは、ただただ不快で、寒気が感覚を支配した。手から逃れようと爪を立てようとすれば、逆に両腕を掴まれ、べたべたと油に塗れた肌の男相手に、完全にマウントを取られてしまう。腹に蹴りを入れようが、その脂肪はまるで鎧かのように彼の攻撃を阻んだ。
こいつは最初から取引に応じるつもりなどなく、最初からこうするつもりだった、だから逃げてきたというのにこの様だ。焦りと行き過ぎた恐怖の中で笑えてきてしまう。
手首を離れたかと思ったその男の左手は首を掴み、息も出来ぬまま、右手でボロ切れも同然なズボンは脱がされ、恐怖は具体的なものとなった。贅肉で見えなかった相手の下半身は、準備万端とでも言うように、すでに服を纏っていなかったのだ。
男は胸元から小さな瓶を取り出し、その中身を彼の下半身へとかけた。アルコールのにおいが周囲に散乱する。ひひっと男は喉を鳴らし、開いたままの口から流れ出た唾液は彼の細い腰を伝った。拒むように力を入れたままの身体のアナルに、何の予告もなく太い指がねじ込まれる。息を吐いてしまい、酸素を取り入れることが出来ない。
「そのままだと、死ぬね、大人しくしてたら生かして返すから、」
信用ならない響きがまた耳に入ってくると同時に、首から手が退いた。げほげほと噎せる。下半身への不快感は続いており、身体を動かそうにも、今度は肩を掴まれていた。酒で濡れた下半身を念入りに弄り回され、ぐちゃぐちゃと音がする。
恐怖に、思考が止まりかけるも、必死に理性を繋ぎ止める。抵抗は続けたが、何の効果もない。何よりその不快感は、身体の力を奪った。もう首も絞められてはいないのに、呼吸すらも出来ない。ひたすらに気持ちが悪い。せり上がってくる不快感に、胃が反応する。いらぬ優しさか、更に指が増やされ、中を圧迫した。ひゅーひゅーと、喉から呼吸にならぬ音がする。見開かれた目から、涙が出た。口も開けたまま閉まらず、乾いていく。
再び、男が笑うのが聞こえ、我にかえると不快感が弱まった。指を抜かれたのだと気づいたのは一瞬で、再び足を掴まれ、その成熟していない身体を更に質量の大きいもので貫かれた。考えたくもないそれは、自分の身体にあるものと確かに同じで、せり上がってくる吐き気に耐え切れず、彼は摂取した貴重な食事を吐いた。吐瀉物は頬を伝い、使い古されたマットレスを濡らし、悪臭が漂う。
ぬるぬると、幾度となく中を行き来されるそれで、ぐちゃぐちゃと更に音は増していき、彼の中を愛おしげに撫でた。
「あ、ぁぁあ、が、ゔぇ、っあぁ、あ」
声にもならぬ叫びが、興奮した荒い息が、古びた部屋に木霊する。アルコールのせいもあって、嫌でも身体を興奮状態にさせられ、まさしく好きなように犯された。ギシギシとベッドは壊れそうなほどに音を立て、身体は乱暴に揺さぶられ、あまりの事に、彼は記憶を飛ばした。それはかなり長い時間であったかのように思われたし、実際はたった数分の出来事かのように思われた。目覚めた時に夢かと信じたが、今まであげたことのない身体の悲鳴に加え、下半身から男の精液が流れ出たときには、吐くものもないのにその場に座り込み、胃液を吐いた。
それが、数年前の確かな出来事だった。
男はすでにこの世にいない。彼は成長し、以前のようなヘマは一切しない。人殺しすら、完璧に行った。ただそれだけの話だ。