とある日のミサにて


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中の国。
この国では、月曜の朝8時になると荘厳なパイプオルガンの音色が町中に響き渡る。

ダンッ・ダダダダンッ・ダダダダンッ・ダダダ・ダッダッダッダ……
ジーンセイ ラークーアリャ クーモアール(クーモアール)サー

そして、天使の歌声が天に向かって捧げらるのである。

「おはようございます」
純白の衣装に身を包んだ少年少女が、賛美歌133番『シュダイカ』を歌い終わると、神父はまず幼い聖歌隊に賛辞の言葉を述べる。
「今日も素敵な歌をありがとうございました。小さな聖歌隊のみなさんに、拍手を」
その言葉に続き、協会中に盛大な拍手が響いた。

拍手が治まると、神父が祈りの言葉を紡ぐ。
アヌスチャン達は黙祷し、その祈りの言葉に耳を傾け、また、自らの中でも祈りを捧げた。
「無事、落着」
『無事、落着』
最後の祈りを合唱し、アヌスチャン達は映像出力機を出す。

ミトアヌス教布教の為に、国民全員に配布されるのは銀色の円盤である。この円盤には、ミトアヌス様の様々な偉業が記録されている。
理系魔術で最初に開発された魔法は、この映像出力機だとも言われている。
「本日は、カクによる福音書、第3章22節より」
消音モードにした状態で映像を再生し、神父の言葉に耳を傾けた。

"そののち、ミトアヌスは弟子たちと全国を行脚し、洗礼を授けておられた。ミトアヌスが通る先々は、水が豊かになった。
人々は来て、洗礼を受けていた。
ところがカクの弟子たちと、ある人々の間で争いが起こった。
彼らはカクのもとに来て言った。
「イチジョウと名乗るものが申しております。『画像も貼らずにスレ立てとな!?』と」
カクは答えて言った。
「天から与えられなければ、人は何も受けることができない。わたしは『自分はミトアヌスではない』と言い、『自分はあの方の前に遣わされた者だ』と言ったが、
 そのことについては、この紋所が証ししてくれる。花嫁を迎えるのは花婿だ。花婿の介添え人はそばにたって耳を傾け、
 花婿の声が聞こえると大いに喜ぶ。だから、わたしは喜びで満たされている。あの方は栄え、わたしは衰えねばならない」
そして、ミトアヌス一行がイチジョウの元へと行き、ミトアヌスは言った。
「スケさん、カクさん、こらしめてやりなさい」
その言葉と共にミトアヌスの従者とイチジョウのしもべがチャンバラを行い、悪人が成敗された頃、再びカクは言った。
「静まれ、静まれ、この紋所が目に入らぬか。こちらにおわすお方をどなたと心得る!恐れ多くもミトアヌス様にあらせられるぞ。皆のもの、頭が高い!」
チャンパラは静まり、皆のものは頭を下げる。
ミトアヌスから強い光が放たれ、画像を求め争っていた人々の心は安らかになっていった。
そしてzip論争は鎮まり、ミトアヌスは寛容に笑った。
「ともあれ、無事、落着。スレは安泰になりましたぞ」"

賛美歌543番『テロップ』が流れ、映像出力機を閉じた神父は口を開く。

「画像がないからと言って、暴れてはなりません。また、悪人は裁かれ、改心した者はミトアヌス様のご加護を得られるのです。
 ミトアヌス様は、人々の心を豊かにする魔法を持っておいででした。
 ミトアヌス様のご加護を受ければ、画像の有無で荒むような心は持つことは無いのです。
 みなさんもこの話を忘れないでください。画像の無いスレを見たからといって暴れないでください。
 そして、もしみなさんがスレを立てるのであれば、画像を貼るように心がけましょう」

神父の話が終わった頃、一人の女性が立ち上がり、神父の前へと出た。
手には小さな赤子を抱えていた。
「神父様、先日産まれたばかりの我が子にあります。どうぞこの子にも、ミトアヌス様のご加護がありますように」
神父は赤子を両手に抱え、天へとかざす。
「この小さな命に、ミトアヌス様のご加護がありますように。意識、高い高ーい!」
神父が洗礼の言葉を発すると、教会中のアヌスチャンから祝福の祈りが送られた。
再び母の胸へと戻った赤子の顔には幸福が浮かび、赤子を抱く母親もまた、幸福に包まれた。

こうして、毎週月曜に開かれるミサは、幸福に包まれながら幕を閉じるのであった。



無事、落着。





(なにこれ…)