プライベート・ライアン(映画)

登録日:2011/01/28(金) 15:34:24
更新日:2023/11/23 Thu 08:14:49
所要時間:約 3 分で読めます




プライベート・ライアンは1998年公開の戦争映画。
『太陽の帝国』や『シンドラーのリスト』を制作したスティーヴン・スピルバーグが監督を担当した。
ちなみにTVシリーズの「バンド・オブ・ブラザーズ」はこの映画がきっかけで制作された。



ストーリー

ノルマンディー、Dーデイ侵攻作戦から3日後。ジョン・ミラー大尉はジェームズ・ライアン二等兵を探し出すために、7人の部下とともに敵陣深くへ侵入する任務を与えられる。
ライアン二等兵は兄弟三人を全て戦闘で亡くしたため、祖国に帰還させねばならないからだ。
作戦遂行が不可能と思えたとき、兵士たちは命令そのものに疑問をもつ。
なぜたった一人の兵士を救うために8人もの兵士が命をかけなければならないのか。
彼らは戦場の過酷な現実に取り巻かれ、それぞれが自分なりの答えを出す―――



登場人物

  • ジョン・H・ミラー:トム・ハンクス
アメリカ陸軍大尉。第2レンジャー大隊C中隊・隊長。地形を活かした戦術を巧みに考案する優秀な兵士。戦争に参加する以前の経歴は教師である。
トンプソンM1A1を使用。


  • マイケル・ホーヴァス:トム・サイズモア
一等軍曹。ミネアポリス出身。愛称・マイク。ミラーの右腕的存在で、部下には厳しい。やや肥満体で走るのが遅い。U.S.M1カービンを使用。


  • リチャード・ライベン:エドワード・バーンズ
一等兵。ブルックリン出身で、やや口が悪く、直情的で気が強い。救出隊の中で最もライアンを嫌っていた。ブローニングM1918A2を使用。


  • ダニエル・ブーン・ジャクソン:バリー・ペッパー
二等兵。卓越した技術を持つ狙撃兵。信心深く、射撃の際には必ず祈りを口にする。スプリングフィールドM1903A4を使用。左利き。


  • スタンリー・メリッシュ:アダム・ゴールドバーグ
二等兵。ヨンカーズ出身のユダヤ人の兵士で、ドイツ軍を嫌っている。口髭が特徴。


  • エイドリアン・カパーゾ:ヴィン・ディーゼル
二等兵。イタリア系の大柄な人物。シカゴ出身。人情味溢れる性格。


  • アーウィン・ウェイド:ジョバンニ・リビシ
衛生兵。サンディエゴ出身。ミラーとホーヴァスとは最も付き合いが長い。


  • ティモシー・E・アパム:ジェレミー・デイビス
伍長。ボストン出身。救出隊の中では最年少。もともと第2レンジャー大隊の一員ではなく第27歩兵大隊で地図作成や情報処理を担当していた人物。
ドイツ語とフランス語が話せるため、通訳としてミラーの分隊に加わる。実戦経験は無く、敵兵であっても殺害することを極力避ける傾向にある。

アパーム!弾!弾持ってこーい!!


  • ジェームズ・フランシス・ライアン:マット・デイモン
一等兵。第101空挺師団隊員つまりバンド・オブ・ブラザーズの一員。アイオワ州ペイトンの農家出身で、4人兄弟の末っ子。3人の兄が全員死亡したため本国へ送還されることになるが…



余談

日曜洋画劇場では冒頭のオマハ・ビーチ上陸作戦のシーン(ちぎれた腕を探して拾う兵士や内臓が飛び出した兵士や下半身を吹き飛ばされる兵士)は一切カットされなかった。代わりに映画が始まる前に注意事項のテロップを流した。


グロ描写が苦手な人は心して見よう。
この冒頭の20分はハンディカムを使って撮影したため実に迫力ある映像に仕上がっており、映画史に残る20分とまで評された。


また、ライアン役の俳優以外の出演者達は10日間に渡るブートキャンプと同じ過酷な訓練を受けた。これは意図的にライアン一等兵への反感を植え付けて劇中の演技へと反映させるため。


また、実際に録音した本物の銃声を使う等こだわっており、実物の動くケッテンクラートやソ連のT-34を改造した偽ティーガーⅠ*1も出てくる。

映画を見れば分かることだが、AAの

「アパーム!弾!弾持ってこいアパーム!」

の元ネタである。劇中ではアパムはメリッシュとジャクソンの弾補給係だったが戦闘のゴタゴタで辿り着けず(自身の戦闘経験のなさ、殺すコトの躊躇いもあるが)、2人を見殺しにする結果になってしまった。(ジャクソンの場合、教会の鐘楼で狙撃していたところを自走砲の砲撃で鐘楼ごと吹き飛ばされてしまったのでたとえ無事弾を届けてたとしても結果は替わらなかったかもしれないが。)

作中冒頭で軍の高官が話していた「サリヴァン事件」とは現実の第二次大戦で起こった事件であり
サリヴァン家に男の兄弟が5人おり、全員が海軍に入隊し、同じ艦に配置され、
撃沈されて5人兄弟がいっぺんに全員戦死したというものである。
ご両親は報告に来た軍の士官に「誰が死んだんですか?」「言いにくいのですが 5人全員です 」という会話になったそうな。*2
この結果、米軍にソウルサバイバーポリシーというルールが出来、家族や兄弟は近くに配置しない、それでも戦死したら残りは軍務を免除することが定められて
ニーランド兄弟という軍人が続けて死ぬと残った兄弟は軍役を解かれた。
言うまでもないがこの映画の元ネタはサリヴァン事件とニーランド兄弟である。

投降してきた敵のドイツ兵(ちなみにドイツ人ではない)をおちょくって殺すなどのシーンがあり、アメリカ映画としては珍しくアメリカ万歳な映画ではない。


アパーム!!追記だ!追記と修正してこーい!

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最終更新:2023年11月23日 08:14

*1 これは当時走行可能な車両がなかったため。なお、現在はイギリス・ボービントン戦車博物館所蔵の「タイガー131」がレストアを完了して走行可能な状態に戻されており、こちらは2014年の映画「フューリー」に出演している。

*2 サリヴァン家には娘もいたし妻子を残して逝った兄弟もいたので血筋が絶えたわけではないがそれでも悲劇である。