ビーストウォーズリボーン

登録日:2011/08/17(水) 17:13:32
更新日:2023/11/26 Sun 00:31:56
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(*1)



トランスフォーマー』シリーズの1つである『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』10周年を記念して日本で展開された企画。

英語表記『Beast Wars Reborn』




【概要】


2006年に「フィギュア王」No.96で改修版玩具と共に告知され、No.97~100の期間に玩具の販促も兼ねた小説がタカラオフィシャルストーリーとして連載された。
本誌には「電撃ホビーマガジン」と同様によくTFのコミックや小説が掲載されている。

2014年に発売されたNo.196はTF30周年を記念した特集号で、本作についても少し触れられいる。


時系列としては『ビーストウォーズリターンズ』の後であり、同じく続編・後日談である海外のストーリー『Transformers Universe』(2003)とはパラレルワールドの関係にある。
後述の『WORLD OF THE TRANSFORMERS』における「トランスフォーマー時空ガイド」ではマルチバース構造の一部を図に示しており、リターンズからリボーンとユニバースに分岐し、リボーンから『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』に繋がれている。

本作の出来事は、メディアワークスが2007年に発行した『キスぷれ』と『テレトラン15GO!GO!』の本の中にある年表にも記載されている。
年表を手掛けたのは、TFとの関わりも深い大嶋優木氏(近年もメトロプレックスのデザインなどを担当)。
この時代の数万年後が『ビーストウォーズⅡ』と『ビーストウォーズネオ』である。


同じく後述する『Ask Vector Prime』によると、本作の世界は「Primax 206.24 Gamma」とされている。
数字部分は作品が始まった年月日を指しており、この場合は第1話が掲載された「フィギュア王 No.97」の発売日である2006年2月24日を表している。
最初の「Primax」はG1世界を意味しているが、本作の大部分は実質的にユニクロン三部作の世界である「Aurex」が舞台となっている。
また、最後の部分は展開された媒体のことで、本来は小説の「Zeta」となるところをコミックの「Gamma」として分類されている。

日本版CGアニメの世界は「Primax 1097.01 Alpha」(G1世界 10月 97年 1日 アニメ)とされており、
本作はこちらから繋がるストーリーと思われる(ちなみに原語版の世界は「Primax 496.22 Alpha」)。

その他、定義に関する詳細はシリーズの項目を参照。


文章と挿絵は、玩具デザイナーや漫画家として活躍している市川裕文氏が担当。

市川氏は『マイクロン伝説』の外伝コミック『LINKAGE』(リンケージ)、『GF』のベクタープライムやプライマスの玩具デザイン、
日本版公式サイトのコンテンツ『WORLD OF THE TRANSFORMERS』(現在は閲覧不可)のテキストなどを手掛けている。

近年でも『超ロボット生命体 トランスフォーマー プライム』の玩具設計の一部、プライム版アルファトライオンとマイクロナスプライムのデザイン画などを手掛け、
日本のムック本「トランスフォーマー ジェネレーション2014 VOL.1」ではプリマクロンに関するコミック『CONTROVERSE』を描いている。
また、『Ask Vector Prime』においてもファンから届いた質問への回答者として協力している。


本作は書籍等には未収録だが、今後「トランスフォーマージェネレーション」のようなムック本に収録されるかもしれない。

日本設定とはいえギャグ表現は一切ない(仮に映像化されたらアドリブもあるかもしれない)が、軽いジョーク程度は多少出てくる。



【サブタイトル】


  • なぞの宇宙神殿
  • ゲームの黒幕
  • 惑星上陸
  • 驚異のリフォーマット



【あらすじ】


宇宙空間を突き進む神殿の中で、あるトランスフォーマーが目を覚ます。
それはすべての記憶を失った戦士、「コンボイ」と「メガトロン」だった。

かつて敵同士であったとも知らず、2人は神殿に隠された秘密に挑む。
しかし、神殿を使い野望を果たそうとするメガトロンとそれを阻止しようとするコンボイは対立する。

そして今にも戦おうとする彼らの前に、神殿の主「サウンドブラスター」が姿を現すのだった……



【登場人物】


サイバトロンのビースト戦士。
理知的かつ勇敢で、平和を愛する。

日本版の設定(放送当時の「テレビマガジン」や劇場版セカンド)では「エネルゴンマトリクス」を保有しているが、ボディと共に戻ったのかは不明。

第1話の挿絵には、TV本編では未使用に終わったガイコツ型の鋼鉄ハンマー「デストロイ・ハンマー」を振り回して死霊ロボット達と戦う姿も描かれている。
(名称はテレビマガジンや玩具設定より)

過去の記憶はないものの、メガトロンとの何らかの繋がりは感じ取っている。
メガトロンの決断力と勇敢さを評価し頼もしく思っているが、死霊ロボット達を倒した時のビーストモードの本能は、彼自身に別の直感を告げていた……


デストロンのビースト戦士。
野心的かつ冷徹で、本性が読めない。

彼もまた、コンボイのことを以前から知っていると感じていた。
そして自分達は"生まれた"のではなく人為的に"再生された"ことに気付いた。

神殿を調べるうちに、その秘められた力に魅了されていき……


  • 死霊ロボット
「スパーク…」とのみ言葉を発して襲い掛かる"ライフフォースにたかる亡者ども"。
ゴールデンディスクが設置されている中央宮に向かう途中、神殿内部の空間が突如、荒廃した惑星の世界に変化し、廃墟の周辺に現れた。

メガトロンはすぐにビーストモードで応戦したが、当初コンボイは瀕死のロボットと考え、彼らとの戦いを望まず武器による威嚇に徹していた。
しかし攻撃を受けた際、精気を吸い取られる衝撃と苦痛を感じたことで激情が沸き起こりビーストモードに変形、最終的に2人により蹴散らされた。


ユニクロン三部作』に登場。
TFの創造神で、機械惑星「セイバートロン」に宿る存在。

はるか時空を超えた彼方の宇宙で、今回の一連の出来事に関係する危機を感知し、ベクタープライムに再び時を渡らせる。


  • バトルコンボイ
初代コンボイその人。
神殿内の「超次元ビュアー」にどこかの惑星で戦う姿が映された。
メガトロンが試しに神殿とディスクによる「実体波長シンクロナイズ」機能を操作した結果、コンボイが一時的にこの姿に変身した。
(この時、もし実体波長の数値を完全に合致させていたら、人格まで変わっていた可能性がある)

メガトロンの野望に怒りを覚え、武装のロックを解除した後に戦おうとしたが、寸前に現れた神殿の主が神殿の「鍵」を抜いたことで変身解除させられた。

連載当時、旧玩具の完全版が発売された。


  • サウンドブラスター(ロゴスプライム)
2人を別次元から召喚し甦らせた張本人。
ある目的のために今回の出来事において暗躍する。

元々はプライマスが生み出した「エンシェント」(古代TF)のひとりであり、力を善に使う偉大なる人物だった。
実は別のTFの名前と姿を借りた偽りの形態。
本来の姿は不明だが、第2話の挿絵にはロゴスプライムと思わしき黒いシルエットが描かれている。

神にも匹敵する力の後継者を探しており、"最悪の後継者"にメガトロンを指名した(コンボイはこれを阻止しようと奮闘する)。
2人を「アニマトロス」に転移させる際に記憶を返した。

闇に堕ちて存在を忘れられた経緯や後継者を探す理由は不明だが、自らを"心を千々に引き裂かれ、絶対消滅に瀕した生ける屍"と称する(力以外の痕跡は残らず、後継者こそが自らの存在の証になるようである)。

2015年には『Ask Vector Prime』にて彼に関する詳細の一部が明らかとなった(後述)。
ロゴスプライムは論理の探求をしていたという。

玩具は「トイズドリームプロジェクト」限定商品で、『ギャラクシーフォース』のサウンドウェーブのリカラー。
「フィギュア王 No.98」の紹介ページでは「黒き策士の標的とは……?」と書かれている。
『Universe』(2008)ではリカラーとしてデスザラスが出ている。


  • ヘルバズソー
鳥型の小型TF。
主の代弁者だが、耳障りな声らしい。

玩具はサウンドウェーブに付属するキラーコンドルのリカラー。
ちなみに上記のデスザラスの相棒もリカラーのイーグルブレスト。


  • ベクタープライム
『GF』に登場した「時空の番人」(時空監視者)。
ロゴスプライムと同様に「エンシェント」のひとりで、プライマスの御使い。

何者かの陰謀を察知したプライマスの命を受け、コンボイ達のいる次元に現れた。
野望を止めるべく、悲痛な思いの中、サウンドブラスターの精神の地平「アストラル階層」で対峙する(サウンドブラスターは現実世界と平行して行動している)。

最終的にベクターソードで勝利し、精神融合を試みた(彼曰く、倒したのは心の断片にすぎないという)。
そして彼が見たのは、ロゴスプライムの消滅する運命や宇宙への復讐心、そして“時の獣”を示す荒廃した憐れむべき精神だった……


  • サイドス
『GF』に登場した人物。
若き自然保護員で、惑星に降り立ったコンボイが最初に会話した。
彼を見たコンボイは、思わず"かつての友"の名を口にする……

「それは、お国の挨拶かい?」


  • 僧侶
「短形の谷」という地下寺院にいるTF達。
コンボイと共にディスクの解読を進める。
イラストが描かれていないので姿は不明で、会話するシーンもない。


  • スカベッジ
渓谷地帯で生活する恐竜型TF達のリーダー。
メガトロンに倒され、体の聖刻を奪われた。
こちらも僧侶と同様。


  • 総督
神器「プラネットフォース」の所持者。
劇中に姿は見せないが、サイドスによると"なかなか話のわかる方"らしく、彼を通じて神器をコンボイに渡した。

おそらく、後に統治者はサイドスの弟子であるフレイムコンボイに変わったと思われる。





結末





2人は自身のボディをリフォーマット(再構成)し、有機的なビースト戦士の姿からアニマトロス型のTF特有の変成トランスメタル・ロボットへと変化を遂げた。

コンボイは神器をサイドス達に返した後に感謝の言葉を述べ、ホバーボードで山脈の彼方へ向かった。
そしてメガトロンはコンボイとの決着をつけるべく、飛竜型TF(共に襲撃した惑星のTFの一体)に乗り、それを追いかける。


サイドスは再び戦うであろう2人を僧侶達と見届け、アニマトロスに新しい日が訪れていることを確信する。


果たして、この先にはどのようなことが待ち受けるのか、2人は元いた世界に帰還することができたのか。
そして、探査船の艦長と星の反逆者が出会い始まった長い戦い、『ビーストウォーズ』は遂に終わりを迎えるのだろうか?それとも……





【用語】


この中の一部は、『ギャラクシーフォース』本編では明かされなかった設定を補完して解釈したものとなっている。


  • 宇宙神殿
高速で航行する謎の宇宙船。
高度なテクノロジーの産物で、時間航行能力、様々な時代や平行世界への干渉能力を有する。

ピラミッドを貼り合わせたような形で、内部は古代の神殿建築のようになっている。
多数の石室があり、2人はその中にある石棺のようなカプセルから目覚めた。

ある区画には石室を一望できる六角柱状の高台があり、そこに設置された管制所は情報端末として機能する。
制御盤を操作することで、作業履歴の記録の呼び出しや各区画の監視映像の表示が可能。

「中央宮」と呼ばれる広間があり、そこに到達するまでの広間はそれぞれ異様な時空になっている。
コンボイはこれらを防衛措置と推測している。

実は神殿の主の力を利用するためのインターフェイス機構に過ぎなかった。
力の源となっていた「鍵」を抜かれた後に内部の形状が変化し、その能力を消失。
コンボイ達の転移後に自爆した。


  • DNA適応型トランスフォーマー
「ビースト戦士」のことを指している。
2人が記憶を思い出そうとした時、内部の補助コンピュータが要求を受けて情報を提示。
〈仕様一覧〉から自身の名と、このタイプのロボット生命体であることを知った。
そしてメガトロンがトランスフォームを実践してビーストモードに変身した。

翻訳機も組み込まれており、死霊ロボット達に遭遇した際に使用した。


  • スパーク
TFの原初の形態で、彼らの生命核となる魂とも言うべきエネルギー。
船内を探索中のコンボイが情報端末を確認し、その記録から再生の数時間前までこの状態だったことが分かった。

記録によると、ロボットモードの再フォーマット→適合生命体のDNA情報入力→素体再構築→スパーク搬入という手順になっている。
ただし再生は不完全なもので、〈記憶ファイル読み込みをスキップ〉が実行されていた。

2人のスパークは平和になったセイバートロン星と一つになったが、神殿の主により分離された。
別次元の戦士を選んだのは、"他に相応しい者がいなかった"ため(どのような基準かは不明)。


  • ゴールデンディスク
CGアニメにも登場した黄金の円盤。
神殿のすべての情報とコントロールが集約されている。
中央宮にある六角柱にはめ込まれていた。

惑星にあるオベリスクに設置すると"ゼオノミコン"が召喚されるという。
コンボイが継承の儀を防ぐために奪取した。


  • エンシェント

(*2)

惑星になる前の創造神が生み出した古代のトランスフォーマー。
海外では「最初の13人(オリジナル13) / Thirteen(Original 13)」という設定が存在し、ベクタープライムもそのメンバーのひとり。

日本でもこの設定が採用され、『WORLD OF THE TRANSFORMERS』におけるイラストには、プライマスとユニクロン の他、13人のTFが描かれている。
ベクタープライム以外は黒いシルエットだが、中にはサウンドブラスターまたはロゴスプライムによく似た姿のものもある。
イラストを手掛けたのはウルトラ怪獣やロボットの絵でお馴染みの開田裕治氏。

この時点では、"最初の13人=エンシェント"なのか、ロゴスプライムも13人のメンバーに属するのかは不明だった。
ハスブロが海外の主要ファンサイトからの質問に答えるQ&A企画があり、「TF Wiki」はロゴスプライムに関する質問も提出したが、回答は曖昧なものだった。

少なくとも日本展開においては同一の存在と解釈することもできる。
もしくは、13人やそれ以外の古代TFも含めてエンシェントと呼んでいる可能性もある。

その他の詳細はプライマスの項目を参照。


2015年にハスブロの公式サイトを引き継いでTCC(ボットコン)が開設した質問コーナー『Ask Vector Prime』のFacebookページでは、
ロゴスプライムも本流のマルチバースにおける最初の13人の一人としている。
また、2013年発売の洋書『Transformers: The Covenant of Primus』で公開された13人は『トランスフォーマー プライム』の世界「Uniend」におけるメンバーとされており、
本流のマルチバースの13人とは別の存在でメンバーも4人入れ替わっている。

他のプライムの異なる姿なのか(質問者は他人に変装するアマルガモスプライムでは?と聞いている)、それとも全く別に存在しているのかという質問に対して、
ロゴスプライムの正体は確かに彼自身であるとのこと。
また、『The Covenant of Primus』にロゴスプライムが記載されていないことについて、
ロゴスプライムの物語は「Primax 206.24 Gamma」で起きたことであり、同書は本来「Uniend」(プライム世界)における文献なので、彼が不在であることの証拠として利用すべきではないと回答している。

13人の一人であり反乱を起こそうとしたリージマキシモのことは、ロゴスプライムのように集まりの中では例外的であるとしている。
また、別の質問では同じく13人の一人であり闇に堕ちたザ・フォールンことメガトロナスプライムについても言及している。
歴史は彼らを悪党として避けるかもしれないが、自身にとって多くの幸せな瞬間を共有した彼らは今でも兄弟であるとのこと。

ベクタープライムによると、自身が異なる名前で呼ばれている世界も多くあったらしい。
中には「ベクターコンボイ」というのもあり、それはソラス・ネクサス・オニキス・ロゴスなどの他のプライムも同様だったという。


  • アニマトロス
『GF』に登場したジャングル惑星。
神殿が目指していた未知なる目的地。

オーラ状の「サイオニック・エネルギー」に包まれている。
宇宙探検家であるコンボイは、その特異な環境に興味を示していた。

本作は、『GF』の戦いよりも遥か前の時代の出来事である。

『キスぷれ TF情報局』内のラジオドラマ第50話(2007年放送)は『GF』の世界が舞台で、大昔の話としてロゴスプライムと2人のことに触れている。


  • ゼオノミコン
ロゴスプライムの力をフォースチップ(鍵)にしたもの。
聖刻を体に刻む事で接触できる。

サウンドブラスターによると"目指すべき終着点"で、"我が力への鍵であり、力そのもの"と語った。
手にして自身のシステムと直結させた時、超常の扉が開かれ、継承の儀は完了するという。

青緑色の半透明な物質で構成され、細部の形状は時計のようになっている。
また、歯車のような縁取りと竜頭の飾りが施されている。
この特徴はベクタープライムのフォースチップと類似しており、第2話の挿絵でもそれに近い形状であることが分かる。

ちなみに玩具ではプラネットXのものが付属する。


先述の『Ask Vector Prime』では、ベクタープライムが自身の所持するキーはゼオノミコンであると話している。
ゼオノミコンは姉(妹?)であるソラスプライムにより創造され、そして兄(弟?)であるロゴスプライムに与えられたアーティファクトである。

後に悲劇的な破滅を遂げたロゴスプライムは、ベクタープライムが彼からのゼオノミコンの奪取を余儀なくされる前に、
自身の本質の大部分を遺物であるゼオノミコンに含ませ、そして多くの目的を果たすために使用した(おそらく本作の出来事を指していると思われる)。

また、「Aurex」(ユニクロン三部作)世界群において、ゼオノミコンはサイバーキー(フォースチップ)として発現する。


  • 聖刻
惑星のTF達に刻まれた、▽型の外部端子。
彼らはこの用途を知らなかった。
メガトロンがこれによってリフォーマットし新たな姿を得た。


  • プラネットフォース
プライマスの命のかけらで、「サイオニック・フィールド」の発生源。
僧侶達によると、遥か昔に渡来したTF達が持ち込んだものらしい。
"因縁の鎖を断つ術"として、コンボイがこれによってリフォーマットし新たな姿を得た。


  • イグニッション
「フォースチップ!」と叫ぶことでサイオニック・エネルギーが収束して物質が出現し、「イグニッション!」の掛け声で体や武器に挿すと発生する。
メガトロンが腕の武器を展開し、地下寺院を吹き飛ばした。

この「イグニッション現象」がアニマトロスで発現したのは、歴史上この時が最初である。


  • 時の獣
ベクタープライムが垣間見た、ロゴスプライムの精神。
その正体は彼にとって永遠の謎となったという。

後に、市川氏がストーリーや一部コミックを手掛けた2009年の日本展開『トランスフォーマー オルタニティ』には「時の獣 ハイセリオン」が登場しているが、関連は不明。
また、ハイセリオンは竜のような姿をしているが……

ちなみにテキストストーリーの最終エピソードである『ALTERNATION』(「光岡 オロチ / サンダークラッカー」に付属)では、
「意外な客人」としてベクタープライムのアストラル体がサイバトロンのオートアバター達のもとを訪れ、彼らをサポートしている。


『Ask Vector Prime』によると、ハイセリオンとの遭遇がロゴスプライムを狂わせたとされている。



【玩具】


セット商品の『BWR-1 帰ってきた最強ビースト対決』が日本独自のアイテムとして登場。
塗装がCGアニメに近づき、頭部や胸部のパーツが改修された(ビーストマスクは廃止)。

上記の小説の挿絵における2人のボディは、ディティールがトイに近づけてある。


様々なコンテンツの入ったCD-ROM「ゴールデンディスク」が付属しており、『ビーストウォーズ・クロニクル』として7つに分かれている。

フィギュア王とも連動しており、雑誌掲載のアクセスコード(パスワード)をディスクに入力すると情報を見ることができる。
ちなみにコードは半角で「beastwars 10th anniversary」。

秘蔵開発資料としてビースト戦士の画稿も収録。
中にはリフォーマット版の玩具設計用のデザイン画もあったのだが、肝心のアイテムは当時は未発売に終わった。

他にも市川氏や津島直人氏といったTF関係者のコメント付き記念イラスト集が収録されている。
余談だが、津島氏は『ロボットマスターズ』のカラー漫画においてビースト戦士も描いている。


後述の『10th Anniversary』ではリボーン仕様の2人をそのまま輸入し、アメリカのトイザらス限定のセット商品として少数のみ販売された(パッケージや付属品は変更されている)。



【海外展開】


2006年の『Transformers Beast Wars 10th Anniversary』が展開され、その中でリフォーマット版の2人が作られた。
有機的な部分とメカニカルな部分が合わさったフォルムが特徴。
初期の姿を意識しており、ある意味リファイン版とも言える。

サイバープラネットキー(フォースチップ)のギミックがあり、形状は惑星ジャングルプラネット(惑星アニマトロス)のもの。
これを挿すとオプティマスプライマル(コンボイ)はホバーボードから、メガトロンは腕に装着できる尻尾から武器が展開する。

CGアニメに登場したマクシマルズ(サイバトロン)のサイバー・ファルコン型宇宙船「アクサロン」と、プレダコン(デストロン)の戦艦「プレダコンシップ」(別名ダークサイド、日本名テラクラッシャー)のミニチュアが付属する。


『Universe』(2003)のコミックではオプティマスプライマルが初期ビーストのカラーリングを大幅に変更した姿で復活し、玩具も初期の仕様変更品が発売されている。
同作品は未完に終わったが、2006年に『Transformers Collectors' Club』の会報8号に掲載されたコミック『Revelations Part 2』では「ユニバースウォー」の最後が回想として描かれ、
オプティマスプライマルが10周年記念のリフォーマットされた新たな姿にパワーアップを果たして登場している。


海外では塗装変更品も出ている。
オプティマスプライマルは『Cybertron』(ギャラクシーフォース)のオプティマスプライム(ギャラクシーコンボイ)、『BotCon 2014』のナイト エイプリンクとプライマルプライム。
メガトロンは『Cybertron』のメガトロン(マスターメガトロン)、『BotCon 2010』のシンダーソアー。



【派生シリーズ】


2007年には『10th Anniversary』と類似した企画であるDVD付きの『ビーストウォーズ テレもちゃ』が展開されたが、主に以下の点で評判はあまり良くなかった。

  • シリーズ名が格好悪い
  • 初代ビースト戦士が揃わない
  • 中途半端に和製ビースト戦士を加える
  • DVDの内容があまり良くない

殆どが10年も前の商品なので金型が劣化してしまったが、カラバリのボルファングを含め塗装はより良くなった。
しかし、ジョイントロンは揃わないので残念ながら合体できない。
せっかく再販したのだから、3人すべてを出して欲しかったところである。

ウルトラクラスの2人はリボーンの改修版ではなく以前のものに戻っているが、どちらも格好いいのでそれほど気にならないと思われる。
カラーリングに関してはテレもちゃ版が良いという声もある。


後に『トランスフォーマー ユナイテッド』においてリフォーマット版の2人がラインナップに加わった。
存在を匂わせてから6年が経過し、ようやく日本での発売が実現したことになる。

塗装は10th版から少し変更されている。
また、アクサロンとプレダコンシップは付属しない。

海外名準拠のシリーズなのでコンボイは"オプティマスプライマル"名義となり、メガトロンは区別として"ビーストメガトロン"名義になっている。
プロフィールの設定は初代ビーストの時期を踏襲している。

ややチグハグなところがあり、オプティマスプライマルは軍団のエンブレムがマクシマルズなのに役職がオートボット総司令官。
そしてビーストメガトロンはエンブレムがプレダコンではなく、役職がディセプティコン破壊大帝になっている。


リボーンの作中では呼称されていないが、ファンからはそれぞれ「フォースチップコンボイ」「フォースチップメガトロン」と呼ばれることもある。



【関連シリーズ】


ビースト戦士のリメイク玩具はあまり出ていないが、『変形!ヘンケイ!トランスフォーマー』ではチータスダイノボットが当時の技術でリメイクされた。
それぞれ『Universe』(2008)のものよりも色が劇中に近い。

『トランスフォーマー ジェネレーションズ』ではライノックスとワスピネーター(ワスピーター)がリメイク。
ビーストモードの造形がリアルになり、例によって塗装がハスブロ版とタカラトミー版で異なる。

海外ではその後ラットトラップ(ラットル)も発売されている。


そして2014年に『トランスフォーマー レジェンズ』が発表された。
コンボイやラットルといったように、キャラクターの名前は日本名準拠に戻っている。
それぞれ仕様変更品で、リボーン版コンボイと海外ジェネレーションズ版ラットトラップの色替えになっている(順番はラットルが先)。

その次のタンカーもまた、海外ジェネレーションズのものから色が多少変わっている。

2015年発売のブラックウィドーは今のところ日本オリジナル商品で、『アニメイテッド』のブラックアラクニアをリデコしている。





「プラネットフォース…プライマスの命のかけらよ…私は力は望まない。ただ、因縁の鎖を断つ術を、私に与えてくれ!」

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(*1) フィギュア王 No.100、ワールドフォトプレス、2006/5/24、P.83
(*2) WORLD OF THE TRANSFORMERS、タカラトミー、2007/10/14、EPISODE:5

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最終更新:2023年11月26日 00:31