クロイス・ターニア

登録日:2016/11/27 (日) 20:25:29
更新日:2020/11/16 Mon 23:29:49
所要時間:約 5 分で読めます





「……守るのは苦手なんだよ」


クロイス・ターニア(Krois Tania)とは、ういんどみる制作のエロゲー、くれいどるそんぐに登場する主人公。

CV:なし
職業:冒険者(元王国騎士団第五部隊長)
その他詳細なプロフィールは不明

◆概要
嘗ては王国騎士団の一部隊を率いる身であったが作中開始時点では退職しており、現在では冒険者として気ままに依頼をこなす日々を送っている。

ういんどみる主人公としてはあまり例の無い、無気力で場当たり的なダメ人間臭が漂うタイプのキャラ。
しょっちゅうメティスアルテなどの幼馴染をおちょくってはその反応を楽しんでいる他、冒険者として外に出ている時以外は基本的に自宅で惰眠を貪っていることが殆ど。
セレニアの言葉から察するに平均睡眠時間は二桁を越えており、その癖寝不足がどうこうと世界中の勤労者を敵に回しかねない発言も平然と行っている。
おまけに寝ると決めたらどこでもすぐに寝れるらしく、国内有数の大富豪の屋敷敷地内だろうとお構いなしである。
(尤も、冒険者としての依頼内容によっては本当に寝る暇も無いこともある、という事情も含まれているらしい)

しかも冒険者稼業でそこそこ稼いでいるはずなのに、作中言動から推察するに散財癖もあるようで(パーッと使うのに思いを馳せるのが楽しいみたいなこと言ってる)
基本的に食事はセレニアのいる酒場Oasisでのツケで賄っている有様。それも年単位で。
ある場面では仮にも王族であるメティス相手に食事をタカろうとする図太さまで見せ付けている。




だが、大半は元来のものとはいえ無気力で退廃的な雰囲気が漂っているのには理由がある。

両親とは幼い頃に戦争が原因で死別しており、唯一の肉親にして最愛の妹であるティーテと2人で暮らしていた。
そのティーテを守るために王国騎士団に入団し、彼女の笑顔を守るために剣を振るっていたのだが、
終戦3日前のとある他国の無茶な侵攻作戦に巻き込まれる形でティーテも亡くなってしまう。
そのトラウマが原因で騎士である事をやめたという重い過去があり、上述した退廃的雰囲気の原因もこれによるもの。

今でもティーテの記憶が色濃く残る草原の丘や自宅のティーテの部屋に足を踏み入れることが出来なかったり、
作中内でも度々ティーテを失った過去に関する悪夢にうなされていたりする。

幼馴染一同や、騎士団にいた頃の親友である騎士団長のラウスなど、クロイスの過去を知っている者は多く、
何かとそのことを心配されているなど交友関係にも恵まれている方。

冒険者としての腕前は確かなものであり、猛獣退治に夜盗集団の壊滅などこなした依頼は多岐に渡る。
依頼達成率も100%をキープしているなどその腕前は凄まじいもの。
ただ、ティーテを失ったトラウマからか護衛関係の任務は頑なに受けようとしない。
そのことも含めて依頼の選り好みが激しく、それが懐の寂しさに繋がっている面もあったり。

聖竜の遺骨の発見に賑わう王国内で、偶然にも妹ティーテの面影のある少女レアと、
彼女が連れていた伝説と化している竜の子供の面倒を見ることになったのが全ての始まり。
レアと仔竜、そして各ヒロインを交えた騒がしくも楽しい日々を過ごすことによって、
過去のトラウマと向き合い、再び守るものを見つけて剣を手にするというのがどのルートにも大凡共通している大まかな流れである。









◆最強主人公
……でまあ、クロイスについてもう一つ特筆することといえばその実力。

元よりガチなバトル展開とは縁遠い純愛ゲーメーカーのどみる作品という括りで見るのも微妙な所ではあるのだが、
それでも作中描写を踏まえて言えるのが、単純な戦闘能力は間違いなくクロイスは最強クラスであるということ。

作中舞台であるリシアの治める王国の騎士団は、大陸国家間でもトップクラスの腕利き集団であり、
その部隊長を務めていたというだけでも十分な実力を持っていることがわかる。
しかも騎士団を辞めてその腕が錆ついているかと思いきや、寧ろ冒険者として高難易度の依頼を多くこなしている関係で、
衰えないどころかレベルアップまでしているんだとか。

無気力でトラウマ持ちで剣を再び握ることに躊躇しているとはいえ、ヒロインやその他キャラが困難に直面している時はきちんと助けようとする男らしさもある。
(そもそも仔竜にしたって本来なら即座に王宮に届け出ないといけない事案であるが、レアのために敢えて隠して自分が面倒を見ているのだし)

で、各ヒロインの助けもありトラウマを克服して再び剣を握った後は誰も止められない無敵の存在になると言っても過言ではない。
一部例外を除いてレアと結ばれたヒロインを助けるために単独で国家相手にケンカを売って大暴れ。
優秀と称される騎士団員をその辺の雑兵の如く蹴散らし、騎士団長であるラウスすらも下してしまう程。
場面によっては国王であるリシアに剣を向けるという、普通なら即処刑でもおかしくないレベルのことすら平然とやってのける。

そのあまりの無双ぶりとそれに裏打ちされたクロイスの真の実力は自他共に認めるところであり、
親友であるラウスは「彼を敵に回すくらいならどこぞの大国相手に睨み合いでもしてた方が遥かにマシ」などということもあるし、
一部ルートでは仔竜を取り戻す交渉材料にクロイス自身の復隊が釣り合ってしまうことからもその異常性がよくわかるであろう。

覚悟を決めた後の終盤でのセリフの数々は、普通に考えれば傲慢とも取られかねない物も多かったりするが、
作中でそれだけ無双できるだけの実力を持っているとあれば、それもある意味で納得かもしれない。

潜在能力はハイレベルの元魔法使いだの前衛もこなせる完璧なイケメンだの
騎士に強い憧れを持つ守備能力特化型の騎士だの作中世界唯一の例外にして無効化能力持ちだの
どみるには結構色んなタイプの、能力持ちでバトルシーンを見せる主人公がいるが、
狭い枠組みとはいえそういった面々と比較しても頭一つ抜けているのがクロイス・ターニアと言える。


◆作中内でのセリフ一部抜粋
「まあ、役得というやつか。無理して見る気も無いが、無視するほど不健全でもないからな俺は」

「まったく。昨日起こされた分、今日こそは輝かしい睡眠デーにしようと思っていたのに。俺が寝不足で倒れたらどうする気だ」

「むしろ、俺としては世間からロリコンの烙印を押されることの方が問題だな」

「今日は時間にうるさいアルテおばさんがいるから大丈夫だ。安心して行ってこい」

「どんな伝説の剣だろうと、抜かなかったらこん棒と同じだ」




「それに、俺を『敵』にするよりはいいと思うぜ。今の俺は全力でいけるからな」

「懺悔の時間は終わったかい? 長々と痛み入る話ご苦労さんだが、あいにく俺は牧師でも神父でもない」

「少なくとも、今のお前は強くない。理由の無い、迷いだらけの剣。この三年間の俺と同じだ」

「簡単なことだろ。そのあとどうなってもいいから、守ってやりたい。そう思っただけだ」

「これでも自分から売るのは珍しいんだ! このケンカ、買ってもらうぜ!」






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最終更新:2020年11月16日 23:29