バットマン:梟の法廷

登録日:2016/10/09 (日) 12:50:00
更新日:2023/01/08 Sun 08:42:04
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梟の法廷にご用心 彼らはじっと見ているぞ
薄暗がりの高みから 大きな岩の後ろから
彼らがゴッサムを支配する 暖炉に居てもベッドに居ても
もしもその名を口にすれば……
爪(タロン)に首をとられるぞ
――ゴッサムに古くから伝わる童謡より



「バットマン、梟の法廷の命により死刑を宣告する」



『Batman: The Court of Owls』は2011年にDCコミックスから出版されたアメコミ作品。

+ 作品情報
『Batman Vol.2』#1~#7
発売 2011年9月から
脚本 スコット・スナイダー
作画 グレッグ・カプロ

日本では2013年に小学館集英社プロダクションから邦訳本が発売されている。

2011年に敢行されたDCコミックスのリブートによって『DCユニバース』の設定が一新されて以来のシリーズ第1作として発表された。
これまで長年にわたり積み重ねてきた設定を(一部を除いて)リセットされたのにはファンの間でも賛否両論あるものの、
その分新規読者も入り込みやすくなっている。
本作はスコット・スナイダーとグレッグ・カプロによるバットマン・サーガ第1部の第1巻の前編となっており、
以後は後編『バットマン:梟の街』、クロスオーバー集『バットマン:梟の夜』に続く。
本作でバットマンが挑む相手はいつものヴィランではなく、初登場となる謎の秘密結社『梟の法廷』。
またウェイン家の先代も登場する等、ゴッサムの歴史に隠された暗部に焦点が当てられる。
スナイダーが『Batman Vol.2』を通して描いてきたゴッサムとバットマンの関係もこのころから描かれている。



【物語】

犯罪と欲望が渦巻く都市・ゴッサム。
謎のクライムファイター・バットマンが現れてから5年の歳月が流れた今もなお、群がる悪との戦いは続いていた。
大富豪ブルース・ウェインから都市再開発計画が大々的に発表される一方、街の片隅にて身元不明の惨殺死体が発見される。
現場には梟の紋章が刻まれた投げナイフと、「ブルース・ウェインは明日死ぬ」というメッセージが残されていた。
その翌日、予告通りにブルースは異形の暗殺者から襲撃を受け、辛うじて撃退するものの、一緒にいた友人のリンカーン・マーチが巻き添えで重傷を負う。
捜査を始めたブルース――バットマンの身辺に忍び寄る謎の集団『梟の法廷』の影。
たわいもない都市伝説と、何故か頑なにその実在を否定しようとするバットマンだったが、逆に彼らの狡猾な罠に落ち、
地の底の巨大迷宮に監禁されてしまう。『梟の法廷』の狙いは何か?そして我らが闇夜の騎士バットマンの運命や如何に……。


【登場人物】

ゴッサムを守る闇の騎士。謎の暗殺者を追う内に伝説の存在『梟の法廷』にたどり着く。
少年時代に両親の死の原因が『梟の法廷』と思った頃がありその存在を追ったが、証拠を発見できなかったため彼らの存在を認められずにいる。


≪バットファミリー≫

  • アルフレッド・ペニーワース
ウェイン家の執事。忠実かつ皮肉屋。ブルースの体調を心配しており密かに睡眠薬を飲ませている。

初代ロビン。現在はブルースから独立して活動中。冒頭、ジョーカーに扮してバットマンと共に『アーカム・アサイラム』で大立ち回りを演じた。
その後、身元不明の惨殺死体からディックのDNAが発見されるが以前に接触していたことが証明され疑いが晴れた。
しかしその接触には理由があり……。

ブルースの息子で3代目ロビン。父が姿を消すと他のファミリーの中でも特に心配する。

バットマンの3代目相棒。連載時にはロビンの後にレッドロビンになったとされていたが、現在は最初からレッドロビンとして活動していたことになった。
ディックやダミアンと共にパーティに出席する。


≪ヴィラン≫

  • 梟の法廷
ゴッサムに伝わる童謡の一節に登場する謎の秘密結社。ゴッサムの真の支配者を名乗っており、構成員は老若男女に至るまで全員梟の仮面を着用している。
劇中に登場する写真によれば、どうやら数世紀前から存続していた模様。アラン・ウェイン信託が支援したビルに隠れ家を持つ。

  • タロン
『梟の法廷』が擁する黒衣の暗殺者。梟を模したデザインのマスクで頭部をすっぽりと覆っており、表情はうかがい知れない。非常に高い戦闘能力を持ち、
高所から落下しても死なないという恐るべき生命力を誇る。

『アーカム・アサイラム』に収容されているバットマンのヴィランたち。バットマンに内偵されていた警備員が逃走する時間を稼ぐため解放された。
バットマンとジョーカーに扮したナイトウィングに制圧された。


≪その他≫

  • ジェームズ・ゴードン
ゴッサム市警本部長でバットマンの協力者。バットマンが姿を消すと彼が現れるのを待ち、『バットシグナル』を壊れるまで点灯し続けた。

  • ハービー・ブロック
ゴードンの部下。ブルースの再開発計画に懐疑的な意見を示す。

  • ビッキー・ベイル
ゴッサム・ガゼット紙の記者。ウェインの記念パーティに招かれていた。

  • リンカーン・マーチ
マーチ・ベンチャー社長で次期市長に立候補している。ブルースとは少年時代に両親を失ったという共通点を持つ。
ブルースと旧ウェインタワーで面会中、謎の暗殺者の襲撃にあい重傷を負う。

  • ハーパー・ロウ
電気技師として生計を立てている青髪の女性。貧民街として知られるナロウズ地区の在住。弟のカレンと二人暮らし。
ウェインの記念パーティに招かれていた。

  • アラン・ウェイン
ブルースの高祖父。ゴッサム発展に尽力した名士だったが、晩年は発狂の末、マンホールから下水道に転落して死亡したとされる。
死体を調査したところ惨殺死体と同様、いくつものナイフによる傷が確認された。



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最終更新:2023年01月08日 08:42