東京侵域:クローズドエデン

登録日:2016/07/28 Tue 17:30:00
更新日:2023/07/28 Fri 20:49:57
所要時間:約 5 分で読めます





「秋月蓮次は、大郷夢衣を取り戻すために」

「弓家叶方は弓家奏汰を取り戻すために」

「「これより、五八回目の”エリア”侵入を開始します」」


 『東京侵域:クローズドエデン』は、岩井恭平作のライトノベル。
 イラスト担当は、しらび。

 大切な人を取り戻すためパートナーと共に謎の現象により異界と化した東京を探索していく現代ファンタジー。
 徘徊するクリプテッドや常時無敵状態で即死攻撃を繰り出してくるEOMと戦ったりやり過ごしたりしながら、目的地を目指すエリア探索のシーンは不思議のダンジョン等ローグ系ゲームを彷彿とさせながらも緊迫感が高い。
 また、岩井氏の前作ムシウタ等に見られるような、主人公達が大切なもののために心身ともにボロボロになりながらも戦い続ける痛々しくも熱い描写は健在。


【あらすじ】
 ”東京”が変貌して2年―高校生の秋月蓮次と、大人気アイドルの弓家叶方には二人だけの秘密があった。
 二人は“臨界区域・東京”に侵入する“侵入者”だったのだ。エリア限定の特殊能力“注入”を使って探索を続ける蓮次と叶方。
 敵対する政府機関“救務庁”と、エリア最悪の怪物“EOM”との三つ巴の状況で、蓮次と叶方は誓いあった“約束”を果たすことができるのか!?
 人類vs.人類の敵―希望と絶望のボーイミーツガール始動!!


【作中用語】
◆東京厄襲
 2年前に日本の首都東京で起こった厄災。
 千代田区を中心にして真円を描く形で、十万平方メートル以上もの空間が謎の紫の霧によって浸食された。
 同時にその内部にいた数百万人の人々は失踪を遂げている。現在はこの一帯を紫色の壁が覆っており、周囲とは完全に隔離された空間となっている

”臨界区域”(クリティカル・エリア)
 俗に"エリア"と呼ばれる、東京厄襲によって変貌した世界。生物は全く存在せず何百年と経ったかのように荒廃している。
 紫色の壁と霧によって強烈な斥力が発生しており突破することができない。
 "エリア"ができたのと同時に日本の各地に"スポット"と呼ばれる紫の霧がたちこめる空間が発生しており、"エリア"内のどこかにつながっている。
 現状"スポット"を通る以外の方法で"エリア"への侵入は不可能となっている

◆クリプテッド
 "エリア"内を徘徊する怪物。
 三種類の形態を持ち、そのどれもが人類に対して殺意を持っている。
 倒すと溶けて消え、稀に"ショット"を落とすことがある。
"四つ足"
 犬のような体躯。他のクリプテッドよりも数が多い。
"浮遊型"
 宙に浮かぶ大きなペンギンと表される。名前の通り浮遊して移動しており、気づかずに近づかれることもある。
 直接の戦闘力はないが人間に接近すると大きな音を響かせて周りのクリプテッドやEOMを引き寄せる非常に厄介な存在。
"二本足"
 短い脚と不釣り合いに長い両腕を持つゴリラのような姿をしている。

◆EOM
 人類の敵-Enemy of Mankind-の略でエリア内を徘徊している異形の存在。
 クリプテッド同様に見つけ出した人類を殺そうとするが、最大の特徴は一切の攻撃が通用しないということ。
 見つからずにやり過ごすか逃げることしか出来ない。
 攻撃方法も多岐にわたり(エリア内どこにいようと無線を使ったものを無条件に攻撃、周囲を巻き込み自爆し続ける等)、一定の法則を持っているためそれを見つけ出すことが生き残るためのカギ。

◆ハーメルン
 紫色の女性の形をしたEOM。東京スカイツリーの展望台に常に居座っており、一定範囲まで近づいた人類を霧状にして自らの体内に吸収する特性を持っている。
 2年前に蓮次達は半身がハーメルンに吸い込まれる所を目撃しており、こいつに"アングリィ"を使えば行方不明者を取り戻すことができるのではと考えている。

◆ショット
 "エリア"内に存在するボールペン状の筒。中身はそれぞれ赤、緑、青色に輝く液体が入っており、それを注入することで"エリア"の中限定で効力を発揮する。
 なお、エリアの外に持っていくとただの石の棒と化す。
赤・強化ショット
 身体能力の強化を行う。使用中は頭に赤色の角が生える
緑・感覚ショット
 聴覚など感覚器官の強化を行う。使用中は頭に緑色の角が生える
青・修復ショット
 使用者のショットを解除し、エリア侵入時の状態に戻す。
 ショットは使用し続けると中毒状態になるとされており、上記二つを使った場合は必ず修復ショットを打たなければならない。
 また、どんなケガだろうと即死でない限り一瞬で元に戻すことができるが、あくまでエリア侵入時に戻すだけで、それ以前に負った傷は癒せない。

◆救務庁
 東京厄襲にまつわる案件を解決するために新設された政府機関。
 厄襲発生後の国内の混乱を収拾し、現在は"エリア"の研究、探索などは全てこの組織を通して行われている。
 また、救務庁以外に未発見のスポットを使用してエリアへ侵入するものを”侵入者”(レイダー)と呼ぶ。

【登場人物】
  • 秋月蓮次
 主人公。レン。2年前に家出ごっこと称し東京へ行った際に東京厄襲に巻き込まれる。
 一緒に厄襲に巻き込まれた幼馴染の少女、大郷夢衣を見つけ出すためにレイダーとなった。
 厄襲時にエリア境界に立っていたことが災いし半身を失い瀕死の重傷を負うが、その時現れた紫色の何かが右半身の代わりとなっている。
 エリア内では彼のみ強化ショットを三本同時に打つことで唯一EOMへ対抗できる"アングリィ"へと変身できる。

  • 弓家叶方
 レンのパートナーの少女。カナ。表の顔はヴァイオリニストで、厄襲に巻き込まれた弟を探すためにレイダーとなった。
 レン達がエリアを探索するための資金調達やパトロンの協力を得ることができるのは彼女の手腕によるもの。

  • 人工衛星ヒマワリ
 救務庁探索班の正規チームの少女。東京厄襲で行方不明になったはずの大郷夢衣と同じ姿をしている。
 基本的に感情を表現せず正規チームの命令に淡々と従っているが、レンに対してだけ執着を見せる。



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最終更新:2023年07月28日 20:49