制限カード(遊戯王OCG)

登録日:2016/07/25 Mon 08:50:30
更新日:2024/04/01 Mon 00:00:05
所要時間:約 20 分で読めます





遊戯王OCGのルールの1つ。
これに指定されたカードは1つのデッキに1枚までしか入れられなくなる。

関連項目


●目次

【概要】

遊戯王OCGにはリミットレギュレーションというルールが存在し、
公式大会や公認大会に出場する際には、それに見合ったデッキを組まなくてはならない。

デッキに入れることができない禁止カードが存在するが、
この一歩手前の段階としてデッキに一枚しか入れられない制限カードが存在している。
これの前段階としてデッキに二枚までしか入れられない準制限カードも存在している。


基本的に
  • 汎用性が高すぎてどのデッキにも入ってしまい、デッキスロットの固定化を招くカード
  • 2枚以上投入できるととぶっ壊れだが、1枚だけなら問題ないカード(複数枚投入することで真価を発揮するカード)
  • 先攻ワンキルのコンボパーツ。
  • テーマデッキ専用だが、あまりにもカードパワーが高いカード
  • デッキの回転率や安定性を高めるサーチカードやドローソース
  • カードプールやルールの変化によって悪用が想定されるカード
  • 三ヶ月周期の規制になったことを良いことに後で規制する前提で出したとしか思えないカード
  • 環境の変化とコナミの商売事情に合わせて禁止カードから緩和されたカード

等が該当する。

要はゲームバランスを崩壊させるような強力なカードが指定されるものだと思って差し支えない。
とりわけ対策の難しいバーンによる1キルコンボには厳しく、
一見それほど強く見えないカードもループコンボ等による勝利の余地があれば規制されやすい。

ただし、発売からそれほど期間の経っていないカードはしばらく規制を免れることが多い。
その辺は発売元であるKONAMIの商売事情が絡んでいるのだろう。

大抵のカードは1枚制限になると適正以下のカードパワーに落ち着くのだが、
それでもゲームバランスに差し障ると判断されると、デッキに1枚も入れることができない禁止カードに指定されてしまう。
禁止カードの詳細についてはそちらの記事を参照されたし。

逆に長期間目立った活躍がないと準制限カードや規制解除されることもある。
また環境以外のデッキにチャンスを与えるためにそれなりのパワーを持つカードが緩和されることもたまにある。
しかし、迂闊に緩和した結果大暴れしてこちらに逆戻りしてくるパターンもそれなりに多い。

なお、これらはあくまで公式大会・公認大会に出場する際に義務付けられるものなので、友人とのフリープレイならば厳密に順守する必要はない。
しかし、大々的に施行される都合上、ほとんどのプレイヤーはこれらに従ってデッキを組んでいる
相手が誰であっても、レギュレーションを満たさないデッキを使う際は一言断りを入れるのが無難


【制限カード一覧(2024年4月1日から)】


効果モンスター・通常モンスター

+ 詳細は以下
  • 《アストログラフ・マジシャン》
☆7 ATK/2500 DEF/2000 スケール1
自分フィールドのカードが破壊されたら手札からSS+破壊されたモンスターの同名カードサーチ。

手札を減らさずに2500打点が出てくる+破壊されたモンスターなら相手のカードも参照できる、という利便性から、本来採用されるはずの【魔術師】から飛び出してペンデュラムデッキでの出張採用が相次ぐ。
一応このカードが話題にもならないくらいヤバいテーマが跳梁跋扈していた第9期環境ではそこまで飛び抜けた悪さをしていなかった事や新マスタールール施行によりペンデュラムテーマ自体が落ち目になったことで規制を免れていた。
ところが後述する《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》が登場したことで状況は一変。タイミングを逃さないという性質が最悪の形で噛み合い、大暴走を始めてしまう。
+ 何が起こったのか
まず《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の召喚成功時効果でこのカードをエクストラデッキへと送る。
→次に《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の起動効果で任意のペンデュラムカードを破壊、エクストラデッキのこのカードを手札に加える。
→このカードの効果はタイミングを逃さないため、手札に加えた後効果発動。
→手札から特殊召喚され、デッキから破壊したカードの同名カードを手札に加える。
→同時に《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の誘発効果が発動。デッキからカードを一枚ドロー。
お気づきだろうか。このムーヴの時点で場に一枚、手札に2枚ものカードが増えている事に。
そしてこの後ペンデュラム召喚で《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の素材になったペンデュラムモンスターを呼び戻せば実質リンク召喚分の素材消費はゼロ。そしてこのムーヴに破壊されたときデッキからカードをサーチしてくる後述の《虹彩の魔術師》が巻き込まれたらどうなるのか。結果は言うまでもあるまい。
更に悪い事にこのカードの特殊召喚効果と《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》の回収効果が共に1ターンに1度がついていないため、出てきたこのカードが《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》のリンク素材になって、《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》がこのカードを回収し、《アストログラフ》が特殊召喚されるというループが起こってしまう。
このムーヴの凶悪なところはリンクマーカーを実質消費ゼロで最大3箇所も確保しながら、エクストラデッキからの特殊召喚制限を受けない手札にも大量のモンスターを溜め込むことが可能になる点である。
このせいで【魔術師】は元々あった異常なリソース回収能力がさらにブーストされ、【魔術師】は再び環境の一角で舞い戻る事となった。
結果、TCGでは禁止、OCGそれに遅れる形で制限となり、相方の《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》や古巣の「魔術師」などをも巻き込んだ大弾圧事件を引き起こしてしまった。
後半の《覇王龍ズァーク》融合効果はもはやオマケである。
ついでに、P効果として自壊してデッキから《星読みの魔術師》リクルートする効果も持つが、効果の盛りすぎなモンスター効果よりは地味と見られていた。
しかし似た効果を持つ相方も……。


☆1 ATK/500 DEF/200
墓地に送られたときに自身以外の天使族をフィールド・墓地から二体まで除外し、その数まで同名でないレベル2以下の天使族をサーチする。
相手のモンスター効果を無効にして破壊する《朱光の宣告者》や、《崇光なる宣告者》や《神光の宣告者》の効果の発動コストをサーチできる、【宣告者パーミッション】と呼ばれるデッキで優秀なカードであったが、後者のモンスターを簡単に出せるカテゴリ「ドライトロン」が登場すると1ターンに1度の制限がない無効破壊を6回構えるという無慈悲すぎる先攻制圧の一翼を担うことになる。*1
そのため2022/7/1に一発で制限指定されたが、環境で【ドライトロン宣告者】が活躍したのは制限のおおよそ1年前であり時機を逸したという考えも多い。*2


☆2 ATK/ 300 DEF/ 500
手札から自身と天使族を捨てる事で相手モンスターの効果を無効にして破壊するモンスター。
強力な手札誘発であるが、こちらが2枚消費して相手の1枚を無効にして破壊する2:1交換となるため使い所が肝要となるカードであったが、カードプールの増加により墓地に送られた時に効果を発動する天使族が増加。
《イーバ》で同名カードをサーチして更に妨害準備を整えたり、《古衛兵アギド》や《古尖兵ケルベク》を落として墓地肥やし・デッキ破壊を誘発させたりと単なる妨害カード以上の働きをする様になった。

特に《古衛兵アギド》・《古尖兵ケルベク》を擁する【イシズティアラメンツ】では妨害ついでに《エルシャドール ・ミドラーシュ》や《ティアラメンツ・ルルカロス》と言った制圧モンスターを後攻0ターン目に出す事を可能にさせていたため、規制の一環として2022/10/1に制限指定を受ける。


☆7 ATK/2800 DEF/1800
ドラゴン族サポートと属性サポートを兼ねる「征竜」シリーズの1枚。炎属性担当。
本体を制限にしてもサポートカードやドラゴン族関連カードをいくら縛りつけても収まらなかったので最終的に禁止に。

☆7の「征竜」の共通効果として、
  • 手札か墓地からドラゴン族か自分と同じ属性のモンスターを合計2枚除外して、手札か墓地から特殊召喚できる。
  • 特殊召喚された場合、相手のエンドフェイズに手札に戻る。
  • 除外された場合、自身と同じ属性のドラゴン族モンスターをデッキからサーチ。
  • 手札から自身及び自身と同じ属性のモンスターを捨てて固有効果の発動。
となっており上記4つの効果は1ターンにどれか一つしか使えない。

墓地アドを利用して簡単に蘇り、そのまま2800打点やランク7のエクシーズ素材やレベル8以上のシンクロ素材になったりする。
また除外されるとサーチできるので、《封印の黄金櫃》や《七星の宝刀》との相性も抜群だった。

固有効果はフィールド上のカード1枚を破壊するというもの。
展開を封じられた状態からでもメタカードの破壊などの役割を持て、打点が2800のため場に居座る制圧系のモンスターにも強かった。
当時の暴れっぷりから「こいつなら征竜に対応できるんじゃね?」→「ブラスターで突破されるわ」と言うやり取りが生まれるほど。
天敵の《クリムゾン・ブレーダー》の効果を発動させず、相打ちで除去できるのも強力*3
出張先は主に【ラヴァル】や【炎王】、【炎星】、【インフェルノイド】など。
他の征竜とのシナジーを考慮しなければ、《真炎の爆発》頼みと揶揄されるほど不遇の極みだった当時の炎属性全般にとって大変頼りになる一枚だっただけに禁止が決まった際は惜しむ声も大きかった。

そして時は流れ、《ダイナレスラー・バンクラトプス》や《黄金卿エルドリッチ》等より容易な除去力を持った大型モンスターが登場し、“除去効果を使うと特殊召喚できず高い打点を活かせない”点が重く響く様になったのと爆炎のデュエリストを含めた炎属性プッシュの宣伝を兼ねられるためか、2023/04/01に《嵐征竜 テンペスト》に続いて征竜2体目の制限復帰を果たす。


☆6 ATK/1000 DEF/2400 Pスケール1
EM」に属するPモンスター。
ペンデュラム効果は、Pゾーンに置いたターンに1度、デッキから☆4以下の「EM」をサーチする効果というもの。

ただでさえ強力で環境トップだった【EMEm】に放り込まれたぶっ壊れカード。
まがりなりにも【帝王】・【彼岸】と3強状態を作っていたのに、このカード登場後は完全に1強状態になった。
事実上1回しかサーチできないが、2回目なんて回ってこないか回ってきても殴れば勝てる状況なのだから関係ない。
ラスターPいれば2枚目持ってこられるしね。

たった1枚からペンデュラム召喚の準備が整ってしまう。
しかもサーチ効果を持つ《EM ドクロバット・ジョーカー》や《EM ペンデュラム・マジシャン》をサーチ可能なため強力なシナジーを発揮する。
この相互作用は異常なまでに強力であり、2016/01/01の改訂で「Em」が抜けた後も【EM竜剣士】として環境を染め続け、【EMEm】全盛期から合わせて「遊戯王EMモンスターズ」等と揶揄される事態を引き起こす。

一応「もう片方のスケールに『EM』がいないとスケールが4になる」というデメリットはあるが、上述のとおり自身の効果を発動するだけで回避可能。
また、残って邪魔になったこいつを《EM ペンデュラム・マジシャン》や《竜剣士ラスターP》の効果で破壊してサーチに繋げることもできたので、効果の強力さに対してデメリットは無いも同然。
ちなみにこれでもアニメ効果から大幅に弱体化している*4

一度目の改訂ではスルーされたものの、流石に許される訳でもなく次の改訂で即禁止指定。
上記の《Em ヒグルミ》と同じく現役期間は167日と最速タイ、2016年が閏年でなければ記録を1日更新できたというオマケ付き。

海外ではヒグルミと同じく特別禁止改訂で制限カードに指定される。
海外での発売日からわずか24日のことであった*5
その後当然禁止にブチ込まれたが、海外では《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》が禁止になっていることもあって後に制限復帰を果たしている。

なお、相方の《EM ペンデュラム・マジシャン》と《EM ドクロバット・ジョーカー》は制限になった。
こいつ程手軽にサーチ出来ない*6ためであろう。
その後、マジシャンについては新マスタールールの影響で2017年に制限解除され、ジョーカーの方も2022年に制限解除された。

そしてこのカード自身も2023/7/1にようやく禁止解除され制限カードへと緩和された。


☆7 ATK/1600 DEF/3000
ドラゴン族サポートと属性サポートを兼ねる「征竜」シリーズの1枚。地属性担当。
征竜共通の効果・運用方法については、《焔征竜-ブラスター》の項目を参照。

固有効果は自分の墓地のモンスター1枚を特殊召喚するというもの。
コストを払った後にモンスターを選択するため自身やコストに捨てたモンスターも選択可能。
効果の汎用性が高く、主に地属性デッキで採用された。手札で腐った《増殖するG》をコストにできるのも便利。
打点は低く下級アタッカーよりも頼りないが、守備力は3000と高いため最序盤の偵察役兼、時間稼ぎにはもってこい。
特に現役時は《クリムゾン・ブレーダー》に倒されない守備力を持つことから、《増殖するG》警戒で《焔征竜-ブラスター》共々よく最初に特殊召喚された。
出張先は主に【ガジェット】や【スクラップ】など。

そして時は流れ他の「征竜」が続々と緩和される中、2024/1/1に制限復帰を果たす。
先に解放された2体共々、インフレの波に飲まれて「特殊召喚と固有効果を同じターンに使えない」のが重く響いており現状のカードプールでは適切なカードパワーと判断されたためだろうか。


  • 《クシャトリラ・ユニコーン》
☆7 ATK/2500 DEF/2100
自分の場にモンスターが居なければ特殊召喚出来る共通効果を持つ「クシャトリラ」モンスターの1体。
固有効果として「クシャトリラ」魔法カードをサーチする起動効果と、自分の攻撃宣言時もしくは相手モンスターの効果発動時に相手のEXを確認して1枚を裏側除外する効果を持つ。

レベル7モンスターをリリースなしで召喚できる様になる《クシャトリラ・バース》やデッキから「クシャトリラ」をリクルート出来る《六世壊他化自在天》にアクセスできる【クシャトリラ】の重要な初動。
更に除外効果も相手のEXを確認しつつ除外するため、相手の切り札やメタカードを事前に抜く事が出来るのは非常に大きい。

【クシャトリラ】の初動と妨害を同時に担う重要なカードであったため2023/1/1に制限指定を受ける。


☆1 ATK/500 DEF/500 チューナー
植物出張セットその1。
デッキトップ1枚を墓地に送る事で自己再生する汎用性で言えば9期・10期を含めても間違いなく最強格の☆1チューナー。
「デュエル中1度」の重い制約の為、複数積みが意味をなさないものの、
実質コスト無しの蘇生(運が良ければ墓地に置きたいカードが落ちてメリットにもなり得る)で連続S召喚が可能、
☆1チューナーなのでレベル調整が楽、
地属性なので魔法封殺の《ナチュル・ビースト》の素材に出来る、
植物族なので同じく出張セットの《ローンファイア・ブロッサム》で呼んだり《スポーア》のコストにしたりとシナジーが抜群、とピン挿しでも凄まじい使い勝手を誇った。
あまりにも猛威を奮った為、S召喚最盛期の2012/03/01にて悪友の《スポーア》と共に禁止指定を受ける。地味に第7期産カード初の禁止カードでもある。
《スポーア》が釈放されても長らく禁止カードに居続けたが、環境に於けるS召喚の低迷とアニメのS召喚プッシュを受けてか制限に復帰、【EM竜剣士】で再度活躍するも彼らの規制によって見逃され、一時は無制限にまで緩和される

しかしリンク召喚が登場し、自己再生からの連続リンク召喚と言う新たな力を得てしまう。
続々と追加されたリンク1モンスターや《水晶機巧-ハリファイバー》、《サモン・ソーサレス》と言ったリンクソリティア連中と組んで更なる猛威を奮い、2019/01/01付けをもって今度は《ダンディライオン》と共に禁止指定を受ける。
リンク召喚導入時にヤバそうな連中規制してたんだからコイツもその時に規制するなりエラッタするなりすれば良かったものを…

その後、環境がインフレした上に《水晶機巧-ハリファイバー》が禁止カードとなり、このカードを場に呼び出す手段が限られてしまった事から相対的にカードパワーが落ちたと判断されたのと今後のシンクロをプッシュするためか、2023/04/01に再び釈放されて制限カードに戻った。


  • 《クロノグラフ・マジシャン》
☆6 ATK/2000 DEF/1700 スケール8
《アストログラフ・マジシャン》と同様の条件で手札から特殊召喚+手札から任意のモンスターを特殊召喚。
また、P効果で自分を破壊することでデッキから《時読みの魔術師》を特殊召喚する。

アドバンテージの塊である《アストログラフ・マジシャン》と違って手札消費も荒く影に隠れがちだが、
手札からの特殊召喚効果か、スケールから自己破壊してデッキから《時読みの魔術師》を呼び出す効果により、
P召喚をする前にPモンスターをフィールドに並べて《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》に繋ぐ役割を担ったため、
【魔術師】規制の一環で制限指定された。


  • 《剣神官ムドラ》
☆4 ATK/1500 DEF/1800
かつてイシズ・イシュタールが使用していた《ムドラ》のリメイクモンスター。通称・イシズパーツの1枚。
手札から他の天使族・地属性を捨てて特殊召喚し、デッキから《墓守の罠》を表側で出す効果と、自分・相手ターンに墓地から除外して互いの墓地のカードを合計5枚、《現世と冥界の逆転》が自分の墓地になければ合計3枚デッキに戻す効果を持つ。

自己特殊召喚効果はコストこそ限定されているが、同期の《古尖兵ケルベク》や《古衛兵アギド》の墓地送り効果のトリガーにする事が可能で、「ティアラメンツ」の様に墓地送りに反応する効果を連鎖するトリガーになれる。
おまけとして《墓守の罠》を持ってくる効果も、デッキから直接表側で持って来れるために《灰流うらら》に引っ掛からずすぐさま効果を使える様になるのがこれまた強力。
その《墓守の罠》も手札を捨てて天使族・地属性をサーチ出来るので、2枚目以降の《剣神官ムドラ》や同期達をサーチしつつ墓地送りで更に効果を誘発させたりと非常に強固なシナジーを形成している。運良く《現世と冥界の逆転》が墓地に落ちれば相手の墓地利用を封じる事も可能。

前述した通り、墓地送り効果と自身の墓地送りをトリガーとした効果を持つ【ティアラメンツ】とは抜群のシナジーを誇り、このカードを含めたカード群・通称“イシズパーツ”が【ティアラメンツ】と共に【イシズティアラメンツ】として大会環境を荒らし、【イシズティアラメンツ】の規制と【クシャトリラ】の登場で【ティアラメンツ】での採用率が落ちて一時は環境から退いたものの、追加の規制を受けた【ティアラメンツ】が再びイシズパーツを採用して環境に居座り続けた結果、2023/04/01にこのカードも制限指定を受けた。
【ティアラメンツ】とのシナジーの強さもさる事ながら、このカードで引っ張って来れる《墓守の罠》が墓地メタとして機能する、即ちミラーマッチ対策になると言う点がトドメとなったと思われる。


☆2 ATK/1000 DEF/0 チューナー
除外ゾーン以外から《PSYフレーム・ドライバー》を引き連れて場に出つつカウンターを決めて来る「PSYフレーム」チューナーの内、モンスター効果無効化担当。
モンスター効果偏重の環境ではかなり刺さる性能であり、
単体では役に立たない上級バニラの《PSYフレーム・ドライバー》も同時に採用しなければならない制約と、自分のモンスターが居ないと言う条件こそあれど、
場以外で発動した効果にも対応出来る上に、手札で発動するため《墓穴の指名者》に止められず、《灰流うらら》の様な破壊を伴わない無効化を食らってもチェーン処理後に改めて使用出来ると言う使い勝手の良さを誇る。
更に、発動後には自身と《PSYフレーム・ドライバー》が残るので各種素材に使う事も可能。
更に素材指定が緩いカテゴリリンクの《PSYフレームギア・Λ》の登場で自分の場にモンスターが存在しても使える様になったのも追い風。
その使いやすさから多くのデッキで使われて、大会環境ではこのカードの存在が念頭に置かれてデッキや戦略の固定化を招き、
本来なら先攻1ターン目に於ける後攻側の対抗手段のはずが、
モンスターを出していない状態で先攻側が「後攻の手札誘発を潰しつつ出したこのカードと《PSYフレーム・ドライバー》で《水晶機巧-ハリファイバー》を出して展開する」といった頭の痛くなるような先攻制圧に使われたせいで2021/7/1に準制限となり、それでも採用率は落ちなかったためか直後の改訂である2021/10/1に制限へと規制強化された。純PSYフレーム使いは泣いて良い
こいつが流行っている状態ではモンスターを出していない状況で迂闊にモンスターの手札誘発を撃つと、1ハンデスされた挙句相手に展開要員を2体も渡してしまう格好になってしまいゲームセットが大幅に近づいてしまう。
そのため、リスク回避のためにモンスターが1体立つまで手札誘発を撃たずに待つのが定石とされ先攻の初動が通りやすくなっていた。


☆8 ATK/2500 DEF/3000
「ビーステッド」の力を得たアルベルの新たな姿。
自分の場のレベル6以上のドラゴン族・闇属性1体をリリースして手札・墓地から出せる特殊召喚モンスター。
手札から捨てる事で同名以外の「ビーステッド」モンスターをサーチする効果と、メインフェイズに「烙印」永続魔法か永続罠をデッキから表側で置く効果を持つ。

自身を手札から捨ててサーチした《深淵の獣アルバ・ロス》以外の上級「ビーステッド」モンスターを出して即座にリリースするだけで降臨し、リリースしたのが《深淵の獣サロニール》ならデッキから「ビーステッド」モンスターか「烙印」魔法・罠の墓地肥やし、《深淵の獣ドルイドヴルム》なら相手の特殊召喚されたモンスターを墓地送り、とアドバンテージを稼げる。

更に「烙印」永続魔法・罠を展開する効果も強力で、《復烙印》で手札交換や「ビーステッド」の展開、《烙印の獣》で除去、《導かれし烙印》で「ビーステッド」にカウンターして来た相手のカードを打ち消し、《烙印の即凶劇》で相手の展開を妨害、と多彩な動きが可能。
おまけにデッキから直接出すので《灰流うらら》に妨害されないため妨害を受けにくいのも強み。

それでいてステータスもアタッカーとして及第点の攻撃力と高い守備力を併せ持つため戦闘にも強い、と万能なモンスター。

言うまでもなく【ビーステッド】の要であり、2023/1/1の規制で止まらなかった【ビーステッド】を抑えるためか2023/4/1の改訂にて制限指定を受ける。


☆4 ATK/1500 DEF/1500
コストでデッキから「斬機」モンスターを墓地に送って特殊召喚出来る「斬機」の1体。
自身が場にいる時に他の「斬機」が出たら「斬機」魔法・罠をサーチする効果を持つ。
緩い条件で自己再生出来る《斬機シグマ》がいるため、このカード1枚から召喚権を使わずモンスター2体並べつつ1枚サーチが可能と言う意味の分からないアドバンテージを稼げるサイバースの最強初動。
特殊召喚効果を使うとこのターンモンスター1体でしか攻撃出来なくなるデメリットはあるが先攻1ターン目ならそもそも攻撃出来ないからノーデメリット、後攻でも複数攻撃を付与したモンスターで殴れば軽減出来るためほぼノーリスク。《斬機シグマ》のサイバースしか特殊召喚出来なくなるデメリットもサイバース族デッキなら何も問題ない。
このカードと《斬機シグマ》で《塊斬機ダランベルシアン》を出して《斬機ダイア》をサーチして更に展開し、相手ターンにはこのカードでサーチした《斬機超階乗》で《斬機ダイア》込みの《塊斬機ラプラシアン》をぶつけて除去&万能無効で妨害するムーブが非常に強力。
更に《斬機シグマ》の代わりに《斬機ナブラ》を採用すれば《塊斬機ダランベルシアン》から《斬機超階乗》&《塊斬機ラプラシアン》の妨害コンボに繋げられる為、適当なランク4デッキにも出張可能と言う凄まじいパワーカード。

登場してしばらくしてから【スプライト】や【ティアラメンツ】と言った凶悪なデッキが幅を効かせていたため、カードパワーの高さに反して目立たなくなってしまっていた。
そして彼らが規制を受けた2023年になってようやく頭角を表して環境争いをしたためか、2023/7/1に制限指定を受ける。
ちなみにこのカードの規制により収録パックのPOWER OF THE ELEMENTSは収録カードの内規制された枚数が11枚となり、あの悪名高いマキシマム・クライシスの規制経験枚数10枚を超えて歴代トップに躍り出ると言う快挙(?)を果たした。やっぱり2022年はおかしい


  • 《十二獣モルモラット》
☆4 ATK/0 DEF/0
十二獣に属する下級モンスター。
召喚成功時にデッキから「十二獣」カードを墓地へ送る効果を持つ。
また、エクシーズ素材になっている時、エクシーズモンスターに《十二獣モルモラット》をデッキか手札から特殊召喚する効果を付与する。

制限カードゆえ、後者のリクルート効果は実質的に使用できなくなっている。
無制限時代はこれを利用することで、容易にランク4モンスターを立てつつ《十二獣ブルホーン》で後続を確保し、《十二獣ドランシア》に繋ぎ構えることができた。
現在では相手から《十二獣モルモラット》を奪ってエクシーズ素材にしない限りは発動できない。

地属性の獣戦士族のため《十二獣の開局》は勿論、《M.X-セイバーインヴォーカー》(現在は禁止カード)、《炎舞-「天キ」》とデッキから引っ張り出す手段は豊富であった。


  • 《宿神像ケルドウ》
☆4 ATK/1200 DEF/1600
かつてイシズ・イシュタールが使用していた《ケルドウ》のリメイクモンスターでイシズパーツの1枚。
手札から他の天使族・地属性を捨てて特殊召喚しつつ《現世と冥界の逆転》もしくはその関連カードをサーチする効果と、
フリーチェーンで場・墓地から自身を除外して互いの墓地のカードを、自分の場か墓地に《現世と冥界の逆転》があれば合計5枚、なければ合計3枚をデッキに戻す効果を持つ。

《古衛兵アギド》や《古尖兵ケルベク》をサーチ、もしくはそれらを捨てて墓地肥やしを発動させつつ《現世と冥界の逆転》や《剣神官ムドラ》などをサーチしたりなど手札の状況に応じて柔軟な動きが出来るサーチャー。
墓地に落ちた後もこちらのカードを戻してリソース確保や相手の墓地利用を妨害したりと器用に立ち回れる。

【イシズティアラメンツ】の安定性を底上げしていた重要カードだったため2022/10/1に制限指定を受ける。


  • 《SPYRAL-ジーニアス》
☆1 ATK/500 DEF/400
海外産テーマ、「SPYRAL」のカード。
召喚・特殊召喚時に「SPYRAL GEAR」をサーチし墓地にいる時にフィールドに《SPYRALーダンディ》がいれば手札を捨てることで特殊召喚できる。
どちらも1ターンに何度でも発動できる。いい加減学習しろよ。
高性能ではあるが弱点がない訳ではなく自身を墓地へ送る方法とフィールドの《SPYRALーダンディ》の確保が課題だった。
…だがこのカードを素材として出すことが可能でフィールド上で《SPYRALーダンディ》として扱う《SPYRALーザ・ダブルへリックス》の登場で解決されてしまった。
蘇生効果の発動コストも自身のサーチ効果で補える。
自身の効果で特殊召喚した場合フィールドから離れると除外されてしまうがエクシーズ素材にしてからリンク召喚して墓地に叩き込むことでデッキからサーチするカードがなくなるまで使い回せる。
オマケに《機械複製術》対応。
海外ではそこまで強くなかった【SPYRAL】だが、リンク召喚と言う新たな力を得て日本の環境を瞬く間に【SPYRAL】一強状態に引き上げた戦犯立役者の一人。
あまりにも暴れすぎたために速攻で制限に放り込まれたが、【SPYRAL】が環境で大人しくなったため一時期準制限に緩和された。
しかし、過去の実績から新ルールで再び暴れる事を警戒されたためか制限に逆戻りした。


☆3 ATK/1200 DEF/600
自分フィールドにモンスターがいなければ手札から特殊召喚できる効果と、召喚か特殊召喚時に同名以外の「SR」カードをサーチする効果を持つ。
サーチ効果は同名縛りで1ターンに1度しか使えない。
「SR」はシンクロテーマなので少ない消費でシンクロに繋ぐカードとして作られたと思われ、実際《源竜星-ボウテンコウ》を1枚で作るカードとして使われたこともあった。
しかしサーチ先に場に風属性モンスターがいれば特殊召喚できるレベル3の《SRタケトンボーグ》がいたのでランク3デッキにおける超パワーカードとしての活躍がメインだった。
しかもベイゴマタケトンの流れは召喚権を使わないためこいつを潰しても別の召喚権を使うギミックで動かれ、更にこのカードの特殊召喚からランク3エクシーズの流れでチェーンを組む特殊召喚は一回も行われないため《増殖するG》を投げられても止まる判断もしやすく余分に引かれにくい。
このギミックは2体リリースを必要とするアドバンス召喚のギミックにも転用できる。
彼岸】【十二獣】とランク3が重要になるデッキで出張で使われ続け《餅カエル》と一緒に正月で規制された。
しかし「SR」の新規を作るからなのか、単に最近採用されてないからとトチ狂った判断をしたのかは不明だが突然準制限に緩和され《彼岸の黒天使 ケルビーニ》や《M.X-セイバーインヴォーカー》を活用するリンクソリティアに加担し回った。
その後《彼岸の黒天使 ケルビーニ》で主に落としていた《ダンディライオン》や《M.X-セイバーインヴォーカー》が規制されたが、【オルフェゴール】【転生炎獣】で強力な初動として暴れ続けたため改訂で制限に逆戻りした。
シンクロよりもエクシーズやリンクで多く使われる要因を作っているのはサーチ先の《SRタケトンボーグ》の存在であり、デザインミスにしか見えない。


☆2 ATK/1300 DEF/ 700
自分の場にレベル2またはランク2が居れば特殊召喚出来る「スプライト」モンスター。更に特殊召喚時には「スプライト」魔法・罠をサーチ出来る。

展開だけじゃなく、《スプライト・スターター》で更に「スプライト」を展開したり、《スプライト・ガンマ・バースト》で全体強化からのフィニッシュ、《スプライト・スマッシャーズ》で除去、《スプライト・ダブルクロス》をセットして相手ターンへの備え、と状況に応じて柔軟に動ける【スプライト】の戦術の要。
【ガエルスプライト】を初めとした【スプライト】への規制の一環として2022/10/1に制限指定を受ける。


  • 《スプライト・ブルー》
☆2 ATK/1100 DEF/1000
自分の場にレベル2またはランク2が居れば特殊召喚出来る「スプライト」モンスター。更に特殊召喚時には「スプライト」モンスターをサーチ出来る。

共通効果のおかげでサーチした「スプライト」モンスターは即座に展開出来るため、《スプライト・ジェット》で更にサーチ、《スプライト・レッド》でモンスター効果への対策、《スプライト・キャロット》で魔法・罠への対策をしたり、はたまた相手ターンに《スプライト・エルフ》の効果で蘇生して《スプライト・ピクシーズ》を手札に加えて相手の攻撃を牽制したりと柔軟に動ける【スプライト】の重要カード。

規制後もあの手この手で生き延びる【スプライト】への追加規制の一環として2023/4/1に制限指定を受ける。


☆7 ATK/2600 DEF/0
相手モンスターの数が多ければ自力で特殊召喚可能であり、更にフリーチェーンで「ダイナレスラー」モンスター1体をコストに相手のカード1枚を破壊できる効果を持つ。
自身もリリースコストにできるため、かつて制限指定を受けた《サイバー・ドラゴン》よりも特殊召喚条件が緩く、《ならず者傭兵部隊》よりもタイミングが自由とこの2枚を足してちょっと付け加えたかの様な性能をしている。
オマケに攻撃力も高いためメインデッキの打点不足に悩まされていたデッキにとっての救世主でもあり、
楽に特殊召喚できる☆7モンスターと言う貴重なモンスターなのでランク7を狙うデッキへの出張要員にもなる。
破壊効果は前述の《ならず者傭兵部隊》と違い魔法・罠も可能、更に表裏も問わないため召喚権を使わない除去としては最高級であり、前述の通りアタッカーとフリーチェーン除去による妨害役をこなす恐ろしいまでの高い汎用性を持っている。
一部ではデッキ変更した鬼塚の最大の功績とされている

そのあまりの汎用性の高さから【ダイナレスラー】や【恐竜族】だけでなく、多くの環境デッキのサイドデッキ常連として環境を駆け抜けていた。
早い段階で準制限カードに指定されているが被ると弱い性質からそこまで影響はなかった。
しかし、環境がやや低速化し前程先攻ゲーではなくなったためメインからも投入されることが多くなったためか制限化。
凄まじい万能さを持つモンスターだが初出はノーマルであり財布にも優しく、ある意味隙のないカード。


☆4 ATK/1200 DEF/0
手札・場から「超重武者」の装備カードとなり、装備モンスターに守備貫通を与えるモンスター。
しかし、このカードの真価は場から墓地に送られた時に発動する「超重武者」モンスターのサーチ。
同名カードはサーチ出来ないものの場から墓地に送られる以外の条件もなく、効果に回数制限がないのが最大の特徴。
当初こそ展開力に乏しいため使いにくく、リンク1の《超重武者カカ-C》の登場で使い回しが容易になったもののデッキパワーが不足していたため活躍する事はなかったものの、CYBERSTORM ACCESSで登場した新規によりその潜在能力が大爆発。
《超重神童ワカ-U4》と言った初動へアクセスしつつ墓地と場を行ったり来たりしてサーチを繰り返してアドバンテージを稼ぐ大暴れを果たしたため、環境トップに躍り出た【超重武者】規制の一環として2023/7/1に制限指定を受ける。
使い回しが可能とは言え素引きする確率が下がる上に《墓穴の指名者》などを食らってしまえばリカバリーが効かなくなるため考えなしに使えなくなったのは大きい。


☆4 ATK/1800 DEF/1300
効果で墓地に送られた時に、墓地の自身を含めた素材をデッキ・EXに戻して融合召喚する共通効果を持つ「ティアラメンツ」モンスター。
固有効果は自身を特殊召喚しつつ手札からモンスター1枚を墓地に送り、更に追加でデッキトップから3枚を墓地に送る。

緩い条件で1度に合計4枚も墓地に送れ、「ティアラメンツ」の共通効果のトリガーになれる。
更に「ティアラメンツ」以外も手札から墓地に送れるので、手札に来た「シャドール」や「イシズパーツ」辺りを墓地に送って誘発させる事も可能で、混成デッキであっても機能させられる。
更に墓地に送った「ティアラメンツ」の効果でこのカードを素材にすればこのカードの共通効果で更に融合召喚が可能になる【ティアラメンツ】の初動の1枚。

登場当初から環境トップをほぼ独走していた【ティアラメンツ】を抑えるために2023/1/1に制限指定を受ける。


  • 《ティアラメンツ・クシャトリラ》
☆7 ATK/2300 DEF/1200
最上級「ティアラメンツ」モンスターにして「クシャトリラ」にも属するモンスター。
共通効果は持たず、自分・相手メインフェイズに手札・墓地の「クシャトリラ」か「ティアラメンツ」を除外して自身を特殊召喚する効果と召喚・特殊召喚時に自分か相手のデッキトップから3枚墓地に送る効果、効果で墓地に送られたら自分のデッキトップから2枚墓地に送る効果を持つ。

融合効果こそないが2種類の墓地肥やし効果を持っているため、共通効果持ちの「ティアラメンツ」を落として融合召喚に繋げやすい。
《壱世壊=ペルレイノ》だけじゃなく《六世壊=パライゾス》のサーチにも対応しているため規制を受けて弱体化した【イシズティアラメンツ】を【クシャトリラ】混成型の【ティアラメンツ】*7として支えた。
追加規制を受けて【ティアラメンツ】がシンクロ型に移行したら後もレベル7であることを活かしてレベル1チューナーとシンクロして《混沌魔龍 カオス・ルーラー》に繋げるなど潤滑油として支え続けたが、2023/10/01に制限指定を受ける。
そしてこのカードの規制により「ティアラメンツ」はメインデッキのモンスター全てが制限カードになった。


  • 《ティアラメンツ・ハゥフニス》
☆3 ATK/1600 DEF/1000
共通効果持ちの「ティアラメンツ」モンスター。
固有効果は相手の場のモンスター効果を発動した際に自身を特殊召喚して自身のデッキトップから3枚墓地に送る。

発動が相手依存かつトリガーとなった相手のモンスター効果を無効にしないが、相手ターンでも墓地送りを発動させて「ティアラメンツ」の共通効果のトリガーになれるため、運も絡むが後攻0ターン目に融合モンスターを出す事も可能なカード。
【イシズティアラメンツシャドール】では後攻0ターン目に《エルシャドール・ミドラーシュ》を立てる事を可能にしていた1枚だったためか、2022/10/1に準制限指定を受ける。
準制限で留まったのはやはり相手依存で不安定な所と、効果を無効にせず素通しする点が考慮されたと思われるが、それでも止まらなかった【ティアラメンツ】を抑えるために2023/4/1には制限指定を受ける。


  • 《ティアラメンツ・メイルゥ》
☆2 ATK/ 800 DEF/2000
共通効果持ちの「ティアラメンツ」モンスター。
固有効果は場に出た時に自分のデッキトップから3枚墓地へ送る。

固有効果で能動的な墓地肥やしが可能だが、下記の《ティアラメンツ・レイノハート》の方が狙ったカードを落としやすいため、このカードに召喚権を割く価値はあまりない。

しかし、「ティアラメンツ」モンスター唯一の“レベル2”であるため、《スプライト・エルフ》の釣り上げや《スプライト・スプリンド》の墓地肥やしに対応しているため彼らをリンク召喚しつつ更なる展開が可能となっているのが特徴。
不安定な固有効果も《スプライト・エルフ》による釣り上げで試行回数を増やせば無理矢理成功を手繰り寄せる事が可能であり、上手く行けば相手ターンに融合モンスターを展開する事も可能。

あの手この手で生き延びる【ティアラメンツ】の追加規制の一環として2023/4/1に制限カードとなる。
そしてこのカードの制限指定により、下級「ティアラメンツ」モンスターは全て制限カード指定を受ける結果となった。
「スプライト」にイシズパーツ、「クシャトリラ」に「ビーステッド」と2022年はやはりおかしかった


  • 《ティアラメンツ・レイノハート》
☆4 ATK/1500 DEF/2100
《ヴィサス=スタフロスト》のそっくりさんにして共通効果を持たない下級「ティアラメンツ」モンスター。
召喚・特殊召喚時にデッキから同名以外の「ティアラメンツ」1体を墓地に送る効果と、効果で墓地に送られた時に除外デメリット付きで墓地から自己再生して手札の「ティアラメンツ」1枚を墓地に送る効果を持つ。

どちらの効果も「ティアラメンツ」の共通効果による融合召喚のトリガーとして優秀なため初動となり得る1枚であり、デッキバウンスと自己再生効果を持つ《ティアラメンツ・カレイドハート》の融合素材にも指定されている【ティアラメンツ】の最重要カード。
勢いの止まらない【ティアラメンツ】を抑えるためか2023/1/1に制限指定を受ける。


☆6 ATK/2500 DEF/2000
自分か相手の墓地の光か闇属性モンスターを除外して特殊召喚可能で、相手の場にモンスターがいればフリーチェーンで発動出来る共通効果を持つ「ビーステッド」モンスター。
固有効果は場から墓地に送られた際に相手の特殊召喚されたモンスターを道連れに墓地送りにする。

各種召喚の素材にするなり何らかの効果のコストにするなりする必要はあるものの、破壊耐性を無視して相手のモンスターを除去出来るのは非常に強力。
また、固有効果は特定のカード必要としないため「ビーステッド」以外でも使いやすいのも特徴。

【ビーステッド】の追加規制の一環として2023/4/1に制限指定を受ける。


  • 《深淵の獣バルドレイク》
☆6 ATK/2500 DEF/2000
共通効果持ちの「ビーステッド」モンスター。
固有効果は相手が儀式・融合・S・X・リンクモンスターを特殊召喚した時に発動し、自身以外の光・闇属性モンスター1体をリリースしてそのモンスター1体を除外。

固有効果は自身以外にリリースコストを要求するものの、光・闇属性であれば「ビーステッド」以外でもコストに使えるため確保は難しくない。
こちらも《深淵の獣ドルイドヴルム》同様破壊耐性を無視できる上、デッキによっては再利用が難しい除外なのも特徴。

【ビーステッド】の追加規制の一環として2023/4/1に制限指定を受ける。


☆6 ATK/2500 DEF/2000
共通効果持ちの 「ビーステッド」モンスター。
固有効果は特殊召喚成功時に発動し、エンドフェイズにデッキ・墓地から同名以外のドラゴン族をサーチ・サルベージ。

サーチ・サルベージ効果はタイムラグがあるものの、【ビーステッド】の重要カードである《深淵の獣ルベリオン》にアクセス出来るのは非常にありがたい。
また、サーチ・サルベージは“特殊召喚成功時に発動し、エンドフェイズに処理する”関係上、発動後に自分が場を離れても有効であり、相手ターンに発動して壁になりつつ相手エンドフェイズにサーチして来た「ビーステッド」を展開する事も可能。
また、サーチ対象が“同名以外のドラゴン族”と非常に緩いため光か闇属性の入っているドラゴン族デッキならサーチ要員として出張させる事も可能で汎用性が高い。
その汎用性の高さが危険視されたためか2023/1/1に制限指定を受ける。


☆7 ATK/2600 DEF/2000
ドラゴン族サポートと属性サポートを兼ねる「征竜」シリーズの1枚。水属性担当。

固有効果でデッキの好きなモンスターを墓地へ送れる。
征竜」の中では唯一直接アドを取れる効果ではないが、《おろかな埋葬》と同じく何でも墓地へ送れるため汎用性は高い。
またミラーマッチで強力な《水精鱗-ガイオアビス》を立たせられることから重宝されていた。

出張先は属性の都合上水属性デッキになるが、水属性は墓地へ送りたいモンスターが多く、打点も《焔征竜-ブラスター》ほどではないが十分高いためアタッカーとしても使いやすかった。
手札コストが必要なのも【海皇】と好相性だった。その点は《水征竜-ストリーム》も同じ。

水属性を要求するとは言えどんなモンスターでも墓地に送れる効果と征竜が4体揃ってしまう事が警戒されたのか、他3体が釈放されるもなかなか禁止から動かなかったが2024/04/01の改訂で遂に制限復帰。
これにより征竜全員が禁止解除される事となった。


本体:☆3 ATK/1000 DEF/1000
パーツ:☆1 ATK/200 DEF/300
手札に5枚パーツを揃えたら勝利できる、おなじみ特殊勝利カード。
専用の構築をすれば、意外と容易に揃えられることから、当然というか制限改定黎明期に指定されて以降緩和された事はない。
デッキ構築の幅が広く、新たなドローエンジンが開発される度に注目されるカードでもある。
ちなみに一応手足パーツは通常モンスターである。デッキに三枚ずつなんてできませんからねレアハンターさん!
詳しくは個別項目で……


☆3 ATK/1200 DEF/800
場に出した場合に手札のモンスターを捨てて同名以外の「捕食植物」をリクルート。
特殊召喚時に「融合」カードor「フュージョン」カードをサーチできる《ダーリング・コブラ》との相性が抜群に良い。と言うか良すぎた。
ランク3やリンク2に繋げながら《簡易融合》や《ブリリアント・フュージョン》などの汎用性の高いカードをサーチできたのが猛威を奮い、先攻1killデッキの【植物リンク】の登場がトドメとなり2018年4月に制限カードとなった。一度、環境に植物族が出てこなくなった点を考慮されたのか2019年10月に準制限となったが、かの【ドラグーンビート】において《円融魔術》をサーチしながら《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》となって《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》を並べるアシストをしたり、2020年4月のルール変更による猛威を警戒されたのか再び制限に舞い戻る。


  • 《ブロックドラゴン》
☆8 ATK/2500 DEF/3000
手札・墓地から地属性3体を除外して手札・墓地から出せる特殊召喚モンスター。
場から墓地に送られるとレベル合計が8になるように岩石族を3枚までサーチ出来る。
地属性が多く、墓地肥やしが得意な岩石族デッキでは非常に出しやすく、各種素材にした後のサーチで後続を確保出来るので展開を更に伸ばせる。
更にサーチ効果は流石に同名ターン1は付いてるものの、特殊召喚に制限はないため墓地コストさえあれば即座に復活可能。
オマケに場にいる限り自身を含めた自分の岩石族に戦闘以外では破壊されない耐性を付与するため、効果破壊耐性だけでなく「コアキメイル」の様な誓約での自壊デメリットを踏み倒せてしまうのも非常に強力。守備力も3000あるので戦闘にも強いのも魅力。

強力な展開及び墓地肥やし性能を持つ【アダマシア】と共に環境で長く活躍したためか、2023/7/1に準制限指定、2023/10/1に制限指定を受ける。とは言え1枚あれば容易に使いまわせる為規制としては緩め。
その為か展開系に厳しい海外では2020/9/14に一発禁止、シングル戦オンリーのMDでは2023/1/10に制限指定、とOCGより厳しい規制が掛けられている。


☆2 ATK/700 DEF/600
リバース効果を持つ下級の岩石族。
リバースするとお互い手札を捨てて5ドローするという豪快な効果を持つ。
暗黒界】の友達その1。

相手が大量に魔法・罠をセットしたら、こいつや「アーティファクト」を疑うのはプレイングの基本。

遊戯王OCGでは貴重な大量ドローカード。これを使いまわすことでデッキ破壊が可能になってしまったため規制。
ドローが日本以上に重視され、デッキ破壊への風当たりが厳しい海外では禁止指定されている。


☆7 ATK/2400 DEF/2200
ドラゴン族サポートと属性サポートを兼ねる征竜シリーズの1枚。風属性担当。
固有効果は好きなドラゴン族1枚をサーチするというもの。
唯一属性サポートに貢献していない効果。
【ドラグニティ】では風属性・ドラゴン族主体のためよく使われた。
ドラゴン族サポートのため【征竜】では重要な役割。あと【征竜】でよく出る《幻獣機ドラゴサック》をコストにできるのも地味な利点だった。

「ドラゴン族だけで特殊召喚コストを賄えてしまう」と言う特徴のせいで厳しい制限をかけられても他のドラゴン族デッキに寄生して生き延び、禁止にされるまで「征竜」が1枚ずつ4種類の4枚しかないのにも関わらず環境に顔を出すレベルで居座り続けた悪夢の様な連中の1人。

他の征竜に比べると攻守も半端で効果の汎用性も低いためか、2018年10月を以って突然の制限復帰を果たした。
1枚なら大丈夫などとも言われていたが、登場してから早々に《破滅竜ガンドラX》による先攻ワンキルに利用され、その後も【ドラゴンリンク】などに投入されて活躍するという性懲りのなさを見せつけた。
そちらのキーパーツの規制によりこいつは制限で留まっているものの、改めて征竜の恐るべきカードパワーを知らしめることとなった。


  • 《竜剣士ラスターP》
☆4 ATK/1850 DEF/0 チューナー
ペンデュラム☆4チューナー。ただし竜剣士モンスター以外の素材にできない。スケールは5。
ペンデュラムゾーンのカードを割って同名サーチという効果を持っており、単純に使っても強いが破壊することに意味のあるカードを破壊すると更に強さが増す。
主に《Emヒグルミ》や《解放アリアドネ》を破壊しては大量展開のサポートをしていた。サーチ効果を使った後に邪魔になった《EMモンキボード》もこれで破壊しつつ後続をサーチしていた。
こいつを素材にして出すエクストラのモンスターも《爆竜剣士イグニスターP》を中心に強いカードが揃っている。
おまけに《デュエリスト・アドベント》対応。
エクストラを肥やすタイプのペンデュラム召喚デッキがルール変更により大幅に弱体化したため《EMペンデュラム・マジシャン》のような緩和も今後あり得るかもしれない。


魔法

+ 詳細は以下
  • 《壱世壊=ペルレイノ》
フィールド魔法
発動時に「ティアラメンツ」か《ヴィサス=スタフロスト》をサーチする効果と、「ティアラメンツ」と融合モンスターを全体強化する効果、場か墓地の「ティアラメンツ」がデッキ・EXデッキに戻ったら場のカード1枚破壊する効果を持つ。
サーチで初動の安定、全体強化で突破力を向上させるだけでなく、「ティアラメンツ」モンスターには素材をデッキ・EXデッキに戻しつつ融合召喚する共通効果を持つカードがあるため融合召喚ついでにアドバンテージも稼げる【ティアラメンツ】の戦略を支える最重要カード。
【イシズティアラメンツ】を初めとした【ティアラメンツ】への規制として2022/10/1に制限指定を受ける。


  • 《一時休戦》
通常魔法
お互い1ドローし、次の相手ターン終了時までの間、互いのプレイヤーはダメージを受けなくなる。
極端に強いわけでは無いが、2013年3月1日突如規制された。
遅延デッキやパーツが揃えばワンキルできるデッキによく積まれていたので、その辺りが制限の理由と思われる。
当時、強化が約束されていた【魔導】に投入されれるのを懸念して規制された説もある。


通常魔法
1000ライフを払って☆5以下の融合モンスターを攻撃不可・エンドフェイズに自壊するデメリットを付けてEXから融合召喚扱いで特殊召喚。
登場当初から《サウザンド・アイズ・サクリファイス》とのコンビで暴れていたが、それ以外に目ぼしい相方が居なかったのもあり、《サウザンド・アイズ・サクリファイス》の禁止化と共にひっそりと忘れられていった。
時が経ち、シンクロ召喚・エクシーズ召喚の登場により「任意のレベル・種族・属性の素材をEXに用意できる」点が同じく忘れ去られた古い融合モンスターと共に注目され、低レベルながらも強力な効果を持つ融合モンスターも増加したため再び注目を集める。
特に墓地のモンスターを釣り上げる《旧神ノーデン》との相性は抜群であった*8ために一時は制限指定となるも、
肝心の《旧神ノーデン》が禁止カードとなったために無制限へと緩和される。
その後も《The tyrant NEPTUN》のコピー元として《LL-インディペンデント・ナイチンゲール》を持ってきたりと地味に活躍していたが、チューナーモンスターでもある☆5融合モンスターの《テセウスの魔棲物》の登場、疑似《墓穴の指名者》効果を搭載した《ミレニアム・アイズ・サクリファイス》の襲来とのった追い風が吹いており、2020/4/1のルール変更に伴い更なる猛威を警戒されたためか制限カードに再度指定される。


  • EMERGENCY(エマージェンシー)!》
速攻魔法
ルール上「R-ACE」カードとして扱う速攻魔法で、デッキから「R-ACE」モンスターを守備表示でリクルートしつつ手札・場の「R-ACE」モンスターをリリースする。自分メインフェイズに墓地から除外して墓地の「R-ACE」罠をセットする効果もある。
リリースが必要な分やや重く見えるが、好きな「R-ACE」モンスターにアクセス出来るのは大きく、むしろ《R-ACEタービュランス》や《R-ACEプリベンター》の特殊召喚コストを墓地に用意出来る強みにもなる。
そのおかげでこのカードをサーチ出来る《R-ACEエアホイスター》1枚もしくはこのカードと適当な「R-ACE」モンスターの2枚から《R-ACEハイドラント》+《R-ACEタービュランス》+任意の「R-ACE」魔法罠4枚と言う理想的な盤面を形成できるため【R-ACE】の初動の安定感が飛躍的に上昇した。
更に速攻魔法であるためサクリファイス・エスケープの如く相手の除去や無効化を躱して確実に「R-ACE」モンスターの効果を通すと言う使い方も可能であり、初動札でありながらもダブっても問題ないため腐りにくいと言う側面もある。
オマケに墓地除外で墓地の「R-ACE」罠を再利用出来る上に除外した後も《R-ACEヘッドクオーター》でデッキに戻せるため使用後も無駄にならない、といたせり尽せり。

【R-ACE】を大会トップに押し上げた立役者であったためか、2024/1/1に制限指定を受ける。
直前の改訂でこのカードをサーチ出来る《R-ACEエアホイスター》が準制限指定を受けており、このカードの制限指定と合わせて一気に初動の安定性を落とす事となった。


通常魔法
互いのフィールドの魔法・罠を問答無用で全て吹き飛ばす豪快なカード。
勝負を決めかねないカードであり、一斉攻撃の前にはよく使われた。
自分のカードも巻き込むが、プレイングを工夫することで克服可能。
後攻で撃てば《ハーピィの羽根帚》と同じ性能で使えるし、トドメを刺すならアドバンテージは関係ない。
相手の《大嵐》を牽制するために相手のセットカードの枚数に合わせてセットする枚数を調整するというプレイングもよく見られた。
逆にこのカードを含む複数枚をセットして相手の大量セットを誘うなんてプレイングも*9

以前は《ハリケーン》と交互に禁止と制限を行き来していたが、対処のしにくい《ハリケーン》が先に禁止に定着。
その後しばらくは唯一の大量魔法罠除去として使われていたが、衰えるどころか時に採用率が死者蘇生と逆転する半必須カードになっていった。

2015/01/01の改訂での羽根帚の制限化に伴い、こいつとの2枚体制は危険とされたのか、久々に禁止カードに。
基本的に下位互換のカードを禁止にしてまで上位互換のカードを復帰させる例はあまり見られないため、何故羽根帚と入れ変わったかについて様々な憶測が飛び交った。
禁止直後に羽根帚を収録したパックが出たので「商業事情だろう」という説が有力であった。

しかし《Em ヒグルミ》や《解放のアリアドネ》などPゾーンで破壊された時にアドを稼ぐPモンスターが出てきたことが分かれ目になった。
羽根帚とは違い先攻1ターン目で引いてしまった時でも腐らず、自分のカードを割って更なる展開につなげられる利点が評価されたのだ。
ゆえに上記のカードを入れやすい【EMEm】などでは「単なる除去カードとしてしか使えない羽根帚より強いのでは?」という判断から禁止されたという考えが定着。
現在では羽根帚ですらサイドデッキに追いやられることも珍しくないので、いつぞやの《ブラック・ホール》&《サンダー・ボルト》のようにとりあえず制限に復帰することもあり得る状況になっている。
そして9年が経過した2024/1/1に久し振りに制限復帰。
先攻で使えないのもあるだろうが、【ラビュリンス】や【神碑】、【R-ACE】など魔法罠を多用するデッキが環境上位に居座っていたため、それらへの抑止力としての緩和と言う側面もあると思われる。


通常魔法
デッキのモンスターを1体だけ墓地に送るカード。
単体ではアド損だが、様々なコンボの起点になるため相性のいいカードは無数に存在する。
カードプールが少なかった初期の頃はー1枚のアド損を背負ってまでこのカードを使う理由もあまりなく、そこまで注目されるカードではなかったが、《クリッター》や《処刑人-マキュラ》といった墓地で強力な効果を発揮するモンスターの増加とともにカードパワーがどんどん上がっていき、最終的に10年3月1日に制限化。以降そこから動いておらず、「名誉制限カード」とも称される制限カードの象徴的存在となった。
テキストがシンプルなカードは強いという一例。


  • 《金満で謙虚な壺》
通常魔法
EXから3or6枚裏側で除外してその数だけデッキをめくり、1枚を手札に加える。
発動するターンは他のカードの効果でドロー出来ず、相手に与えるダメージも半分になる。
コストは裏側除外なため再利用が難しく、似た様な効果を持つ《強欲で金満な壺》と比べると手札は増えずないものの、コストとして除外するカードは選べる上にデッキに眠っていて欲しいカードを避けつつ欲しいカードだけをピンポイントで狙えるため展開の邪魔になりにくいのがポイント。
ドロー出来なくなる制約もサーチ効果ならすり抜けられる上にダメージ半減の制約も先攻であるならほぼ無視出来るため、EXデッキへの依存度が高めのデッキですら「多少EXを圧迫しても目指す制圧盤面を敷けるなら安いもの」と言わんばかりに採用していた。
こうして先攻制圧を助長する活躍をしたためか2022/4/1に準制限指定を受ける。
…とは言え15枚しかないEXをコストにする関係上、連発する様なカードではないため規制としてはかなり緩めだったためか変わらず使い続けられ、2023/7/1には遂に制限指定を受ける。


  • 《原初の種》
通常魔法
カオス・ソルジャー-開闢の使者-》か《混沌帝龍-終焉の使者-》がいれば発動でき、除外されたカードを2枚回収する。
マクロコスモス》などを出した状態でこのカードが二枚あると、簡単に無限ループができてしまうため規制された。
《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》の制限復帰と同時に規制されたが、当時は発動条件となるカードが制限の《開闢》のみで、
両者ともサーチ手段が乏しく仮に《原初の種》が2枚以上使えたとしてもロマンコンボ程度だった。
環境で活躍したカードではなく、悪用を恐れて規制というやや珍しいパターンの1枚。

しかし、エラッタされた《混沌帝龍-終焉の使者-》の制限復帰からの無制限化や、《混沌帝龍-終焉の使者-》をサーチできる《エクリプス・ワイバーン》や《目覚めの旋律》と言ったカードもあるためロマンとも言えなくなってきた。

さらに《カオス・ソルジャー-開闢の使者-》が無制限に緩和されたため、緩和されることは難しいと思われる。
発動条件となるモンスターが無制限でこのカードが制限というのは、第3期4期のプレイヤーにとっては信じがたい状況だろう。


  • 《“罪宝狩りの悪魔”》
速攻魔法
「ディアベルスター」モンスター1体をサーチorサルベージ。
墓地から除外する事で同名以外の「罪宝」魔法・罠を墓地or除外ゾーンからデッキに戻して1枚ドローも出来る。
サーチ先の《黒魔女ディアベルスター》が場か手札のカードをコストに特殊召喚可能かつ「罪宝」魔法・罠をデッキからセット可能で、
中でも場のカードをコストにレベル1炎属性をリクルート出来る《原罪宝ースネークアイ》は【スネークアイ】や【R-ACE】、【炎王】などのレベル1炎属性モンスターが展開の起点となるデッキに取って非常に便利だったため、このカードを含めた3枚が「罪宝ギミック」と呼ばれる出張セットとして大流行。
また、「罪宝」魔法・罠には《原罪宝ースネークアイ》以外にも万能無効や永続魔法化と言う変則的な除去と使いやすいカードが揃っている上、《黒魔女ディアベルスター》もレベル7闇属性・魔法使い族・攻撃力2500と各種素材にもアタッカーにも使える優秀なステータスをしており、上記のデッキ以外でも任意の「罪宝」魔法・罠を採用した罪宝ギミックが使われる様になったためか2024/4/1に制限カード指定を受ける。

真っ先にこのカードが規制されたのは、発動コストを要求しないため相手の手札誘発を使わせて本命の展開を通すと言う囮としても使いやすい点と、墓地効果によるリソース確保が膠着した時や長期戦の時に有利となりやすい点が重要視されたと思われる。


通常魔法
いわずと知れた蘇生カード。
あらゆるデッキに入るカードではなくなったが、モンスター1体を完全蘇生させるのは単純ながら強力
相手の墓地からモンスターを出せるカードは珍しく、未だに多くの蘇生カードと一線を画している。
一時期禁止で解除された経緯を持つが、原作・アニメでここぞという時に使われたからかむしろ歓迎する声の方が多い。


  • 《十二獣の会局》
永続魔法
十二獣」をサポートする永続魔法。
同名指定で1ターンに1度自分フィールドの表側のカードを破壊し、デッキから「十二獣」モンスターを特殊召喚。
このカードが破壊されて墓地へ送られた時にフィールドに「十二獣」エクシーズモンスターがいれば素材にできる。

破壊と特殊召喚は同時のため、自身を破壊しても特殊召喚が可能なインチキ性能。これ1枚からライフコストのない《ヒーローアライブ》のようなことができる。
これの禁止と同時に制限に放り込まれた《十二獣モルモラット》が無制限だったため、
後続のランク4エクシーズを立てつつ《十二獣ドランシア》の構えが出張でも容易にできた。
純構築なら「《十二獣ドランシア》+ランク4エクシーズ×2体」なんて事もできた。
レイジング・テンペスト発売後の【十二獣】ゲーの要因の一つ。
《増殖するG》などの手札誘発には弱いため色々なプレイングを作り出したりし、それを面白いと評されたりもしたがいかんせん強すぎたために、登場から僅か174日の2017/4/1に《十二獣ドランシア》と共に禁止カードとなった。

その後、《十二獣ブルホーン》も禁止となり、新マスタールールにより複数のエクシーズを立てるにはリンクモンスターを用意する必要が出て来たのを考慮されたためか、禁止から2年半経過した2019/10/1に制限カードへと緩和された。


  • 《スプライト・スターター》
速攻魔法
デッキから「スプライト」を特殊召喚し、その元々の攻撃力分のライフを失う速攻魔法。
ライフロスとこのターンレベル2・ランク2・リンク2しか出せなくなる二重のデメリットが課せられてるが、メインデッキの「スプライト」の最高攻撃力は1400なのでライフロスはそこまで痛くなく、【スプライト】はレベル2モンスターの展開に長けており、主軸となる《ギガンティック・スプライト》も同様のデメリットを持つので気にするほどでもない。
サーチ効果を持つ《スプライト・ブルー》をサーチして召喚権を使わず2体の「スプライト」を並べられる【スプライト】の貴重な初動であったため、【スプライト】の規制の一環として2022/10/1に制限指定を受ける。


速攻魔法
自分のメインモンスターゾーンにモンスターが居ない時に発動でき、閃刀姫トークンを1体産み出す。
《閃刀起動-エンゲージ》でサーチでき、《閃刀姫-カガリ》でサルベージすれば召喚権を使わずにリンク2が出せる。
【閃刀姫】及び出張セットが猛威を奮ったために2018年7月に制限指定を受ける。


  • 《増援》
通常魔法
レベル4以下の戦士族なら何でもサーチできる便利なカード。
サーチ対象は《終末の騎士》《ダーク・グレファー》《ゴブリンドバーグ》《ライトロード・アサシン ライデン》など無数に存在し、
多くの「E・HERO」や「D-HERO」も範囲に収まる。
これの相互互換の《E-エマージェンシーコール》、下位互換の《紫炎の狼煙》すら一時期準制限だったのでその強力さは言わずもがな。
第2期時点でも優秀な戦士族は多く、02年5月1日に準制限となる。
08年9月1日に無制限に緩和されたが、【シンクロダーク】や【シンクロアンデット】が大暴れすると09年3月1日に制限になり、以後そこから動いていない。

海外ではなんと準制限の段階を踏んでから無制限化してしまったが、「影霊衣」の《影霊衣の術士 シュリット》がトドメになったのか再び制限送りに。


  • 《手札抹殺》
通常魔法
お互いの手札を捨て、捨てた枚数分ドローさせる。【暗黒界】の友達その2。
主にコンボ系デッキの墓地肥やし及びデッキ破壊を主軸としたデッキに投入され、デッキを回転させたり、手札を入れ替えて事故を回避するのに使われる。
単純な手札入れ替えとして使おうとすると1枚アド損する上に、
相手の墓地肥しや事故回避を手助けしてしまう事もあるため、無計画には使えないが、枚数指定がない分ポテンシャルは高い。

様々なコンボが考えられるが、その中でも特に《メタモルポット》や禁止前の《サイバーポッド》を利用したデッキ破壊先攻1キルのキーカードとして猛威を振るった。
そのためか、2002年5月に制限になって以降一度も緩和されたことはない。
現在でも効果で大量の手札を捨てる行為は相性のいいデッキが多い。


通常魔法
フィールド魔法を1枚サーチするカード。
昔からフィールド魔法を使うデッキのお伴として活躍していた。
強力なフィールド魔法が増える度に有用性を増して行き、ついには制限カード化した。
カードプールの増加によってパワーカード化していき規制というパターンは《クリッター》等に似ている。


通常魔法
何のコストも無く相手フィールドの魔法・罠を全て破壊するカード。
遊戯王OCGでは《サンダー・ボルト》と双璧を成すパワーカードとして有名。
2000年4月から準制限となり、直後に制限カードに規制強化され、2004年3月1日には最初の禁止カードの1つとなった。

長らく緩和はあり得ないと思われていたが、何を思ったのか10年ぶりに禁止解除されて制限となった
(それもほぼ下位互換の《大嵐》と入れ替わりで、である)最高の魔法・罠除去カード。
「確実に商売事情」かと思われたが、「普段は魔法カード扱いだが破壊されるとEXデッキに行く」Pモンスターの登場と、「破壊される事でサーチなどの効果を発動するカード」の増加により、「相手のカードしか破壊できない《ハーピィの羽根帚》より《大嵐》の方がヤバい」と言う認識が広まった。

また、これすら流行のデッキには刺さりにくいこともあり、
環境レベルではメインデッキに投入しない人も出てくるという衝撃の事態が待ち受けているのであった。

とはいえ、魔法・罠カードをメインに戦うようなテーマには今でも脅威となる存在であり、後攻での攻め手としては最高級の性能を誇るカードでもあることは確か。
その為、現環境ではサイドデッキの常連としての地位を確立している。


速攻魔法
共通効果として手札を1枚捨てることでデッキからレベル1の「ピュアリィ」モンスターをリクルートする効果と「ピュアリィ」エクシーズモンスターの素材になることで適用される効果を持つ。
発動時の固有効果は発動ターンに受ける戦闘・効果ダメージを1度だけ0にする効果、X素材時の効果は相手スタンバイフェイズに1枚ドローする効果。
前半の効果は無条件で発動出来るため「ピュアリィ」モンスターのリクルートとして使いやすく、咄嗟の防御札としても使える。
後半の効果も返しのターンの為の返し札や手札誘発を引き込むためにも使える上に、同名制限がないため複数枚X素材に持っていればその数ドロー効果を使え、チェーンして《ピュアリープ!?》でスタンバイフェイズ中にエクシーズチェンジすれば別モンスター扱いになるのでもう一度ドロー効果が使えるため最大6枚ドローが可能で現実的なラインでも4枚ドローが狙えると言った具合にハンドアドバンテージの暴力を生み出す。
このカードの名前が記されたエクシーズの《エピュアリィ・ノアール》で《ピュアリープ!?》はデッキから直接セット可能であり、エクシーズチェンジ先の《エクスピュアリィ・ノアール》は5枚以上素材を持っていれば相手の効果を受けつけない耐性を持つため場持ちが良く、獲得したハンドアドバンテージを自分のターンに持ち越しやすいのも魅力的。

ヤベー奴らのいなくなった2023年以降の環境で暴れ回った【ピュアリィ】規制の一環として2023/7/1に制限指定を受ける。


  • 《封印の黄金櫃》
通常魔法
デッキからカードを1枚除外し、発動から2回目のスタンバイフェイズ時に手札に加える。
登場当時は4ターン後になるとは言え本質的には万能サーチカードであり、デュエルスピードがそこまで早くなかった登場当時はこの面が危険視され制限化されていた。
後にゲームスピードが格段にあがり一時期、無制限化するものの、
現在では除外版《おろかな埋葬》としての運用が主で、前述の《ネクロフェイス》を除外できるだけでなく、
【征竜】においては「征竜」のサーチ効果を発動しつつ4ターン後に手札に加えられ、
除外された時にサーチやリクルートを行える【サンダー・ドラゴン】と言ったデッキの台頭もあり、《嵐征竜-テンペスト》禁止解除と同時に制限指定を受ける。


  • 《ブリリアント・フュージョン》
永続魔法
発動時に「ジェムナイト」融合モンスターを攻守0にしてデッキ融合し、手札から魔法を捨てる事でターン終了時まで攻守を戻す。
本来なら《ジェムナイト・フュージョン》の自己サルベージと合わせたコンボを想定していたのだろうが、召喚権を増やす効果を持つ素材指定の緩い《ジェムナイト・セラフィ》の存在から任意の光属性モンスターを墓地に落とせるカードとして注目を集める。
《Em トリック・クラウン》や《妖精伝姫ーシラユキ》辺りを素材にして自己再生させたり、《ジェムナイト・ラズリー》を素材にして光属性通常モンスターをサルベージして《ジェムナイト・セラフィ》の効果でそのまま召喚したりと高い展開能力を誇る。
EXからの召喚制限がついた10期に入っても、ドラゴン族バニラチューナーを利用して《水晶機巧-ハリファイバー》や《星杯の神子イヴ》と言ったソリティアの常連に良く繋がって猛威を奮っていたため、2020/4/1にてようやく制限指定を受ける。


  • 《フュージョン・デステニー》
通常魔法
D-HERO」を素材指定する融合モンスター専用融合魔法。
融合モンスターは次のターンのエンドフェイズに破壊され、発動後は闇属性「HERO」しか出せなくなるが、デッキ融合も可能なのが強み。
Dragoon D-END》や《D-HERO ドミネイトガイ》の様な大型融合モンスターが出しやすくなるだけでなく、《D-HERO ダッシュガイ》の様に墓地発動するカードを墓地に仕込む事も出来る。
更に【D-HERO】であるならば召喚制限はほぼ無視でき、
自壊デメリットも《X・HERO クロスガイ》の素材に使ってから吊り上げたり、コストが必要かつ次の自分スタンバイフェイズ時と言うタイムラグはあるが自己再生出来る《Dragoon D-END》で対応したり、《D-HERO ドミネイトガイ》の被破壊時の展開効果に繋げたりと柔軟な対応が可能なので、
【D-HERO】においては単なる融合札以上の働きをする重要なカード。

二重のデメリットと融合先の関係からほぼ【D-HERO】専用のカードとして長らく規制からは程遠いカードと思われていたが、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》が登場した事により状況は一変。
ノーコストかつ次のスタンバイフェイズと言う短いタイムラグでの自己再生で自壊デメリットを踏み倒せる上に、フリーチェーンの破壊効果で自分のカードごと相手のカードを破壊して場を荒らし、自分を破壊効果の対象にすれば相手の除去を回避出来る疑似的な効果耐性持ちと言うハイスペックなモンスターをこのカード1枚で出せる事から《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と共に多くのデッキに出張採用がなされる事となり、
除去を躱しつつ着実にアドバンテージを削っていくその様から「《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を先に出したもん勝ち」「相手の《D-HERO デストロイフェニックスガイ》に対抗するには出される前に止めるかこちらも《D-HERO デストロイフェニックスガイ》を出す」とまで言われ、あの《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》の再来とも呼ばれる状況を作り上げた。
更に《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の素材は《D-HERO ダッシュガイ》ならドローしたモンスターを特殊召喚したり《D-HERO ディバインガイ》なら手札補充したりと融合素材になった後も役割があり、
このカードのもう一つのデメリットである召喚制限は《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》でコピーした時よりも軽く、その召喚制限も発動に付くので発動前に展開しきっておけば事実上踏み倒せるため、かつての《真紅眼融合》と異なり素引きして困る所かむしろ素引きして使いたい
と言う諸々の要素を鑑みると「ドラグーン」を超えたと言わしめるほど環境に大きな活躍をした。

《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の登場時期と改訂時期が近かったため1度は規制を逃れるも、流石にこんな状況が許されるはずもなく、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》の蔓延を止めるために2022年1月1日付けでこのカードが無制限から一気に飛んで禁止カード指定を受ける。

かつて規制が中途半端だったために勢いが止まらなかった「ドラグーン」の反省と、
このカードと《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》はそれぞれ1枚でも使えれば充分な点、
更にこのカードは素引きして使いたいカードであるので1枚しか使えなくなったり仮に《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》がいなくなったりしてもサーチ札を増やして対応出来てしまう点、
墓地発動するモンスターが多いテーマにおける”デメリットこそあるが無条件で発動できるデッキ融合“であるために今後のカードデザインにも影響を及ぼしてしまう点、
《D-HERO デストロイフェニックスガイ》もこのカードさえなければ出張される事なく【D-HERO】専用の切り札に収まるだろうと言う予測とまだパックが残ってる《デストロイフェニックスガイ》と再販したばかりの《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》、《D-HERO デストロイフェニックスガイ》のお代わりを可能にするカードが収録された《アルバスの落胤》のストラク、そして強化されて「融合」「フュージョン」サーチがやりやすくなった「捕食植物」が収録された来年発売予定のパックを売り捌きたいと言う商売事情からこのカードに白羽の矢が立ったと思われる。

《D-HEROディスクガイ》、《D-HERO ディアボリックガイ》、《デステニー・ドロー》の悪夢が繰り返され、展開の要を奪われる最悪の新年のスタートを切る事となった【D-HERO】使いは泣いていい。
禁止後は《デストロイフェニックスガイ》の出張が完全に終わったため、エラッタなしでの釈放は難しいかと思われたが直後の改訂である2022年4月付けでなんと《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》と入れ替わる形で再び釈放。しかし、やはり「HEROのデッキ融合」という点が危険視されたのかというかほぼ《デストロイフェニックスガイ》のせいで制限にとどまる。
とはいえ前代未聞の早さで【D-HERO】使いの元に舞い戻る事となった。そして前回の禁止化は商売事情だった疑惑が深まった


  • 《盆回し》
通常魔法
デッキからカード名が異なるフィールド魔法を2枚選び、自分と相手の場にセットする。
自分は強力なフィールド魔法をサーチ、相手には扱えないフィールド魔法を押し付ける事で自分だけが得する事が可能。
この効果でセットされたカードがある限り、互いに新しくフィールド魔法を使えなくなる効果で相手の動きを縛ることもできた。
相手にカードを送りつける事で《拮抗勝負》や《無限泡影》を対策したり、デッキにサーチ対象のカードがないと発動すらできない《混沌の場》を送り付ける事でフィールド魔法を封殺するという《テラ・フォーミング》にはできない妨害も可能だった。
フィールド魔法のインフレ化に伴い、こちらにも2018年7月に制限カードとなった。


  • 《マスク・チェンジ・セカンド》
速攻魔法
手札を1枚捨てモンスターを墓地に送り、そのモンスターよりレベルの高い同属性の「M・HERO」を特殊召喚するカード。
【HERO】だけに留まらず、闇属性デッキならどこからでも《M・HERO ダーク・ロウ》が出てくるという世紀末を招いたので制限は妥当。
手札コストがつくのは地味に痛いが、【彼岸】などのデッキではそれすらボーナスにすることができる。


速攻魔法
カード名を1つ宣言してそのカードをデッキから1枚除外する事で、ターン終了時までそのカード及び同名カードの効果を無効にする。
相手が採用してるカードと同じカードがデッキにある必要があるが、発動する場所を問わず無効に出来る上に自分のターンなら相手の制圧布陣を突破する糸口として使え、速攻魔法なので相手ターンの妨害としても使える汎用性の高さがウリ。
《墓穴の使命者》と違い無効化されるのはそのターンだけなので「相手の《増殖するG》は無効化し自分は一方的に《増殖するG》を通す」といった理不尽な事もできる。
《墓穴の使命者》同様に採用率の高い手札誘発に対するメタカードとして先攻側が後攻の反撃を潰しつつ制圧するカードとして採用されたため、2021/10/1に準制限、2022/1/1には制限と段階を踏んで規制される事となった。こちらは《墓穴の使命者》が対応出来ない《原始生命態ニビル》や《無限泡影》などを止められるのが強みである。
また、このカードの性質上採用カードが多く被るミラーマッチでは非常に有効に働き、「【○○】に1番対抗しやすいデッキは【○○】」と言う悪夢の状況を助長しかねない危険な性質も持つので、遅かれ早かれ規制は免れなかったと思われる。


  • 《六世壊=パライゾス》
フィールド魔法
発動時の処理としてデッキから「クシャトリラ」をサーチするフィールド魔法。
自分のモンスターを自分の場の属性の数×100強化し、自分の場の《クシャトリラ・シャングリラ》が効果を発動したら場のカードを1枚破壊する効果もある。
【クシャトリラ】の初動の安定と制圧盤面の強化は勿論の事、【ティアラメンツ】においても《クシャトリラ・フェンリル》を経由して《ティアラメンツ・クシャトリラ》にアクセス出来る初動としても活躍する。

流石に環境を席巻したツートップの重要カードとして暴れ回った事は見逃されず、登場から僅か78日で制限行きと、通常パック出身最速の制限記録を打ち立てる。


速攻魔法
発動後はEXから融合モンスターしか出せなくなるが、手札を1枚捨ててデッキから「デスピア」モンスターをサーチorリクルート。更に融合モンスターが効果破壊される時に代わりに墓地から除外出来る。
サーチ効果を持つ《デスピアの導化 アルベル》をリクルート出来る【デスピア】の初動。
単純なサーチ・リクルートとしてみるとやや手札消費が重いが、コストではなく効果処理で手札を捨てるため《悲劇のデスピアン》のサーチ効果を誘発させたりと「効果で墓地に送られた」時に発動する効果を持つカードを使用すればコストを抑えつつ展開が可能。
更に融合モンスターを効果破壊から守る効果も備えているため、完成した盤面をより強固な物に出来る。
一応、サーチorリクルートと身代わりは同一ターンには発動出来ない制約はあるものの、基本的には被るタイミングがないのであってない様なものである。
アルバスの落胤》ストラクの発売後、環境トップへ躍り出た【デスピア】を抑えるためか2022/4/1に準制限となり、さらに2022/7/1の改訂で【烙印ティアラメンツ】の規制の一環として《烙印融合》の身代わりとなる形で制限カードになった。そしてその頃には【ティアラメンツ】はとっくにイシズに鞍替えしており、後に《烙印融合》も制限カードとなってしまったが


  • 《烙印融合》
通常魔法
発動ターンはEXから融合モンスターしか出せなくなるが、手札・場・デッキから素材2体を調達して《アルバスの落胤》を素材指定する融合モンスターを融合召喚する通常魔法。
融合召喚のトレンドであるデッキ融合だが、最大の特徴は融合先の多さとそれに伴う素材指定の緩さ
攻撃力2500以上・レベル8以上・光属性・闇属性・ドラゴン族・獣族・獣戦士族・鳥獣族・光属性の魔法使い族の内どれか1つでも当てはまっているならデッキから落とせると言う凄まじい広さを誇り、中でも光属性を指定する《烙印竜アルビオン》と闇属性を指定する《神炎竜ルベリオン》は落とせる範囲もさる事ながら、レベル8以下の融合モンスターを融合召喚する効果もあるので更にアドバンテージを稼げる。
発動後の誓約の関係で、この手のデッキ融合をコピーしていた《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》とは相性は良くないものの、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》禁止化前は融合先の多さを利用して妨害された時の妥協策や【烙印】以外のデッキで展開の〆として《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》自身を素材にして《氷剣竜ミラジェイド》を出して牽制すると言う使われ方もされた。
登場直後の改訂は見逃されたものの、2022/7/1に【烙印】規制の一環として準制限指定を受ける。
その後は【ティアラメンツ】や【クシャトリラ】の台頭により【烙印】のシェアは落ち込んでいたものの、2023/1/1の規制により彼等がシェアを落とす事と《アルバスの落胤》新規の登場による伸び代を警戒されてか、2023/1/1に制限カードへ指定される。


フィールド魔法
相手ターンに手札から「神碑」速攻魔法が使える様になる永続効果と、1ターンに1度自分が「神碑」速攻魔法を発動した際に墓地の「神碑」速攻魔法を3枚までデッキボトムに戻してその枚数ドローするフィールド魔法。
「神碑」速攻魔法を手札に保持して相手の除去から守れる様になるだけでなく、後半の効果で「神碑」速攻魔法をドローしたらそこからも使えるため非常に便利。
後半のドロー効果も墓地の「神碑」速攻魔法を回収しつつドロー出来るため、長期戦が前提となる【神碑】には欠かせない。
更に後半の効果は1ターンに1度の制限はあるが“同名制限はない”ため、墓地さえ肥えているならドローした後貼り直して更にドローする事も可能。

サーチ手段も《テラ・フォーミング》に加えて《神碑の穂先》があるため手札に加えやすく、真っ先に除去の対象になりやすいが《神碑の翼フギン》や《神碑の翼ムニン》で守れるため維持もしやすい。

しばしば大会優勝を掻っ攫う【神碑】の戦略の要を担う1枚であるためか、2023/4/1の改訂にて準制限指定を受け、2023/7/1には制限指定を受ける。
そして【神碑】使いの「泉を除外されたら死ぬだろふざけんな」と言う嘆きに対して「散々除外して来たんだから次のお前の番って事だろ?」などと皮肉混じりに返される光景がちらほら見られた。


  • 《六武の門》
永続魔法
「六武衆」が場に出る度に武士道カウンターを2個乗せ、取り除いた数により「六武衆」の強化(2個)/「六武衆」のサーチ・サルベージ(4個)/「紫炎」の蘇生(6個)ができる。
特に「六武衆」のサーチ・サルベージの効果が強力であり、しかも回数制限がついていないと言う恐ろしさ。
特殊召喚が容易な《六武衆の師範》や《六武衆の御隠居》、《真六武衆ーキザン》や手札の「六武衆」を出す《真六武衆ーカゲキ》、同じ攻撃力の「六武衆」をリクルートする《六武衆の荒行》などを駆使すれば瞬く間にカウンターが溜まって後続がワラワラ沸いてくる。
更に取り除く武士道カウンターは効果を使う《六武の門》以外の物でも拝借できたので2枚目・3枚目の《六武の門》が同時に張られた場合は最早使い切れないレベルでカウンターが溜まっていき、《マスドライバー》を利用した無限ループ・先攻1Killの温床にもなった。
あまりの猛威により制限指定を食らうが、サーチ手段に乏しい事と9期のインフレに置いていかれた事によって終いには無制限へと緩和される。
しかし、EXからの展開に制限がかかった新マスタールール下において念願のサーチ手段である《六武衆の軍大将》が登場し、ルール改訂でEXからの展開制限が緩和される事が決まり、再び以前の様な猛威を奮うのを危険視されたためか2020/4/1に制限カードへと舞い戻った。


  • 《ワン・フォー・ワン》
通常魔法
手札のモンスターを1体墓地に送ってレベル1のモンスターをデッキから特殊召喚。
シンクロ召喚全盛期は《グローアップ・バルブ》のようなチューナーが出てくることが多かった。
《海皇子 ネプトアビス》や《ワイトキング》のようなモンスターもおり、デッキの軸になるモンスターも少なくはないためレベル1が出るたびに強化されていくことが確定しているので制限からの緩和は難しいだろうと思われていた。
しかしシンクロの衰退によりレベル1チューナーを優先して出す機会が減ったと判断されたためか10年と1か月の歳月を経た2019/10/1に一度準制限に緩和された。その結果、《SPYRAL-ジーニアス》を擁する【SPYRAL】が大きく恩恵を受け、再びSPYRALを環境の一角へと押し上げるエンジンとなった。
SPYRAL自体はジーニアスが再び制限となったことでとりあえずは落ち着いたものの、《オルターガイスト・メリュシーク》を擁する【オルターガイスト】は環境に留まり続けており、環境デッキを底上げするカードパワーの高さが問題視されたのか1年後の2020/10/1には再び制限に舞い戻った。むしろ何故緩和したとの声も挙がった。
一応手札からも出せるがアド損のため殆どの人は忘れている。強いて言えば【インフェルニティ】なら手札0枚の条件を満たすために敢えて手札から出すことも稀にあるか。


+ 詳細は以下
永続罠
互いに1種類の種族のモンスターしか場に存在出来なくさせる永続罠。既に場に出ている分は耐性を無視して墓地に送る。名前の割にちっとも《群雄割拠》させない皮肉
種族混成デッキにはモロに刺さり、種族統一デッキであってもEXの汎用モンスターの種族は別である事も珍しくないため多くのデッキに一定の束縛が期待できる。
また、相手がこちらの場に特殊召喚する場合も制約がかかるため、こちらの場の種族次第では《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》や「壊獣」なども防げる強みもある。

ラビュリンス】や【神碑】規制の一環としてか、2023/10/1に準制限指定を受け、登場から20年以上が経過して初めて規制される事となった。
そしてその後も【ラビュリンス】や【神碑】への追加規制として制限指定を受ける。

シングル戦オンリーのマスターデュエルではその制圧能力が更に凶悪化しているためか、このカードの属性版の《御前試合》ともども2022/9/30には準制限、2023/4/10には制限指定とOCGより早い段階で規制がかけられている。


永続罠
発動に1000ライフを要求し、互いの場にいるモンスターの効果を無効にする。

20年以上も現役であり続ける、言わずと知れたモンスター効果メタカード。
様々な抜け道はあるものの、モンスター効果偏重の環境になるにつれてそのメタ性能が凶悪化していき、デッキに対策カードがない、もしくは対策カードが入っていても引けないと詰みかねないため、デッキ・サイドデッキの構築に影響を及ぼす程の存在感を示す1枚。
【クリフォート】や【真竜】、【エルドリッチ】など「このカードと相性がいい」という事がそのデッキの強みになる事例すら存在するなど、一部の罠デッキの存在理由にすらなっていたカード。

「構築に影響を及ぼすカードは規制すべき」「抑止力となるカードだから規制してはならない」と議論を巻き起こす事もあるカードだったが、モンスター効果のインフレに伴い凶悪さを増すその性能と、戦闘を行わずにデッキ破壊で勝利を目指す【神碑】で使われた事がトドメとなってか、2023/4/1に遂に制限カードとなる。


  • 《センサー万別》
永続罠
互いに1種族につき1体までしかモンスターを場に存在出来なくさせる永続罠。《群雄割拠》と同じく超過分は耐性を無視して墓地送りにする。
《群雄割拠》とは逆に種族統一デッキに思いっきり刺さる性能をしており、昨今のデザイナーズデッキは種族統一されている事が多く、種族混成であっても「展開途中で同じ種族のモンスターが並ぶ」事は珍しくないため思う様に動けず機能不全に陥るデッキも少なくない。

モンスターをほとんど展開しない【神碑】規制の一環としてか、2024/1/1に準制限指定を受け、2024/4/1には制限カードと規制強化された。

こちらもシングル戦オンリーのマスターデュエルではその制圧能力が更に凶悪化しているためか、2023/2/6の時点で準制限、2024/1/10に制限とOCGより早く規制がかけられている。


通常罠
相手の手札を全て除外し、その枚数分相手にドローさせるカード。
墓地ではフリーチェーンで除外することで墓地の「トリックスター」を蘇生することができる。
手札をリセットさせるだけでも相手が何らかのカードをサーチ・サルベージした時に発動すればそれだけで相手の思惑を大きく狂わせる事ができる。
相手が元々持っていた手札は除外してしまうので、墓地に送られるよりも遥かに再利用が難しくなってしまう。
《トリックスター・マンジュシカ》と《トリックスター・ライトステージ》をフィールドに並べこのカードを連打すればバーンの火力でワンキルすることも可能だった。
《ドロール&ロックバード》とのコンボでの全ハンデスが決め手となったのか、登場から半年も経たずに制限化。

10期出身のカードとしては初めて規制を受けたカード。


通常罠
相手の次のドローフェイズをスキップする。相手のドローフェイズに発動してもそのターンのドローは防げないので注意つまりアニメでの王様の使い方は間違い
《はたき落とし》シリーズと相互互換の関係ではあるがこちらはデッキトップのカードをデッキに眠らせたままに出来るのが強み。

《はたき落とし》が無制限でこいつが禁止になったのは【Vドラコントロール】【TOD】などのマッチキルデッキで、
相手の行動をロックするのに使われていたためと思われる。
ハンドアドバンテージには差がなくても、「ドロー自体ができるかどうか(≒墓地にカードが溜るか否か)」の差は大きいのだ。
墓地からでも使えるカードや手札誘発のカードが増えた現在では尚更の事。
一度禁止になって以降、一度も緩和されない理由は採用されるのはマッチキル系統のデッキがほとんどのクソゲーメーカーでしかないという説が有力。
つまり《ヴィクトリー・ドラゴン》と似たような問題を抱えている。
……が、2022年5月に海外版TCGでは、《八咫烏》と同時にエラッタ無しで制限へと緩和されており、その後環境への影響は全くなかったのを受けてか日本も2022年10月にエラッタなしでの制限緩和を決定した。
もっとも上述した《八咫烏》と同様に海外ではルール上サレンダーが認められており遅延マッチキルが機能しなかったと言う違いが根底にあるうえ、今では【ラビュリンス】の様に通常罠をサポートするカードが増えているため、再び遅延デッキが浮上するのではないかと注目を集めている。


  • 《レッド・リブート》
カウンター罠
相手の罠カードの発動を無効にしてセットさせ、このターン中、相手は罠カードを使えない代わりにデッキから罠カードを追加セットできる。

ターン中相手の罠カードを止められる反面、追加セット分を含めた次ターン以降の反撃が痛い様に見える。
が、このカードの真価はライフを半分払えば手札から発動できる所にある。
盤面に左右されず発動でき、《拮抗勝負》や《無限泡影》の様な同類による妨害を止めつつ勝負を決められる布陣が敷けるのならライフ半減程度安いもの。
セットされた2枚の罠も、カウンターの心配がないのでさっさと割ったり効果耐性持ち・発動封殺持ちなどを出してしまえば問題ない。
そもそも、そのターンに決めてしまえばセットされたカードの発動機会を与えずに決着がつくのでデメリットが事実上機能してない事が多かった。
余程追い詰められていなければそのターンに決められるか、セットされた罠を何とかできない限り発動することはまずない。

メインに積まれる事はあまりないが、マッチ2戦目以降での逃げ切り・逆転を意識したサイドの常連として環境トップ勢と駆け巡り、そのあまりの汎用性のために準制限指定を受ける。
高い汎用性を持ち、制圧や1killを助長するカードでありながら準制限で止まったのは同じく環境トップ勢の【オルターガイスト】へのメタカードとしての側面がある点だと思われる。
その後、【オルターガイスト】が大会環境から転落したためか後、新しい魔法・罠主体のカテゴリを売りたいためかサイドデッキの固定化を招いていたこのカードも2021年には制限指定となる。


融合モンスター

+ 詳細は以下
☆8 ATK/2800 DEF/2500
漫画版5D'sでボマーが使った融合モンスター。
バーン効果を持つが、アニメの方のボマーの切り札の反省からか1ターンに一度で攻撃不可能になるという制約があった。
……が、《重爆撃禽 ボム・フェネクス》の効果は1ターンに一度とは書いてなかったために、コイツ自身を素材にして二、三体目を出せばおしまい。
そのため、教訓を生かせずあえなく制限化。
当然活躍先は先攻ワンキル。


  • 《超雷龍ーサンダー・ドラゴン》
☆8 ATK/2600 DEF/2400
相手のサーチを封じ、自分が破壊される時に墓地の雷族を除外して身代わりにできる。
破壊耐性持ちの高打点《ライオウ》(相手限定)と言う盛りに盛ったモンスターであり、
融合素材に《サンダー・ドラゴン》+雷族モンスターを指定しているが、「雷族モンスターの効果が発動したターン中に場の雷族モンスター1体をリリースしても出せる」と言う非常に緩い召喚条件も併せ持っている。
あまりの緩さに何とか除去に成功しても2体目以降の《超雷龍ーサンダー・ドラゴン》がまた出て来ると言う悪夢の光景すら生まれてしまった。
流石にこの様な状況は放置しておけず、1枚で召喚条件とコストが賄える《雷鳥龍ーサンダー・ドラゴン》と共に2019/10/1に制限カードとなった。


シンクロモンスター

+ 詳細は以下
  • 《PSYフレームロード・Ω》
☆8 ATK/2800 DEF/2200
汎用☆8シンクロ。
PSYフレーム」に属する汎用レベル8シンクロ。
相手のスタンバイフェイズ時に、除外されている自分のカード1枚(種類指定がないので裏側も可能)を墓地へ戻すことができる。
また、こいつが墓地へ存在すれば、こいつとお互いの墓地のカードの中から1枚を対象に選択し、デッキに戻せる。

問題となったのはお互いのメインフェイズに発動できるハンデス効果で、フリーチェーンでこいつと相手の手札を次の自分のスタンバイフェイズまで除外することができる。
あろうことか同名ターン1の制限が付いていなかったために、何度もシンクロ召喚すればその度に発動可能。
この効果を先攻から連打する【シンクロダーク】というデッキが暴れたため制限に。
汎用8シンクロとして使うデッキはあまり支障はなかったが、本家の【PSYフレーム】はかなりのとばっちりを受けた。


☆5 ATK/2400 DEF/1800
縛りがない汎用レベル5シンクロ。
通称ライブラ。自分か相手がシンクロ召喚すれば1ドロー
しかもターン1制限は無し・・・と言えばもうヤバさが分かると思うで以下省略。
無制限の頃は、2体以上出すと猛烈な勢いでドローが可能となり
シューティング・クェーサー・ドラゴン》を出してなお手札が増えているという光景が繰り広げられた。
ただ制限になっても効果はそのままであり、爆発力はあまり変わっていないとのもっぱらの評判である。

新マスタールールの影響を受けシンクロ召喚の連打がしにくくなったが、《水晶機巧-ハリファイバー》の登場後はそんなこともなくなった。
しかし、新マスタールール下ではシンクロモンスターよりリンクモンスターの方が並べやすいために採用率は下がり、とうとう無制限まで緩和された。

2020/4/1にルール改訂でシンクロモンスターも複数並べやすくなり、このカードを危険視したためか再び制限へと舞い戻った。
《氷結界の龍 トリシューラ》共々再制限化は予想できた人が多かった。


エクシーズモンスター

+ 詳細は以下
★12 ATK/3000 DEF/3000
素材を2つ取り除いて自身以外のフィールドのカードを全て墓地送りにする縛りなしランク12。

レベル12を2体と正規エクシーズ召喚可能なデッキは限られるが、自分のエクシーズが戦闘したターンに適当なエクシーズモンスターに重ねて出せると言う非常に緩い召喚条件を持つので、実質ほぼ全てのエクシーズモンスターを採用したデッキに投入可能と言う汎用性の高さを誇り、あらゆるデッキが強力なリセットボタンを手に入れた状況となった。
更に重ねる元のエクシーズモンスターが必ずしも攻撃する必要はない事とリセット効果にはターン中の回数制限がない事もあり、重ねてエクシーズを繰り返して4つ以上の素材を持たせれば1ターン中に複数回のリセットも可能と言う凄まじい除去性能を誇る。

リセットに比べ全く目立たないが、エクシーズ素材を手札・デッキ・EXデッキという凄まじく広い範囲から補充することができる。
こっちだけ何故か1ターンに1度、自身以外が破壊された時と受動的、メインのリセット効果と噛み合っていない、エクシーズ素材を介すると非常にまだるっこしいが実質的に好きなカードを墓地へ送れる万能サーチ。
リセットがなくてもこれだけで採用価値を見出せそうな恐るべき効果である。使われることはないが。

自身は何の耐性も持っていないもののその汎用性の高さは凄まじく、【十二獣】の復権や《ダウナード・マジシャン》の再評価に伴う【幻影騎士団】や【LL】の台頭などこのカードが大会環境に与えた影響は大きく、常にこのカードの存在を念頭においたゲームを強いられた程だったため、2021/10/1に制限指定を受ける。


★3 ATK/1600 DEF/500
X素材を切って地属性の☆4戦士族or獣戦士族を守備表示でリクルート。
肝心な「X-セイバー」においては素材となる☆3がX召喚と相性が良くない。
リクルート対象は戦士族と獣戦士族と一見優秀だが地属性縛りが地味にきつく、とりあえずの戦力増強として使おうにも☆4は戦闘で効果を発動する者が多くて守備表示でのリクルートと噛み合わない、
そもそも「X-セイバー」はS召喚をメインとしている為にレベルを持たない「インヴォーカー」は邪魔になりかねない、とそこまで相性が良くなかった*10が、それ以外のデッキでは需要が爆発。
☆3が2体以外に指定はないエクシーズ召喚条件の緩さもあり【マドルチェ】(通称《マドルチェ・知らないオッサン》)や【六武衆】(通称《六武衆の陰謀家》)を始め、【ゼンマイ】、【十二獣】、【U.A.】、【アマゾネス】、【剛鬼】と言った☆4地属性の戦士族or獣戦士族をキーカードとしているor有している多くのデッキにおいて使われた。
ランク3の出しやすさと優秀なリクルート性能でガチデッキからファンデッキに至るまで長らく使われたモンスターであったが、環境を席巻した【十二獣】で「メインデッキの「十二獣」を誰でも呼び出せる」と言う点で注目され、ランク3を出す為の出張要員と共に参加して大暴れをする。
【十二獣】の規制によりなんとか逃れるも、今度はリンク召喚の登場により「1killループコンボの〆を担う《アマゾネスの射手》をリクルート出来る」「召喚権を使わずに出せてリクルートからリンクモンスターへの素材になれる」等の点が注目されてしまう。
というか「戦士族をリクルートできる戦士族」の時点で「イゾルデ」に目をつけられないはずもなく…
ループコンボの方は《アマゾネスの射手》が禁止になった為なんとか逃れたものの*11、【トロイメア剛鬼】を始めとしたリンク召喚における猛威は無視出来る物ではなかった為か、2019/01/01付けでとうとう禁止指定となった。

リンク召喚実装後の結果論ではあるが、素材指定がない故に展開に優れているが種族的に恵まれない☆3モンスター2体を、☆4モンスターをリクルートしつつリンクモンスターにとって重要な戦士族に変換できるのがまずかった。
多くのプレイヤーから惜しまれた一方、「インヴォーカー」を出す為に使われて規制のとばっちりを受けたカテゴリの使い手からは「ようやく禁止になってくれたか」と胸を撫で下ろした。

が、2023/7/1付けで突如としてノーエラッタで制限復帰を果たす。
関連カードの規制やエラッタによりかつて活躍したデッキが消滅した事と、当時と違い「イゾルデ」へのアクセス手段が増えたためランク3ギミックが逆に事故要因になる事、強化により「インヴォーカー」無しでも立ち回れる様になったデッキも増えた事が解除の理由だろうか。


リンクモンスター

+ 詳細は以下
リンク2 ATK/1800
【リンクマーカー:左下/右下】
素材縛りはペンデュラムモンスター2体。
リンク召喚時に1の効果でデッキからデッキからエクストラデッキにPモンスターを送り込み、起動効果である2の効果で自分フィールド上の表側のカードを破壊しエクストラデッキからPモンスターを回収し、3の効果で自分のスケールが破壊されたら1ドローとこのカード1枚で全ての効果が繋がっており自己完結している。
2の効果でスケールを破壊しているがPモンスターには破壊はボーナスと言わんばかりに破壊時に効果を発動する物があり、3のドロー効果に繋がるため爆アド製造機。
またリンク召喚に使ったモンスターはP召喚できればそのまま自身のリンクマーカー先に帰ってくることができる。
3の効果以外は同名ターン制限がついておらず破壊時に効果を発動する「魔術師」モンスターや《アストログラフ・マジシャン》とは非常に相性が良い。
前述の《アストログラフ・マジシャン》と組んで【魔術師】で暴れたのが直接の原因となりあえなく制限送りに。
しかし制限になっても2の効果の同名発動制限がついていないのが仇になり《覇王眷竜スターヴ・ヴェノム》を連打して何回も効果を使い倒すコンボが使われるようになった。
新マスタールールの露骨なペンデュラム潰しがこいつ一枚で結構な割合で盛り返された。
P召喚主体のデッキで使うカードのため同じリンク2の問題児である《水晶機巧-ハリファイバー》《聖騎士の追想 イゾルデ》より汎用性は落ちるが、ヤバさの度合いで言えば引けを取らない。

同パック出身かつ、特定の召喚法救済の立ち位置も同じなハリファイバーは禁止になって何でこいつは禁止にならないんだって話になるが、
新マスタールール下でのシンクロ補強としてデザインされたであろうあちらが何故か新マスタールールが過ぎて制約が消えてなお依然として残り続けたいっぽう、
そもそもペンデュラムはルール的に何も緩和されていないので変化がなく、当然といえば当然。
また、良くも悪くも革命的で決まりさえすれば勝利にグッと近づくハリファイバーだが、
シンクロにはパワーは落ちる(禁止カードなので当然)ものの汎用的に使える代替手段がないこともない。最終盤面やリソースは変わるが、作れはするのだ。
……が、ペンデュラムは事情が異なり、ペンデュラムというだけで採用できる汎用カード、特にエンジンに例えられる展開札は少ないと言わざるをえない。
エンジンの性能に悩むのではなく、火を入れるエンジンが他に見当たらないような状況なのだ。
つまり、これがないだけでペンデュラム召喚を使うデッキは格段に汎用性が落ちてしまう他、展開手段が非常に限られてしまうからだと推測されている。
(ついでに未だ無制限のイゾルデに関しては装備魔法をデッキに入れなければ特殊召喚の効果を発動できないことが理由になっている物と思われる)
エレクトラムに頼らずとも展開できる専用リンク持ち等のテーマも増えてはいるが……誇張でもなんでもなく、文字通りペンデュラムのライフラインがこのカード。
ハリファイバーより汎用性も影響範囲も数段見劣りするが、禁止になった日に訪れる絶望はペンデュラムにとって比ではない、と断言できよう。

余談だが、海外TCGでは禁止に追い込まれている。向こうでは増Gが禁止な関係で一部展開系により厳しかったり、その他環境や考え方の違いもあるので一概には言えないが、
それでも「エレクトラム禁止」の一文だけでペンデュラム使いは目を覆い空を仰ぐ。どうしろというのだ。



【余談】

基本的に環境で活躍したカードが制限カードに選ばれるのだが、意外な理由で指定されたものも存在する。
かつて制限カードに指定されていた《ドル・ドラ》というカードがある。
こいつはデュエル中に1度しか使えない効果を持っているのだが、
効果を使った後にデッキに戻ると二枚目以降と判別がつかなくなるという、投げやりな対応によるものだった。
これはKONAMIの仕事の雑っぷりの代名詞として挙げられていた。
現在は(7年以上放置して)エラッタによって問題を解決したので《ドル・ドラ》は無制限カードとなっている。

アニメの世界でも制限リストはあるらしく、遊戯王DMGX等では禁止制限に言及しているシーンがある。
DMのバトルシティ編では大会専用の禁止制限リストがある模様。



『追記・修正』の制限を緩和する。


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最終更新:2024年04月01日 00:00

*1 後攻1ターン目の手札枚数は、(ドロー分を含めて)6枚であるため、原則として全てのカードを妨害出来るということになる。

*2 ただし、マスターデュエルの影響で再び環境に姿を見せ始めた時期でもあった。

*3 クリムゾン・ブレーダーの能力は相打ちでは発動しないため

*4 アニメでは上述のデメリットがない上に、同名カードの発動に制限がなく、毎ターン発動できた。

*5 《魔法の筒》の先行発売から制限指定までの日数とほぼ同じだが、あちらは手探りであった黎明期の話である

*6 前者は他のカードを頼って自身を特殊召喚した上で自分のカードを破壊する必要があり、後者は通常召喚限定。

*7 本来なら【クシャトリラティアラメンツ】になるのだろうが、このカードと紛らわしいためかただの【ティアラメンツ】と呼ばれる事が多い。後に【クシャトリラ】対策として《クシャトリラ・アライズハート》を採用したタイプが登場し、区別のためかそちらが【クシャトリラティアラメンツ】と呼ばれる様になった。

*8 先攻1Killが開発されたのもあり、韓国での大会が「カップ麺早食い競争」と揶揄されるほど《簡易融合》を先に発動させた者勝ちであった。

*9 使用者の名前からJ-Stormなどと呼ばれた。

*10 一応、インヴォーカーの効果発動に成功すればフォルトロールの召喚条件が満たせる。

*11 海外では見逃してもらえず、2018/09/17の改訂でゴヨウされてしまったが。