マグネドン(ウルトラ怪獣)

登録日:2016/06/24 Fri 18:07:11
更新日:2023/08/30 Wed 23:44:17
所要時間:約 6 分で読めます





マグネドンは、ウルトラシリーズに登場する怪獣。
別名は「磁力怪獣」

【概要】

全長:65m
体重:5万t
北極の地底(要するに海底の更に下)のマグマが凝縮し、命を持った怪獣。
四足歩行型の怪獣であり、牛と鎧竜(アンキロサウルスの仲間)を合わせたような姿をしている。見た目は似ているが山椒魚超獣ハンザギランとは関係ない。
地球の表層部「地殻」が弱くなっているところを狙って姿を見せる。
固まった溶岩を思わせる黒い体に、頭から背中にかけて深紅の角をいくつも生やした四足歩行の体を持つ。

あまりにも頑丈すぎる為単純な衝撃には弱いものの、100万度の熱にも耐える皮膚や、口からの火炎攻撃、背中の角から放つ電撃と多彩な能力を秘めており、
中でも最も恐ろしいのはマグネドンの体に秘めた磁力である。
皆様ご存じのとおり、現在の地球は南北を貫く巨大な磁石のような性質を持っており、地球の周りには大きな磁場が構成されている。
マグネドンはこの磁力そのものを自らの武器にしており、どれだけ体が粉々にされようとも磁力を受けて蘇ってしまうのだ。
しかもそのエネルギーは地球の磁場に限らず、雷などの電力によっても供給されてしまう。

またその磁力の大きさも桁違いであり、地底深くに潜っている状態でも遥か上空の飛行機を引き寄せ、墜落させてしまうほどである。
ウルトラマンにもその力は働くようで、自らの体を引き寄せて動きを封じるという技を繰り出している。
マグネドンを相手にするという事は、地球の持つ力そのものを敵に回すという事でもあるのだ。


だが、地球上ではほぼ不死身のマグネドンも地球の「外」では……?


名前の由来は、お察しの通り磁石=マグネット。


【登場作品】


【主な活躍】

◆帰ってきたウルトラマン

登場:第20話「怪獣は宇宙の流れ星」
熊沢渓谷で旅客機の墜落事故が頻発。
しかし、その原因は機体の異常ではなく、何かに引き寄せられたという不可解なものであった。

怪獣攻撃隊 MATが調査を行う中、突如地球内部で強力な磁場の移動が発生。
そしてその磁場の正体である磁力怪獣マグネドンは熊沢ダムに出没。
地殻がダム建設で弱まっている所を突いたのである。

早速攻撃に向かうMAT。アンチマグネット装置を使って怪獣の持つ磁力に対抗しようとしたのだが、マグネドンの力は予想以上。全く効果が無かった。
そこで、隊員の提案でMATは作戦を変更。
頑丈な物質ほど衝撃に弱い、すなわち「普通の爆弾」ならマグネドンを始末できる、と考えたのである。

そして作戦は見事に成功。
強力な磁力で爆弾も吸い寄せてしまったマグネドンは、爆発四散したのであった……。







……そう、確かにマグネドンは爆発四散した。皆、これで倒されたと考えていた。
だがその夜、四散した怪獣の体に突然雷が落ちた。
そして、そのエネルギーを吸い取ったマグネドンは息を吹き返したのである。

勝利を祝っていたMATも、事態を受けて緊急出動。
作戦失敗の責任を感じた郷隊員が自ら進んでレーザー光線で立ち向かうもマグネドンの威力の前には手も足も出ず、
尻尾の一撃を受けて全身打撲の重傷を負い入院を余儀なくされた。

怪獣退治に失敗、隊員も負傷――この事態を受けてMATにやって来たのは彼らの上司にあたる佐竹参謀。
地球を防衛する者として常に100%の結果を出さなければいけない、と喝を入れた参謀は、
もし次の出撃で怪獣を退治できなければMATは解散、ダムも放棄する、と命じた。

加藤隊長の懇願で1日だけ怪獣退治のチャンスを与えられたMAT。
様々な作戦案が出される中、入院中の郷隊員も起死回生の策を考えていた。
マグネドンの持つ恐ろしい能力の源になっているのは、体のマグマの中に含まれる「鉄分」
それをダムが作り出す膨大な電力を駆使し、怪獣の温度を上げて溶かてしまおう、と言う作戦である。

その案をお見舞いに来た隊長に語った時、郷隊員はMATが背水の陣を強いられている事に気づいた。
仲間たちが命を懸けても怪獣を退治しようと奮闘している事を考えた彼もまた、MATの一員として現場へ向かう事を決意。
彼の恋人である坂田アキの制止を振り切り、熊沢ダムへと向かった。

一方、MATは郷隊員が発案した作戦を実行。
マグネドンの磁力で引き寄せられた電力板を利用してダムの全ての電力を流し、鉄を溶かそうとした。
強烈な電流で体が真っ赤になり、炎を吐いて苦しむマグネドン。

ところが、怪獣の体内に秘められた力はMATの面々の予想を超えていた。 
ケーブルが焼き切れるほどの電力を送ってもなお、マグネドンの磁力は健在だったのである。
そして暴れまわるマグネドンによって、とうとうダムが決壊を始めてしまったのだ。

絶体絶命の事態、その時郷隊員の体は光の巨人・ウルトラマンへと変わった。

ウルトラブレスレットの力でダムの決壊を食い止めたウルトラマンだが、マグネドンの強力な力の前に大苦戦。
ダムからブレスレットを離さざるを得ない事態に陥ってしまう。
しかも、もしここで必殺技を決めても、磁場がある地球ではマグネドンはすぐ復活してしまい意味が無くなってしまう。

そこでウルトラマンはブレスレットを操り、マグネドンの体を宙に浮かばせ、そのまま宇宙へと運んだ。
磁力のある地球ではどうあがいても無敵。
しかし、磁力が少ない宇宙空間ならば……!


そして、地球から遠く離れた宇宙空間で再び対峙するウルトラマンとマグネドン。
磁力に頼らない様々な力で互角に戦ったマグネドンだが次第に追い詰められ、最終的にウルトラブレスレットの力で木っ端微塵にされてしまった。
ところでダムはどうなったんだろう…

その後、MAT基地には宇宙空間で起きた原因不明の爆発が報告された。
そしてその日の夜空は、マグネドンの破片が作った流れ星で彩られたのであった。


【余談】

  • ウルトラマンとマグネドンが最後に戦った場所は、当時の雑誌設定では怪獣墓場である、とされている。
    なお怪獣墓場にもマグマが存在しているが、地球のマグマと同様鉄が混ざっているかどうかは不明。
    「月でいいじゃん」と思った視聴者は多いだろうが、ウルトラ世界には月にも生態系があるので遠慮したのかもしれない。

  • 最終的に流れ星となって燃え尽きたはずのマグネドンであるが、当時の子供向け雑誌で体に秘めた磁力で再生した可能性が示唆されている。
    もしそうなら、マグネドンは倒しても倒しても自らの力で復活する不死身の怪獣と言う事になる。

  • 今回紹介した『帰ってきたウルトラマン』第20話「怪獣は宇宙の流れ星」は、脚本家の故・石堂淑郎氏が初めて手掛けたウルトラシリーズの作品。
    後のエンマーゴモチロン、『ウルトラマン80』のバルタン星人のような強烈なインパクトはまだ薄いものの、次に手掛けたバキューモンにも繋がる物語のスケールの大きさや「マグマが命を持つ」と言う妖怪チックな要素を早速見せつけている。



マグネドンと友情のマグネットパワーを見せる事が出来るレイオニクスの皆様、追記・修正お願いします。

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最終更新:2023年08月30日 23:44