ホーリー・マウンテン(映画)

登録日:2016/06/23 Thu 00:17:11
更新日:2024/03/27 Wed 21:45:20
所要時間:約 13 分で読めます




お前の糞だ
お前も黄金に変われる


■ホーリー・マウンテン

『ホーリー・マウンテン(原:The Holy Mountain)』は1973年に制作されたメキシコアメリカ合作映画。
チリ出身のロシア系ユダヤ人の鬼才、アレハンドロ・ホドロフスキー監督、脚本、音楽、主演。
フランスの哲学者、詩人のルネ・ドーマルが死ぬ直前まで執筆していた『類推の山』を原作とする。
映画中で使用されている特徴的な衣装や美術もホドロフスキーの感性により厳選されたものである。


【概要】

70年に公開された『エル・トポ』により、メキシコ以外にも名を知られるようになった、アレハンドロ・ホドロフスキーの壮大、且つ悪趣味な宗教、社会への風刺を込めたアート作品。
ネームバリューの獲得により、前作より遥かに制作費を注ぎ込めた事が窺える大作となったものの、ホドロフスキーは未だこの時点での自らの映画を商業目的ではないアートだと宣っており、更に別の機会にはアートとは何か?と問われて、光るウンコだと答えている。
……そして、この『ホーリー・マウンテン』とは正にそんな映画なのである。

エル・トポ』と同様に、キリスト教やヒンドゥーのタントリズム、更には仏教、更には中世の神秘思想…etc.と、様々な神秘学的知識やそれによって得られるであろう体験と言ったものを見事にビジュアル化しているのが特徴。
もっとも、映画ではそれらに対する正しい認識を持っていても尚、一歩引いた位置から神秘体験を個人的な現象として割り切って見ているであろう、ホドロフスキーの冷めた視点が窺える。

その最たるものが、当時としては斬新であったであろう衝撃のラストであり、この壮大な悪ふざけの解答は、映画を通して、中には己が回心した気になっていた者も居たかもしれぬ、観客へとそっくり贈られるのである。


【物語】

この世の叡智を極めんとする錬金術師は、惑星を守護として背負う運命を持つ9人の権力者や成功者、罪人を弟子として究極の奥義たる「不死」の神秘を獲得するべく、厳しい修行の末に「聖なる山」を目指す。
※意味は無いけどネタバレ含む。








【登場人物】


■盗賊
キリストに似た風貌の若者。
黄金を得るために錬金術師の弟子となる。

■娘
娼婦達の一人。
猿を連れている。
盗賊に一目惚れして彼の後を追い続ける。
盗賊恋しさに聖人となった9人も怯む行程を越えてくる。

■フォン

■イスラ

■クレン

■セル

■バーグ

■アクソン

■ルート

■弟子の女
盗賊や他の守護惑星を持つ者達が来る以前より錬金術師に仕えていた若い女。

■錬金術師
無価値の物から黄金を生み出せる叡智を持つ。
「不死」の願いを叶えさせるべく、守護惑星を持つ者達を導こうとするが……?
演じるのは監督。


【余談】


  • 権力を持つ国としてアメリカを、差別され征服される国としてメキシコとペルーのイメージや名が使われている。

  • コンロン山と言いつつ、フジヤマが出てくる。

  • 劇中で登場してくるタロットは監督本人のデザインによるオリジナルの図柄だが、ホドロフスキーは後にそれを後悔する発言をしている。

  • しょこたんこと中川翔子のお気に入りの映画で、1年に1回は必ず見ているとのこと。



追記修正は「聖なる山」に到ってからお願いします。

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最終更新:2024年03月27日 21:45