ダークフォール(ふたりはプリキュア Splash☆Star)

登録日:2016/06/18 Sat 05:36:00
更新日:2024/04/22 Mon 18:00:24
所要時間:約 10 分で読めます





ダークフォールは、ふたりはプリキュア Splash☆Starに登場する敵組織の総称である。

【概要】

滅びの力によって誕生した、地球とは異なる世界にある滅びの国。
「命あるものはいずれ滅びる。故に生命に価値は無い」という価値観が根底にあり、全ての世界を滅びの力によって無に返し、世界を命のない無の静寂に満ちた世界にすることを目的としている。

物語開始の時点であらゆる世界の生命を司る「世界樹」を手中に収め、さらに世界樹を支える7つの泉のうち6つまでを掌握し、「泉の里」を滅ぼしている。
しかし残る最後の「太陽の泉」の在り処が分からないため、太陽の泉があるという「緑の里(地球)」を標的とし、太陽の泉を手に入れるべく侵攻を開始した。
「世界を滅ぼす」という目的がある為大規模な破壊をすると思いきや、目下の目的は「太陽の泉」なる聖地の場所を探ることなのでそこまで大規模な破壊活動を行わない。

なお滅びの力に呑まれ支配下に置かれた泉は、太陽の光のない灰色の空と黒い暗雲、枯れ果てた木々とひび割れ荒廃した大地が果てしなく広がる、文字通りの死の世界と化している。

幹部個々人の戦闘力は絶大。ダークフォール内でも上位クラスの実力を持つミズ・シタターレやキントレスキーの場合、単騎で緑の里を滅ぼすほどの力を持っているとされ、その評価に違わぬ被害をもたらしている。
またプリキュアシリーズの敵では珍しく、幹部同士でタッグを組んだ場合戦闘力が大きく上昇する特徴がある。反面相性が悪い者同士がタッグを組んだ場合足を引っ張り合って満足に戦えない場合もあるが。
また物語終盤での幹部の再生復活イベントでは、復活後も強さが衰えず、逆に強さが増している節が見受けられるなど後のシリーズ全体を通しても異質な敵組織といえよう。


……と、此処まで書くとシリアスな敵組織だが、「ダークフォール」という組織の最大の特徴は、一部の者を除き構成員が例外なくどこか憎めないイロモノでマイペースな性格のオンパレードという点である。
どれほどイロモノかというと、『フレッシュ』以降の作品だったら
恐らくほぼ全員が生き残ったままエンディングを迎えたり、改心してプリキュアと和解しそうなレベルでキャラが濃い。
おまけに自己主張が無駄に例外なく強いため、イロモノ具合に拍車を掛ける。
ダークフォールの幹部5人衆が歌うキャラソン『7つの泉を奪還せよ!! ~フィフスエレメントの逆襲』では、
個人個人の個性やキャラをセーブせず出しまくったせいでとんでもなくグダグダカオスな曲となった。

ただし、キャラソンでさらっと語られてる通り、彼らの最終的な望みは「世界を滅ぼした後自身も滅び去り無に還ること」という非常に虚無的なニヒリズム思想である。
構成員も憎めない言動や主張を見せるが、その本質は非常に独り善がりで傲慢な主義主張にすぎず、上記のような価値観もあって、戦闘では緑の里を荒廃させることも躊躇しない。
ある意味、プリキュアシリーズ全体から見ても極めて和解不可能な敵勢力。
本編でのはっちゃけたイロモノすぎる憎めないキャラクター性は、裏を返せば「どうせ最後は自分も滅びるのだからそれまでは愉快にやろう」というネガティブな意思の表れなのかもしれない。

幹部5人衆の元ネタは『五行思想』。
幹部たちは自然界の五行の力をそれぞれ司り、自分と同じ属性を持つウザイナーを作り出し使役できる。


【構成員】

首領

  • アクダイカーン

生けとし生ける者、我が全て滅ぼしてくれる!!

CV.五代高之
世界樹と七つの泉全てを掌握し、世界を「滅びの世界」に変えることを目論む滅びの国「ダークフォール」の支配者。
燃える炎の瞳と真っ赤な口を持つ巨人の様な背丈を持つ漆黒の鎧武者のような外見。
ダークフォール内の最深部の玉座に座し幹部達に指示を飛ばす。
部下の行動に対して寛容なところもあるが、失敗が積み重なった部下には容赦なく制裁や叱責を与える。
元ネタは時代劇の『悪代官』。


側近

  • ゴーヤーン

奥の手?流石はカレハーン殿……して、その奥の手は何時お使いになるのでしょう?

CV.森川智之
アクダイカーンの側近兼参謀を務める小男。
ゴーヤを思わせる縦長の頭と緑色の肌を持つ、着物を身に纏った怪人。
常に揉み手をしており、慇懃無礼な態度で失態を犯した幹部にネチネチと嫌味を言う陰湿な性格。
……だったのだが、話が進むにつれてドンドン幹部のキャラが濃くなっていった結果、アクの強すぎる幹部の奇行や言動に悩まされることが多くなった。
恐らく一番生き生きしてたのはカレハーンが生きてた頃。
因みにこの手の悪役では珍しく非常に戦闘力に長けており、時折前線に出てはプリキュア達を苦しめている。
詳しくは個別項目を参照。
元ネタは時代劇の『越後屋』


幹部

  • カレハーン

俺の名はカレハーン……カレッチと呼んでくれ

CV.千葉一伸
『木行』を司るダークフォールの幹部の一人。
ダークフォールの最初の刺客で、「樹の泉」を支配下に置く。
全身が枯葉で出来たような怪人で、お下げの髪が特徴的。
一見落ち着いたクールな言動や態度だが、気質としては生真面目で直情的な性格の持ち主の脳筋。
また自身を「カレッチ」と自称し、その愛称を他人にアピールするなど茶目っ気もある。
生真面目な気質のためか同僚と比べると常識力が高く、ストレス耐性も低かったこともあり、アクダイカーンに失敗を責められ苦悩したりゴーヤーンに煽られ一々青筋を立てたり、復活後も個性と我の強い同僚達に振り回される場面が多かったりと、最終的に苦労人ポジが板に付いた。

名前の由来は『枯れ葉』から。

詳しくは個別項目を参照。



  • モエルンバ

イッツショウターイム!……どうだい、セニョリータ!

CV.難波圭一
『火行』を司るダークフォールの幹部の一人。
ダークフォールの2番手で「火の泉」を支配下に置く。
全身が炎で出来たような怪人で、炎で出来たアフロヘアが特徴。
女性的な物腰で体形も細身。ただし性別は男でオカマ口調ではないというややこしいキャラクター。
サンバを踊ることを何よりも好み、「チャ、チャ、チャ♪」を口癖に、「セニョリータ」などのスペイン語を交えながら喋るなど、見た目や口調どおりとにかく陽気でポジティブな性格。
ゴーヤーンの嫌味には苛立ちを感じつつも比較的明るい言葉で切り返したり、
さらに失敗が嵩んでもそれを気に留めない振る舞いをするなどストレス耐性は高い。
そんなゴーイングマイウェイなポジティブさはゴーヤーンさえもタジタジにさせ、彼からは「変な奴」と呼ばれドン引きされるほど。

名前の由来は『燃える』と『ルンバ』。

詳しくは個別項目を参照。



  • ドロドロン

……ちょっと油断しただけだよね。ボクに力が無い訳じゃない。
うん、確かにプリキュアは予想より少し強いかもしれないけど、倒せない相手じゃないさ。つまりボクは……

CV.岩田光央
『土行』を司るダークフォールの幹部の一人。
ダークフォールの3番手で「土の泉」を支配下に置く。
全身が土で出来た筋肉質な肉体を持つダークフォール屈指の巨漢で、頭部が蜘蛛のような形なのが特徴。

だがそんな厳つい外見に反し、一人称は「ボク」で子供っぽい口調や性格。
他人が楽しそうにしてる姿を見ることを何よりも嫌い土の中に籠ることを好む、とにかく根暗で陰湿で内向的な引き籠り。
コミュニケーション能力にも非常に問題があり、誰かと会話する際はボソボソとした小さな声で喋る生粋の陰キャ。
加えて知恵を巡らせるような頭脳戦は苦手な脳筋でもある。
そんな性格故か満と薫からは小馬鹿にされており、劇中では実質満と薫の子分みたいな立ち位置に近かった。
進退窮まった際には人が変わったようにハッキリアクダイカーンと対面して発言したが、その姿を見たゴーヤーンは驚きのあまり冷や汗をかいてドン引きしていた。
声優の岩田光央のアドリブ全開の怪演も合わさり強烈なキャラになるも、正直同時期に派遣された満と薫の影響で影が薄くなった感は否めない。

強靭な蜘蛛の糸を放って相手の動きを封じたり、泥を通じて雨のパワーを吸収して巨大化する能力を持つ。
ちなみに転移は出来ないようで基本移動も撤退は地中を掘り進んで行う

名前の由来は『泥』と『ドロドロ』。

詳しくは個別項目を参照。


  • ミズ・シタターレ

大地の力も、大空の力も、滅びの力の前では、意味ナッシーング!!ぶんがーっ!!

CV.松井菜桜子
『水行』を司るダークフォールの幹部の一人にして紅一点。
ダークフォールの4番手で「水の泉」を支配下に置く。
水で構成された褐色肌の身体と縦ロールにした薄紫色の長髪が特徴な褐色美女。ド派手な水色の着物を身にまとい、頭部には3本の簪をつけている。

高笑いが似合うテンションの高い高飛車な女王様気質だが、興奮すると途端に女王様然とした態度から一転言動が荒っぽくなる。
加えて負けず嫌いでノリのいい芸人気質な所もある。
登場の度に咲に名前を言い間違えられて切れるリアクション芸光景はお約束。一度だけ正しく呼んでもらえたが、再登場時にはあっさり忘れられて間違えられた。
人間に近い見た目のためかよく変装して緑の里で活動する事が多く、知恵に長け搦め手を駆使する策士キャラ。
変装を生かして祭りを満喫したり海の家でかき氷を売り捌くなど、恐らく幹部の中では一番緑の里の文化を満喫した幹部。
ゴーヤーンのことは「ゴーちゃん」と呼んで馴れ馴れしく接しているが、内心快くは思ってない模様。
彼に手柄を横取りされた時は負けず嫌いの性分もあり、ブチ切れた結果ゴーヤーンの隠れ家に通じるワームホールを作り
意趣返しも込めてプリキュア達をゴーヤーンの元の送ってプリキュアを手助けしたこともある。

上記の3人とは「レベルが違う」と言われるアクダイカーンからの信頼も厚い実力者で、水や氷を自在に操る能力を生かした搦め手を多用するが、本人は肉弾戦が苦手という訳ではなく、寧ろインファイトもバリバリにこなせるオールラウンダーである。
また水を扱う故か、水芸には相当な自信とプライドを持っている。

終盤での幹部復活後は最終的にキントレスキーとタッグを組み互いの実力を認め合ういい関係になった末に、
消滅間近になって互いに告白し合い結果両者共に相思相愛になりながら消滅した。

名前の由来は『水』と『滴る』。

中の人は後に妖精役として出演する。



  • キントレスキー

優れた戦士と真剣勝負して打ち負かすのが私の喜び!! 弱い相手では退屈だ!!

CV.小杉十郎太
『金行』を司るダークフォールの幹部の一人で、「ダークフォール最強の戦士」と評されている。
ダークフォール最後の刺客で「金の泉」を支配下に置く。
鍛え抜かれた金色の肉体とオレンジ色のモヒカンヘア、ダンディな口髭が似合うナイスミドル。

小賢しい搦め手や策を苦手とし、そういった策を好まず正々堂々正面の戦いを好む武人気質の戦士で、プリキュアと戦うことを待ち望んでいた。
ただし「勝つこと以外は全て無駄」という考え方から、勝利に繋がらない努力は無意味と切り捨てている。
また約1000畳の広さを誇り、最新トレーニング器具も完備した筋トレ用亜空間「スペシャルマッスルトレーニングルーム(略して「私の部屋」)」を持つ。
忠誠心、実力ともに申し分ないが、反面我の強さも他の幹部以上。彼が登場してからゴーヤーンは今まで以上に終始圧倒されっぱなしとなる。
日々の筋トレが生き甲斐兼日課になっており、ゴーヤーンは彼の筋トレに(半強制的に)付き合わされる羽目になった。
なお筋トレ中に立ち寄ったPANPAKAパンのチョココロネを食べたことで気に入り、以後PANPAKAパンの常連になってチョココロネを大量に買う姿が見られる。
絵に悩む咲に人物画を上手に書くコツを教えたり、達筆な字で果たし状を送る等、妙に紳士的で面倒見のいい所が目立つ憎めないキャラだが、同時に自身の絶大な強さから来る傲慢さも有しており、「プリキュアをただ倒すのではなく、戦いの中でプリキュアを鍛え上げ、強くなったプリキュアを打ち破る」
ことを目的にするというある種の舐めプでプリキュアと戦うことを目標にしている。
配下のウザイナーについても、「プリキュアを鍛え強くするためのトレーニング」「自身と戦う前のウォーミングアップ」と言い切る所からその傲慢さは垣間見える。
その他「勝利」や「結果」に固執するがゆえに、結果を伴わない努力を頭ごなしに否定し、プリキュアとの決戦では「戦いに集中できないなら緑の里ごと滅ぼす(意訳)」と宣言し、彼女達を脅迫するなどで働く敵役キャラクターである。

名前の由来は『金』と『筋トレ好き』と思われる。


その他

  • 霧生満霧生薫

お願いだから言わないで!私たちが何を感じても何を考えても……
緑豊かになった空の泉を見たい……

CV.満:渕崎ゆり子、薫:今井由香→岡村明美
アクダイカーンの命の炎を分け与えられて生まれた双子の姉妹。
「空の泉」の支配を任されている。
淡々とした性格で感情を滅多に表さず、アクダイカーンを父のように忠誠を誓っている。
ただし自身の創造主であるアクダイカーン以外の存在には見下した態度を取っている。
詳しくは個別項目を参照


  • サーロイン

君達、思った事は無いかね?ああ……このまま時間が止まってくれればと。
何をやっても誰にも止められない。欲しいものだって幾らでも手に入る。何ならアイスクリームでもどうかな?

CV.速水奨
劇場版にて登場したダークフォールの住民。
三角帽子にサングラスマントを着た黒づくめの男性の姿を人間体として用いる。
「比類なき強大な滅びの力を持ち、なおかつ知能抜群。パーフェクトなダークフォールの者」を自称し、その自負に違わぬ実力を備えた強敵。
丁寧で落ち着いた物腰を崩さない知性的な性格で、同時に自身の行動に対し何かにつけて「パーフェクト」を付ける非常にナルシストな自信家である。
TV本編のダークフォールの面々に比べるとコミカルな要素は少ないが、
咲と舞に「時計の郷」へ繋がる手掛かりを得た際律儀に2人に感謝を述べたりするなど、コミカルなキャラの片鱗は垣間見える。

異世界「時計の郷」へ侵攻して時計の精霊達を迷宮に閉じ込め、「無限の時計」を静止させることにより全世界の時間を止め、
永遠に世界を自分一人のものにすることを目論む。
いつも持ち歩いている古いトランクは、相手を異空間「永遠の迷宮」へと引き込んで閉じこめる力を持つ。
その他砂を自在に操り攻撃に用いる。
真の姿は赤い肌を持つミノタウロスを彷彿とさせる巨大な怪物である。

10年後の世界では別の悪者だったりする。


ウザイナー


ウザイナー!

ダークフォールの幹部の力で闇に染められた泉の精霊たちが、緑の里にある物質に憑依して生まれる怪物。
終始「ウザイナー」という鳴き声を発する。
憑り付く物は幹部の操る力によって異なり、幹部自身が融合することもある。
全固体の共通点として、嫌そうな目つきと頭部にUの字状の突起がついているのが特徴。
プリキュアに浄化されると元の精霊に戻り、同時に奇跡の雫を一粒放出する。



追記・修正は自身の滅びを夢見ながらおねがいします

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最終更新:2024年04月22日 18:00