巨大トカゲ(未確認生物)

登録日:2016/05/21 Sat 03:05:04
更新日:2024/01/25 Thu 13:08:46
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概要

オーストラリアでは、全長が数メートルにも達する超巨大なトカゲが度々目撃されている。
それらは目撃者や研究者の間で「ジャイアント・モニター」や「メガ・モニター・リザード」等と呼ばれている。*1
目撃が多発したのは1970年代だが、先住民の間ではかなり古くから知られており、
2000年代に入っても少数ながら目撃報告がある。

形態

目撃報告をまとめると、その見た目は動物園や図鑑で目にする既知のオオトカゲとそれほど変わりは無い。
しかし、その全長は 7m~9m 、体重は推定 900㎏~1t にも達する。

オオトカゲの中で世界最長のハナブトオオトカゲの最大記録が475㎝、
体重や横幅といった体格面で世界最大とされるコモドオオトカゲでさえ最大体重は166㎏というのを考えると、
この数値がいかに規格外かお分かり頂けるだろう。

因みにオーストラリアにはスナオオトカゲやレースオオトカゲ、オーストラリアオオトカゲなど、多様なオオトカゲが棲息している。
その身体つきははコモドオオトカゲのような頑丈でどっしりしたものではなく、平べったくほっそりとしている。
種類によっては2mクラスの個体を頻繁に見かけるなど、全長だけ見るとかなり長大だが、それは首と尻尾がやたら長いため。
スマートな体格に合わせてか体重も相応に軽く、60~70キロクラスがザラにいるコモドオオトカゲとは対照的に、
オーストラリア産オオトカゲは多くが5~20キロ内外。30キロを超えることは滅多にない。

巨大オオトカゲを目撃したシチュエーションで最も多いのが 「道路を横に塞いでいた」 というもの。
最初は倒木かと思ったが近づいてよく確認するとオオトカゲだったという証言が非常に多いのである。
広大な自然が色濃く残るオーストラリアには、
コンクリートで舗装されておらず、人の足や乗り物の重量で辛うじて踏み固められた程度の荒れ道が数多く存在する。
そのような環境はオオトカゲにとってもさぞ暮らしやすいだろう。

先住民の伝説にも登場する恐怖の象徴


オーストラリアの先住民アボリジニの間では、巨大オオトカゲは「バンガラ」「ゴアナ」などと呼ばれ、
全長が10mにも及ぶ怪物のような存在として語り継がれてきた。

オーストラリアに白人達が移り住み始めたころ、
原住民たちはバンガラの存在を常に警戒すべきであると入植者に語ったという。

オーストラリアの北西部に住むとある部族曰く、
「藪の中に住む生き物は、全て (自分達を含め) 巨大なトカゲを恐れながら生きている」 ということである。

ワニと見紛う程の巨大なトカゲ


ニューサウスウェールズのマウントヨーク自然史博物館で館長を務めるレックス・ギルロイ博士。
未確認生物研究の大家でもある彼の元にはUMAに関する目撃情報が数多く寄せられている。
その中には「全長が数メートルにも達する巨大なオオトカゲを見た」という報告も存在する。

以下に載せるのは、1979年11月15日にフィリスという女性からレックス博士の元に送られた手紙である。

その事件は今から47年ほど前、私が10歳の時に起こりました。
あの時、私たち一家は西オーストラリアのコリギンから少し離れた峡谷地帯に農場を構えていました。

ある日、私が原っぱに遊びに行った時、一本の丸太をジャンプして飛び越えました。
しかし、その丸太は巨大な見たことも無い爬虫類でした。
私はすぐに家に戻り、家族に「ワニのような大きな生き物を見た!」と話しました。
あの大きな爬虫類は、この辺りでよく目にするレースオオトカゲにしては余りにも大きすぎたのです。

爬虫類の全長は3.6m、体表はワニのようなゴツゴツした質感と色合いをしていたように記憶しています。
私はそれ以上その爬虫類をはっきり見ることが出来ませんでした。
たぶん恐怖の余り気が動転していたのでしょう。今思い返してみると少々誇張していたかもしれません。

この経験を長い間人に話していますが、だれも私の話を信じてくれません。
私の家族は「幻覚でも見たのだろう」と相手にしてくれません。
しかし、私は自分が見たものが巨大トカゲの一種だったのではないかと思えてならないのです。
ワニは乾燥した峡谷には棲息していないし、レースオオトカゲの細い尻尾は、丸太と見間違えるには無理があります。

他の目撃証言に比べると4m弱とやや小ぶりだが、それでも10歳の少女が恐怖の余り逃げ出すほどの巨大なトカゲである。
正体はなんだったのであろうか。


主な目撃の歴史


  • 1890年
ビクトリア州のユーロア町付近の沼にユーロア・ビーストという生物が出現。オオトカゲのような胴体だったがむしろ両生類的な特徴もあった。
この生き物を捕獲するために40人の捜索隊が組まれ、捕獲用の網や銃、猟犬まで伴った大規模な捜索が行われたが、何も見つけることは出来なかった。

  • 1961年
クイーンズランド州のイーサ鉱山付近で、
猟師のトム・ジョーガンと仲間達が砂嵐を避けるために避難小屋へ行く途中、
恐竜のような生き物 が道路を横切るのを目撃。
無事に避難小屋に辿り着いたものの、身の危険を感じた彼らは、砂嵐が過ぎ去ってから逃げるようにその場を後にした。

  • 1968年10月
オーストラリア北東部のロックハンプトンの山林で訓練を行っていた兵士が、
湿地帯で何者かに引き裂かれた牛の死体を発見。
死体のそばには巨大な足跡と尻尾と思しき物を引きずった跡が残されていた。
謎の痕跡は森林地帯にも残っていたため、牛は別の場所で殺されてから運ばれてきたと考えられる。
同地域で牛を殺して運ぶほどの生き物が他に存在しないため、犯人は巨大なオオトカゲである可能性が高い。
足跡は幅がおよそ40cmもあり、ここから導き出されるオオトカゲの全長は9mに達するという。

  • 1974年
ニューサウスウェールズ州セスノックで、
マイク・ブレイクが家の椅子に座ってベランダから庭を眺めていたところ、低木の茂みから巨大なトカゲが出現。
奥の駐車場に停めたバンと、彼の目の前の間の原っぱを通り過ぎていった。
マイクは恐怖で椅子に張り付いていたが、後になってバンの長さを調べてみると約5.4mだった。
ここからトカゲの全長は少なく見積もっても6m、体高は90㎝はあったと推測している。

  • 1975年
ブルーマウンテン地区のウォランガンベ荒野を旅行していたハイカーの一行が、
巨大な足跡と尻尾を引きずったような痕跡が地面に残されているのを発見。

  • 1975年
オーストラリアの首都キャンベラにあるワタガン山脈で、
を運転していた2人の農夫が道を塞ぐ巨大な倒木を確認。
通行の邪魔になるので移動させようと近づいたところ、 木が独りでに動き始めた。
何事かと思ってよく見るとそれは巨大なオオトカゲだった。

  • 1975年12月27日
ニューサウスウェールズ州セスノックの農家で、
農夫が納屋の傍にある藪の中から現われた巨大なトカゲと遭遇。
全長およそ9m、頭と首の部分だけでも1.5mはあり、体高は1m近く、体重は目測で900㎏以上ありそうだったと語っている。
全身は灰色で、背中には黒い縞模様があったという。

  • 1978年
ノーザンテリトリー北部のアーネムランドで、
マーティン・ムカドゥーと友人達が泥道を4輪駆動車で走っていたところ、何か巨大な物が目の前に立ち塞がった
車を急停止させて正体を確かめに行ったところ、それは 後ろ脚だけで直立したオオトカゲだった。
立ち上がった背丈だけでも2.4m、尻尾の長さは5m近くあったという。
程なくしてオオトカゲは二足歩行のまま飛び跳ねるように走り、付近の茂みに姿を消した。
マーティンは、そのスピードが時速20マイル(32キロ)くらいだったと証言している。

  • 1979年1月
ボブ・パイクがピンダラ私立病院の近くの荒れ道を4輪駆動車で走っていたところ、
付近の低木の茂みから巨大なトカゲが姿を現し、道路を横切るように歩いて行った。
全長7.5m、胴の幅が60㎝以上あり、4本の足は強靭だった。
トカゲは歩いている最中にボブを睨みつけ、恐くなったボブは空けていた車の窓を素早く巻き上げたという。

  • 1979年初旬
爬虫類学者のフランク・ゴードンが、ワタガン山脈をランドローバーで走行中に、
全長8~9mはあろうかというオオトカゲが道路脇で寝そべっているのを目撃。
フランクの気配に気付いたオオトカゲは身体を起こし、森の中へ去っていった。

  • 1981年1月
ビクトリア州ウォンガラッタににウサギ猟に訪れたラン・ヘイが、
同地域を流れるオーブンズ川で、70mほど離れた対岸の土手に横たわる巨大な丸太のようなものを目撃。
それほど気に留めず歩き去ったが、再び同じ場所に戻ってきた時には 丸太が消えていた。
ヘイは、丸太の長さは4.5mほどあり、表面は灰色がかった茶色だったと証言している

  • 1982年4月28日
ウォルター・レイクが西オーストラリア州カラサに向かって4輪駆動車で走行中、
ニッコル川埋立地付近で道路を塞ぐオオトカゲに遭遇した。
背中にはまだら模様があり、頭から尾の先までの長さは道路の幅を完全に超えていた。
全長は少なく見積もっても6.6mはあっただろうと推測している。

正体の考察

オーストラリア各地で目撃が多発している巨大オオトカゲ。
その正体の最有力候補は今からおよそ4万年ほど前に棲息していた メガラニア である。
「巨大な通り魔」という名前の意味を持つこのオオトカゲは全長5.5m、最大のものは7mを超えたとされている。
目撃証言にある丸太のような胴体や頑丈な四肢など、メガラニアの特徴には一致する箇所が多いのだ。
メガラニアの子孫が種の繋がりを維持して現代まで生き延びた可能性はかなり高い。
ただ、メガラニアの生きていた更新世は、地球の環境が現在とはかなり違っていたため、
メガラニア生存説に異を唱える研究者も少なくない。

1979年7月、先述のレックス・ギルロイ博士は、農地に残された巨大オオトカゲの足跡と思しき謎の足跡の調査を行った。
足跡は耕作地に30個に渡って続いており、その大半は雨で原型をとどめていなかったが、
何とか一つの足跡から石膏を取ることに成功した。
その足跡は絶滅したはずのメガラニアの足跡と酷似しており、
レックス博士は「メガラニアは今も生きており、生体あるいは死骸を確保する事は時間の問題だ」と主張している。

他にオーストラリアに棲息する巨大爬虫類といえば、
世界最大のワニにして爬虫類であるイリエワニが最も有名である。
オーストラリアのイリエワニは全長5~6mクラスのものがゴロゴロいる。
これは巨大トカゲの巨大さを十分に裏付けるサイズであり、ワニを誤認したと考える人も多い。
しかし、目撃証言はどれもはっきり「トカゲだった」と主張しているものが殆どなため、
やはり全てを「ワニの誤認」と片付けるのは無理があるのではないだろうか。
棲息地を考えても、農地ならまだしも、山脈や荒野にまでワニが出現するとは考えにくい。
多種多様な生命の宝庫オーストラリアでは、未だ人類に知られていない未知の生物が独自の生態系を築いているのかもしれない。


追記・修正は全長9mのオオトカゲと至近距離でにらめっこをしてからお願いします。

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最終更新:2024年01月25日 13:08

*1 モニターはオオトカゲの意味