300人委員会(科学ADVシリーズ)

登録日:2016/03/18 Fri 11:40:52
更新日:2024/01/11 Thu 03:22:17
所要時間:約 13 分で読めます




概要

Committee of 300。
陰謀論で語られる秘密結社。
世界の政治・経済・軍事を操る「見えざる支配者」「影の世界政府」であり、各界のエリート達によって運営されているらしい。
同じく陰謀論でおなじみ、フリーメイソンイルミナティの上層に位置し、更にその上に33人評議会13人評議会が存在するとされる。

アニヲタWiki的にはゼーレとか愛国者達がイメージに近いかも。

その目的は新世界秩序の構築。すなわち世界統一政府(ワン・ワールド・オーダー)の樹立である。
様々な謀略を駆使して世界の人口を削減し、残った人類を家畜化する「人類牧場化計画」を企てているという。
また、自らを「オリンピアンズ」と自称し、究極の選民主義社会実現を目指しているとか。

1727年にイギリス東インド会社の会議を元に結成され、本部もイギリスにある。トップはイギリスで一番偉い人という噂も……。

これらの情報はあくまで都市伝説だが、似たような組織としてビルダーバーグ会議が実在する。興味のある人は調べてみると面白いかもしれない。
真偽は不明だが、『Steins;Gate 0』が発売された2015年の会議では、奇しくも人工知能とシンギュラリティについて話し合われたらしい。

都市伝説と言えばお馴染みMMR調査対象にしたことが勿論「あった」のだが、
300人委員会によって行われるとした予言全然別の組織によって実現してしまったため単行本化されていない。
詳しくは封印作品を参照。


科学アドベンチャーシリーズ

シリーズにおける黒幕。
今のところ『CHAOS;HEAD』『Steins;Gate』『Robotics;Notes』『CHAOS;CHILD』の全てに登場し、
世界観の繋がりを仄めかすと同時に、不気味な雰囲気を持つ本シリーズの象徴となっている。
委員会の設定は物語を閉じさせない、不思議な余韻をプレイヤーに残す。

主人公達の敵の、そのまた向こう側に控えている謎の組織であり、交錯する事は殆どない。
大体の概要は先述の概要とほぼ変わらない(というより詳細を語られない)が、科学ADVの敵らしく、様々な科学技術を用いた非人道的陰謀を遂行している。

作中では主に電磁波研究たるプロジェクト・ノア(人類牧場化計画承認第86号計画)及びプロジェクト・アトゥム(人類牧場化計画承認第114号計画)と、
時空間転移実験のZ programを最優先課題に設定している。



以下、科学ADVシリーズ各作品や派生作品の根幹に触れた内容です! 未プレイの人は注意! できればブラウザバック推奨



Chaos;HEAD』2009年

希グループ社長・野呂瀬玄一を操る二人の男、明和党議員の猪鼻耕三、天成神光会教祖の倉持雄大が属する組織として登場。

彼らはニュージェネレーションの狂気や渋谷地震など、一連の事件を引き起こした黒幕だが、
後に二人が秘密結社300人委員会のメンバーである事が明かされる。

委員会を出し抜く事を考えていた二人は、野呂瀬すら手駒として扱っていたが、実は野呂瀬が彼らを出し抜いていた。

と思いきや、委員会本体は彼らの裏切りすらお見通しだったようである。ややこしい。
委員会の目的は、コードサンプルであるギガロマニアックスの収集と、電磁波で人間を洗脳する沈黙の兵器「ノアⅡ」の起動実験。
最終的に黒幕3人は仲間割れしたりタクに倒されたりで死亡。委員会自体は何も言及されないまま、物語は幕を閉じるのだが……?


CHAOS;HEAD NOAH

追加シナリオである蒼井セナルート『デウス・エクス・マキナ』でまさかの直接登場。
サードメルトで崩壊した瓦礫の中、拓巳とセナ、セナの父である羽多野は一つのモニターを発見。
モニターには突如文章が表示され、その書き手「禁(0漸V・$」は300人委員会を名乗り、驚愕の事実を明かす。

「禁(0漸V・$」は語る。
この世界はMMORPGの様な存在で、拓巳たちはNPCかプレイヤーキャラ、委員会はゲームマスターであると。
猪鼻と倉持は委員会のメンバーであると思わされていたに過ぎないと。

そして、ゲームマスターはそちらの世界に直接介入出来ないため、
拓巳とセナへチートコード(拓巳のディソード)と家族の復活を保証する代わりに、世界に発生したバグ(ノアⅡ)の消去を依頼する。
チートと聞いて拓巳はやる気を出し、セナと共に目的地へ向かう。

残った羽多野はモニターにチャット越しで「人類牧場計画」について問いかけるが、
「委員会の存在を知った者に対するる口封じ」として消されてしまう。

紆余曲折を経て拓巳とセナも、ノアⅡを破壊して命を落とす。
ED後。ブラックアウトした画面の向こう側で、チートコードとされた「あるモノ」を抱く、聞き慣れた女性の声が。
彼女は何処かへバグの排除成功を報告。デバッガの役目を終了し、監視者に戻る旨を伝えるのであった……。

ライターの林氏によれば、委員会が本当に上位世界の存在なのか、
チャット越しに彼女が「禁(0漸V・$」を演じていただけなのかは想像に任せるとの事。

この「真の300人委員会」の存在については詳細不明。
他作品では言及されておらず、ファンの中でも最大の謎の一つとなっている。

科学アドベンチャーシリーズの世界が「電気仕掛けの世界」であることが様々な場面で仄めかされており、
「混沌の扉」で岡部が語った妄言(ほぼ実現化してる)の中で最後に残っているのは、「この世界は量子コンピュータの中」だったりするのだが……。


Steins;Gate』2010年

厨二病の鳳凰院凶真は闇の勢力「機関」について度々言及する。
これは本人もお遊びの妄想と捉えていたが、後に実在する事を知るのだった。

α世界線の行く末は、タイムマシン開発に成功したSERNによるディストピア。
だが、その背後に居るのは世界を統べる300人委員会だった(語られる未来社会も、300人委員会の目指す管理社会に似ている)。
また、ハッキングで閲覧出来るメールから、SERNの遂行するタイムトラベル計画「Z program」は"委員会"直々の認可を受けた謀略であった事が判明する。

しかし、岡部がシュタインズ・ゲート世界線に到達する事で、
タイムトラベルに連なる陰謀は立ち消え、SERNはタイムマシン計画を断念する事になるのであった。
アニメ版は"機関"の陰謀により、「委員会」や「エシュロン」といった単語は登場しない。

ちなみに、β世界線のその後を描いた『Steins;Gate 0』では、委員会こそ登場しないものの、
SERNとラウンダーはタイムマシン論文が入ったPCを血眼になって探索している。
陰謀論で有名な民間諜報機関、ストラトフォーも登場するが、委員会との関係性は不明。

暗黒次元のハイド

γ世界線。オカリンが世界線変動率2.615074%に跳ばされる悪夢の物語。
この世界線では委員会の陰謀により、2000年問題が2000年クラッシュなる大規模災害の引き金となり、岡部はラウンダーの一員となっている。
そして、未来で彼は300人委員会の一員となり、ラウンダーのトップに君臨する神「鳳凰院凶真」と自らを神格化して人々に崇敬されることになる


CHAOS;CHILD』2015年-2016年

シリーズ4作目だが時系列では3作目。
パッケージ裏で「暗躍する300人委員会」と書かれるまでになった。
本編では久野里澪等が彼らについて言及している。

舞台設定がロボノで意味を持つ2015年のため、「15年クラッシュ」やアポカリプティック・サウンド、
『機動バトラーガンヴァレル』について会話やTIPSで触れられている。

2009年の渋谷地震以降、委員会はギガロマニアックス研究を凍結。
しかし、希テクノロジーやAH総合病院に所属していた研究員達は自主的に研究を続行。

その内の一人、佐久間亘が委員会復帰へのメッセージを送るべく、
「妄想で産み出された少女」と手を組んで引き起こしたのが「ニュージェネレーションの狂気の再来」であった*1

その少女も委員会のメンバーではないが、委員会から指令を受けて能力者達を殺し回っていたようである。統和機構か。
ちなみに、渋谷地震以降、委員会は「次の計画」に移った事が示唆される。

香月華ルートでは顧問の和久井修一が300人委員会のメンバーと判明(それを拓留に教えてくれるのはなんとナイトハルト)。
しかも、和久井は最強のギガロマニアックスだったのである。

妄想で産み出したドラゴンが既に衆目を集めてしまった事から、
彼は委員会の排除対象となった主人公達を追い詰めるが、「超強い力士シール」に敗れる。
制御不能の化物を産んだ主人公達は、委員会から「世界の敵」に認定されるのであった。

Trueでは委員会を追う久野里と拓留の前に和久井が登場。
本作のトリック要素でもある「カオスチャイルド症候群患者」を用いて、渋谷をワン・ワールド・オーダーの実験場にしようと企んでいた。
その内容は「事件を利用した、被支配者層(症候群患者)に対するストレステスト」というトンデモない代物。

しかし、和久井が実行に移す前に佐久間が「ニュージェネの再来」を実現。その過程を追っていた和久井だったが、
本物のギガロマニアックスである宮代拓留が全てをぶち壊したため、和久井は「序列」を大幅に下げられた。
そのため、「次の世界」に残れない可能性を危惧し、拓留にある賭けを迫る。本作屈指の燃えシーン。
この事件を以って、委員会はギガロマニアックスから完全に手を引く事になる。

なお、久野里と共に本作でも「彼女」が登場するが、委員会メンバーとしての側面を見せる事は一切無かった。


Robotics;Notes』2019年-2020年

シリーズ3作目だが時系列では4作目。
遂に委員会の策謀が社会にも見える形で世界規模に展開。委員会も黒幕の向こう側では無く、明確な敵対組織として暗躍する。
2012年以降、太陽磁気嵐が活発化する現象を利用し、300人委員会は太陽嵐を用いた50億人抹殺計画「プロジェクト・アトゥム」を決行。
引き起こされた15年クラッシュは、人口削減には失敗したものの、各国首都に大打撃を与えた。
ウミショーは委員会の陰謀を告発した『君島レポート』探索に奔走する事となる。

プロジェクト・アトゥムは電磁波研究と太陽嵐発生による60億人抹殺計画であり、タヴィストック研究所が主体となって動いている。
アトゥムとは別に「プロジェクト・マルス」と呼ばれる計画も画策され、こちらはロボットの技術革新に関するもの。
地球人類を10億人まで削減した後、社会を支える基盤として人型ロボットが選ばれた。

2019年に関東地方を襲った太陽嵐により、
東京の首都機能が停止すると共に、太陽嵐対策を施されたロボット達が暴走。永田町や霞ヶ関の襲撃へ向かい始める。
海翔の活躍で反乱は収まるも、太陽嵐の直撃は国際宇宙ステーションの落下まで引き起こした。

2020年、東京万博のお台場会場がエグゾスケルトンのロボットにより破壊。
その後、グランドオベリスクなる軌道エレベーターが突如出現し、史上最大規模の太陽嵐が発生。お台場は崩壊した。
しかし、それは沈黙の兵器による幻と、タヴィストックによる巧妙なプロパガンダが作り出した虚偽の事件だった。

そして、黒幕は種子島の発射前ロケットにSERNから盗み出したBHB(ブラックホール爆弾)を詰め込み、人為的な太陽嵐を引き起こすべく、動き出す……。



番外『Occultic;Nine』(漫画版)

とある人物が300人委員会のエージェントだと明言されており、エピローグでは彼らがすべての後始末をすることになった。



関連組織・施設・兵器

沈黙の兵器
陰謀論で語られる、大衆のマインドコントロールを実現させるための装置。
ギガロマニアックス研究から得られた電磁波技術を用いて建造されている。
『CHAOS;HEAD』ではノアⅡが、『ROBOTICS;NOTES』ではNIV(おそらくノアⅣ)がそれぞれ登場する。

希テクノロジー
ノアⅡを建造した企業。社長は野呂瀬玄一。
翠明学園も傘下に置かれており、ギガロマニアックスが渋谷に集結しているのも偶然では無かった。セナルートで本社に突入出来る。
沈黙の兵器建造にタヴィストック研究所の技術供与があった事が『ROBOTICS;NOTES』で語られる。

天成神光会
カオスシリーズの登場人物に多くの傷跡を残した新興宗教団体。
教祖は倉持雄大。合言葉は「信仰の救いあれ!」。信者は皆洗脳されている。モデルは……。

明和党
作中の与党。猪鼻耕三が衆議院議員を務める。
天成神光会と結び付きが強いなど、何処かの政党を思い起こさせる。『シュタゲゼロ』で強制捜査が行われる。

AH総合病院
『CHAOS;HEAD』『STEINS;GATE 0』『CHAOS;CHILD』に登場する代々木の医療機関。AHはアークハートの略。
シリーズを追うごとに「いい加減にしろよ」と声が上がる程の真っ黒な病院であることが判明していき、
ギガロマニアックスへの拷問から、新型脳炎患者(実はリーディング・シュタイナー発現者)に対する実験などを行っている。
が、『CHAOS;CHILD』trueルートで遂に職員の総入れ替えが行われた。

SERN
欧州原子核機構。フランスとスイスの国境にある研究機関。
LHCを用いた素粒子実験を行っているとされるが、裏ではブラックホールの生成に成功しており、タイムトラベル実験(Z progam)を行っていた。
上層部のSERN評議会は300人委員会と繋がっている。傭兵部隊「ラウンダー」を手足に、データ保持の要となるIBN5100を探索している。
計画の凍結後、『ROBOTICS;NOTES』ではBHBを盗まれ……。
モデルになったCERNは、ネット上でタイムトラベル研究を行っていない事に触れ、岡部倫太郎に言及するなどお茶目な一面を見せている。

エシュロン
米国の国家安全保障局(NSA)を主体に運営される世界的盗聴システム。
及びそれに参加する米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5ヶ国(アングロサクソン国家)による地球規模の防諜網。
このシステムに捉えられたDメールをSERNが発見する事で、α世界線のディストピア世界が始まる(例外も一応あるが)。
ちなみに米国は「そのようなシステムは存在しない」と「陰謀論」扱いしているが、欧州議会は存在を確実視している。

ヴィクトル・コンドリア大学
アメリカの理工系大学。
精神生理学研究所(レイエス教授)は全作の根幹となる設定「VR技術」を確立。希テクノロジーも出資していた模様。
牧瀬紅莉栖比屋定真帆は脳科学研究所(レスキネン教授)所属。
委員会、国防総省、ストラトフォーなど様々な勢力が蠢く魔窟。しかもVR技術は特許侵害されまくってる。

ストラトフォー
ストラテジック・フォーカスト社。「影のCIA」と呼ばれる米国の民間諜報機関。
ロシアの核ミサイル調査やイラク戦争工作を実行したと言われる。何故か東京電機大学の地下に拠点がある。
『0』ではラウンダーやDARPAと敵対。世界と戦争の管理を目的として行動している。
モデルはストラテジック・フォーカスティング社。

DARPA
国防高等研究計画局。アメリカ国防総省の技術部門。タイムマシンの設計図を狙って、ラウンダーやストラトフォーと敵対する。

タヴィストック研究所
正式名称は「タヴィストック人間関係研究所」。大戦中に対ドイツのプロパガンダを行ったイギリスの研究機関が母体。
陰謀論界隈では洗脳研究を推進する300人委員会傘下の組織として有名。
ロボノにおける敵対勢力で、モノポールや太陽嵐についての情報を秘匿し、世界に向けてプロパガンダ工作を行っていた。
特別顧問に財界有力者のミゲールじいさんミゲール・サンタンブロッジオが就任している。

エグゾスケルトン・デベロップメント
強化外骨格(パワードスーツ)HUGの開発企業。2019年における大学生の就職したい企業No.1。
『君島レポート』では、ここ数年で飛躍的発展を遂げた企業は全て委員会の息が掛かっていると示唆されている。

NASA
アメリカ航空宇宙局。ユリシーズ計画の凍結やモノポール発見の否定はタヴィストックからの圧力とされているが、
実は創設当初から委員会の傘下にある組織だった。

HARRP
米軍が運用する気象観測施設。陰謀論界隈では人工地震を引き起こす地震兵器と囁かれる。
作中では300人委員会の計画に組み込まれ、太陽嵐の極大化に利用された。

フリーメイソン
『STEINS;GATE 0』で触れられた秘密結社。陰謀論では世界支配のネットワークとされる。
「アマデウス」の由来であるモーツァルトが所属していた事からTIPSでも触れられている。

イルミナティ
『ROBOTICS;NOTES』で触れられた秘密結社。バイエルン王国で結成された宗教団体。
「かごめかごめ」との関連性が話題になった際、委員会と同じく世界を支配する組織として言及された。
終盤で「かごめかごめ」は日本の民謡では無く彼らの曲であること、イルミナティは300人委員会の下にあり、共に1700年代に結成されたことが示唆される。

反物質委員会(?)
2016年の未来ガジェット研究所を舞台にした小説STEINS;GATE -The Committee Of Antimatter-で登場する「はず」とファンが妄想する組織。
そもそもタイトルの直訳であり、こんな組織が出るかどうかも分からない。後述の反300人委員会がこれという説もある。

本作はビシィさん梨深や澤田キュンが登場する事が示唆されており、
カオへ、シュタゲ、ロボノの合流作として期待されていたのだが、まさかの発売中止という憂き目にあった。

ファンは本作品で拓巳&ギガロマガールズとラボメン、澤田が反300人委員会(=委員会に反旗を翻す者たち)として結集するのだ!と妄想している。
千代丸出してくれ。

志倉千代丸「もろもろの事情により、(本作の内容を今後描くことは)いまのところありません。
      個人的には、そんな“もろもろの事情”を発言したいタチなのですが、
      “機関”という名の弊社広報によって、確実になかったことにされてしまうので、控えます……。

……おのれ、機関め!




もしもし、俺だ。なにぃ……? 委員会に関する追記・修正を俺に任せるだと?
くっ、仕方ない……。ならば、この鳳凰院凶真が、世界の支配構造を明らかにしてみせようではないか!
フゥーハハハハハハハ!!!!

では、エル・プサイ・コングルゥ……。


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最終更新:2024年01月11日 03:22

*1 なお、少女には別の目的があり、元研究員もそっちの「面白さ」を優先していたようだが。