坂本ですが?

登録日:2016/03/17 (木) 17:52:16
更新日:2024/03/18 Mon 16:30:21
所要時間:約 10 分で読めます




県立学文高校1年2組。
ここに、入学早々学校中の注目を集める生徒がいた。

名前は、坂本。



『坂本ですが?』とは、Fellows!とHartaにて連載されていた佐野菜見(さのなみ)の漫画。
高校1年生でありながら、先輩や教師、町内の人々をも魅了するクールな――クーレストな謎の青年、坂本の高校生活を描く。
シュールな雰囲気と端正な絵柄で人気を獲得した作品。単行本は全4巻。佐野菜見はこの作品が初の単行本である。
最終巻が発売された2016年の4月から6月までTVアニメ版が放映された。



◇登場人物
  • 坂本
CV:緑川光
本作の主人公。七三分けにメガネで長身。
容姿端麗、気配り上手、身体能力も人間じゃない申し分ないスーパークーレスト高校生。
テーブルマナーなどにも精通しており、博識かつ頭脳明晰。
もはや主人公補正を限界突破してかけられまくった何かである。久保田の母親いわく、「韓流スターのチョン・チョリソー似」。
学文高校1年2組在籍。出身中学校は私立イノセンス学園らしい。
それ以外の出自や家族構成などのデータは全て謎に包まれている。ファーストネームも不明。同級生にも公表していないようだ。

大人に混じっても違和感のない大人びた雰囲気を持ち、女子高生だけでなく、
久保田の母親や保健室の先生などなど、虜にした女性は数知れず。しかし童貞。
また、男性も坂本に対抗意識を燃やしたり、罠を仕掛けたりするのだが、最終的にはそのウルトラハイスペックさと強運に圧倒されるか憧れを抱く。
鋭い観察眼、読心術的スキル、即時の判断力も常人とは比べ物にならず、幾度となく窮地を脱している。
しかしその反面、天然、悪く言えば世間知らずともとれる発言が少々見られる。
また、常にクールでありつつ、とんちや皮肉の利いた反応、辛辣な対応をすることも。
他人には親切だが、親しい人間に害なす者などには鋭い視線を向ける。それ以外は微笑むくらいで、表情の変化はあまりない。

そして、彼に関して忘れてはならないのが「秘技」の存在である。
あらゆる手段を使って人を改心させることを信条とする彼は、これにより確実に対象を改心させる。
周囲にある物を使い、その卓越した身体能力と判断力によって誰にも真似できない技を生みだす。たまにショボいのがあるとか言ってはならない。


例)
  • 反復横跳び ≪レペテイションサイドステップ≫(第1話)
クラスの不良3人組に目を付けられ理科準備室に閉じ込められた際に、彼らの煙草によってボヤが発生し、坂本が発動した秘技。
反復横跳びの要領で風を起こし、火を消している……と思われたが、実際は真下の職員室に危機を知らせるため騒がしくしていた。

  • 火事場の無重力(第8話)
火災の避難訓練中の秘技。
抜き打ちの訓練がある事を忘れ、授業中トイレに行って取り残されたあつしを、
坂本が水道ホースをロープ代わりにしカーテンを結んだ即席救助ネットで窓から降ろす。
そして自身はホースとカーテンの即席パラシュートで3階から脱出、周囲を安堵させた。
この技は絶対に真似してはならない。現実でやったら死にます。



【1年2組の面々、関係者】
個性的な面々が揃っている。

○男子
  • 久保田吉伸
CV:石田彰
天然パーマ、太っており背も低く、ニキビ面。頭も悪いため坂本とは対照的。
初登場時は気が弱く、不良3人組に利用されていた。後にメインで登場、別の不良二人組にカツアゲされている現場を坂本に目撃される。
その後、何度も母をごまかし金を出していたことを坂本に明かし、助けを求める。
坂本の力を借りながら、最後は自分の力でお金と誇りを守り切った。

以後は明るくなり、ヘアスタイルも考えるようになると同時に、坂本と一緒にいることが多くなる。
普段は一人で行動する坂本も久保田のことは良い友人として認識しているようで、
第10話で久々(?)に久保田が不良に絡まれて髪を全剃りされた時には、彼のアイデンティティを取り返すと言い残し、不良の元へ向かった。
その後は改めて髪を伸ばしストレートパーマをかける。不良にすごまれても動じない精神力も身についた。

  • 久保田の母親
CV:くじら
息子そっくりのお母さん。久保田に家庭教師を頼まれて家に来た坂本に一目惚れし、久保田家は家庭崩壊の危機に陥る。
執拗に坂本を追いかけ、一度は坂本の機転(『坂本は仮想世界の人間』と思いこませた)で諦めたが、
三者面談で坂本が久保田と仲良くしていることを担任が言ってしまう。
彼がこちらの世界に戻ってきたと確信した彼女はある日、大胆な行動に出た……


  • 瀬良裕也
CV:森久保祥太郎
ナルシストでオシャレ(自称)。
ファッション雑誌に読者モデルとして載ったことを自慢して、クラスの女子をウンザリさせている。お調子者だがビビり。
女子から人気を集める坂本をライバル視していたものの、彼の能力の前でそのプライドはズタズタに。
しかし坂本に窮地を救われ、面白キャラとしての人気の活路を見出し、お笑いを始める。
また、話が進むにつれて、初期には締まっていた腹が盛大にたるんでいる。


  • 森田、安田
CV:前野智昭(森田)、鈴木達央(安田)
なんとなくチャラい2人組。文化祭の際、準備に気が乗らず、準備を進められていない周囲を冷やかしてばかりいた。
坂本がクラスメイトに様々な案を提示したことで活気づく教室を面白くなく感じ、揃って教室を抜け出す。
その後、突如現れた深瀬に唆されて騒ぎを起こし、坂本の信頼を落とそうとする。
機転を利かせて坂本が信頼を保った後は、彼に諭され改心した。



【不良3人組】
  • 前田あつし
CV:杉田智和
3人の中ではリーダー的な立ち位置。
第1話で坂本をあの手この手で陥れようとするも失敗し、坂本に憧れを抱く。北海道育ちの、素直で根はいいやつ。
自分より強いものに簡単に服従したり、無理をして悪ぶったりする傾向がある。
坂本とは(一方的に負けるが)喧嘩もしながら、なんだかんだで仲の良い関係を築いていた。
しかし、坂本の足元にも及ばない自分にだんだん苛立ちを覚えるようになり、終盤でついに……

  • ケンケン、まりお
CV:武内健(まりお)、檜山修之(ケンケン)
あつしのヤンキー仲間2人。やはり根はいいやつ。
影は薄いが友人思いで、あっちゃんの様子がおかしい時には心配したりしていた。



○女子
  • 黒沼あいな
CV:堀江由衣
クラスの男子のアイドル。可愛い見た目とは裏腹に計算高く、ぶりっこ。
故にクラスの女子には好かれていなかったが、後に坂本の画策によってクラスメイトとの距離が縮まる。
他の女子生徒と同じく坂本に恋しており、中でも彼女は積極的にアタックするが、坂本は全くなびかなかった。
その後も坂本に恋心を抱き続け、恋愛スキルと女子らしからぬ身体能力で坂本に近づこうと努力している。
じつはものすごい怪力。他の女子と打ち解けた後は、馬鹿力をネタにいじられるようになっている。
イエティーらしき影を見た際「お手合わせ願います!」と言い、「素が出てる」と指摘された。


  • 八木
CV:生天目仁美
あいなを嫌っていた女子。しかし坂本の画策で距離を縮めて以降、田中も交えた3人で親しく話すことが増えた。
体育祭のリレーにて、坂本からのバトンを受け取ることに失敗し、落としてしまう。
クラスに居づらくなりそうになり窮地に陥るも、ある人物に捨て身で助けられ事なきを得た。


  • 田中
CV:藤田咲
あいなを嫌っていた女子。田中の友人。影は薄い。


  • 藤田恵
CV:中原麻衣
1年2組の委員長。気は弱いが真面目な良い子。クラスメイトの様子を記録するカメラ係もしている。
坂本の写真が欲しかったが言い出せず、彼を盗撮していた。
しかしある日、彼にまとわりつく悪霊が写真に写り込み、怪奇現象までもが多発するようになり、困惑することになる。
悪霊事件の解決後は、坂本に「目線お願いします」と言えるようになった。
加えて、写真を焼き増ししてクラスの女子にあげたりもしている(しかし家には秘蔵コレクションを腐るほど所持している)。


  • みーちゃん、エリカ、カナ
CV:植田佳奈(みーちゃん)、高橋美佳子(エリカ)、田村ゆかり(カナ)
藤田の友達。みーちゃんは気が強く、委員長に代わって意見を言うこともある。



【教師陣】

  • 小林茂
CV:矢部雅史
2組の担任。高齢な見た目だがアクティブで、アマゾンやアフリカにツアーに出かけるなどしている。
昔スズメバチに刺されたことがある。再び刺されれば次はないと言い、スズメバチを恐れている。
彼もまた驚異的な身体能力の持ち主だが、坂本には及ばない。


  • 角田
CV:中田譲治
風紀指導担当。教科は保健体育。生徒からは「角セン」と呼ばれる。
校門に立って朝夕生徒を見ているが、いつもこれ見よがしのギリギリ登校を行う坂本を敵視する。
しかし彼がどう頑張っても、坂本の風紀の完璧さ、器の大きさに感服させられるばかりであった。
角刈りで色黒のがっしりとした体。その自慢の角刈りの揃いぶりは坂本によって定規に代用された。
角刈りがアクシデントで風の前の塵になった際は、突然のことだったのもあるが、春の世の夢の如く呆然としていた。


  • 保健室の先生
CV:行成とあ
小太りの女性。坂本に好意を持っているような描写あり。
単行本のおまけ漫画で、坂本が熱を出して保健室を訪れた時、
「そこのベッドでしっぽりと……」と言いかけたものの、坂本は華麗にスルーして保健室を後にした。



【先輩ヤンキーたち】
ひと気のない階段の踊り場を亜路斗(アジト)にして、よく集会を開いている。

  • 8823(ハヤブサ)
CV:遊佐浩二
2年生。名前は翔(しょう)。金髪ツーブロックのイケメンで、頭も切れる人物。
人望は厚く喧嘩も強い、学文高校のヤンキーの実質トップ。
同年代のヤンキーを総括し、学文の後輩ヤンキーは彼に憧れ、よく頼る。坂本には及ばないが、女子からの注目も高い。
丸山が坂本を怖がるようになったため、示しがつかないとして勝負を挑もうとした。
坂本は意に介さなかったが、後輩ヤンキーが独断で久保田の頭を全剃りして焚き付け、坂本を勝負の場におびき出す。
最終的には勝負にも人間的にも坂本に敗北し、後輩の勝手な行動を知った。
元々義理堅いため、後輩と一緒になって久保田の家に謝りに行った。
母親を亡くしており、父の家事を手伝いながら3人の弟の面倒を見るなど、家族思いの一面も。


  • 丸山
CV:稲田徹
2年生。周りをよく見下し、2年生を仕切っている8823を快く思わない。
1年生の教育係。しかしその「教育」の実態は1年生を扱き使うこと。
後輩をパシらせることによって快適に高校生活を過ごそうとしていたが、
坂本の「おもてなし」によって心を入れ替え、自ら進んで行動するようになった(坂本は純粋に丸山をもてなしていた模様)。
後に坂本を見るたび、「おもてなし」の悪夢がよみがえり嘔吐感に苛まれ、坂本を怖がるようになる。



  • 深瀬
CV:岩田光央
本作のラスボス。赤目で一見優男風のイケメン。作中で唯一、出ると尽くシリアス展開になる男。
学文高校のヤンキー全員に恐れられ、8823でさえ手も足も出ない3年生。実年齢などのデータは不明。
「留年している」「三十路を超えている」「バツ2」「人間として輪廻転生を100万回繰り返した」「IQ180」など様々な噂がある。
IQ180であるという噂については、頭のキレる8823も肯定している。(三目並べのタイマン勝負で勝ったことがないため)
普段は学校に来ない。時たまフラリと現れては、学校の人気者の居場所を奪う「ゲーム」を、暇つぶしと称して仕掛けてくる。
しかしそれは周囲の人間の心理を利用するもので、自らの手は汚さない。学校で人気者の坂本にも、やはり魔の手が及ぶこととなる。
また、坂本についての質問への返答を拒んだ8823には、制裁を加えようとするなど残忍な性格である。
文化祭では森田、安田を唆して坂本を陥れ、一時は1年2組の大半が坂本に不信感を抱く状況を作り上げた。
この一件は、初めて坂本が後手に回って、状況を打開せざるを得なかった事件でもあり、余計こいつの悪辣さが目立つ。
文化祭では彼を陥れることに失敗したが、坂本に追いつけず苛立つあつしを言葉巧みに利用する。
そして卒業式の日、彼がIQ180という噂があるにもかかわらず、学校を卒業しないでいる理由が判明。
それは彼にとって卒業後の人生とは、何一つ光も見えぬ夜の海であり、入ったら最後、藻屑となるものだからである。
それを知らず、希望というまやかしを頼りに、一歩を踏み出す卒業生達を蔑視している。
そのため、毎年の卒業式中は保健室で休むが、卒業生退場の時には戻り、檀の下という特等席から、退場する愚かな卒業生達を見るのが最高にオツとのこと。

そんな彼も、今年の卒業式では坂本の手によってついに…。



秘技≪追記・修正≫

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最終更新:2024年03月18日 16:30