クリス・ジェリコ

登録日:2012/09/03(月) 11:42:22
更新日:2022/04/09 Sat 10:27:55
所要時間:約 7 分で読めます




「Welcome to RAW is JERICHO!」




◆クリス・ジェリコ

クリス・ジェリコ(Chris Jericho)は1970年11月9日生まれのカナダ出身のプロレスラー、ミュージシャン、俳優。
本名クリストファー・キース・アーヴァイン(Christopher Keith Irvine)。
父親はホッケー選手で、アスリート一家に育ったと記載されている。
子供の頃の夢はプロレスラーとロックミュージシャンで、その両方の夢を叶えてしまった稀有な才能の持ち主。
WWEスーパースターとしては最高峰に位置する一人ながら、積極的に有望な若手の壁役を買って出たりタイトル戦線で負け役を演じたり、
大物ゲストが登場した際の憎まれ役となる等、実力派の腰抜けキャラのトップヒールとして君臨。
ショーマンシップからストロングスタイルまで、あらゆる相手に対応出来る名人として親しまれている。


【人物】

1990年に地元カナダでデビューするも、団体が崩壊した事からメキシコに渡り、現在の源流となる空中技を身につける(メキシコでのリングネームはコラソ・デ・レオン)。
その後、日本に渡りメキシコ名の英語読みであるライオンハートとして黄金期のWARに参戦。
ガイジンでありながら理不尽大王の名前で親しまれた冬木弘道に追随し、現在は新日本で活躍する邪道、外道と共にライオン道を名乗り活動もしていた。
WARが新日本と抗争(と云う名の提携)をしていた縁から新日本プロレスのスーパーJr.に参戦。
コーナーポストに両者が立ってからの雪崩式フランケンシュタイナー等の度肝を抜く動きにより注目を集め、タッグタイトルも獲得している。
新日本プロレスには定着する予定もあったのか、96年の1.4東京ドーム大会にてスーパーライガーとして出陣……金本浩二を破るが、
結局は96年以降は米マットを主戦場にする様になった。

ECWを経てWCWに定着したジェリコは、同じく日本マットを経験したエディー・ゲレロやクリス・ベノワらと好勝負を展開……その実力を知られる様になるも、
当時のWCW副社長エリック・ビショフら首脳陣が大型のヘビー級選手やストーリー重視のドラマ路線を重要視している事に腹を立て、
99年にいち早くWCWを離脱してWWF(WWE)に移籍。
当時話題になっていたY2K(2000年問題)に引っ掛けたY2Jのニックネームで登場し、まずはザ・ロックとの抗争を開始して再スタートを切る事になった。

01年にWCWが崩壊し、大量の元WCW勢が入り込んで来る中でジェリコも連日好勝負を連発。

……そんな中、WCW王者ザ・ロックとWWF王者ストーン・コールド・スティーブ・オースチンを一夜で倒し、両団体のベルトを統一。
初代統一ヘビー級王者となる。
尚、この統一王者時代に行われた古巣でもある日本公演にてヒールの立場ながらロックを破り同王座の防衛に成功しており、
本人は故郷に錦を飾ったとの思いもあり、感無量であったとの事。

王座転落後は主にインターコンチネンタル(IC)王者やタッグタイトルを巡る戦いにて有望な若手の 壁役を演じており、これは現在でも変わっていない。
現在のWWEの大エースにまで成長したジョン・シナらもWWE本隊に合流した直後はジェリコの胸を借りた選手である。
その他、大物ゲストが登場する際の憎まれ役を演じる事も多く、一度頂点を極めたレスラーとしてタイトル戦では負け役となる等、
一線を退いた仕事人として活動(本人は元々世界チャンピオンにまでなろうと思っていなかったらしい)。
正にWWEには欠かせないスーパースターへと成長したが、有名プロレスラーでありながらもヘヴィメタルバンド「FOZZY」のヴォーカルとしても活動。
3枚目のアルバム発表時まではムーングース・マックイーン(Moongouse McQueen)の偽名を名乗りファンの混乱を避けていたが、
本人の中でバンド活動への意欲が高まった事から05年にWWEを離脱。
「FOZZY」としてツアーを行うなど、歌手活動に専念していた。

しかし、07年にシナとHBKがTVマッチで行ったストロングスタイルの試合を見て衝撃を受け、本来は自分がああ云う仕事をするべきじゃないかと強く感じると共に現役復帰を決意。
同じカナダ出身の先輩であるベノワが逝去し、不幸な最期を迎えていた事もあってか、親交のあったジェリコは年末に復活した際に観客からベビーフェイスとして迎え入れられる。
後にヒールに戻ったものの、この復活以降の活動でもう穫る必要は無いと思っていた頂点王座である世界ヘビー級王座に返り咲く。

ベテランになってからも衰えぬプロレスセンスと類希なるタレント性により新世代のWWEスーパースターの壁役として活動している名人である。

……以降は、公然の秘密となったバンド活動とWWEを交互に行き来していたのが……

2017年11月5日、以前からTwitterで示唆していた通り新日本プロレスに参戦し、東京ドーム大会でケニー・オメガの持つUSヘビー級王座への挑戦を表明。2018年1月4日はノーDQマッチでケニー・オメガの対決、パイプ椅子への片翼の天使に敗れた。その後、「二度と日本になんか来るか!」などとコメントしていたが、そこは伝統芸、翌日の後楽園ホール大会で内藤哲也を襲撃。さらに5月4日の福岡大会でも襲撃。そして6月9日の大阪城ホール大会でIWGPインターコンチネンタル王座戦に挑み、レフェリーのブラインドを突いたローブローからのコードブレイカーでベルトを奪取した。11月3日には内藤と同じユニットであるEVILとベルト戦に臨み、ウォールズ・オブ・ジェリコで勝利した。
2019年1月4日の東京ドーム大会で再び内藤哲也とノーDQでベルト戦に臨むも、内藤のベルトでの殴打からのデスティーノに散り、ベルトを失った。

2019年1月8日、予てから噂されていた試合数を押さえることで危険技の解禁と試合のクオリティの維持を掲げ、WWEに行きたくないレスラー達からも注目されていた新団体AEWの記者会見にて、同団体への参戦が発表となり、WWEのホームページからも名前が消える。その後、6月9日には新日本プロレス大阪城ホールでオカダ・カズチカとIWGP王座を懸けて対戦。オカダがジェリコを上から抑え込む強引な丸め込みで勝利。そこから解説席にいた棚橋弘至を交えての乱闘、そしてマイクなしでの終幕は観客を騒然とさせた。
その後はAEWにて世界王座を初戴冠すると共に初代王者として君臨。
基本的に一歩引いた立ち位置だったWWE時代とは違い、ベテランでありながら自らヒールユニットを結成するなど精力的に活動している。



【得意技】

●ジューダスエフェクト
AEW参戦後の新フィニッシャーで、ローリング式のバックエルボー。
ジューダスは聖書に於ける12使徒の裏切り者である“ユダ”のことで、自らの新テーマ曲に掛けた命名でもある。
その場から回転して肘を叩き込む場合と、走り込んで肘を打ち込むランニング式の2種類がある。

●ウォールズ・オブ・ジェリコ

いわゆる逆エビ固めで、キャリアを通じても最大のジェリコの代名詞にして必殺技。
腰を落とさずに垂直に近い体勢で負荷をかけるのが特徴であったが、最近は相手の上に尻を乗せる等、普通の逆エビ固めと形に大差が無くなってきている。
寝た状態から仕掛けたりと、多彩な入り方が存在しているのが特徴で、ラダーを使用した試合で天辺を利用して相手の背中を反りあげる技もWOJとして扱われる。
“ジェリコの壁”とは有名な聖書伝説の一つであるが、この技の名前の由来はドイツのバンドHELLOWEENのデビューアルバム“Walls of Jericho”からである。

●ライオンテイマー
ウォールズ・オブ・ジェリコの原型となった技で、相手の背中に片膝を押し当てた状態で急角度の逆エビ固めを仕掛ける。
以前はWOJの旧名とされ、実況でも区別されていないが技の特徴には違いがある。
この技は相当に受けるのがキツいらしく、先輩の対戦相手から嫌がられたので通常の逆エビの形に改めていったらしい。

●コードブレーカー

07年に復帰して以降の必殺技で、両膝を相手の顔面に押し付けての飛び付き式の顔面砕き。
NOAHの丸藤正道がROHに参戦した際に見せていた変型アゴ砕き(裏バックスタバー)を顔面砕きに変化させた技。

●エンズイギリ

アントニオ猪木の得意技と知られる飛び蹴りだが、ジェリコはスピードに乗せて走り込む方式で使用。
コードブレーカーやジューダスエフェクトが無い時代にはフィニッシュとして使用していた時期もある。

●ライオンサルト

リング中央に寝かせた相手へのラ・ブファドーラ(ムーンサルトプレス)。
以前は決め技の一つだったが、後に見せ技と化した。
また、ヒール時には割と避けられて自爆している。

●三角跳びドロップキック
コーナー近くのロープをポンポンと跳んでからエプロンの相手に放つ矢の様なドロップキック。
ベテランとなった現在でもキレ味は失われていない。

●ダブルアーム式バックブリーカー
何気にジェリコのオリジナル技で、バックブリーカーにアレンジした三沢式タイガードライバーみたいな技。
WOJへの繋ぎとして使用される。

●フルネルソン式フェイスバスター
背後から相手の両腕を羽交い締めにした状態から、自らも倒れ込みつつうつ伏せに叩きつけていく技。
後にミズがスカルクラッシングフィナーレとして必殺技として定着させたが、実は元祖はジェリコである。

●フラッシュバック
スリーパードロップ。

●連続式パワーボム
意外かも知れないが、若い頃の決め技の一つ。



※米マットでは限られた技のみで試合を組み立てているが、前述の雪崩式フランケンシュタイナー等、以前は高難度の危険技も使用していた。



【異名】

●世界の王(King of The World)
●世界一のレスラー(The best in the world at what I do)
●ハデハデの王(King of Bling Bling)
●ロックンローラーの教祖(Ayatollah of Rock'n Rolla)

※大体が自称だが、ジェリコはセルフプロデュース力が高いのでいつの間にかみんなそう呼ぶようになっているのはご愛敬……愛されているな!





【余談】

※プロレス界屈指の美形レスラーであり、悪役転向以前は女性受けがいいだけのベビーフェイスであった。


※悪役レスラーとしてのキャラクターの元ネタはリック・フレアーらから引き継いだ“狡くて巧い都会派のイケメン王者”と云う、古き良き世界王者像である。


※余りに美しいプロレスをする事から、ファンはジェリコの試合を見ずにはいられないとする“ジェリコ中毒(JERICHO HOLIC)”なる言葉がある。


※リング上でのヒールキャラは無論、全てがアングル(舞台設定、演技)だが心ないファンに襲撃をされる(そして殴り返したり乱闘になったりもする)と云う事件も起きてしまっている。

※ライオン道などとして日本で活動していた時期もあることから、日本語がカタカナ程度なら普通に読める。何ならその辺の外国人より喋れるらしい。

※ライオン道として活動していた時期にともに試合に出ていた邪道、外道とは未だに連絡を取っている。また、日本の試合では筋肉ポーズやサムソンクラッチなど、故・冬木弘道へのリスペクトを感じさせる行動をとる。





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最終更新:2022年04月09日 10:27