名探偵コナン 世紀末の魔術師

登録日:2015/08/02 Sun 08:58:55
更新日:2024/04/18 Thu 22:55:57
所要時間:約 20 分で読めます





世紀末最大の(ミステリー)を解くのは誰だ!?


監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
主題歌:B'z「ONE」*1

名探偵コナン 世紀末の魔術師』とは、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第3作目のタイトルである。1999年4月17日公開で上映時間は100分。興行収入は26億円。


【概要】

コナンの良き協力者の服部平次とライバルの怪盗キッドが劇場版初登場となった作品。
彼らの他にも灰原哀や高木渉など、コナンには欠かせないレギュラー陣が多数初登場しており、灰原はこの作品から劇場版に毎年登場している。
なお、灰原のアニメ初登場は『黒の組織から来た女 大学教授殺人事件』なので、初登場から3ヶ月で劇場版デビューとなった。

キッドとの対決の行方の他に、劇場版では初めて蘭がコナンの正体の核心に迫っているなど見所が多い(ちなみに当時の原作ではあの『命がけの復活』シリーズが連載されており、そこでも蘭がコナンの正体に迫っている)。
今回のタイトルは何気に声優泣かせなもので、コナン役の高山みなみさんからも「言いづらい」とのクレームが寄せられていたらしい。

後にコミカライズ化され、全3巻が刊行*2。新規シーンも追加されている。


【音楽】

ストーリーの関係上、神秘的だったりスケールの大きな楽曲が多め。
また怪盗キッドのテーマが明確に作られたのも今作からである*3
TV版への解禁は前作の時と同じく1時間スペシャルの『空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件』から……だがこの時には1曲しか使われず、
その後2度ほど1話につき1曲ずつ流す変則的な流れを経た後、
本格的な解禁は約2ヶ月後の2時間スペシャル『二十年目の殺意 シンフォニー号連続殺人事件』からとなった。
特にこの映画の終盤、探偵事務所のシーンで流れるBGMや挿入曲『愛はいつも』は『命がけの復活』の『約束の場所(第三の事件の解決編)』において、クライマックスの重要なシーンで使われている。

前作までの楽曲と比較するとTV版では曲自体のスケール感や神秘性が仇となったのか、導入直後から一気に使われた曲は少なめ。
2007年のリニューアルでも楽曲がかなり選ばれており、近年はご無沙汰な曲も多い*4


【ストーリー】

鈴木財閥の蔵からロマノフ王朝の秘宝「インペリアル・イースター・エッグ」が発見され、それと同時期に怪盗キッドからそれを盗み出すという予告状が送られてくる。
今回発見されたエッグは通算51個目のエッグで、古い資料によると「メモリーズ・エッグ」と呼ばれている代物らしい。
キッドから届いた暗号染みた予告状を、警視庁は「8月22日の夕方から翌日の夜明けまでに大阪城の天守閣から盗みに現れる」と解読し、大阪府警と合同捜査を行う事を決定する。

8月22日、鈴木財閥の会長・史郎から直々に警備の依頼を受けた小五郎は、蘭とコナンを連れてエッグが展示される大阪に向かう。
鈴木近代美術館の前で平次や和葉と再会し、会長室に通される一行。そこにはエッグを狙う人物がキッド以外に4人もいた。
いずれも一癖ありそうな人物ばかりだったが、彼らに席を外してもらい、一行はエッグの実物を見せてもらう。
内部にはニコライ2世が本をめくるカラクリが施されていたが、それが何故「メモリーズ=思い出」と呼ばれているかはあやふやのままだった。

犯行推定時刻まで大阪見物を楽しむコナンたちだが、その最中に彼は予告状の真の意味に気づく。
だが、それが分かったのは犯行予告時刻のギリギリだったため、コナンたちの追跡も虚しくキッドにエッグを盗まれてしまう。
大阪上空を華麗に飛行するキッドだったが、大阪湾上空に差し掛かった頃に突如何者かに狙撃され、海に転落し……!?

エッグは何とか鈴木財閥の元に戻ったもののキッドの生死は結局確認できず、コナン一行は鈴木財閥の所有する船で一路東京へ戻る事に。
その航海中に、エッグを手掛けたファベルジェの工房で細工職人をしていた香坂喜市を曽祖父に持つ女性・香坂夏美から、エッグに関する話を聞く。
するとその話でもう一つのエッグの存在が浮上し、そのエッグが香坂家の所有する城にあると考えた一行は東京に戻り次第その城がある横須賀市へ向かう事を決める。

だがその夜、船の一室で映像作家の寒川竜が射殺される事件が発生。
現場の状況や犯行方法などから、犯人は国際手配されている怪盗「スコーピオン」と断定される。
スコーピオンが2つ目のエッグを狙い香坂家の城にも現れると考えた目暮は、そこでの犯行を阻止するために白鳥をエッグ探しに同行させた。

翌日、香坂家の城を訪れたコナンたちはそこで隠し通路を見つけ、その奥にエッグが隠されていると見て内部を進んでいく。
だが、そこで第2の犠牲者が出てしまい、蘭や小五郎までもが命の危機にさらされる。

冷血な殺人鬼・スコーピオンの正体とは!?そして「メモリーズ・エッグ」に隠された“世紀末最大の謎”とは……?


【事件関係者】

  • セルゲイ・オフチンニコフ
CV:壌晴彦
ロシア大使館の一等書記官。41歳。大柄な体格の男性。
ロシアの財産であるエッグの返還を求めて史郎の元を訪れる。
寒川が所持していた指輪に関心を持っていた1人だが、その指輪が本当にマリアのものだったのか疑問を感じていた。
隠し通路に入るためのパスワード入力にロシア語が使われていたため、入力を任される。

  • 浦思青蘭(ほし せいらん)
CV:藤田淑子
ロマノフ王朝研究家。27歳。誕生日は5月5日。
灰色の瞳を持つ中国人でクールな美女。小五郎が思わず見とれるほどの美脚を持つ。
「ほし せいらん」は日本語読みで、中国読みでは「プース・チンラン」。
研究のためにエッグを買い取ろうと考えていたが、莫大な金が必要だったため泣く泣く諦める事に。

  • 寒川竜(さがわ りゅう)
CV:大塚芳忠
フリーの映像作家。32歳。
エッグの取材のために鈴木近代美術館を訪れていたが、彼もエッグを狙っていた。
船内では女性陣の客室巡りをしていて、出迎えた女性の表情を愛用のビデオカメラで撮影していた。
なぜかニコライ2世の三女・マリアの指輪を所持しており、船内で見せびらかしていたが、その夜に何者かに右目を撃たれて殺害される。
後の捜査で指輪と録画データが無くなっていた事が分かるも、指輪のほうは西野の部屋で見つかった。
中の人はのちに『警察学校編』に登場する教官の鬼塚八蔵を演じている。

  • 乾将一(いぬい しょういち)
CV:大塚周夫
美術商。45歳。
年齢より少々老けているどことなく胡散臭い男で、セルゲイからも危険視されている。だがその予想は裏切らず、ピッキング道具を持ち歩いていた。
エッグの商談のために史郎の元を訪れ、エッグを手に入れられるなら8億出そうと吹っかけていた。
香坂家の城ではコソ泥のような真似をしたが、そこで喜市が仕掛けた防犯装置の洗礼を受け情けなく拘束される。
その件に関して特にお咎めはなかったようだが、その後スコーピオンの正体に迫る重大な光景を目撃してしまい、右目を撃たれて殺害されてしまった。

  • 西野真人(にしの まさと)
CV:宮本充
史郎の秘書。29歳。
眼鏡を掛けた細目の青年。
以前に海外を旅していた事があり、英語、フランス語、ドイツ語を話せる。
温厚そうな人物だが、3年前にアジアを旅行していた時に寒川と出会い、そこで彼の不謹慎な行動を目撃した事で思わず彼を殴った過去がある。
寒川が殺害された後に自室で彼の指輪が見つかった事で最有力容疑者になってしまうが、現場に羽毛が舞っていた事と西野が羽毛アレルギーだった事が理由となり容疑から外れた(ある意味自分を悩ませたアレルギーが、かえって自分を救う形となった)。
ちなみに容疑者の中で西野のみ香坂家の城へは同行していない。

  • 香坂夏美(こうさか なつみ)
CV:篠原恵美
フランスのパリで働くパティシエール。27歳。誕生日は5月3日。
青蘭と同様に灰色の瞳を持つ美女。この瞳の色は曾祖母から受け継いだものらしい(ちなみに祖母も母親も瞳の色は灰色だった)。
船で出会った小五郎に城に眠るエッグの探索を依頼し、それに同行したいと頼み込む人たちも疑うことなく迎え入れた。
幼い頃に聞かされた「バルシェニクカッタベカ」という言葉が今でも耳に残っているそうだが、この言葉は「ヴァルシェーブニックカンツァーベガ」というロシア語が変化したもので、それが秘密通路の扉を開けるパスワードになっていた。
ちなみに意味は「世紀末の魔術師」で、キッドが予告状に使っていた言葉と一致していたが……?
その容姿と性格から劇場版ゲストキャラクターの中では屈指の人気を誇る。

  • 沢辺蔵之助(さわべ くらのすけ)
CV:依田英助
香坂家執事。65歳。
古くから香坂家に仕えている老人で、今は夏美の身の回りの世話をしている。
香坂家の城の構造には詳しく、喜市が仕掛けたカラクリを解除するための鍵も持っていたが、秘密通路の扉の場所までは知らなかった。

  • スコーピオン
ICPOより指名手配を受けている凶悪な強盗殺人犯。その正体は謎に包まれている。
ロマノフ王朝に関する財宝を専門に盗みに入り、また邪魔をする輩は右目を撃ち抜いて殺害する特徴がある。
キッドと寒川が右目を狙撃されていた事から、今回の事件に関わっていると考えられているが……?

なお、スコーピオン(さそり)という通称については、銃の赤いレーザーポインターを、さそり座の恒星で赤く輝くアンタレスになぞらえているものと考えられる。


【レギュラー陣】

ご存知主人公。
難波布袋神社を訪れた時にひいたおみくじの結果で「旅行 秘密が明るみにでます。やめましょう」と出てしまい、思わず蘭の事が頭をよぎる。
その後は白鳥に正体がばれそうになり、彼の事を警戒するが……
ラストの新一はキッドが化けた姿であり、本当の工藤新一としての台詞はコナンが蘭を助けようとして蘭が見た幻影?として重なった際の「らーん」のみであった。

ご存知蘭姉ちゃん。
ふとした事でコナンの誕生日が新一と一緒だと知り、「コナン君はやっぱり新一なのでは?」と疑惑を抱く。

ご存知迷探偵。
史郎のたっての希望で警察の捜査会議に参加。その時は中森やニ課の刑事達の気合いに圧倒されていた。
城の地下で、なぜか蘭とともにスコーピオンに狙われてしまう。

ご存知色黒関西弁探偵。
コナンと共にキッドをバイクで追跡するが、その途中でトラックに接触しそうになり転倒してしまう。
幸い捻挫だけで済む*5もそれが原因で戦線離脱した為に出番が終了したが、漫画版では鈴木財閥の所有する船に乗ろうとして和葉に止められるシーンが追加されている。

ご存知関西娘。
蘭や園子と一緒に「ひっかけ橋」に行くが、そこで彼女たちと大規模な停電に巻き込まれる。

ご存知月下の奇術師。
今回なぜかビッグジュエルではなくエッグを盗み出すと予告状を送りつける。
しかもその予告状の最後に「世紀末の魔術師」と書いており、それらの件に関してコナンは疑問を抱く。
二手三手先を読んでエッグを手中にするが、逃走中にスコーピオンに右目を狙撃され海に転落。
その後の行方が掴めず、生死の確認すらできなかったが……?
なお、彼が連れていたハトも狙撃で羽を負傷するが、コナンが保護した後に蘭の手当てを受けた事で順調に回復へと向かっていた。

ご存知哀ちゃん。
劇場版初登場。
この頃はまだコナンの相棒ではなく傍観者といった印象。
随所で持ち前の賢さを発揮する。

ご存知天才発明家。
今回で初めてダジャレクイズの出題者に。
コナンに頼まれてスコーピオンの情報を調べ、城で会った時にバージョンアップした眼鏡を渡すなどしてサポートする。

ご存知純真小学生。
冒頭で自宅のベランダにキッドが現れ、思わず見とれる。
2つめのエッグを目にした時に出た言葉が、エッグの謎を解くヒントになった。

ご存知探偵団団長。
彼の肥満体型が探偵団を落下の危機から救った?

ご存知天才小学生。
単独行動をとるコナンに対し、「彼には探偵団の一員という自覚がないんです」と不満を漏らしていた。

ご存知蘭の親友。
ロシアの財産となるかもしれないエッグを幼少時に「おもちゃ」にしていたと、さらりとすごい事を言っていた。
2つめのエッグには興味なかったのか、香坂家の城の探索には同行していない。

  • 鈴木史郎
鈴木財閥会長で園子の父親。劇場版初登場。
小五郎と料亭にいた時に停電に遭うが、それは店側の演出だと勘違いして事件に気づかない天然ぶりを見せる。
西野が殺人事件の犯人だと疑われた際には、彼が羽毛アレルギーであると証言した。

ご存知警視庁捜査一課の警部殿。
小五郎の要請で、船で起きた殺人事件の捜査を行うためにヘリでそこに向かう。

ご存知御曹司警部補。
休暇で軽井沢の別荘にいたが、退屈だったという理由で本庁に戻っていた。
そこで目暮と合流して船に向かい、捜査中にコナンと阿笠の電話を立ち聞きする。
どうやらコナンの正体を伺っているようだが……?

ご存知高木君。今作が劇場版初登場。
昨日(今回とは別件の)犯人と乱闘したらしく、それが原因で右目のまぶた付近に怪我を負う。
その事を小五郎に突っ込まれ、思わずその傷を隠したが……?

警視庁捜査二課の警部。
今回もキッド逮捕に気合が入っており、「今度こそあのキザなコソ泥を監獄へぶち込んでやるんだ!」と二課の刑事たちを奮い立てた。だからと言って「エッグは二の次」発言はどうかと思うが……。
そんな中森も、キッドが大阪湾で消息を絶ったと知った時には、生存を信じて夜通しで彼を捜索していた(コミカライズ版)。

  • 茶木神太郎
警視庁捜査二課の警視。
こちらはキッド逮捕には消極的で、エッグの死守を優先して捜査に当たる。
大阪城へ部下を引き連れて張り込んでいたが、そこでキッドに手玉に取られる。
尚、茶木の声優を務めた田中信夫氏は2018年10月17日に死去した為、田中氏が演じる茶木が登場する劇場版は本作のみとなった。*6


【その他の人物】

  • 香坂貴市(こうさか きいち)
ロマノフ王朝の細工職人で夏美の曽祖父。
1900年のパリ万博の時にカラクリ人形を出品した事があり、当時は「世紀末の魔術師」と呼ばれていたらしい。
ファベルジェの工房で職人として働いていた時にロシア人の女性と結婚し、ロシア革命の翌年に日本に帰国して女の赤ちゃん(夏美の祖母、この物語の1カ月前に死去)を授かる。
その後間もなく妻を亡くし、自身もその9年後に45歳という若さでこの世を去ってしまった。
亡くなる前に自身が作成したエッグの図面を残し、1つめのエッグに2つめのエッグの在処を示す暗号を残す。
カラクリ好きであり、横須賀市に残した城にも様々な仕掛けを施している。だが、その城はロシア風ではなく何故かドイツ風建築のもの。

  • Г(ゲー)*7・ラスプーチン
ロマノフ王朝の滅亡の原因を作ったとされる実在の人物。詳しくはWikipediaほかを参照。
香坂家の城で彼と喜市が写った写真が見つかり一時話題になる。
川から発見された彼の遺体は頭蓋骨が陥没し片目が潰れていたそうだが、蘭と小五郎はそれほど詳しく知らなかった。


【余談】

マリア生存説は、本作中でも語られている「マリアとアレクセイ皇太子の遺体は発見されていない*8」という当時の事実を元にしたもの。
その後、2007年になってその2人のものと思われる遺骨が発見され、DNA鑑定の結果、骨はその2人のものであると判明している。
だた、夏美の曾祖母がマリアであったというのはあくまでコナンの推測である為、本当にこの2人が同一人物だったのかは不明である*9

ある人物が放った「馬鹿な坊や……」というセリフは、しばらくキャスト陣の間でも流行ったとのこと。



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最終更新:2024年04月18日 22:55

*1 ギリギリchopのカップリング曲。

*2 劇場版のコミカライズ版はほとんどの作品で全2巻だが、本作と『漆黒の追跡者』だけが全3巻となっている。

*3 それまでは『時計じかけの摩天楼』の『爆破犯人のテーマ』が主にキッドのテーマとして使われていた。

*4 特に『赤い光のスナイパー1』は元々そういう使い方が多かったとはいえ、イントロ部分のみしか作られていない可能性が高い。

*5 漫画版ではコナンが平次に捻挫で済んだ事が奇跡と言っている。

*6 ただし、田中氏自身は『戦慄の楽譜』にてゲストキャラ役で出演している。

*7 「ガンマ」「G」に相当するキリル文字。ラスプーチンのファーストネーム「グリゴリー」のイニシャルで、作中名前はほとんど出されずイニシャルで呼ばれることの方が多かった。

*8 なお、ややこしくなるからなのか作中では言及されてなかったがマリアの妹でアレクセイの姉である四女アナスタシアの遺体も未発見であった。

*9 たまたま瓜二つだったという可能性もある上、エッグが映し出した写真自体モノクロの古いもので、画像も不鮮明である為、本当に似ているかどうかは分からないので。ちなみに、喜市が曾祖母の写真を飾らなかったり、遺体をわざわざ城の地下に埋葬していたりしたのも、彼女がマリアと似ていた為に革命軍から狙われる恐れがあったためとも考えられる。