グレミィ・トゥミュー(グエナエル・リー)

登録日:2014/09/06 Sat 13:10:19
更新日:2024/04/08 Mon 12:18:30
所要時間:約 15 分で読めます






ざざっ ざぁ ざぁ ざー ー ーっ

わしを殴ったように見えたか? できんよ そんなことは絶対にできん

わしは「V」

消尽点(バニシング・ポイント)“のグエナエル

わしの存在はお前達の 視界からも意識からも 完全に消えて 無くなる




“ V ” グエナエル・リー        
Guenael Lee

[職業]滅却師
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団」

 [聖文字]“ V ”
 [能 力]VANISHING POINT ― 消尽点(バニシング・ポイント)
  ― 自分の存在を相手に認知させなくする
 [完聖体]神の??????
 [CV]宮澤正



漫画『BLEACH』の登場人物。


 概要



最終章「千年血戦篇」における敵対組織『見えざる帝国』に所属する滅却師であり、星十字騎士団の一員と思われる。
ユーハバッハから賜ったと思しき聖文字は“V”で、能力名は「消尽点(バニシング・ポイント)」。
「なんで能力名の頭に「The」が付いてねえの?」と思われる方もいるかもしれないが、その疑問はひとまず置いてほしい。

外見はピンク色の髪を独特なアフロヘアで纏めており 頭に丸い飾りを4つ付け眼鏡をかけた小柄な白髪の老人。
やちると勇音が傷付いた拳西とローズを介抱している部屋に突如現れ、やちると交戦した。


 戦闘能力



星十字騎士団(シュテルンリッター)V(ブイ)」 わしは「消尽点(バニシング・ポイント)」のグエナエル・リー

お前達は このわしの存在を

見ることも 感じることも そして

記憶することもできん


◇─ 消尽点(バニシング・ポイント)


聖文字“V”の能力。
視界からも意識からも、さらに記憶からも消えてなくなるという能力を持つ。

この能力には3つのバージョンがある。

  • バージョン1
自身の姿だけを消す。
このバージョンでは姿を視認できなくなるだけで、グエナエルの存在自体は消えているわけではない。
よって攻撃はこのバージョンで行う。

  • バージョン2
自身の存在すらも消す。
主に攻撃後に敵からのカウンターを回避したり距離を取ったりするために使用する。
相手が反撃してもグエナエルはもうそこには“存在“しないため、相手には残像を“殴った“という錯覚のみが残る。

  • バージョン3
自身の存在を意識の中からも消す。
つまり相手の記憶からグエナエルという存在そのものが消える。

彼はバージョン1と2を交互に使いヒット&アウェイで戦うが、対応され始めるとバージョン3も交えて戦っていた。


◇─ 消尽滑体(バニシング・スライダー)

自分の存在を消すのではなく、わずかに後ろにずらす事だけに全霊圧を集中。
これにより、あらゆる反応速度を越えた速度で攻撃をかわすことが出来る。


 活躍

やちると勇音が拳西とローズを介抱している部屋を襲撃。
相手に認識されなくなり、どこに居るかのみならず敵か味方かの判断すら不可能にさせる能力で交戦したやちるを翻弄する。

当初は優勢であったものの「なんかザワッとした」らしく判断でも反応でも無く本能による反射でグエナエルを攻撃するようになったやちるの反撃を受けて取り乱す。
気を取り直したグエナエルは、やちるの更なる攻撃を今度こそ完全にかわしたと確信するが、やちるは始解『三歩剣獣』を解放しており、これは相手の動きの誤差を許容して攻撃する能力であり残像に攻撃しても本体を攻撃出来てしまうため、回避したつもりでも斬られてしまっていた。

今度はグエナエルを真っ二つにするつもりで斬りかかったやちるに対して、彼は『消尽滑体』を使いかろうじて真っ二つにされることは免れたのだが…





追記・修正は存在感のある方にお願いします。

























ごめんね
君が誰だか知らないけど
もう君の未来を想像できない




何とグエナエル・リーの正体は“空想の産物“だったのだ。すなわちグエナエルは星十字騎士団の一員ではなかった。
グエナエルの能力名の頭に「The」が付いていなかったのはこれの伏線だったと思われる。
そして彼を創り出したのはグレミィ・トゥミュー。フードを被り、ポケットに常に手を入れている金髪の少年である。

このグレミィ・トゥミューこそが真の『見えざる帝国』に所属する滅却師であり、星十字騎士団の真の一員である。

まず彼は、自分が見切りを付けられたことに激怒して襲いかかってきたグエナエルを消滅させた後、
治療中の拳西とローズを死亡させ、更に攻撃してきたやちるの骨を全て脆いクッキーに変えてしまったのだった。



“ V ” グレミィ・トゥミュー        
Gremmy Thoumeaux

[職業]滅却師
[所属]見えざる帝国「星十字騎士団」
 [誕生日]6月30日(かに座)
 [身長]155cm
 [聖文字]“ V ”
 [能 力]The Visionary ― 夢想家(ザ・ヴィジョナリィ)
  ― 想像を現実にする
 [完聖体]神の??????
 [CV]花江夏樹



 人物



「想像力」こそこの世で一番強い力と持論を語り、「星十字騎士団」最強を自負する自信家。
仲間意識が希薄な騎士団の中でも一際危うい性格をしており、主であるユーハバッハすら攻撃に巻き込む事に躊躇が無い。
その能力からナックルヴァールバズビーはおろかユーハバッハからも危険視されており、監禁されていた為に一度目の尸魂界侵攻には参加していなかった。

後日談の小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』では「勝手しすぎて牢屋にぶち込まれた悪党」と言われているので、やはりトンデモ行為*1を平然とする騎士団員ですら比較にならない余程のことを過去にやらかした様子である。
と言ってもグレミィの方も平然と「この騎士団は陛下含めて身勝手な人間ばかり」と発言しているので、ある意味彼の方も騎士団は勿論、ユーハバッハの本質を客観的に観て熟知していたようである。*2

そのあまりにも強すぎる能力を持つが故に、他人や物事に関しては無関心で、何かに渇望するといったこともなかった。
確かに一旦振り切れると騎士団は勿論、ユーハバッハにとっても危険極まる性格と能力をしているのは間違いないが、普段は無関心無気力で大人しくしていたのも事実である。
特にリルトットは、他の騎士団員達と違って彼のそんなところを深く理解していたらしく、二次侵攻前に彼の所を訪ねて、お菓子を強請った挙句に菓子の味にダメ出ししたりしていた。
さらにグレミィの方もそんな彼女に半ば呆れながらも、他意無くお菓子を想像で出して持て成したりしていた。

後述の戦闘に対する渇望や一喜一憂ぶりに加えて、生前に「戦争が終わって暇になったら(能力を使わずに)料理でもしてみる。案外自分の想像外の味が出来るかも」とささやかな夢を語っていたことから、その化け物染みた反則の極みみたいな能力と反比例して結構人間味がある人物だったりもする。
リルの方もそんな彼だから気安く接しており、戦争でも彼を倒した存在を危険視し、また仇を討とうと考えて行動したのである。*3(正直リルからの好感度はバンビちゃんよりグレミィの方が遥かに高そうである……まあ、沸点がかなり低い上にキレたら味方もろとも皆殺しにする勢いの人なので当然と言えば当然だろうか。)


 戦闘能力(真)



◇─ 夢想家(ザ・ヴィジョナリィ)


本当の聖文字“V”の能力。
上述のこともグエナエルを創り出したことも全てグレミィが想像した通りに起きたことである。
そう、彼の能力とは想像したことが現実になるというとんでもないものだったのだ!

作中では
  • 灼熱の溶岩や大量の水、無数の重火器を一瞬で創り出す。
  • 瞬間移動。
  • 鬼道で作られた結界内に全く気づかれずに侵入する。
  • 自身の体を鋼鉄のように硬くする。
  • 相手の骨をクッキーのように脆くする。
  • 地形操作。
  • 命を作り出す(これによりグエナエルを作ったり、複数の自分自身を作れる)
  • 果てには天変地異を引き起こしたり宇宙空間を召喚する。
  • 自分自身の強化(ただしこれは失敗した。理由は後述)
……など多彩かつ反則的な効果を見せつけた。
自然物や人工物に限らず生命をも創造することができ、事実、前述のグエナエルやシャズ・ドミノのような他の騎士団と比較しても遜色ない能力の手駒を作り出した。
極めつけに“自分自身“を生み出す(数も二人に留まらない)ことで想像力を単純に増加させ、隕石や宇宙空間など強力なイメージを実現させることができる。
たとえ重傷を負っても“無傷の自分“を想像すればたちどころに全快してしまう。鏡花水月も真っ青である。

ただし現実化の効果は必ずしも永久的なものではないので、対象から意識を逸らせば元に戻るなどの制限がある。
更に相手の死に様という結果だけを想像してホイホイ瞬殺するような芸当も出来ないと思われる。
それが出来たらチートどころかストーリーが成立しなくなるがな!
当然ながら自分にとってマイナスの想像も実現してしまうため、精神的に動揺すればネガティブなイメージを引きずり弱体化してしまう。
自分自身が敗けることなど想像すれば自分を死に追いやる危険性をはらんだ諸刃の剣でもある。
また、想像で創り出したもののスケールによっては汗をかきながら息を切らすほどに消耗するため、想像で実現出来ることにも限度がある模様(これは彼の体の事情もあるかもしれない)。

物質変化のように想像を継続させる必要があるものは意識が途切れると元に戻るのだが*4、想像によって生じた『現実』までは本当に消失しないらしく、序盤に築いた舞台はずっと残っていた。
自身の体や血などは敗北したのを自覚してしまったからか消えてしまったが、戦闘が終わっても剣八は重体のままで、舞台も崩壊はしたが消えはしなかった*5

訳が分からないが、要するに彼の言っていた言葉は事実であり、隕石召喚時に倒したとしても本当に隕石が残っていたと思われる。
登場時にローズと拳西に止めをさしていたが、剣八のことや上記の性質を考えると恐らく倒された後も容体に変化はなかった可能性が高い。


完全無欠とまではいかないが、騎士団最強を自称するだけのことはあるチートぶりと言えよう。
どこぞの自称十刃最強の5番とは違うぜ!

あと何気に身体能力もそれなりに高い。
剣八戦では「指一本使わない」という自身の発言や剣八の異常な動きもあり基本的に受け身に徹していたが、最初のやちる戦ではやちると三歩剣獣の間合いを的確に見抜いて、余裕で斬撃を躱したりしている。


 活躍



◇─ 剣八到着

絶体絶命のやちる達。そんなやちる達とグレミィの前に現れたのはついに己に眠る真の力を物にしたあの男だった。

何だァ?やちるの霊圧が随分グラついてやがるから捜して来てみりゃ。ガキが一匹騒いでやがるだけじゃねえか

剣ちゃん

思わずその名を口にするやちる。更木剣八とは、彼が卯ノ花との死闘に入った時以来の再会であった。
そして剣八はその手で卯ノ花を斬ったことを勇音に告げて「憎ければ自分を斬っても構わない」とまで言ったが、勇音は卯ノ花の死を悲しむと共に剣八が“名“を継いだことに安堵する。
グレミィはそんなやりとりに水を注し、あの『更木剣八』との戦いに相応しい舞台を用意するべく地面をせり上げ巨大な石の闘技場を作り上げた。
更にグレミィは自分に斬りかかる剣八に対して自分の体が“鋼鉄を遥かに超える強度だったら“と想像して剣を受け止めて見せた。
だが、剣八はそんなことなどお構い無しにそのまま斬ってしまう。


鋼鉄ぐれえの硬さならそう言っとけよ。最初から鉄斬るつもりで斬ってやるからよ

・・・・・・・・・・・

何だそのツラは。斬れねえとでも想像したか?言っとくぜ。てめえ如きの想像力で俺に斬れねえものなんざ創れねえ

俺が「剣八」だからだ


しかし“斬られた傷がもう治ってる自分“を想像することで傷を治したグレミィは笑いながら淡々と言い放つ。


かかっておいでよ更木剣八。指一本で相手するなんてチャチなことは言わないよ。指一本だって使わない。


頭の中だけできみを殺してみせよう




◇─ 戦いの始まり

グレミィは剣八に溶岩を浴びせかけ、それを薙ぎ払われたら今度は水に閉じ込めてから地割れに落とし窒息死を狙ったものの、剣八は舞台を破壊し、やちるを抱えて脱出した。
グレミィがやちるから意識を逸らしたことによりやちるの骨はクッキーではなくなっていた。
そしてグレミィのやちるへの想像力が途絶えてしまった理由に剣八は彼ならではの視点で気付いたのだ。


あたりめえだろ。続く訳が無え。お前えは俺と何がしてえんだ。戦いてえんだろ?

戦い……

お前ェ自分を何つった。最強の滅却師じゃねェのかよ。最強なら最強を叩き潰してェんじゃねえのかよ。来いよ。“戦い“を始めようぜ。
目の前の敵以外に気を向けられるようなもんを“戦い“だとは呼ばねえだろ!!!


こうして最強を名乗る者達の本当の戦いが始まったのだった。




◇─ 戦い



(何だ 今 何て言ったんだこいつは?最強なら最強を叩き潰したいだろうって?そんなこと考えたこともなかった。最初からぼくに手を出す奴なんて1人だっていなかった)
(だってわかりきってるから。ぼくが1番強いことなんてわかりきってることだから。だれかを殺して証明する必要なんてない。だから、だれかを叩き潰したいなんて思ったこともない)

(なのに それなのになんでぼくはこんなに こいつを叩き潰したいと思ってるんだ!!!!)


今までのどこか冷めた笑いとは全く違う笑い方をしながら大量の銃やミサイルで攻撃し、グレミィはポケットから手を出して爆風から顔を守る。
しかし剣八に大したダメージは無い。

…手ェ使ったな。いい顔だ。漸くこいつも悦んでくれそうだぜ

(『いい顔だ』って?ぼくが今どんな顔してるか知らないけど、その顔がいい顔かどうかも知らないけど…)
(ふしぎだよ。なんでぼくはこんなに 今ぼくはこんなに 気分がいいんだ!!!)

かつてないほどの高揚感に心躍らせながらグレミィは剣八に次々と攻撃を仕掛ける。

剣八はそれらをものともせずグレミィにまた一撃を喰わせた。隙が出来たグレミィに剣八は更に畳みかける。
そうして劣勢に陥ったことで、自分が敗けるところを想像して危うく自分の死を自分で現実にしてしまいそうになったグレミィ。
だが、そんなグレミィの心に気付いた剣八がそれを指摘し、彼は立ち直った。
この漫画においては珍しく戦いの中で精神的に成長した敵であると言えよう。

そして剣八の言葉によって自分の死のイメージを消すことが出来たことに対する礼としてグレミィはとっておきを披露した。
想像によってもう一人の“自分“を創り出すことで想像する力を倍にして巨大な隕石を創り出したのだ。
瀞霊廷をも覆う規模のそれにモブ死神達はおろかバズビー、ナックルヴァール、ハッシュヴァルトといった各々が隊長クラスの実力を持つ騎士団においても上位の実力者達すら焦りを見せる。だが剣八は…


呑め『野晒』


斬魄刀を解放し、一太刀で隕石を粉々に。本人曰く自分に斬れないものは無いとのこと。
動揺を隠せないグレミィは剣八に斬れないものが無いなら形の無いもので殺すべく更に“自分“を何人も増やして何倍にも上げた想像力を以て宇宙空間に包み込んだが、これすらも相手ごと斬ってしまった。
続けて宇宙空間から抜け出た剣八を爆発に巻き込むも剣八はまだ倒れない。

グレミィは息を荒げながらも嬉しげに笑みを浮かべる。


何なんだ…ホントに化け物かよ…わかったよ。それならぼく自身が おまえより強くなればいいんだ!!!


自分の体を剣八のような筋骨隆々とした巨体に変化させていくグレミィ。


(勝ちたい 勝ちたい 勝ちたい 勝ちたい 勝ちたい。生まれて初めて誰かに勝ちたいと思ってるんだ)


そして…


おまえを叩き潰してぼくの力を証明するんだ!!!おまえ自身に!!!


突然グレミィの体から骨と筋肉が剥き出しになり大量の血飛沫が噴き上がる。


……お前えはお前えの中で俺を化け物にしちまった。その化け物に殺されたんだ。馬鹿野郎が


あまりに強大過ぎる力にグレミィの体は耐えられず結果的に自滅してしまった…。




◇─ 戦いの終わり

グレミィの想像力は正しかった。正し過ぎた。剣八の力の全てを正しく想像出来ていた。
ただ一つ彼が想像出来なかったのは、剣八の力を超えた自身の体だったということだ。
そしてそれも言い訳にすぎないと自身で評し、自分の想像力の負けであるということをグレミィは認めた。

……ああ ちくしょう……勝ちたかったなあ……っ

その直後グレミィの体は崩壊していく。
その場に現れたのはカプセルのようなものに入った脳だった。
何と少年の体すらも想像の産物であり、ただの脳こそが彼の正体だったのだ。


言ったろ。指一本だって使わずにきみを殺してみせようってね。ぼくのこの体も全てはぼくの想像の産物。言葉通り確かにぼくはきみに指一本だって使っちゃいない。
まあ…死んだのはぼくなんだけどさ


ああ そろそろぼくの想像力も限界だ

淋しくなるよ

この先の何も想像できない世界を…想像するとさ…







消えゆく彼の顔はどこか穏やかなものだった。






美しさとは

そこに何もないこと

(BLEACH64 DEATH IN VISION より)







手前ェで作った舞台も血溜りも残さず消えちまったか…





剣八はグレミィとの戦闘で負ったダメージから長らく立ち直れず、結果的にその後の戦局に少なくない影響を与えている。
そして残されたグレミィの本体は後に、前述の戦争集結後の騒動を描いた小説にてある悪魔のような人物に利用されることに…。



 グレミィの能力について



上述している通り多彩のことが出来るのに反して、様々な制限がある能力なのだが、
もう一つ特筆すべき点を挙げるとすれば、グレミィは自分で自分の想像力に制限を掛けていると見られる描写がある。
それが分かり易いのがやちる戦までで見せたグレミィの能力とその後の剣八戦で見せた能力の方向性の違いである。

実は最初に見せた現象は、拳西やローズに触れただけで殺し、やちるの体をクッキーに変えるなど相手の体や命そのものに働きかける力なのだが、
次の剣八戦では様々な事象を起こしてはいるものの、これはあくまで攻撃の手段として用いているに留め、先のような相手の身体そのものに働きかけるような想像をしていない。
つまりやちる戦までは殺すために想像力を用いているのに、剣八戦では明確に戦うためだけに想像力を使っているのである。

またこの能力は自らのイメージに強く影響される能力なのだが、グレミィ自身は自らを最初から「最強」と自称していたものの、『無敵』とは一言も言っておらず、しかもこれですら「最強だと思うから」と明言を避けている。
そして剣八のことも最初から「想像通りに強そう」と語り、中盤からは「いくら君が化け物でも」と剣八を(無自覚に)評価する想像をしている。
つまりこのように剣八を評価している時点で、剣八に直接干渉出来るような想像をグレミィは避けているのである。
もしグレミィが最初から自身を『無敵』と称して、剣八を今までの相手のように歯牙にも掛けない存在と見なしていたら果たして結果はどうなっていただろうか?

ただリルトットとの料理会話もそうだが、グレミィは自身の想像外のことが起きることをなによりも望んでいる節がある。
更にはあくまで自身を「最強(だと思う)」止まりに留めていたことからも、グレミィは(無自覚に)自分の能力の最大活用を忌避し、上限を狭めていた様子が見られる。
それは奇しくもかつて卯ノ花に対峙し、戦うために自らの力を無自覚に抑えた剣八と酷似している。

ただ詳細はどうあれ、自身が求めてやまなかった「自分と対等の最強たる存在」と死力を尽くせて戦えたこと、そして自分の想像ですら叶えることが能わなかった勝利すなわち自らの敗北を最期に味わえたことは、彼にとって至上の喜びだったのは間違いない。
ある意味では、戦死した騎士団員の中でも一番幸せな部類なのではないだろうか?



追記・修正は想像力のある方にお願いします。

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最終更新:2024年04月08日 12:18

*1 仲間割れや同士打ち等

*2 それでも彼が悠然とこのような発言が出来るのは自身の能力と実力があるので、他の騎士団は当然として当のユーハバッハすらも全く恐れていなかったという証左でもある

*3 小説ではお菓子のお礼にグレミィが殺し損ねた相手がいたらトドメを刺す、もしくは適当に嫌がらせをしておくとリルは言っていた。

*4 やちるの骨をクッキーにした件

*5 剣八は消えてしまったか…と言っているが、瓦礫は残っている