アニマルカイザー

登録日:2014/05/28 (水) 19:13:15
更新日:2023/06/29 Thu 01:15:43
所要時間:約 4 分で読めます




「サメ対ライオン、勝つのはどっちだ!?」


●もくじ

◆概要

正式タイトルは「百獣大戦アニマルカイザー」及び「百獣大戦グレートアニマルカイザー」
バンダイナムコゲームス製作・バンダイ発売によるアーケードカードゲームで、筐体にカードを読み込ませて戦うデータカードダスの一つ。
初代は2007年9月頃~2011年2月中旬まで稼働、その後リニューアルした「百獣大戦グレートアニマルカイザー」が2012年7月下旬頃から稼働中。
所謂バカゲーとしての方面に突き抜けているため、公式が病気という次元じゃ収まらないほどカオスさを発揮した非常にナンセンスでシュールな作風となっている。

動物版とは言っても出てくるのはライオンやオオカミなどのパッと思いつくような動物だけではなく、
このゲームにおける「アニマル」とは最も広義の意味での動物が全て出てくるため、
つまりサメやエイなどの魚類、
サソリやクモなどの節足動物、カブトムシやクワガタムシ*1といったかつて「甲虫王者ムシキング」で活躍していた甲虫や、更にはウニドラゴン
製作会社が同じである「太鼓の達人」とコラボをしたことがあるためどんちゃんこと和田どんまでもが出てくる。
勿論それらがライオンなんかと互角に戦い合う。

サーベルタイガーや始祖鳥などの絶滅した動物、そして終いにはついに「古代王者恐竜キング」で活躍した恐竜、幻獣、霊獣、神獣も登場。
鳥獣、魚、昆虫、恐竜、ドラゴンの全てが互角に戦うという夢のようなカオスゲーに成り上がった。

「出てくるアニマルは全て世界中にいるホンモノだぞ!」


◆全貌

「サメ対ライオン、勝つのはどっちだ!?」というキャッチコピーからも分かるように、
サメやエイが空中に浮かんでライオンと戦うのは序の口、クマくらいの大きさのあるサソリやカブトムシとライオンが戦ったり、
巨大なウニが陸上で元気に飛び跳ねてライオンと戦ったりするのも日常茶飯事。
一体どんな想像力をもってしてウニとライオンが戦うという発想が出てくるだろうか。

動物が繰り出す技も奇想天外で滅茶苦茶な技が多く、
ライオンなんかが何か技を繰り出す度に核爆発並みのキノコ雲が起こるのは当たり前、
空から月ほどの大きさのある巨大なメロンやパイナップルが降ってきて相手を押しつぶす技や、
ブラックホール太陽などに敵を地球ごと放り込んで倒す技、
「アニマルマン」と呼ばれる筋肉隆々でほぼ全裸のハードゲイのような巨大なおっさんが宇宙から地球をハンマーで叩き潰してきたり、
ハナクソを隕石のように飛ばしてきたり、地球の表面を髭剃りで剃るなどのおおよそ人類には早過ぎる技など、
一々ツッコミ出していたら体力が持たないほどツッコミどころの塊。

更に最新作の「百獣大戦グレートアニマルカイザービッガー」ではリアルな動物がタクシーやブルドーザーなどの車に乗り込んで敵の動物を引き殺すというシステムが出来た。
勿論サメやウニなどのどう考えても車を操縦出来ないような動物でも乗り物に搭乗可能。
乗り物に搭乗してる間、操縦者の動物は外からは見えないため、傍から見ると生身の動物と意思を持った車が戦い合っているように見えるという大変シュールでカオスな光景になる。
一体このゲームはどこへ向かって行くのか。

だがこのように技や世界観に関してはシュールさを極める一方で、
動物のCGそのものは非常に真面目に作られており、動物のグラフィックは数ある動物・生き物ゲーの中ではかなり質の高い部類に入る
固有名詞付き動物も登場するが、「甲虫王者ムシキング」の「キング」「カブト丸」などと同様、通常版をベースに「個体」としての特徴を反映させたグラフィックになっている。ただし、本作には「固有名詞付き動物」は登場するのに「通常版」が登場しない種もいるが。

またカードには動物に関する詳しい生態や豆知識などが書かれており、このゲームを好きになった子供は動物に詳しくなること請け合い。
(ただしサメは陸上では空中浮遊するとかクマほど巨大なサソリがいるとかライオンの一撃で核爆発が起こるなどのそういった方面では間違った知識が付く可能性もあるが)

スタッフに鉄拳ガンダム戦場の絆のスタッフが関わっているため、
動物が繰り出す技はどれも無駄にド迫力で演出面は子供向けゲームにしては勿体無いくらい良く出来ている。
(バカさに突出した技もある一方でかっこいい技は本当に普通にかっこいい。)

◆主な登場アニマル

  • レオン
種族はライオン。アフリカのケニア出身。
行方不明になっている父を探すために修行の旅に出る。
様々な動物と戦ううちに「最強のアニマル」を目指すという目標を掲げる。

  • イカロス
種族はハクトウワシ。アメリカ合衆国出身。
生まれた時から、王者になることを運命づけられて育てられる。
実は先代アニマルカイザー、ダイダロスの血を受け継いでいる。

  • ブルー
種族はホオジロザメ。イギリス近海出身。
力自慢の暴れん坊。
サメたちに伝わる禁断の奥義を習得し、姿を消した兄を追って旅に出る。

  • アポロン
種族はライガー(ライオンを父に、トラを母にもつ雑種)。
レオンの腹違いの弟。修行の旅に出た兄に代わり、主人公として戦いに身を投じる。

  • ガレオン
種族はバーバリーライオン。
ジークの師匠であると同時にレオンとアポロンの父親。
かつてはサンゴ師匠の下でゴルザードと共に修行していた。
サンゴ師匠の死後は次期アニマルカイザー筆頭候補と目されていたが、地位による拘束を嫌い自由を愛するガレオンは継承を拒絶し失踪。以後暴走するゴルザードを止めに現れるまでは行方不明であった。
歴代アニマルカイザーに匹敵する圧倒的な力を有していながらも、勝ち負けには拘らない性格。

  • ゴルザード
種族はライオン。
「黒き焔」の異名を持つ邪悪なアニマル。右目の傷がトレードマーク。
彼もサンゴ師匠の下で修行していたが、強さと力のみを追い求めていたせいで破門されてしまう。
その後は自分より強い動物を求めながら世界中を彷徨っていた。ガレオンとは対照的な性格だが、アニマルカイザーの称号や名誉には興味を示さないといった共通点も。
自身と同じ闇のアニマルで構成されたチーム「ダークフォース」を率いたり、絶滅アニマルであるバッカスを禁断の秘術で復活させたりと、さまざまな手段でアニマル界を混沌に陥れた。愛称はゴル。

ガレオンとの壮絶なる死闘の末に敗れるが、自身に禁断の秘術をかけ、地獄の焔 デスゴルザードとしてパワーアップし復活。
地獄から舞い戻り、全アニマルへの復讐を目論む。

  • ホワイトナイツ
ゴルザードの脅威に対抗するため、聖なるアフリカゾウ マックスが結成した白きアニマル達の軍団。
「グレート」においては悪魔軍団との戦いで再び登場し、主人公陣営と共闘する。前作からメンバーの大半が入れ替わり、甲冑を纏っているのが特徴。
なお団長の座は旧メンバーで唯一残った元副団長のヨーロッパオオカミのシュナイダーに譲られている。
ゴルザードとの関係から勘違いされやすいがガレオンとは無関係。

  • ダークフォース
ホワイトナイツに対抗してゴルザードが結成した、闇のアニマル達の軍団。全員がゴルザードと同様黒い体とトレードマークの傷を有する。リーダー(ゴルザードの下なのでNo.2)はホッキョクグマのオーガン。
大暴れしアニマル界を混沌に陥れたものの、ゴルザードの死後には解散し消滅した…
しかし、「グレート」でレグルスの招集をきっかけにかつてのメンバーやその子孫が集まり再結成。戦いの意味をひたむきに求め修行を続ける善良な組織へと生まれ変わった。メンバーのガラは相変わらず悪いが
ホワイトナイツとは対照的にメンバーの大半は旧作からの続投。2匹のみの新入りも旧メンバーの息子となっている。
新ダークフォースの副団長はインドゾウのルシファー、旧ダークフォースからのメンバーで、その優れた知能から「ダークフォースの賢者」の二つ名をもつ。

  • ジーク
種族はシベリアトラ。
動物同士の無意味な争いに終止符を打つために、若い動物たちを育て上げる。
ツキカゲの元で修行を積み、さらなる力と「見切り*2」を携えた帰ってきたジークへと変じた。

  • カバ太郎 カバ二郎 カバ三郎
ウガンダ出身のカバの3兄弟。
亡き父、カバ零郎のような一流の芸人兼アニマルカイザーとなり、カバ族の楽園「カバーズランド」を築くべく、仲良く修行とアルバイトに勤しんでいる。
芸人の子というだけあり、そのバトルスタイルは全体的にコミカル。また、他のアニマルの技にアルバイトとして参加していることも。

  • サンゴ師匠
種族はサンゴヘビ。
第35代目アニマルカイザーで、ガレオンとゴルザードの師匠。アクセルの目付役。
すでに亡くなっていたが、第9弾で甲虫戦士(ビートルウォーリアーズ)がアニマルカイザーに参戦したことで復活。
彼の必殺技名は「絶対最強ムテキビーム」とドストレートかつ しねしねこうせん を彷彿とさせる中二…いや小二っぽさ。

  • ツキカゲ
種族はニホンオオカミ。
東方の島国の山奥にある「忍の里」に住むシノビアニマルの頭領で、一族に代々伝わる忍術を極めている。
争いは好まず、後の世を担う若いシノビアニマルの育成に勤しんでいる。

  • マシンアニマル軍団
とある国で開発されていたた動物型のロボット群。元々は兵器として作られたものの、野生動物の「心」までもが本物そっくりに作られていた為に自我を獲得。
司令塔型HGシリーズの中でも最高の性能をもつ特別機マシンライオンHGXをリーダーに一斉蜂起。自分達の力がどこまで通用するか確かめるべく、本物のアニマル達に戦いを挑む。
HGシリーズは全身が白銀、量産型は緑色のボディという違いで見分けられる。機械であるため「どく」「しびれ」「きゅうけつ」といった効果を受け付けないのが特徴。
「グレート」では、暴走マシンアニマル軍団を止めるべくHGシリーズが再登場した。その際、HGシリーズ同士で合体することによりキングゴッドロボに変形できることが判明。当機たちは某ロボットゲーへの参戦も目論んでいたらしい。

  • オリオン
種族はライオン。
レオンの息子にして3匹目の主人公。
祖父アポロンや歴代アニマルカイザー達に導かれながら、銀河侵略アニマルから地球を守るべく戦う。

  • レグルス
種族はライオン。
ゴルザードから闇の力を引き継いだ一人息子。オリオンとは親友にして良きライバル。
父と異なり悪の道には進まず、決闘の末彼を改心させることに成功。「グレート」では父に代わりダークフォースを率いている。

  • 銀河侵略動物
隕石に乗って白亜紀末の地球に襲来し、大量絶滅を引き起こした宇宙からの侵略者。以後もツングースカ大爆発など小規模な侵略を繰り返し、今度こそ地球の動物を完全に絶滅させるべく、リーダーを数千万年ぶりに連れて現代の地球に再び現れた。
アラシュタイン中尉(ニシローランドゴリラ)、ブッタギル大佐(オオノコギリエイ)、コワース軍曹(ナミチスイコウモリ)など、多くの構成員は地球の動物と似た姿をしているが*3、その体色は白地に金色(「グレート」では青色)の紋様が描かれた異質なもの。
リーダーである破壊神 シロナガス帝王は、その巨大で敵を丸飲みにしてウンチにする、さらに巨大化して敵を地球ごと宇宙の彼方へ吹っ飛ばすなど、無法極まりないバトルスタイルが特徴的。
最終弾では黒色の滅亡シロナガス帝王へと変貌し、地球の動物達と激闘を繰り広げるも、復活した歴代アニマルカイザー達の加勢もあり敗北。銀河侵略動物達は地球から去っていった。
「グレート」では新メンバーのメッスール元帥(シベリアトラ)、クダイタル大将(ホルスタイン)、サシタルゼー少佐(スターバーストタランチュラ)を加え、またも地球に来襲。
新リーダーの銀河帝王 ジ・エンドはドラゴンのような姿で、実在の動物がモデルではないというアニマルカイザーでは珍しいキャラクター。
余談だが、海外版では展開時期が日本より遅かった影響で新メンバー3匹が旧筐体でも実装されている。体の模様も金色で、性能も「グレート」版とは全く異なる海外限定カード。

  • 魔忍「幻妖斎」
種族はイヌワシ。
かつてはシノビアニマルの一員でツキカゲとはクロガネに師事する同期だったが、妖怪を召喚する妖術の研究に没頭していたため、破門された。
禁断とされる封印を解いて邪悪な鬼を呼び出し、東方の島国を支配しようと目論む。

  • 一八(かずはち)
種族はカンガルー。
あらゆる格闘技をマスターした最強の格闘家を目指し、そして師匠を殺した仇敵レオナルドを倒すことを目標に世界中を旅しながら修行にいそしむ。
ちなみに移動手段はヒッチハイク。

  • 邪拳王レオナルド
種族はグリズリー。
両手に鉤爪を装備した凶悪な風貌をした格闘家。
力で世界を支配し、その頂点に君臨するために一八の師匠を殺し、封印されていた邪悪な力「邪拳」を奪い、手中に収めた。



追記・修正はお仕置きを見て吹いてからお願いします。

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最終更新:2023年06月29日 01:15

*1 「新甲虫王者ムシキング」になるまで登場しなかった「ヨーロッパミヤマクワガタ」に至ってはムシキングよりも先にこちらで登場する事になった。

*2 攻撃を受けたとき、たまに変わり身の術を使い、ノーダメージにする

*3 これは彼らがもつ擬態能力によるもの。銀河侵略動物は不定形の存在であり、侵略先の住民の姿を借りて実体化する。