ARX-8 レーバテイン

登録日:2009/08/26(水) 01:31:36
更新日:2023/12/27 Wed 21:58:25
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《お久しぶりです、軍曹殿》





フルメタル・パニック!』に登場する架空の人型兵器、アーム・スレイブの一種。



ARX-8 レーバテイン

【詳細スペック】
全高:8.7m
基本重量:10.3t
最大跳躍高:80m以上
最高自走速度:不明
最大作戦行動時間:30時間
動力源:パラジウム・リアクター/ロス&ハンブルトン PRX3000
パラジウム・リアクター出力:4800kW

《固定武装》
GAU19/S 12.7mmガトリングガン×2
XM18ワイヤーガン×2
テイザー×2

《基本携帯火器》
◆セワード・アーセナル 165mm多目的破砕・榴弾砲(デモリッション・ガン)
◆OTOメララ“ボクサー2”76mm散弾砲
◆ロイヤルオードナンス M110対戦車ダガー
◆ジオトロン・エレクトロニクス GRAW-4単分子カッター
◆アライアント・テックシステムズ M1097対AS用手榴弾


特記事項:ラムダ・ドライバ搭載機



【機体説明】
アマルガムのミスリル総攻撃の際、東京戦でベリアルにより破壊された
ARX-7 アーバレスト〉のコアパーツ(ラムダ・ドライバ、及びAIユニット)をミスリル諜報部のレイスが回収。
同じくミスリル諜報部のキャビン・ハンターや、過去の作戦でミスリルによって保護されたウィスパード、ミラの協力によって開発された新型AS。
M9D系列(ファルケ)の二機目のパーツも組み込まれている(詳細は項目参照)。


『ARX-8』の型式番号を持つが、開発が開始された時にはミスリルは崩壊していたため、
あくまでも『ARX-7』の後継機という意味で付けられた便宜上の物である。

先述の通り、本機の開発にはウィスパードのミラが関わっているが、機体設計自体はアーバレストに搭載されていたAI〈アル〉が行なっている。
『レーバテイン』の名前もアルの自称である。

AIやラムダ・ドライバ自体はアーバレストの物を流用しているため、オペレーターは相良宗介に限定される。



【機体性能】
最大の特徴は、手垢が付いた使い古された表現ではあるが『圧倒的出力』
ただその一言に尽きる。

本機に搭載されたジオトロン社製新型試作ジェネレータ『ロス&ハンブルトン PRX3000』は、従来のM9等第三世代型ASの二倍以上の出力を誇る。
これは大規模戦闘機や戦闘艦に迫る出力であり、その恩恵を受けてレーバテインの四肢のパワーは並のASを遥かに上回る。

劇中では一回の跳躍で負荷30Gをかけ、高度80mまで到達。
ラムダ・ドライバ使用時ならば「拳で敵機を突き破る」「蹴りで機体を真っ二つに割る」「足払いをかけるだけで敵機を一回転半跳ね飛ばす」
更にはのし掛かる巨大AS〈ベヘモス〉の足を押し返す等常軌を逸した能力を持つ。

『ラムダ・ドライバ』そのもののパワーも上がっており、初陣ではベヘモス三機、ヴェノム三機を圧倒した。

大出力と『ラムダ・ドライバ』使用に伴う発熱は、後頭部より展開されるポニーテール状の放熱ユニットで強制冷却される。
〈コダール〉タイプと同様の物だが、発熱が激しく白い光の粒子が発生する。


このように圧倒的ハイパワーを誇る本機だが、いくつかの大きな弱点がある。

まず電子兵装が貧弱であること。
機体内の限られたスペースに新型ジェネレータ、大容量コンデンサ、大容量冷却システム、
駆動系、ラムダ・ドライバ等をやや強引に詰め込んでいるため、ECSを始めとした駆動に必要ない電子機器はオミットせざるを得なかった。
結果レーバテインの電子兵装は「M6に毛が生えた程度」になってしまっている。

そのためミサイル等の誘導を振り切る事は困難であるし、ECCSもないため敵がECS不可視モードを使用すれば簡単には発見出来ない。
これらの理由から、操作系統は基本的に『M9』と変わらないものの、電子兵装のディスプレイはほとんどブランク状態である。

また、機体各部の劣化・消耗速度が尋常じゃなく速い。これはベースである『M9』系列がレーバテインほどの高負荷は想定せずに設計されているため剛性が不足していることに起因する。

更に前述の「圧倒的出力」故に燃費が悪く、最大作戦行動時間がM9の五分の一とかなり短い。このため効果的な運用が難しい。



【アル】
アーバレストから移植されたAI。自らレーバテインの設計を行うなど、非常に特別なAIである。
アーバレスト大破からレーバテインで宗介と再会するまでインターネットで情報収集を行っていたため、人間臭さにさらに磨きがかかった。
ECSの代わりにアルを外すべきだと宗介が提案したが、アルが無いとレーバテインはデッドウェイトだらけの『劣化M9』に成り下がる。



【隠し腕】
M9・アーバレストでは「内蔵兵装ラック」だった脇の下には〈アル〉が動かすサブマニピュレーターが存在し、戦闘時には様々な用途に活用出来る。
宗介は「気持ち悪い」ともらしたが、アルは気に入っているらしい。



【武装】
使用する散弾砲〈ボクサー2〉とGRAW-4単分子カッターはそれぞれ宗介がアーバレストの時に好んで使用していた武器の発展型であり、
単分子カッターは折り畳み式で膝に格納して膝アーマーになるようになっている。
単分子カッターは膝蹴りのモーションに合わせて展開することも出来る。


◆165mm多目的破砕・榴弾砲(デモリッション・ガン)
レーバテイン専用の大口径火砲。
〈デモリッション・ガン〉とは、本来邪魔な建築物や構造物の除去に使用される工兵用の火砲だが、レーバテインに装備された物は「戦闘用」である。

本来ならば50t超えの戦車でようやく撃てるような代物であり、AS(約10t)ではまず発砲不可能。
レーバテインも例外ではなく、ラムダ・ドライバの使用によって反動を相殺する事で初めて使用可能となる。
無論、撃つだけならラムダ・ドライバ未使用でも出来るが、実際ベリアルとの最終決戦で諸事情でそれを行った際、
砲身を保持していたレーバテインの右腕が肩から千切れ飛び、機体自身も回転しながら後方にすっ飛ぶという惨状となった。

その威力はまさしく圧倒的であり、超巨大AS〈ベヘモス〉や陸戦最強の兵器である戦車すら一撃で撃破できる。
大型砲身を追加接続すれば『ガンハウザー(長砲身榴弾砲)・モード』となり、最大射程30km(自走砲と同等)を誇る化物クラスの大砲になる。


後にセワード・アーセナル社がBAEシステムズ社製先進型弾頭(スマート砲弾)に対応した
155mm先進型榴弾砲『AGS-3 デモリッションガン3』を開発し、M9A1E1『アーセナル』に搭載している。

日本の恵比寿重工もM9A1E1『アーセナル』に倣い、セワード・アーセナル社にパテント料を支払って独自に改良し、
銃剣型の単分子カッターを追加した『ゴルゴン』155mm破砕砲をAS-1(二号機改)『ブラスト・レイブン』に搭載している。



【妖精の羽】
千鳥かなめが残したデータを元にミラが完成させたレーバテイン用新装備。
対ラムダ・ドライバ用の機器であり、使用する事で一定範囲内のラムダ・ドライバが生み出す斥力場を消滅させる事が出来る。

しかし、使用中は自身のラムダ・ドライバも使用不能になるうえ、
莫大な電力が必要であるためにレーバテインをもってしても機動力が奪われてしまう。

また、使用にはラムダ・ドライバを使用する時と同じく強いイメージが必要であり、
ラムダ・ドライバとは逆に「こんな事が起こるわけがない」と念じなければならない。
加えて急拵えで過剰な電圧に耐えられず、長時間使用するとオーバーヒートしてしまう。

余談だが、宿敵〈ベリアル〉が飛行能力を持つ事から、登場前には飛行ユニットではないかと噂されていた。



【ネーミング】
『レーバテイン』の元は北欧神話の炎の剣Laevateinnで、カタカナでは基本的に「レーヴァテイン」など殆どの場合「バ」ではなく「ヴァ」で表記されるが、
前身の機体である『アーレスト』に寄せる意味で『レーテイン』となっている。

この機体名の候補には他にも
「アーケバス(小型の火縄銃、大型のものをマスケットと呼ぶ)」「フランベルジュ」「エクスカリバー」などがあったが、

  • アーケバスは首が取れそうだからなんか間抜けな響きだから
  • フランベルジュは力強さが無いから
  • エクスカリバーは超かっこいいバルキリー(VF-19)のペットネームに採用されているから

という理由でそれぞれボツになり、
半ばやけくそで「スーパー・アーバレスト」「ダイソースケ」「キングサガラー」になっていた可能性もあるらしい。



【立体化】
アニメシリーズ(無印~TSR)放映時はそもそも原作でもまだ登場していなかったのでアニメ化されていなかったにもかかわらず、アーバレストを上回る商品展開が成されていたりする。

顔がちょっと惜しい。最終決戦仕様も後に一般販売されている。
平手が付くので『では行ってくる。エド・<ブルーザー>・サックス』も再現可。

スタイル、フェイスデザイン共に非常に良好。
XL-3他最終決戦仕様再現パーツはプレバン限定。駐機・飛行ポーズを再現できる台座も付く。

コトブキヤよりデフォルメ化された『D-スタイル』と、1/60スケールが発売中。
どちらも少々稼動が惜しい。但し後者に関しては、差し替えながら膝部の単分子カッター展開を、立体化商品として初めて再現している(他は皆完全別パーツ)。

  • メタルビルド
ガンダム系作品ではない初のメタルビルド商品。
コクピットハッチやワイヤーガンの再現、各種装備・余剰パーツが取り付け可能な台座&メンテナンスクルー(サックス中尉!)、メンテナンスハッチ(或いは冷却システム)、妖精の羽オリジナルマーキングなど色々盛り沢山。
稼動範囲は抜群で、かなり無茶な姿勢も取れる。orzな駐機姿勢も余裕。背中に穴があるので、XL-3発売の可能性も…? 



スパロボ
2015年4月発売の『第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇』にてスパロボ初参戦、第1・2弾PVにも登場した。
これによりアニメ化に先んじて初めて「映像化」されたレーバテインが世に出ることになった。
(実は前編である時獄篇の発表時、四季氏がTwitterで「フルメタ原作フル参戦」を告知していたが、ネタバレが過ぎたのか後に削除されていた。)
なお、番外編二巻『極北からの声』のあとがきにてスパロボ参戦時のARX-8(名前はまだ決まってなかった)の希望スペックが書かれた事がある。

  • やっぱりマップ兵器は欲しい。
  • 空A
  • 移動後攻撃は射程6以上
  • 攻撃力デフォで5000
  • 強化スロットは4つ

…………もちろん冗談である。


そして実際に『天獄篇』で参戦してみたところ。

  • マップ兵器:通常型で所持(デモリッションガンGHモード)。
  • 空A:最終決戦装備で実現(但し宗介本人はB)。代わりに通常型の陸適応がSで、味方AS全体がそうなったが宇宙もデフォでA。
  • 移動後攻撃は射程6以上:対戦車ダガーがP2~5。惜しい。ただしアルの狙撃を使えば7に伸ばせる。
  • 攻撃力デフォで5000:最強攻撃のラムダストライクがだいたいそんなもん。
  • 強化スロット4つ:流石に2つだった(フル改造で3つに増やせるが)。

…と、実は結構叶っているというファン(と賀東)感涙の事態となった。
というかそれ以前に機体性能が高く、特殊能力のラムダドライバで攻撃&防御力&機体ステータス底上げ、
武装も長射程ALL/移動後ALL/マップ兵器/必殺技と、むしろ至れり尽くせりとまで言わんばかりである。

一つ欠点があるとすれば、とにかく弾が足りないと言う事。
確かに武装は多く、遠近全対応の至れり尽くせりである事には間違いないのだが、殆どが2~4発しかない。上記の対戦車ダガーもたった2発。
ボカスカ撃っているとそれはそれは恐ろしい勢いで弾が無くなってしまう。ラムダストライク連発?言うな!
最終決戦仕様やBセーブも上手に活かして長持ちさせたいところ。


スーパーロボット大戦V』にも引き続き登場。今作では原作や第3次Zと違いナミが開発に関わっていることが示唆されている。
ブースター装備時の陸適応がなくなったものの、一斉射撃がP武器になったため宗介にヒット&アウェイを覚えさせる必要性が減っており、総合的な使い勝手はトントン。

なおさすがに整備性や強度、活動限界時間の短さといった要素はオミットされている。
そもそも自軍部隊では原作中とは比べ物にならない充実した補給・サポートを受けられるはずであるため、さほどおかしくはないか。




アニメでは2018年に放送された『フルメタル・パニックIV』にて登場を果たした。




アル《この機体がいかに優れているかお分かり頂けましたでしょうか? よろしければ追記・修正を施し、あのオペレーターに本機の素晴らしさを伝えてやって下さい》

宗介「お前は黙っていろっ!!」

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最終更新:2023年12月27日 21:58