ヴァルティエル(サイレントヒル)

登録日:2010/12/21(火) 17:26:45
更新日:2023/08/01 Tue 06:54:14
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  • ヴァルティエル

「ヴァルティエル(Valtiel)」はゲーム『サイレントヒル3』に登場する特殊なクリーチャー。
サイレントヒルシリーズの最終作として『サイレントヒル3』が製作されるにあたり、シリーズを繋ぐキーワードとして「輪廻」が選択され、それを司る存在として生み出された。

また、作品のイメージの統一化を計るべく、前作『サイレントヒル2』に登場した人気クリーチャー「三角頭」や、前々作『サイレントヒル』に於ける司祭服のイメージの元≠ニなったと云う設定が付けられており、そのデザインは頭部を除き、ほぼ「三角頭」を踏襲している。

【概要】
土着信仰の神の一柱の一つであり、現在の「教団」の教義に於ては「神」を見守る「天使」として伝えられている。
前述の様に「三角頭」の意匠の元となった存在であり、「三角頭」のピラミッド型の兜を除けば両者のデザインはほぼ共通していると云って良い。
ヴァルティエルのみの特徴を挙げれば、禿げ上がり目と口が封じられた頭部…等があるが、頭部の右側面に覗く裂け目が口≠ナあるとの記述もある為、人の常識からは測れない超自然的な「存在」である事を顕しているのかも知れない(インドのディーヴァや阿修羅、密教の明王等、人ならぬ存在は異形で顕される)。

ただし「神」同様にヴァルティエルもまた、見る人により姿を変えるとの記述もあり、現在伝えられるヴァルティエルの姿≠ヘ救いを求めるサイレントヒルの人々やそこから生まれた「教団」の教義が生んだ幻想の結果なのだとも云える。

名前の由来は従者を意味する(Valet)と御使い(el)を組み合わせた物であり、「教団」が土着信仰を背景にキリスト教の影響下で体系化された事の証明となっている。

※その他の神々の名は聞き慣れない独特の物で、ネイティブアメリカンの伝承に出て来る精霊の名を元に独自に考え出された物になっている。

【役割】
ゲーム中では序盤のショッピングモールの「裏世界」化の際に登場し、主人公ヘザー=アレッサの存在を発見した。

それ以降は、「裏世界」の狭間からヘザーの様子を常に見守っており、これはクローディアら「教団」の介入により17年振りに「神」の誕生が近付いた事に起因すると思われる。
その遭遇回数はゲームが終盤に近付くにつれて多くなり、ラストステージである、半ば異界と融合した「教会」では、ヴァルティエルが「輪廻」を司るハンドルを回す場面が多く登場している。
尚、「病院」の「裏世界」に於てハンドルを回すヴァルティエルの傍らに『1』に登場した看護婦リサ・ガーランドの姿が確認出来るが、これはリサが輪廻の間に落ち込んでしまった事を顕している。

オープニングの冒頭…そして「教会」の一角で吊り下げれた少女の足下でヴァルティエルがハンドルを回している場面があるが、これはヘザー(シェリル)の前世である、アレッサとシェリル(『1』で消滅した)の足である。

上記の特殊な立ち位置から『3』に登場するクリーチャーでは珍しく、一度もヘザーと戦闘にはならない。

ヘザーがクリーチャー達との戦闘で死亡し力尽きた場合、ヴァルティエルは新たな「転生」の為、彼女の亡骸の両足を掴んで地面に擦り付けるのも構わず何処かへと持ち運んでいく。力なく横たわったヘザーが、足を掴まれてヴァルティエルに引き摺られながら何処かに連れて行かれるのは中々シュールな光景である…。また、ヘザーのデフォルト衣装はデニムミニスカートなので仰向けに倒れていた場合、引き摺られる際に大股開きでヴァルティエルからパンツ丸見えの状態となっているが、残念ながらプレーヤーからはスカートの中は見えない。

…これらの事から「神」はアレッサの魂と引き離せない程に融合しており、アレッサは生まれ変わる度に「神」の母体としての運命を背負わされる事になるのだとも考えられるが…。

更に、後に明かされた設定によれば『4』で起きた一連の事件の元凶であるウォルター・サリバンが「教団」の意を受けた術者にして殺人者となったのは、深層意識にヴァルティエルが根付かされた事によるものだったと云う。
ヴァルティエル自体は人間に直接の危害を加える存在でも無ければ、信仰する「教団」に恩恵を与える存在でも無いのだが、矢張りそこは神の類。
徒に接触すれば壊滅的な被害を被ると云う事の顕れなのだろう。



【余談】
『サイレントヒル』の「神」=「インキュバス」は山羊の頭の悪魔(バフォメット)の姿か、アレッサ=「インキュベーター」の姿で顕れ、
『サイレントヒル3』ではヘザー(アレッサ)の顔をした異形=「ゴッド」の姿で顕れた。
これは、ゲーム中での解説にもある様に、その到来を願う者のイメージがアグラオフォテイス(赤い液体)の影響や、妄想を具現化させるサイレントヒルの力により投影された結果であると思われる。

尚、
ダリアのイメージ=「インキュバス」
アレッサのイメージ=「インキュベーター」
クローディアのイメージ=「ゴッド」である。

ゴッドがヘザーの顔をしているのは、クローディアが純粋に救い主としてのアレッサの存在を求めていた為である。










追記、修正は忌まわしい「前世」が無い事を確認してからお願い致します。

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最終更新:2023年08月01日 06:54