干将・莫耶

登録日:2009/06/28 Sun 20:12:39
更新日:2024/02/22 Thu 17:37:27
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干将・莫耶(かんしょう・ばくや)

中国における名剣の一つであり、その剣の製作者である夫婦の名。

剣については干将が陽剣(雄剣)、莫耶が陰剣(雌剣)であると言われている。
また、干将は亀裂模様(龜文)、莫耶は水波模様(漫理)が剣に浮かんでいたとされる。

この夫婦および子と、この剣の逸話については『呉越春秋』の闔閭内伝(闔閭内傳)や『捜神記』などに登場しているが、内容に差異が大きい。


『呉越春秋』
主にその製作経緯、過程が語られる。しかし、後日談の復讐譚については描かれていない。
その代わりに、魯の使者がこの剣を見て、呉の将来を予想し、物語は終わる。

『捜神記』
呉王闔閭ではなく楚王となっているほか、作成の工程に3年かかったという描写だけ。
しかし、その後日談の復讐譚が主になって描かれている。


また、干将・莫耶が中国の名剣に関する逸話の中でも特に有名な部類に入るため、
でたらめな評価をする例えとして「莫耶の切れ味を鈍いと言い、鉛の刀の切れ味を鋭いと言う」なんて意味の言葉もあるくらい。
(他でも莫耶だけ言及されているケースがそこそこある)

日本では、「今昔物語集」や「太平記」にもこの剣について描かれている。
今昔物語集だと莫耶の名前しか筆者に伝わってなかったのか鍛冶師の名前が莫耶になっていて妻の名前は登場しない。
ちなみに太平記だと始皇帝暗殺を企てた荊軻の短刀が干将の先端部を加工したものだったりする。



二次元でもかなり登場する部類の武器でもある。

ちなみに、かの封神演義には莫邪の宝剣という宝貝(パオペエ)が登場する。
莫耶は資料によっては莫とも表記されているが、元々の干将・莫耶は人間の刀鍛冶の作品、
莫邪の宝剣は仙人が作り出した宝貝であり、メジャーな刀の名前を小説に使ってはいるものの設定は独自という形。
刃の反射光だけで首を斬り落とせる能力があり、ジャンプにかつて連載されていた漫画版ではライトセーバーになっていた。





その中でも Fate シリーズに登場する物について説明しよう。



干将・莫耶(かんしょう・ばくや)
ランクC-

アーチャーの基本武装である武器で、セイバールート以外ではよく士郎も使用する。
陰陽二振りの鉈の様な形状をしている短剣。
黒い方が陽剣・干将、白い方が陰剣・莫耶。
アーチャーによる魔除けの文句が刻まれており、巫術礼装として使うこともある。

宝具としてのランクは低いが後述する性能から応用が効きやすく、それを考えると結構優れた武器。


二振り揃えて装備しているだけで対魔術・対物理防御が上昇する。

また、アーチャーが投影し慣れているためか非常に魔力の燃費も良く、対ランサー戦では何十本も弾かれては投影を繰り返したが、それほど苦にはなっていなかった。

他にも、互いに引き合う性質を持つのでブーメランのように使用することもでき、背後から相手を襲いかからせる事で奇襲にも使用できる。

この特性を利用して双剣を投影し、様々な角度・タイミングから投擲と斬撃のコンビネーションを叩き込む「鶴翼三連」という、干将・莫耶の必殺技がある。

1回目の投擲を左右から同時に放り、2回目の投影と最初に投擲した双剣で相手の隙を作り、3回目の投影で隙を見せた相手を双剣で、「×」の重ね切りを行うというもの。
これはアーチャーが生み出した技で、unlimitedcodesでは士郎とアーチャーの超必殺技となっている。
どちらも「ガードされると発動する」珍しい技であり、避けられたり普通に当たった時はそれ以上何も起こらない。
崩し・不意打ちに使うにしても暗転演出の時点でバレるため、演出を見てから普通にジャンプで飛び越えられてしまう悲しい技になっている。
どちらもモーションは格好良く仕上がっているだけに残念である。特に士郎版の流れるような連撃は必見。

アーチャーの片腕を受け継いだ士郎も桜ルート(正規ルートではないENDだが、PS2移植版ではこのシーン専用BGMまで追加されている)でセイバーオルタに鶴翼三連を使い、
圧倒的な力の差があるセイバーオルタに深手を負わす事に成功した。高い白兵能力とBランク程の直感を持つセイバーにすら通用した辺り、この技の有効性が窺える。
尚、士郎が使用した際は3回目の投影は通常の夫婦剣のままだったが、
本来の使用者であるアーチャーが投影した場合は3回目の投影は刀身を鳥の羽のように巨大に強化した「干将・莫耶オーバー・エッジ」という形態へ変化させる。
キャラマテ曰く強化を施すことによりこの形態へとなるとのこと。
アニメ版で使用し、アーチャーがバーサーカーにダメージを与えたことからランクはC-からAランク以上強化にされると推測される。


発動呪文
「―――鶴翼、欠落ヲ不ラズ(しんぎむけつにしてばんじゃく)」

「―――心技、泰山ニ至リ(ちからやまをぬき)」

「―――心技黄河ヲ渡ル(つるぎみずをわかつ)」

―――唯名別天ニ納メ(せいめいりきゅうにとどき)

―――両雄、共ニ命ヲ別ツ(われらともにてんをいだかず)……!



オーバー・エッジ形態が初めて登場したのは2006年のアニメ版である。
そもそも本作でのバーサーカー戦の為にデザインされたもので、その際二・三段目のみ詠唱した。
きのこが初めてこの設定を明かした相手がアニメ版の監督山口であり、名称が定まっていなかったため、きのこ達はスーパー干将・莫邪と呼称していた。
この時点では設定が定まっていなかったのか、後に「鶴翼三連は飛んだり跳ねたりはしません。念の為」と補足されている。
が、この補足以降も作品によっては飛び跳ねている。


ちなみに、オリジナルの干将・莫耶は対怪異専用の宝具で怪異に対して凄まじい性能を誇る。
キャスター(Zero)が呼び出した大海魔やライダー(Fate)が変貌したゴルゴンなどの怪物さえも真っ向から両断して粉砕することができると説明されている。
何それかっこいい。
投影品については言及されていない。
アヴァロンや宝石剣、自滅覚悟とはいえ神造兵装のエクスカリバーすら基本的な能力はそのままに投影可能な辺り、能力の再現は問題無さそうだが…
アーチャーが投影しているものがオリジナルではなく王の財宝の原典や余所で見つけた派生品である可能性もあるため、投影品が同じ能力を有しているかは不明。

2020年8月のFGO夏イベント、サーヴァント・サマーキャンプ~カルデア・スリラーナイト~にてアーチャーのセリフより投影した干将・莫耶も怪異特効がある事が判明した。

外伝『Fate/EXTRA』でも当然の如く登場。
ATTACK、BREAK、GUARDの基本コマンドに使われ、鶴翼三連で使い捨て投影もされる相も変わらずの過労死宝具。
ちなみにアサシン(EXTRA)は出身が出身だからかこの剣の正体を一目で見抜いていた。
また両儀式も『俺好みで気に入った』と述べた。


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最終更新:2024年02月22日 17:37