ヴァイエイト/メリクリウス

登録日:2011/11/16(水) 08:30:32
更新日:2023/09/08 Fri 22:42:45
所要時間:約 13 分で読めます




〜それはアフターコロニーの話〜


ある科学者はこう言った……

この機体には機動力をギリギリ
保てるサイズのビーム砲を与えたと。

そしてその科学者はこうも言った……

この機体にはそのビーム砲を
防げる防御フィールドを与えたと。


その話を両方聞いていた女性士官は科学者にこう尋ねた……

では、この2機が戦ったらどちらが勝つ?』と。




様々な対決を中心に行うバラエティ番組『ほこ×たて』の対決企画のひとつ。



■概要
MS『ガンダム』を生み出した科学者達が開発した2機のMS、『ヴァイエイト』と『メリクリウス』が真っ向からぶつかり合う。

この2機はそれぞれ「攻撃力」と「防御力」を追求した機体であり、まさに番組タイトルを象徴するに相応しい企画である。


■第①弾

AC195年放送。
ヴァイエイトとメリクリウスの直接対決……の予定が、
急遽乱入してきたカトル・ラバーバ・ウィナー氏が造ったというウイングガンダムゼロとの戦闘に発展。

主役であるはずの2機をメッタメタにボコり、完全に画面を独占するというまさかの事態に。

カトル氏は後に、「カッとなってやった。相手はコロニーでも良かった」と、反省のカケラもないコメントをしている。


この回でヴァイエイトのパイロットを務めたトロワ・バートン氏が生死不明となった為、
コロニー放送委員会から苦情が入り、この対決は決着が付かないまま終わってしまった。

尚、この対決を前に、OZ士官レディ・アン氏が「どちらが勝つ?」と開発者のドクターJ氏に聞いたが、ドクターは
優秀なパイロットが乗っている方が勝つ」と、番組の趣旨にそぐわない答えを残している。



追記・修正お願いします





-下らないな-
-MSの性能競争など-








うん、間違いではないけどね






新機動戦記ガンダムW』に登場するMS(モビルスーツ)。
デザインはカトキハジメ


■目次




■本当の概要


ガンダムが事実上敗北した後、秘密結社OZによって捕えられたガンダム開発者達が、その技術力を買われて開発を強要された機体。
ガンダニュウム合金を使用しているが、あくまで「OZの為のガンダム」ではなく、「ガンダムを超えるMS」である
(尚、これはOZのスポンサーであるロームフェラ財団が「ガンダム」という名称を認めていない為でもある)。

開発者達は以前、OZにおいて史上初の戦闘用MSトールギスを開発していたが、
トールギスは単体兵器に多くを望んだ結果「機体の性能にパイロットが付いていけない」という致命的な欠陥を持っていた。

そこで博士達は戦闘兵器の原点、「攻撃力」と「防御力」を追求すると同時に、
それらを二つに分け、機能の多様化と複雑化を抑制(尤もジジイ共は他の部分まで二つに分けていたが)。

また、各々の負担を減らす事によってそれぞれの攻撃力・防御力はトールギスやガンダムを上回るものとする事が可能になった。


こうして完成した機体が双子のMS、ヴァイエイトとメリクリウスである。

尚、機体のベースになったのはOZの主力MSトーラスだが、
設計段階でトールギスの機構を取り入れているらしく、フォルムはトールギスに似たものとなっている。
頭部もトールギスと同じく四角いセンサーをカバーで覆うスタイルだが、両機ともカバーは可動式となっている。

『究極の矛と盾』という極端な設計思想ではあるものの機体の基本性能は非常に優秀であり、
後のMD(モビルドール)ビルゴはこの2機をベースにした量産機である。


デザインのモチーフとなったのは、日本の風神と雷神。
実はデザイン時、カトキはパイロットがヒイロとトロワだとは知らなかったとか。*1
旧キットの箱絵や登場前の雑誌記事などから、当初はトールギスの随伴機として企画されていたという噂もある。実際に鎧闘神戦記編(SDガンダム外伝)ではこの三機が合体したが、関係は不明。
また、コンセプト的には上記のように双子だが、命名方式はトールギス同様OZ系MSの黄道十二星座からは外れており、「双子座」の名は外伝で使われることとなった。



◆ヴァイエイト


型式番号:OZ-13MSX1
頭長高:16.3m
重量:7.3t
装甲材質:ガンダニュウム合金
武装:ビームキャノン×1
搭乗者:トロワ・バートン

  • アビリティレベル
ファイティングアビリティ:レベル110
ウエポンズアビリティ:レベル160
スピードアビリティ:レベル125
パワーアビリティ:レベル110
アーマードアビリティ:レベル130


■機体概要

「究極の矛」を担当する青い機体。
頭部には一本角があり、背面左寄りに大型の円形ジェネレータが装着されている。
砲撃戦(正確には死角からの広範囲制圧砲撃)に特化した機体として開発されており、武装はビームキャノンのみという潔い仕様。

これは防御・近接戦を担当するメリクリウスとの連携を前提としている為ではあるが、この機体自体の機動力・防御力も並のMSの比ではない。
むしろ砲撃と回避のみにパイロットは集中すればよいのでパイロットへの負荷も低くパイロットの持久力的な面での長所にもなる。


■武装

  • ビームキャノン
本機唯一にして最強の武装。
キャノン部分のサイズは機体全高に匹敵するが片手で扱うことが出来、姿勢を安定させる際には左脇の下から伸ばしたアームに乗せることも可能。
背部の大型円形ジェネレータからケーブルで直接エネルギー供給を行っており、その威力は絶大。
あのウイングガンダムのバスターライフルをも上回る威力を持っている。
また出力調整も可能で、威力は落ちるが連射も可能。

「究極の矛」でありながらウイングゼロのツインバスターライフルに威力が劣るのは、
博士達がゼロに対して下した「あの破壊力は素人目に見ても必要ない」という判断からだと思われる。

ちなみに、ジェネレータの蓋を外部から開けてジェネレーターを起動させれば他の機体でも発射が可能。



◆メリクリウス


型式番号:OZ-13MSX2
頭長高:16.3m
重量:7.3t
装甲材質:ガンダニュウム合金
武装:クラッシュシールド、ビームガン、プラネイトディフェンサー×10
搭乗者:ヒイロ・ユイカトル・ラバーバ・ウィナー

  • アビリティレベル
ファイティングアビリティ:レベル150
ウエポンズアビリティ:レベル100
スピードアビリティ:レベル125
パワーアビリティ:レベル130
アーマードアビリティ:レベル130


■機体概要

「究極の盾」を担当する赤い機体。
頭部の角は途中で二又に分かれている。
防御力を主目的に「ヴァイエイトの攻撃をも防げる機体」として開発され、新兵器である電磁フィールド発生端末群『プラネイトディフェンサー』を装備する。
その他に小型のビームガンにビームサーベル兼用のシールドを持ち、本体の機動性と合わせこれら複数の装備を使い分けながら中~近距離で立ち回る、ヴァイエイトとは真逆の戦法を得意とする機体。
またこの機体は接近戦を仕掛ける事で相手の注目を引き相方ヴァイエイトへの注目をさせない役割を担っている。

余談だが、乗機に愛着を持たないヒイロも「悪くない」、「(新型ガンダムと)いい勝負になるだろう」と中々の評価。


■武装

  • クラッシュシールド
ガンダニュウム合金製の円形シールド。この手の手持ち式シールドには珍しくグリップはピストルグリップ状の形である。
中央にビームサーベルの発振器も備える。形成されるビーム刃が大きい為か一部ではエピオンと同じビームソード表記もされる。
また盾表面の三つの突起はビームサーベルの形成フィールド発生器だが、このフィールドをシールドでの防御時に転用する事が可能
(ただしあくまで不可視フィールドでありビームシールドを形成するわけではない)。
かなりの強固さを誇り、威力が減退したとはいえツインバスターライフルの攻撃を一度は耐えた。

  • ビームガン
小型のビーム銃。
単発威力はサイズに見合って低く、速射力はあるがもっぱら牽制用の武装。

  • プラネイトディフェンサー
本機に搭載された新機軸の防御装備で、装備自体は計10基の円盤型の端末。
待機時には円盤側面の突起と溝を噛み合わせ連結させ、脇の下部分のアームに左右5基ずつ装着しておく。
使用時には機体から分離した円盤を遠隔操作、数組の端末によって形成される電磁フィールドによってビーム兵器・実体弾兵器問わずにほとんどの攻撃を無効化する。
ビルゴのものよりも数も多く高出力だが、ツインバスターライフルが相手ではクラッシュシールドとの併用で数発防ぐのが限界だった。

防御以外にも2基以上の端末から形成される電磁フィールドで取り囲んだ敵機の反応炉に干渉・強制停止させ無力化出来
その他に単純にフィールドで捕縛する方法も使われているが、装備として正式なものではなくパイロットの応用技術と思われる。
「ディフェンサーネット」と呼ばれる技術が確立されるのはこの機体から発展した機体からとなる。



■専用輸送機


宇宙空間での長距離移動を行う際、ヴァイエイトとメリクリウスを輸送する宇宙用輸送船。
長方形の板の様な宇宙世紀の宇宙用SFSに近い形をしており、船体の上下(表裏とも言える)にうつ伏せ状態の二機を載せ飛行する。
離発着時には両機の足場が可動し、直立状態にさせる。

また、輸送時にはビームキャノンやプラネイトディフェンサーなどの武装は取り外され後部のカーゴルームに収納。
発進体勢に移行する際には輸送機に設けられたアームでそれらの武装を機体に装着させる。



■劇中の活躍


□TV版

OZが掌握した月面基地で建造が進められ、初登場時は完成度50%状態のヴァイエイトのコクピットにヒイロが潜りこみガンダム開発者たちを抹殺しようとしたが
遠隔操作された完成度80%のメリクリウスのディフェンサーにビームキャノンを防がれ抹殺は失敗。
両機の完成後はテストパイロットとしてOZに潜入していたトロワと捕虜になったヒイロにあてがわれ運用。
初出撃ではゼクスの駆るトールギスを相手に戦いながらMDを破壊するという芸当をこなしており、機体の性能が高い事を見せ付けた。

そして暴走したカトルがゼロによってコロニーの破壊を始めた際は、その破壊を防ぐ為に出撃。
しかし相手のカトルが正気と思って油断したトロワは不意の一撃によって機体を大破させられ、交戦したヒイロも圧倒的な機体性能差の前に敗北する。
その後脱出不可能を悟ったトロワの捨て身の説得によってカトルは正気に戻り、ヴァイエイトは爆散。
残ったメリクリウスはゼロと共に回収された後、再び暴走したゼロを止める為今度はカトルが搭乗しゼロを押さえ込んで自爆した。

その後、宇宙革命闘士ホワイトファングに身柄を確保されたガンダム開発者達の手によって両機ともリーブラ内で新規に再建造され再登場。
この時以前の機体で得られたヒイロとトロワの戦闘データを組み込まれMD化された。
リーブラから脱出したヒルデを追い出撃し、デュオのデスサイズヘルと交戦。
ヒイロとトロワの動きを模倣し通常のMDとは異なる戦い方によってデュオを驚愕させたが、本気を出し、MDの弱点である機体の装備の意表を衝いた用い方の
戦術で虚を衝かれまとめて破壊されている。


ちなみに、この2機の設計・運用データはデスサイズとシェンロンのパワーアップの際に組み込まれている。
「ガンダムを超える機体」として造られた機体が、そのガンダムを更に強化する結果になったのはなんとも皮肉である。



□『敗者たちの栄光

TV版と同じ経緯で建造され、カトルの乗ったプロトゼロと戦いで失われる。

その後、二機ともヒイロとトロワの戦闘データを持ったMDとして新造されるがホワイトファングではなくOZ残党部隊の戦力として登場。
コロニー市民を人質にとったことでトロワのヘビーアームズを一方的に攻撃し追いつめるが、人質が解放されたことでヴァイエイトはトロワに、そして残ったメリクリウスもヒイロのウイングゼロにそれぞれ破壊された。



■その他の作品


□『BB戦士三国伝

ヴァイエイトが高順、メリクリウスが陳宮役で出演。
呂布トールギス率いる独立武装勢力「呂布隊」のメンバー。

プラモシナリオでは董卓ザクの乱射した弓矢に当たってあっけなく死亡。
アニメでは呂布の最後の戦場となった官渡の戦いまで随行し、曹操ガンダムの紅蓮の業火の中で満足げに散っていった。


□『SDガンダムフォース

「暴風の騎士ヴァイエイト」「轟雷の騎士メリクリウス」のコンビとして登場。
ラクロアの騎士だが、ダークアクシズ侵攻以前に反乱を起こして封印されており、その力に目を付けたT様ことトールギスの手で解放。
彼の部下となってガンダムフォースと戦った。
モチーフのそのまたモチーフ通り風と雷を操る能力を持っており、二人で強力することで稲妻を纏った竜巻を作り出せる。

前半に登場するが、フェザードラゴンと融合したゼロカスタムには歯が立たず返り討ちに。
その後デスサイズの策略で魔剣エピオンの生贄にされ消滅した。


また、PS2ソフト『SDガンダムフォース 大決戦!次元海賊デ・スカール!!』では「大魔導師メリエイト」が登場。
ヴァイエイトとメリクリウスをあしゅら男爵方式で合体させているが、上記の二人との関連は不明である。



バリエーション・関連するMS


□『新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT

ヴァイエイト・シュイヴァン メリクリウス・シュイヴァン が中盤に登場する。
OZプライズで開発されていた試作機で、ヴァルター・ファーキルがOZプライズを乗っ取った後は彼のハイドラガンダムの親衛隊機となり、アルモニア姉妹の愛機として登場する。
共通して原型機の武装を二倍にするコンセプトで、トールギス似の顔になっている。

◆ヴァイエイト・シュイヴァン

ソリス・アルモニアの愛機として登場。
ビームキャノンと専用のジェネレーターが二倍ほどに増えている。
原型機と同様にモビルドール/MDとして運用できるのかは不明。
機体色は濃紺。


◆メリクリウス・シュイヴァン

ルーナ・アルモニアの愛機として登場。
プラネイトディフェンサーが二倍ほどに増えている。
クラッシュシールドの代わりにスコーピオのA.S.プラネイトディフェンサーがフィードバックされたA.S.クラッシュシールド(スコーピオモデル)を持つ。
原型機に増して防御専門になっているが、プラネイトディフェンサーを捕獲網に使うことが可能。
パイロットが乗った方が強いらしいが、パイロット不在時にはモビルドール/MDとしても使用可能。
一応、設定ではビームガンもあるらしいのだが、劇中では未使用。
機体色は桜色。



□『新機動戦記ガンダムW G-UNIT オペレーション・ガリアレスト』

新たに登場したジェミナスタイプの ガンダムカスター がメリクリウス、 ガンダムポリュクス がヴァイエイトの技術をフィードバックして開発されている。



■立体化


ガンプラ

放映当時二機とも1/144で発売。
主人公達が乗るワンオフ機ということもあってかリーオーやトーラスを差し置いての商品化だが、流石に古いキットなので2000年代以降では微妙な感じ。

そして2020年、遂にプレミアムバンダイからHGACシリーズで二機セットの発売が決定。
新規造形となり、頭部カバー内のカメラなどの細かいギミック類も再現。
武装も保持アームやディスプレイスタンドによって展開シーンを再現できる。


ROBOT魂

二機セットで魂ウェブの受注生産で発売。
メリクリウスのPD展開にはスタンドが必要。



■ゲーム等


スパロボ

ザコ敵として量産化されている作品もあるが、その場合はさほど強くない。

初登場は『F完結編』。NPCのヒイロとトロワにハイエナされて泣いたプレイヤーもいるだろう。
α』でもヒイロとトロワが搭乗してNPCになる他、終盤はザコ敵として量産化されている。
ちなみに、この頃はプラネイトディフェンサーが個別能力として存在しなかったためIフィールド扱いされていた。

D』では現時点のスパロボでは唯一自軍運用可能。ノインとヒルデの撃墜数が一定以上だと中盤に入手できる。
メリクリウスの方はともかく、ヴァイエイトはビームキャノンが移動後攻撃可能でMAP兵器もあるため使い易い。

第2次Z再世篇』では原作でのビルゴIIに代わりドロシーによって操作される場面もある。
プラネイトディフェンサーが全属性防御となり格闘も弾けるようになったため、シールド防御と相乗してこちらの攻撃を弾かれる場合が多い。


Gジェネ

プラネイトディフェンサーがビームも実弾も問答無用で弾くので、
メリクリウスを囮にしつつ高火力とMAP兵器を持つヴァイエイトで敵を削る戦法が使えるが、
火力の低ささえ我慢すればメリクリウス単体でも十分戦える…。
そんな事よりプラネイトディフェンサーを持って大量に出てくるビルゴの方が厄介。
なお、GジェネFのヒイロVSカトルのイベント戦ではプラネイトディフェンサーのお蔭でウイングゼロを完封できる。
むしろ、プラネイトディフェンサーがなければ勝てるかどうかも怪しい。

クロスレイズでは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼」の戦艦「メリクリウス」が登場した為、「メリクリウスから出撃するメリクリウス」とか「メリクリウスVSメリクリウス」とか遊べる。
なのでとあるクエスト達成条件が「戦艦《メリクリウス》を生産リストに登録する」とちょっと珍妙な書き方になっている。

◇ガンダムvsガンダム(NEXT)

ウイングゼロのアシストにヴァイエイト、ヘビーアームズのアシストにメリクリウスとして登場。
恐らくヴァイエイトにトロワ、メリクリウスにヒイロが搭乗しているイメージなのだろう。


新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL

項目参照。
あと何故か、メリクリウスのビームガンが(エピオン以外の)OZの汎用装備みたいになっている。




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最終更新:2023年09月08日 22:42

*1 「主人公達が乗る機体としては悪役染みたデザインになりすぎたかな」と語っている。