マキシマ・オーバードライブ(ウルトラシリーズ)

登録日:2011/06/24(金) 17:31:44
更新日:2024/01/14 Sun 09:00:26
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この項目では『ウルトラマンティガ』とその続編の『ウルトラマンダイナ』、『大怪獣バトルシリーズ』に登場した、
架空のエンジン及びそれらを用いた超高速航法『マキシマ・オーバードライブ』について解説する。
また、発展系のネオマキシマおよびゼロドライブ航法についても併せて解説する。


マキシマ・オーバードライブ航法

地球平和連合TPCヤオ・ナバン博士が20年の歳月を費やして考案・開発したエンジンシステム。
2008年から「特捜チーム GUTS」によって実証実験が開始され、同年中に実用化された。
陽子と反陽子をぶつけて光を推進力に変換することで、既存のロケットエンジンを遥かに上回る性能を獲得している。

本来はゼロドライブ航法と平行して新航法開発が進行していたが、
2005年にゼロドライブ計画が実験中に起こった「ある事故」によって中止されたことでマキシマ・オーバードライブ一本に絞られたという経緯がある。
劇中でも更に改良と開発が進められていて、29話では「ニューマキシマ」の実験が行われていた。

しかし、この力はいずれ誰かが発見する筈のものであり、マキシマを「禁じられた力」と呼び、
開発されることを恐れた何者かが宇宙に放った「保障システム」である機械島とゴブニュの攻撃を受けることになってしまった。



劇中での活躍

劇中での描写は、スノーホワイトを除いて「超高性能なロケットエンジン」といった感じであり、
まだワープ航法と呼べるものではなかったが、このシステムの実用化によって宇宙開発は飛躍的に進むこととなる。

初登場回である19、20話の前後編以外に目立った活躍はなかったが、
最終章に登場した超古代尖兵怪獣ゾイガーのスピードに対抗する為に、
マキシマを搭載したスノーホワイトが使用され、ティガと共に見事ゾイガーを撃墜した。
また、ガタノゾーアに敗北したティガを復活させる為に使用された「光遺伝子コンバーター」にもマキシマユニットが応用されている。



マキシマの応用技術

◆マキシマ砲
アートデッセイ号のデラック砲とマキシマエンジンを直結して発射する虹色の超強力なビーム。
機械島と融合して生半可な攻撃の通じなくなったゴブニュ(オグマ)からティガを救う為にホリイが考案した。
本来は武器として開発された訳ではない上に強力過ぎた為、劇中では2回しか使用されていない。



マキシマを搭載している機体

スノーホワイト
白銀のカラーリングが美しいマキシマ実験機。登場からしばらくは正式な名前がなかった。
詳しくは項目を参照。
GUTSが使用した機体以外にもゼロドライブ実験機プラズマ百式の随伴機として運用されていた「スノーホワイト改」が存在する。
こちらは銀一色。


アートデッセイ号
ヤオ博士の夢の結晶。詳しくは項目を参照。





ネオマキシマ・オーバードライブ航法

宇宙開拓を推進する「ネオフロンティア時代」が到来し、更に改良が加えられたマキシマ・オーバードライブの発展系。
2014年にキサラギ・ルイ博士がニューマキシマの発展系として理論を発表し、2015年に実用化された。

従来のマキシマと比べてネオマキシマ航法は劇中の描写だけでも圧倒的な速さが演出され、
地球から火星まで数十分から1時間ほどで移動が出来、わずか数時間で太陽系から飛び出すことさえ可能になった。
更にネオマキシマエンジンはスーパーGUTSの小型戦闘機に搭載出来るまでに小型化され、ネオフロンティア計画には欠かせない存在となった。

しかし広大な宇宙には、スフィアスヒューム、そしてキサラギ博士を操ったモネラ星人のように人類の宇宙進出を善しとしない宇宙人も大勢おり、
それらの侵略者の攻撃もより一層激しくなった。そのことがTPCの武装化に拍車を掛けることに繋がってしまった。



劇中での活躍

『ウルトラマンダイナ』自体が宇宙を舞台にすることが多いことや、
スーパーGUTSやTPCのマシンの多くにネオマキシマエンジンを搭載していることもあって非常に出番が多い。
しかしモネラ星人が起こした後述の兵器を巡る事件や、ネオマキシマエンジンがスフィアに取り込まれてジオモスを強化してしまったりとマイナス面も目立った。

しかしそのマイナス面が最終回での切札となったのである。

ネオマキシマのプラス面とマイナス面のどちらが欠けていてもグランスフィアに勝てなかったであろう。
第10話でカリヤが言ったように「マイナスをプラスに」変えればいいのだ。

その点から見ても、ネオマキシマは「常に前に進む」ことをテーマとした『ウルトラマンダイナ』にふさわしい技術ではなかろうか。

コミックボンボン増刊号に掲載された読み切り『ウルトラマンダイナ 英知の彼方』では、台風と一体化している限り不死身という怪獣に対し
「全開のマキシマには台風を消し飛ばす力があるがTPCには制御する技術が無い。しかし質量とエネルギーの相互変換を行えるダイナにならそれが可能」
という設定が登場している。尚、この発言を聞いたアスカ自身は作戦会議中も撃破後も「なにそれこわい」状態になっていた(未収録作品)

応用技術

◆ネオマキシマ砲
マキシマ砲の応用でネオマキシマエネルギーを発射する人類の究極兵器。
その威力は一撃で島一つを吹き飛ばし、フルパワーで発射すれば小惑星一つを粉々に粉砕してしまう程であり、
あまりに威力がありすぎたことと、これを搭載した戦艦プロメテウスがモネラ星人に奪われて人類を破滅の危機に追いやってしまったことから木星圏のガニメデ基地に封印された。

しかし、最終章にて太陽系の惑星を次々と飲み込んで地球に突き進むグランスフィアを倒す為に、クラーコフNF-3000に搭載される。
このことは、ダイナと共にグランスフィアを倒す切り札となった。


◆反マキシマエネルギー
ネオマキシマエンジンを取り込んで強力な亜空間バリアを展開する、
ジオモス及びネオジオモスの亜空間バリアーを破る為にネオマキシマエネルギーを逆位相で発射したもの。
ガッツウイング1号ガッツイーグルガッツウイングEX-Jに搭載され、ダイナと共に見事ネオジオモスを倒した。


◆偏向マキシマビーム
ガッツシャドーに搭載されたビーム砲。
「偏向」とあるように、ビームを分裂させたり軌道を自在に曲げることが出来る。
正面から撃ったビームが分裂して背中に命中するなんて細かい芸当も可能。
もっとも、ガッツシャドー初登場回以外では使われなかったが……

ネオマキシマ砲程強力ではないが、それでもクローン怪獣を一撃で葬ったほど。しかしゼルガノイドやネオガイガレードにはあまり効かなかった。
まぁ倒したのは再生怪獣だしね。



ネオマキシマを搭載している機体

ここでは劇中や設定で確認出来るもののみ記述する。

ガッツイーグル
α、β、γ、αスペリオルなど全機に搭載されている。


クラーコフNF-3000
最終章ではネオマキシマ砲も搭載した。


◆プロメテウス
ゴンドウ参謀が密かに開発していた宇宙戦艦。
クルーを必要としない電脳巨艦にして史上初のネオマキシマ砲搭載艦だったが、その為にモネラ星人に奪われてデスフェイサーへと変貌させられてしまった。


ガッツウイング1号
一部の実験機のみ。
しかしジオモスとの決戦に際して旧GUTSのホリイが動態保存していたオリジナルのガッツウイングにも搭載されていた。


ガッツウイングEX-J
量産されるにあたってネオマキシマエンジンに換装された模様。


ガッツシャドー
ガッツウイング1号の特殊部隊ブラックバスター仕様機。
ネオマキシマを標準搭載し、偏向マキシマビームを主兵装とする。


◆スペースペンドラゴン
スペースミッションのスペシャリスト「ZAP SPACY」の宇宙船。
M78星雲世界の機体であるが劇場版『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にて搭載が発覚した。
同型艦やその他の地球製宇宙船にも搭載されているようだ。

速度などに関して直接的な描写は無いが、この技術のおかげで宇宙進出がかなり進んだ様子で、複数の太陽系外惑星の開拓に成功している。
また、『ウルトラ銀河伝説』にて「光の国(地球から約300万光年)まで数十年掛かる。」という台詞があり、このセリフ通りなら光速を遥かに超える速度での航行が可能と言う事になる。

何故、別世界観の宇宙艦に搭載されているかは語られていないが、この宇宙で同様の技術が確立された、
もしくはギャラクシークライシス等の次元を跨ぐ事件によって技術が流れてきたのかもしれない。
また夢のある意見として、ダイナ最終話でアスカが乗っていたスペリオルαが流れ着いたというものも。


ナースデッセイ号
ウルトラマンデッカーでのスフィア来襲後の近代化改修において主機をネオマキシマエンジンに換装している。
これにより主砲がネオマキシマナースキャノンに強化され、GUTSハイパーキー無しでも使用可能となっている。
トリガー及びデッカーの世界にはネオフロンティアスペースからもたらされた技術が流入しているが、このネオマキシマもそうであるのかは今のところ言及がない。





ゼロドライブ航法

かつてマキシマ・オーバードライブ航法と同時並行で研究されていた新航法。
詳しい計画内容や原理は不明だが、その臨界速度は秒速30万㎞と文字通りの光速でありマキシマ航法を大きく上回っている。

研究開始はマキシマと同じ2001年でありながら研究の進捗はかなり早く、2003年には試作実験機が完成している。
このゼロドライブ計画はTPCの極秘計画として2005年には月面基地ガロワで実験機「プラズマ百式」による本格的実験が開始された。

だが、同年内の実験飛行中にプラズマ百式がテストパイロットのアスカ・カズマ諸共行方不明となる事故が発生。
実験機を失ったゼロドライブ計画は凍結され、新航法はヤオ博士のマキシマ・オーバードライブ一本に絞られることとなった。

そして事故から13年後の2018年、冥王星付近でプラズマ百式のみが回収され、
テストパイロットにスーパーGUTS隊員のアスカ・シンを据えて計画は再開された。
太陽系に巨大隕石が迫るなどの苦難の末に飛行実験は成功、計画は大きな一歩を踏み出した。

ただ、ゼロドライブがクローズアップされたのはこの29話が最初で最後なので、その後計画がどのように進んだかは不明である。
しかし、アスカがネオフロンティアスペースの歴史の教科書に載っているのはダイナとしてだけでなく、本件のこともあると信じたい。

なお、ゼロドライブといっても2005年にタイムパラドックスの影響で出現した仮面ライダーではない。



劇中での活躍

第29話「運命の光の中で」にて初めて言及される。
というかこの回でしか登場しない。



ゼロドライブを搭載している機体

◆プラズマ百式
ゼロドライブ実験機の2号機。
かつてアスカ・カズマが搭乗し、光の中へと消えていったが、冥王星付近を無人で漂っていたところを回収された。

「余計なものは省いてゼロドライブに全てを注力してほしい」というカズマの主張により、安全装置の類は一切搭載されていない。
あくまで実験機なので固定武装は無いが、劇中では巨大隕石を太陽系外で破壊する為にファイナルメガランチャーを機体両端に増設している。

なお、「百式」という名前ではあるが金ピカではなく銀一色。




追記・修正は物理で赤点だった方がお願いします。

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最終更新:2024年01月14日 09:00