登録日:2013/03/27 Wed 01:28:58
更新日:2021/12/14 Tue 17:59:14
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僕たちの運命を乗せて、車輪は廻り始める・・・
悠久の車輪~Eternal Wheel~とは2008年3月稼動のタイトー及び(一応)スクウェア・エニックス開発のアーケードカードゲームである。
―基本システム―
カードを盤面上で動かし、リアルタイムでバトルを行う
アーケードトレーディングカードゲーム。
敵召喚師のHPを0にする、あるいは制限時間終了時にHPが敵召喚師より多ければ勝利となる。
カードで操作するユニットはその場にエレメンタルと呼ばれる魔力の塊を生成できる。敵のエレメンタルは攻撃して破壊することが可能。
エレメンタルは戦場に6個まで生成することができ、2個以上生成するとエレメンタルと召喚師を直線で結んだ多角形の魔法陣が展開されると共に召喚ゲージが溜まっていく。
召喚ゲージの溜まる速さはエレメンタルの数に比例する。
召喚ゲージが溜まりきると召喚獣を召喚することができる。
ユニットは召喚師に対しての攻撃力が非常に低いため、召喚獣を召喚することが敵召喚師への攻撃のメインの手段となる。
召喚獣は戦場に一定時間滞在したあと消滅する。滞在時間は召喚する際の魔法陣の面積に比例し、敵召喚獣に攻撃することで滞在時間を短縮できる。
―ユニットステータス―
●ユニットタイプ
キーパーはHPと攻撃力に優れた兵種。エレメンタルの生成速度が最も早く、立ち止まるとHPが徐々に回復していく。移動速度は最も遅い。
シーカーは移動速度に優れた兵種。一定距離移動し続けると遠距離攻撃に対する防御力が上がる。エレメンタルの生成速度が最も遅い。
マスターは立ち止まると魔法による遠距離攻撃を行うことができる兵種。
●レベル
ユニットのレベル。レベルが高いほどステータスは高くなる。
最低が1、最高が5で、デッキは合計10レベル以下になるように組まなくてはいけない。
●コスト
戦闘不能になったユニットを復活させるのに必要なMP。コストが高いほどステータスは高くなる。
最低が1、最高が5で、基本的にはレベルと同じ数値だが、中にはレベルよりコストが低かったり高かったりするユニットも存在する。
●HP/ATK/INT
ユニットの体力/攻撃力/賢さ。読んで字の如く。
INTはアビリティ効果の高さに影響する。
●アビリティ
ユニットが所持する技。攻撃力アップ、敵にダメージ、回復などさまざまな種類がある。
ユニットごとに所持するAPを消費して発動する。中にはAPの変わりにMPを消費する変り種も。
●スキル
ユニットが所持する技。攻撃力アップ、敵にダメージ、回復などさまざまな種類がある。
アビリティと違い、「戦闘不能になる」「残り時間一定以下」などの条件を満たせば自動的に効果が現れる。
●関連キャラクター
「友達」「ライバル」「同僚」などの関係の深い人物が0~2人挙げられている。
関連キャラクターが戦場に存在することで攻撃力アップなどの効果が得られる。
―国家―
ユニットは6つの国家のうちいずれか1つ、あるいは2つに所属している。
●神聖帝国アルカディア
イメージカラーは白。大陸北西部の平原に位置する人間の国家。
キーパーは重装備の騎士、シーカーは獅子や豹などの獣を駆る傭兵、マスターは教会に所属する聖歌隊。
●巨人山脈グランガイア
イメージカラーは赤。大陸中央部の山岳に位置するゴブリンの国家。
キーパーは歩兵ゴブリン、シーカーは機械の獣を操縦する騎兵ゴブリン、マスターは炎を操る巫女ゴブリン。
●神秘の森シルヴァランド
イメージカラーは緑。大陸南西部の森に位置するエルフと獣人の国家。
キーパーは男性の獣人ワーウルフ、シーカーは女性の獣人ワーパンサー、マスターは魔法に長けたエルフ。
●海洋帝国スケールギルド
イメージカラーは青。大陸南の海を支配する水棲生物の国家。
キーパーは蛸の獣人ワーオクトパス、シーカーは鮫の獣人ワーシャーク、マスターは女性だらけのマーマン。
●竜王の翼バハムートロア
イメージカラーは黄。大陸北東部の砂漠に位置する人間の国家。
キーパーは地を駆ける竜を駆る地竜騎士、シーカーは大空を飛ぶ竜を駆る飛竜騎士、マスターは竜を奉る踊り子。
●不死教団ネクロポリス
イメージカラーは黒。大陸南東部の瘴気溢れる不毛の地に位置する不死者の国家。
キーパーはロードに仕えるバトラー、シーカーはロードに生み出されたメイド、マスターは神祖の魔力を受け継ぐロード。
―召喚獣―
圧倒的な攻撃力を誇る悠久の車輪の要。召喚師のHPが30%以下だとさらに召喚時に固有の潜在能力も発動する。
●癒しの天使ラファエル
召喚位置から敵召喚師の前まで移動して大剣を振るう。能力は平均的で使いやすい。
潜在能力は戦闘不能ユニットの復活と生存ユニットのHP回復。
●混沌の卵ジャクポット
召喚位置から動かず敵召喚師に向けてレーザーを撃ち込む。味方にも攻撃判定を持つので注意。
潜在能力は敵ユニットにダメージ+全敵ユニットAP0。
●世界樹ユグドラシル
召喚位置から動かず敵召喚師と敵ユニットに根を突き出して攻撃。攻撃力は低め。
潜在能力は味方ユニットのAPが回復し、敵ユニットの移動速度が下がる。
●深海の魔龍リヴァイアサン
召喚位置から敵召喚師の前までゆっくりと移動して牙で攻撃。攻撃間隔も長いが一撃の威力は絶大。
潜在能力は味方ユニットの攻撃力が上がり敵ユニットに小ダメージ。
●天空の魔龍バハムート
召喚位置から敵召喚師の前まで素早く移動して炎と風で攻撃。HPが低く、ユニットに攻撃されると滞在時間が大きく減ってしまう。
潜在能力は敵ユニットをバハムートに向けて引っ張る。
●冥界の騎士デュラハン
召喚位置から敵召喚師の前まで移動して大鎌を振るう。ラファエル同様平均的な能力。
潜在能力は戦闘不能ユニットの復活と敵ユニットの攻撃力を下げる。
●闇夜の邪龍カオスドラグーン
召喚位置から敵召喚師の前まで素早く移動して炎と風で攻撃。バハムートより攻撃力が高いがHPが最低クラス。
潜在能力は敵ユニットを移動不可にする。
●最果ての樹クリスタロス
召喚位置から動かず敵召喚師と敵ユニットに根を突き出して攻撃。ユグドラシルより少し攻撃力が高い。
潜在能力は敵ユニットのランダム1体を戦闘不能にする。
●地を穿つ蛇ヨルムンガルド
召喚位置から動かず敵召喚師に向けて混沌の波動を放つ。周囲の味方ユニットの攻撃力を上げる効果がある。
潜在能力はMPと味方ユニットのAPの溜まる速度が上がる。
―ゲームモード―
●シナリオモード
ツインガルドの覇権を争う6つの国家と、その戦争を陰から操る混沌の勢力との戦いの歴史を追うモード。
敵ユニットのスペックに補正がかかったり、特殊勝利条件や敗北条件が追加されることもあり難易度はかなり高め。
同じステージで2連敗以上すると、連敗数に応じてCPU側のスペックにマイナス補正がかかる仕様がある。
●全国対戦モード
全国にいる自分と同程度のRP(レートポイント)の相手とマッチングし、対戦するモード。
使用率の高い国家と全国順位から称号を入手したり、あるいは奪われたり。
●店内対戦モード/ナンバー対戦モード
RPの変動しない対戦モード。
ナンバー対戦モードは4桁のナンバーを入力し、同じナンバーを入力した相手とだけマッチングできる。
●CPU戦モード
たかがCPUと侮るなかれ。勝てば称号が貰える最大難度の「atrocious」は「残忍」で「凶悪」。
同ジャンルの
三国志大戦、戦国大戦や
LORD of VERMILIONに比べるとユニット同士のぶつかり合いより陣取りの要素が強いゲームシステムである。
是非ゲームセンターで見かけたら、一度ツインガルドに旅立ってみてはいかがだろうか?
冒頭で(一応)と付いているのには訳がある。
本作品の稼動前にスクエニが
LORD of VERMILIONを
『スクエニ初のアーケードトレーディングカードゲーム』の謳い文句で発表したのだ。
悠久の車輪は生まれる前からスクエニにとっての
黒歴史となってしまったのである。
ただし、
LORD of VERMILIONが開発も発売もスクエニだったのに対し
悠久の車輪は発売はタイトーとなっている。
その為、
LORD of VERMILIONが
純スクエニという捉え方をするならば
上記の謳い文句もあながち間違いではないのも事実である。
タイトーはこのゲーム発売前にスクエニに吸収合併されたばかりで、
現在も旧タイトー派とスクエニ派は派閥が存在しているという話もある。
社内事情はやはり複雑なのだろうか…。
結局悠久の車輪は
- 初期排出カードのシブさ(これはLORD of VERMILION初期も同じだが…)
- 新カードが旧カードのパラメーターを常に上回り続ける塗りつぶし型のゲームバランス調整
- シナリオモードの高い難易度
等、いくつかの要因により僅か3年半後、2011年8月で稼動を終了することとなった。
生まれる時代を間違えた名作・・・と言えるかもしれないし言えないかもしれない。
ちなみにストーリーに関しては一応の決着はついているが死人のオンパレード。まず神聖帝国アルカディアストーリーの時点で主人公アレキサンダーが血みどろの戦争を繰り広げるという悲惨なものである。
他の国もひどいものであり…
- 略奪と虐殺が日常茶飯事で子どもたちが大人に挑むも敵う事なく無惨に殺されていく巨人山脈グランガイア。
- 洗脳させられ無駄な特攻を繰り返した結果、虐殺と言われるほどの被害が出てしまうシルヴァランド。
- 蛸と人魚に支配させられ、戦うことでしか生き残れないレッドアイ達鮫人を描いたスケールギルド
と開幕の状態で絶望的な状況であり、最終的にはなんとか勝利するも血みどろの戦いが繰り広げられる。
しかし単なる鬱系の話で終わるものではなく
- 戦うことしか知らない孤高の鮫王「レッドアイ」が、やがて仲間のために自らの身を犠牲に戦う「王」に変貌していく物語。
- シルヴァランド兵を洗脳し虐殺したり、子供の泣き叫ぶ声が好きだったり、出会った商人を洗脳し腸で縄跳びさせるといった極悪非道な男「カサンドラ」が世界を救うキーパーソンとなる。
- 最初に無謀な挑戦をして死んだ「タンジー」や、慇懃無礼気味にレッドアイに挑み、負けたら即座に寝返った「タイガーアイ」といった、普通の物語ではすぐ死にそうな小物が大活躍する。
と、良くも悪くも癖のある物語が繰り広げられた。
車輪よ・・・我に追記・修正の力を・・・!
- なんで黒歴史タグが? -- 名無しさん (2014-11-08 20:23:59)
- このゲームすごい好きだったのになあ・・・ -- 名無しさん (2015-03-03 21:21:37)
- 梯子を外された形になったよね、応募キャンペーンなんかも最初の方で少しやったきりだったし。元々の稼働店舗も少なかった覚えがある -- 名無しさん (2020-12-29 16:21:55)
- やってたけど紹介されてる通りユニットタイプと所属国家で明確にキャラの外見・ジョブ設定が固まっちゃうから好みの絵で集めたカード使うとデッキが偏るんだよなぁ…… -- 名無しさん (2020-12-29 16:34:41)
- 正統派ヒーロー&ヒロインのポルタ・リリィ・ロザリオとダークヒーローのゴルガル・レッドアイ・ダルタニアが一丸となって混沌に挑む終盤の展開は燃えるし、その積み重ねがあってのエピローグが泣けるんだよなあ -- 名無しさん (2021-03-24 23:19:51)
- RやSRのカードの装丁が凄い綺麗だったな。他のゲームにはない丁寧さだった -- 名無しさん (2021-03-25 06:50:23)
最終更新:2021年12月14日 17:59