文責:きょうよ

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第1講 微分積分事始め

微分積分はどんなイメージ?

今回から、数回にわたって微分積分学の基礎に関する講座を行いたいと思います。
さて、突然ですが読者の皆様は微分積分に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
高校で習ったことのあるかたにとっては、「微分は傾き、積分は体積」のようなイメージや、あるいは大学受験用の勉強をしてきた方であれば微分方程式・積分方程式を想像して演算子みたいなものをイメージしているかもしれません。
これらは別に間違いではありませんし、かなり本質的な事であるのは間違いないでしょう。
しかしながら、本講座では読者の方には少し違ったイメージをもっていただくことを目標としています。具体的に申し上げれば

  • 精密な無限へのアプローチ
  • 論理の運用 というようなイメージです。(無限であるかは別として)これらは微積分に限らず、集合論や代数学など、数学の様々分野で感じることのできる感覚であり、また、高校数学ではなかなか感じることのできない感覚だとおもいます。
    ですから、別に微積分学でなくてもいいといえばいいのですが、入口としてはちょうどよい題材で、また、これからお仕事や勉強などで難しい数式と向き合う際には上のような感覚があればだいぶ理解も異なるものだと考えています。

目標地点

もう少し具体的に申し上げると、本講座をよんでイプシロン-デルタ論法を自在に使いこなせるようになっていただければ申し分ありません。本講座のタイトルにある「ちょっと上」という言葉もまさにこのイプシロン-デルタ論法を指すものです。
「イプシロン、デルタ??」と頭にハテナマークが思い浮かんでいる方もいらっしゃるかと思いますが、今の段階ではそういう数学の技術があると思っておいてください。これから微積分における計算よりもそちらに重点をおいて説明していきますので必ずやマスターできるようになるはずです。

解法には触れません

高校数学では、いろいろなケースにおける微分の解き方や積分の解き方、計算方法に関して学ぶことになりますが、本講座ではそのような計算方法や解法には基本的には触れません。この点に関しては、各種参考書や問題集にゆずることにいたします。
上でも申し上げたように、そのような計算を説明することは本講座の趣旨とは異なりますし、そこに触れてしまうと日が暮れてしまうからです。
ただし、本講座がそのような受験数学や資格をとるのに必要とされる数学的知識に全く寄与しないものではないワケではありません。上述のように、イプシロン-デルタ論法の理解と運用に関しての話題は、他分野の数学書を読み解くいいテストケースですし、応用問題などが出てきても深い理解があれば必ずや力になると信じています。

それでは、次回から無限の世界に入っていくことに致しましょう。




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最終更新:2013年02月13日 13:08