文責:きょうよ

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(1)経済思想とは

・経済思想というのは、経済理論や経済制作の基礎にあってその基本的概念や体系的構成を方向づけている考え方。
その中には、制度的・自然的環境の特定の捉え方が含まれています。
・これらは、認識の道具というよりむしろ認識の枠組みであり、しばしば強い価値評価が伴う。
・経済的な影響に関して認識するし何らかの結論をえるためには、直感に頼ることはできず、各経済主体の行動パターンを定式化した上で数段の論理的操作を行わなければならい。
・こうした概念群を持った経済理論によりドグマの域を脱したものになるが、どのような定式化・論理操作を行うべきかは直感的認識、経済思想に依存する。
→経済思想の発展が経済理論の発展を促すこともある。
・J・A・シュンペーターによると、経済理論は「分析装置」であり、経済思想は「ヴィジョン」
・経済政策論と経済思想の結びつきは経済理論以上に直接的な性格をもち、ときに経済理論の発展に先行することもある。

(2)経済思想の多様性

・経済思想の特徴は、多様でありうるということ。
→第一にどのような集団の組み合わせを準拠集団にするかによって複数の経済思想が成立しうるから。
→第二に経済には多様な調整メカニズムが併存し、どれを基準にとるかで差異が生じるから。
・思想は半鐘が極めて困難で、強い自己維持的な性質をもつ。

(3)再生するアダム・スミス

・ある経済思想が一時死んだとみなされても、復活することがありうる。例:アダムスミス
・大内兵衛「やがて死ぬべき定めであろうがなかなかしなぬのがスミスである」
・サッチャー政権・レーガン共和党政権が富裕層融合コースに制作を変えようとしたとき、アダムスミスはこの流れにさおさした政治家たちのシンボルになった。
・ロバート・ライシュもアダムスミスの「国富論」を意識している。著書「ザ・ワーク・オブ・ネーションズ」は「国富論」の現代版とみなすこともできる。
・アダムスミスの「一般的富裕」に関する記述は現代的に言い直せば、レーガン=サッチャー流のトリックル・ダウン・ポリシーになるでしょうか。
・これらの経緯からわかることは、過去の経済思想を現代に再生させるのは、経済選択を迫られる危機の中での実践的意識なのだということ。




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最終更新:2013年01月24日 19:02