バロン・ミュンヒハウゼン

来歴

獅子のような仮面で顔の上半分を覆った、一昔前の仏蘭西貴族のような出で立ちの謎の男。
永遠の命を持つとうそぶき、その思考は計り知れない。
錬金術の達人であり、碩学《西インド会社》の《三博士》の一人。
《怪異》に対して異常な執着を見せる。

来歴

《結社》の最高幹部《三博士》という肩書きは事実だが、その実態は黒の王に与えた教授の肉体から分化した内の一人『シャルノスに焦がれる者を導く黒の道化』。
“もうひとりのM”でありながら全く別の行動をとる観察者。
かつてのチャペック降霊会において《結社》内部で主流派の動きを牽制していた『仮面』の男もバロンである。
シャルノスへ導く者ではあるが、実のところ人間にシャルノスを都合良く利用させるつもりは全くない。
女王陛下の思惑も《結社》の陰謀すら関係なく、ただ永遠孤独の世界である真のシャルノスへ人類を導こうとしている。

能力

  • 静謐なる知識の間
    • 《結社》の知識、技術で作り上げた部屋。中に入る人物は聖徳太子のように同時複数対話が可能になる。
  • 《回路》技術
    • 《結社》の秘儀である《回路》を自在に操ることができる。
  • 視界の端に現れる
    • 人間の視界の端に出現し、声もなく嘲笑う。

本編での活躍

静謐なる知識の間で誰かに語りかけながら、密かに暗躍を行っていた。
そして準備が整いMがシャルノスを顕現させると、人間を次々とシャルノスに送り込む。
しかしシャーリィとMがメアリの説得で明日を目指すことを決めたことでシャルノスが砕け散ると共に――

その後

消滅した……こともあるでしょうが、そうでないこともあるでしょう
何故か時系列的には後である『仔猫の紅茶』や『ソナーニル爆外伝』(あれを考慮していいかは疑問があるが)も知識の間で解説(?)を行っている。

元ネタ

18世紀のドイツの貴族ミュンヒハウゼン男爵。ほら吹き男爵として有名。
名前と仮面はインドネシアのバリ島の伝承に登場するバロン(barong)。悪の象徴である魔女ランダと永劫の闘争を続ける善の聖獣とされる。また爵位の男爵もバロン(baron)である。

セリフ・名言・迷言

彼を象徴する台詞。

  • 「我らが愛してやまない人間の皆さま。どうか御照覧あれ」
章の始まりあたりに挿入されるバロンの定型文の一つ。この台詞の後に章を揶揄した言葉で場を締めくくる。
人間を愛していると言っているが、後にホームズに「愛が何であるのか、未だ、吾輩は理解できないのですがね?」と漏らしているため、おそらく虚言。
とはいえ仮にもほら吹き男の言葉であるため真偽は不明。

  • 「滑稽かな! 滑稽かな!」
愚かな人間たちを嘲笑する際の台詞。似た言葉に『滑稽だ。実にあなたは滑稽だ』というものがある。

備考

  • もう一人のMだけあってヴァイスハウプト下げを忘れない。(彼の求める方程式が見つかっておらず、しかも結社の求めるものではない、と発言)
  • 名言(というか便利な台詞)が多い。例:「滑稽かな!滑稽かな!」「そういうこともあるでしょうが、そうでないこともあるでしょう」
  • 『セレナリアFD』で名前だけは登場している。
  • 《回路》技術を操るとされているが、他の《三博士》とは違って独自の《回路》の存在を確認できていない。
  • 魔術師という肩書きの通り、魔術に関しての知識も深いようで、『ハチポチ』では渾沌へ時空歪曲の術(ヘルメス魔術または旧支配者のあれこれ)を授けている。
  • ハインツが後半に見せた狂気が混じった言動、平静を取り戻しつつあったチャーチルが心を乱す、ジェーンがかつての感情を取り戻す、といった事態はどれも直接手を下した訳ではないが、彼が一枚噛んでいる故に起こったことが、本編の節々で語られている。
  • 『ウルタール考』ではチクタクマンが興味を抱くほどの狂人となったジョルジュ・メリエスに接触し、彼の凶行を叶えるための援助を行った。
  • 同じ肉体から分化した“もうひとりのM”であるためか、顔をMと同じものに変えることができる。しかし眼帯が左側にある上に、Mにあるまじき感情を表に出したことでメアリからは「あなたはMじゃない」と拒絶されている。
    Mの体を操作しジェーンとの情事に介入したこともあり、この時もジェーンにバロンと看破されている。
  • 黒の王としての力をバロンも持つと思われるが、それを発揮したシーンは非常に少ない。それでも、人の影から現れる、複数の場所に同時に存在したことがある、銃弾が眉間を撃ち抜いても意に介さないなど、人智を超えた存在である。
    ハワードはバロンの姿を見た瞬間にその本質を感じ取ってしまい、全身を恐怖に支配されその場で嘔吐してしまった。
  • 仮面の怪人物、視界の隅で嘲笑う、という要素から前作である『赫炎のインガノック』のグリム=グリムを想起させるキャラクター。シリーズでは後のザハカにも同じことが言える。
  • バロンの素顔は立ち絵では仮面に隠れているか黒塗りになっていて分からない。
    ハワードによれば仮面の下は「口元から覗く肉食獣の牙」「爛々と輝く瞳」「仮面よりもよほど異形と呼べる顔」とおぞましいモノであるらしく、まさに本編の定型文にもある通り、彼の仮面の奥を想像してはいけない。命が惜しければ。


登場作品


関連人物


関連項目




  • 滑稽かな! 滑稽かな! -- 名無しさん (2013-01-23 01:07:46)
  • そういやこいつナイアーラトテップにいれていいのかな? -- 名無しさん (2013-01-23 17:28:12)
  • 顕現じゃなくて分裂らしいけど、イマイチ分からん -- 名無しさん (2013-02-22 23:17:16)
  • メアリが剣を捨てることを期待するような発言する辺りやっ、ぱりもう1人のMなんだと思ったわ -- 名無しさん (2013-10-20 04:17:06)
  • そのうち物語の「ヒーロー」に抜擢される可能性はあるんだろうか
    その場合はやっぱりマグロ枠か、それともMさんじゃない方の顕現態だからお爺ちゃんと同じような感じか -- 名無しさん (2014-01-17 15:26:33)
  • こいつだけ三博士の中でも抜きん出て異形なような -- 名無しさん (2014-03-06 23:19:31)
  • 関係あるかわからんけどヴードゥー教のゲーデっぽいな -- 名無しさん (2015-12-29 18:35:48)
  • 仮面といい視界の端に現れたりといい、どうにもグリム=グリムを思い出す奴だったな。こいつの錬金術って要は四大の属性を合わせ門を開け……ってことでいいんだよな -- 名無しさん (2016-01-26 23:52:04)
  • ↑4 -- 名無しさん (2018-10-22 17:37:47)
  • 失敗した ジェーンとの情事に介入した時は妙に積極的なせいでバレてた筈だし、非マグロ側だと思う -- 名無しさん (2018-10-22 17:40:08)
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最終更新:2020年11月21日 01:35
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