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プロベット(SC88~144)

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プロベット(SC88年~SC144年)
所属勢力:アグデッパ→ララウィン→ブラウン→独立勢力→在野→独立勢力(ショーンとの連合)

アスランの孫でブラウンとアムの間にできた子。マカーフィことアルビオンとは異父兄弟
そして最後のア族宗家正統覇王皇帝である。

父ブラウンからは冷酷さと強欲さを、母のアムからは優しさと弱さを受け継いだと言われる。
(余談だが支配者に必要なのは「敵を倒す冷酷さと、資金を集める強欲さ、民を慈しむ優しさと
家臣を引き付ける弱さ」だとされる)
1度国を滅亡させた経緯から低い評価もあるが、地球の平民を案じる慈悲の心は本物であり、
ショーンにして「もし、私がプロベット殿と同じ国にいて、もう少し早く会っていたら
民主政治を目指す事は無かったであろう」と言わしめ
リヨンヒにも「地球に入った時、民は皆泣いていた。私達の王を奪ったと… そして私たちは解放者ではなく敵と見なされた。
貴方様とはもっと早くに出合いたかった」
とその人柄を高く評価されていた。
「彼は10年産まれるのが遅かったのではない。あえて10年遅く産まれてきたのだ」との意見もある。

ブラウンがマカーフィに殺された直後、八卦衆や旧アブダー家臣たちにより擁立。
八掛衆長官チョーとバッカスの手によって、大規模なブラウン派の粛清が行われ
旧ブラウン派の多くが先に独立したアイタペの元に亡命した。
この結果、規律は一新されたが、弱体化は免れずソース恒星系以外の全領土を喪失する羽目となった。
そして、まだ幼かったプロベットに代わり、皇太后アムとチョーに国政を握った。
だが、傀儡と言うわけではなく将来に備えチョーとアモスを師と仰ぎ帝王学を学んだ。
少々頼りない所もあったが、平民からの評判も良かった為、SC104年全権の返還が行われた。
全権掌握後、プロベットは木星の資源開発を推進し産業・経済を活発化させ民の負担を減らした。
SC106年平民出身のエセラと母の反対を押し切って結婚。
彼女の苦労と平民の実情を知ることとなり、後にこれが彼を平民解放へ走らせる要因となる
だが、テンオウ軍の猛攻の前に大敗。経済基盤だった木星を失うと
圧倒的な力を誇るテンオウ軍の前に反撃すら困難な状況になる。
テンオウ軍の艦隊が地球に迫ると家臣、領民の身の安全と引き換えに自刃しようとする。
バラジャラやチョーからは地球から脱出するよう説得されるが
「家臣領民を見捨てて逃げるなど恥以外の何ものでもない」と聞き入れなかったが、
バッカスの「もし再度、陛下にお目に書かれたら私に今の役職をくれますか」との要求を冗談だと思い
「再度、卿が余に仕える事があったらそうしよう」と真面に返答した結果
「では約束を守っていただきます」と腹パンで気絶させられ、彼の手引きでアムや八卦衆と共に地球を脱出した。
テンオウの「プロベットの居場所は何処か?」との問いに残った家臣・領民達は誰一人吐かず
バラジャラに至っては「テンオウが貴様らの希望である様に、プロベット陛下も我々の希望の光だ
例え八つ裂きになろうと一寸刻みにされようと、その光を失う訳にはいかん」
と拷問によってボロボロになっても吐く事は無く、笑みを浮かべながら拷問死すると言う壮絶な最期を遂げた。
(一説には致死量の自作剤を投与されても吐かず死因となったとされる)

だが脱出は困難を極め遂には敵艦隊に包囲される。その際、チョーに
「名誉ある死を選ぶか、無様な死の何方を選ぶか」と問われプロベットは「名誉ある死」と返答。
するとチョーは「敵艦に『バカめ』と言ってやれ」と命令し、敵の凄まじい猛攻の中を命からがら脱出した。
当然、プロベットは「敵を挑発する奴はあるか!!」と怒ったがチョーは
「降伏して無様になぶり殺しになりたいなら船を止めましょう
 どうせ降伏しても助からないのだから降伏する理由がありません」
そこでプロベットはバラジャラ、バッカス達が地球に残ったのは時間稼ぎの為であり
既にこの世にいないであろうことを理解した(但しバッカスは敗走に成功し抵抗運動を行っており
 生存を知ったプロベットは「インテリ眼鏡が生きていた」と笑ったと言う)。
そして地球圏を脱出後、各地を放浪していたプロベットは虐げられる平民の姿を目の当たりにする。
ある時、プロベットは素性を隠しスラムへと出かけた。
食料品と体調の思わしく無いエセラの薬を得るためだった。
そこには荒れた大地と荒み切った人々、傲慢な軍人しか居なかった。
非常徴収と難癖をつけて家財道具を洗いざらい持って行き
殴られた父親を庇った子供も殴られた。
プロベットはハラワタが煮えくり返るのを感じた。
怒りのままに憲兵をぶちのめしたプロベットは助けた平民に聞いた
「正規軍は何をしているのだ。助けてくれないのか?」平民は泣きながら言った
「正規軍は助けてくれない。非常徴収とか言って全て持って行くんです
 娘も姪も連れて行かれた
 最近は特にひどくなっている。プロベットの末期も酷かったが今のテンオウ軍も大して変わらない」
プロベットは民の実情を知り絶句した。王宮の中で全てを知った気になっていた。
「余は民の為を思い国を富ませ戦ってきた。だが、それは幻想だったのか?
余が民を思ってやった行動が、民にとって地球にとって悪であったのか…?」
自らの治世が唯の独り善がりの自己満足であった事と自分の無能さと無力さを思い知らされた。
そこでプロベットはやり直すことを決める。

しかし、現状での再起は絶望的であった。
今あるのは脱出に使った戦艦1隻と八卦衆ら僅かな家臣達だけであった。
「復帰には最低でも3個艦隊は居る」
敗残兵であるプロベットには金も人も無かった。するとヒップからある提案がなされた。
「海賊に頼みましょう。彼らは膨大な資金と戦力、人員を持っている」
確かに名案であった。海賊達も最近取り締まりが厳しく、海賊稼業から足を洗う者が多く
軍人に鞍替えする者も居たと言う。
だが、どの海賊に頼むのか?正直、海賊に伝手のある人物など早々居ない。
すると言いだしっぺのヒップが口を開いた「小官に任せてください。1件だけ心当たりがあります」
「卿に海賊の知り合いが居るとは驚きだ」プロベットが驚きながら問うと
「実は小官の知り合いではありません。自身も会うのは初めてです。
 これは、先王ララウィンから万が一の本当に困った時に頼むよう授けられたコネクションで
 よもや使う日が来るとは思いもよりませんでした」とヒップは頭を掻きながら答えた。
そして数日後、ヒップは1人の海賊を連れてきた。
後に重鎮として自身を支えてくれる事になる海賊女帝バイアグラであった。

因みにバイアグラ本人によると、この話に実は全く乗り気では無かったらしい。
大恩あるララウィンの名を出されたから仕方なく謁見しに来たに過ぎなかった
「もしララウィン陛下の名を出されかかったら絶対に応じなかった」と述べている。
プロベットもバイアグラに何度か会った事が有った。
昔、援軍要請を頼んだ事があり、その際に顔を合わせているが
その度に断られている。プロベットも自らが嫌われている事を知っていた。
だから本当の事を言った
自らの力が無い故に国が滅んでしまったことを、そのせいで家臣や領民を路頭に迷わせてしまった事を
全てを知ってしまった事を、自分は逃げてしまった事をそして頭を下げた

「お願いだ。この国を… そこに住まう全ての人々を助けて欲しい」

当初は険しい顔をしていたバイアグラだったが、この言葉を聞くと優しい顔で手を指し伸ばしたと言う。

バイアグラの協力でアズマやマクレイなどの他の海賊達を味方に付けることに成功。
3個艦隊を用意することに成功する。
そして、時を同じくテンオウの死亡と同軍の分裂の報が入る。
ここに来て全ての物事が有利に働いて来た。バッカスの生存及び残存戦力の存在を確認し
復帰の目途が立ったある日
王妃エセラが女児を出産。誕生した女児に自らの冠名を付けプリアと名付けた。
とても嬉しい出来事のはずだった。しかし、エセラは産後の肥立ちが悪く病に倒れる。
プロベットは再度、スラムへと足を運び薬を探しまわった。
だが、薬は得られず闇市にまで足を運んだ。そこでも見つからなかった。
そこで以前助けた平民の親子と再会し、そして聞かされた。
「実は、他の惑星で疫病が流行りその為に医薬品関係が根こそぎ非常徴収で
 持って行かれてしまった。貴方には恩があるから分けてあげたいが
 我々も手に入れることが出来無い」
その後もプロベットは薬を探しまわったが見つからず、エセラの症状は日に日に悪くなっていった。
「陛下、必ず帰って良い王になってくださいね。そして、この銀河に希望を…」
エセラは心配掛けまいと笑みを浮かべながら息を引き取った。
プロベットは何度もエセラの名を呼び、「亡くなられました」と言う家臣の言葉に
「嘘だぁぁぁぁ!!」と悲鳴とも咆哮とも解らない声で泣き喚いた。
この時の事をプロベットは振り返る。
「お伽話では長い眠りについた人間は涙で目を覚ました。そうか、エセラも眠っているだけで目を覚ますだろう
 余はそう思って何度もエセラの名を呼んだ。溢れた涙はエセラの顔に滴り落ちた。
 だが、エセラは目を覚まさなかった。そうか、深い眠りに入っているのだろうもっと大きな声で呼ばなければ…
 そう思っていたら突如、胸ぐらを掴まれ目覚めんばかりの衝撃が左頬を襲った。
 そこで余はエセラの深い眠りは永遠である事を理解した」
見かねたバイアグラの強烈な鉄拳制裁で立ち直る。
そして、プロベットはこの世界の過ちに気付いた。そしてプロベットは皆にこう宣言する。
「この世界は間違っている。余はこの世界を全て破壊する」

テンオウ領分裂の隙に乗じ抵抗軍として地球圏に残っていたバッカスが
火星の主要部を掌握。プロベットの帰還を要請。
混乱に乗じ、海賊艦隊の圧倒的な戦力で地球を制圧すると国を再興させた。SC111年の事である。
だが、この旅はプロベットの心境に大きな変化をもたらしたのである
テンオウによって齎された民主政治の存在を知ったのもこの時であった。
「人類が初めて国家を形成した時の政治体制は民主政治だったと聞く。
だが民は堕落し衆愚政治に陥った。そこに1人の英雄が現れ王となり君主制となった
そして君主制もまた王族の腐敗と貴族の堕落を生み民衆の革命によって倒される。
世界は再度、民主制となった。
だが、経済格差は広がり、人々は争った。そして、経済構造が崩壊し再度君主制となった。
これが今の君主制だ。だが争いは止まず、民は苦しみ、役人は腐敗している。
どうやら私は時代の変わり目に生きているようだ…」

混乱した地球圏の掌握はたやすく木星ガニメデを制圧すると瞬く間にソース恒星系を奪回。
だが、今度はドーラとクルトニオ(パメラ)と言う強敵に阻まれる。
ドーラが平民解放を唱っていることを知ったプロベットはドーラに同盟を打診。
バッカスに反対されるも、気が変わったのか使者に名乗りを上げバッカスを交渉の使者に送る
結果「信用しかねる」と拒否されるも、この事がショーンやリヨンヒの興味を引き
ショーンはプロベットの事を「信頼できる男」と評し、リヨンヒも「嘘は吐いていない」と評し
後に宇宙史上最高の奇跡と言われる和解が行われることになる。

そして、銀河史上最大の暴挙の言われるパメラによるドーラの暗殺が行われる。
これによりドーラ王朝は瞬く間にショーンやワード、ブロディンなど多くの国に無残に分裂してしまう。
この時、ショーンは独立した諸王朝に「お互いに争っても意味がない。共に手を取り合うべきだ」と
主張するも多くの国がこれを拒否。
この呼びかけにプロベットは「天が波を興そうとしている」と部外者にも拘らずこれを受諾。
バッカス、ジェニファ、ラブ、バイアグラらがこれを支持しショーンとの会談を要請した。
流石にプロベットからの要請にショーンも驚きを隠せなかったが、アーメイとリヨンヒがこれを支持し
「会ってみる価値はありそうだ」とショーンもこれを受諾した。

「プロベット殿、一つお伺いしたい。貴殿はア族の正統継承者だ。
本来平民解放を唱える我々とは会い見えぬはず… 何故我が問いかけに応じなされたのだ?」
「ショーン殿、私は見た、虐げられる民を…。私は聞いた、民が行う政治の事を…。そして私は来た」
「…なにがあったのです?生まれながらの王が、何故平民解放を唱えられる?」
「私の妻は死んだ。1年も経たない短い放浪であったが、体の弱い妻には堪えた。
病を患い薬も買えず、心配掛けまいと笑みを浮かべながら死んでいった。そして私は理解したのだ。
民は王を求めていない」
「だが、貴殿が王位に返り咲いたとき多くの人が歓迎したと聞く。
リヨンヒからも聞いた。テンオウが地球を制圧したとき地球の民の目は敵意に満ちていたと
彼らの気持ちを踏みにじるおつもりか?」
「領民が支配される事に慣れてしまった。ア族が政権を掌握してから200有余年
民は考えることを放棄してしまった。
雛鳥はいずれ巣から旅立つ。民も王族と言う巣から旅立たなくてはならない。
真の平民解放は彼らを自らの翼で羽ばたかせることだ」
「私は貴殿を誤解していた。無礼の数々許されよ。
改めて歓迎する。プロベット殿よくぞ参られた。私は貴殿の様な者を…
いや、貴殿を待っていた。」
「真の平民解放の為、真の王道を布く為、今こそ手を取り合う時」
「自由と」
「青い星々に」
「「乾杯!!」」

そして、嘗ての仇敵テンオウの娘リヨンヒとも会談している

「其方がリヨンヒ… テンオウの娘か?」
「貴方がプロベット、ア族の王。私たちの敵だった男…か」
「我が先祖の過ち、其方の先祖の恨み許してもらえるとは思っておらぬ
ただ今生きとし生ける者の為、未来の為、手を取り合う事は出来るはずだ」
「私たちは地球の人々を救おうと考えていました。ア族の圧制に苦しむ人を…
実際は違った。どう繕っても私達は侵略者。彼らの恨みを買いました。
恨み、憎しみでは未来は作れません。憎しみの連鎖は私達で断ち切らねばなりません」
「民を愛する気持ちに違いはない。私も貴方も…
愛するが故に羽搏かせるのだ。銀河と言う大空に」
「貴方とは、もっと早く会いたかったですプロベット王」
「私もですリヨンヒ殿。だが、貴方の父に国を追われ私は変われた
感謝をするべきなのかもしれません」
「…面白い人」

後にプロベットはリヨンヒと親交を深めていった。
互いに結婚を考えていたが、それぞれの家臣達は猛反対したと言う。
嘗ての仇敵同士なのだから当然である。
だが、2人の仲をショーンとアーメイは応援した。それと、後もう一人…
エセラとの間に産まれた長女プリアであった。
「私、リヨンヒおば様みたいなお母様が欲しい」
これにより決心の付いたプロベットはリヨンヒにプロポーズ。
「嬉しいですけど、私はもう五十路で若くはありません。それでも良いのですか?」
とリヨンヒは言うとプロベットは大きく頷き
「貴女は余より先に産まれ数十年の放浪をし、より多くの者を失った。
 1年足らずの放浪で心折れそうになった余とは比べものにならない苦労を成された
 貴女は強い人だ。余と共に生き自分と娘を導いてくれまいか?」
リヨンヒは涙を浮かべながら言った。
「私は貴方の最も大切な人を奪った。そんな私が貴方の妻になるなど…」
「『この銀河に希望を』これが妻の最期の言葉です。
 この銀河に住む全ての人々に希望を齎す。それが亡き妻の願い
 それは貴女とて例外では無い。全ての人間は幸せになる権利がある」
「では約束してください。私よりも長生きしてくださると…
 私はもう何も失いたくはない」
そして、周囲の反対を押し切りプロベットはリヨンヒと再婚。
最終的に本人たちの志と王妃アーメイの説得のお陰で家臣達は根負けし2人を祝福した。
そして、難産の末に産まれた娘に将来の幸福の為「ミライ(未来)」
息子には、規律を守る人間になるよう「ケンセイ(憲政)」となずけられた。

こうして、ショーンを盟主とする連合政府(通称ショーン・プロベット連合)が発足。
そして、恭順に応じなかったブロディンやワードらを征服。
旧ドーラ領の大部分を統一した。
ソース~セントラルを手中に収めたショーン、プロベットはクルトニオを
「全銀河、国民への冒涜」として宣戦布告。
プロベットも艦隊を率いて南下しイーズ方面に侵攻、その大部分を制した。
その勇猛ぶりは敵将を震え上がらせ、『自由の守護者・獅子帝』と恐れられた。
敵には容赦の無いプロベットだが、領民や降伏してきた者には慈悲深い事で知られた。
だが、裏切り行為は敵味方問わず許さない事で有名であった。
ある時、降伏してきた士官が上官の首を手土産に投降して来たと知ると
「裏切りによる手土産などいらぬ」とショーンの指示の無いまま処刑。
慌てたショーンがプロベットを呼び戻し問い詰めると
「命惜しさに上官を殺す奴は、我々が不利になると再度同じことをする。
志のなき行動は例え善行であっても悪行である。ドーラ殿と同じ轍を踏むおつもりか!?」
と、ドーラの来る者を拒まない姿勢が悲劇を生んだことを持ち出し
ショーンもこれを不問とした。

連合政府においてプロベットはショーンに次ぐ副盟主の地位に居たが、
最大派閥を率い艦隊司令長官の役職を得て事実上の最高司令官と言ってよい立場にいた。
第2勢力であるアキ・ラー家を率いるバッカスの主君(上司)として
事実上彼らの上に立っており、連合政府においてそれこそ膨大と言って良いほどの
権力と権益を得ていた。
ラブが「彼も所詮はア族の人間だ」と扱き下ろしている様に
議会でも自派閥が1/3の議席を閉め、議会の1/4を占めるバッカス派を事実上従え過半数以上の票を握り
その気になれば王位簒奪やクーデターも容易なほどの権力を得て
それこそ、嘗て父ブラウンが専横を行った地球と同じ状況であったが、
当時は全くと言って良いほど問題にならなかった。
これは盟主の覇王ショーンと副盟主プロベットが大変親しい関係であった為であり、
ショーンもプロベットを信頼し様々な権力・権限を与え、
プロベットもその権力を正しく行使し謙虚に振る舞ったからである。
だが、プロベットは自分が信頼され権限を与えられる事に不安を感じていた。
自分達はあくまでも民主政治に移行するまでの代理であり、いずれは権力を手放す心算であった。
だが、周囲はそれを許さなかった。
様々な権力、膨大な権益、強力な権限を与えられ、大して覇王と変わりなかった。
この現状を憂いていたプロベットだが、傅役で八卦衆の2代目長官であったチョーや
重鎮として自分を支えてくれた海賊艦隊(事実上プロベットの私兵)司令アズマが相次いで亡くなった事で
遂に全ての権力を手放すことを決める。SC142年の事であった。
このプロベットの決断は連合政府に衝撃が走った。
領民ばかりかショーン、同志、派閥の面々そして領民達からも猛反対される
「民は羽搏く方法を知りません羽搏く事を教えない親鳥が何処にいましょうか」
バイアグラのこの言葉でプロベットは時期尚早として権力の放棄を断念する。
だが、これはプロベットばかりかショーンにも権力移譲の困難さを実感させる出来事であった。

そしてSC144年事態は最悪な方向へと向かい始める。
同年5月19日、プロベットは朝から頭痛に苛まれていた。
実は1週間ほど前から頭痛に悩まされており風邪かと思っていたが一向に良くならなかった。
「大丈夫ですか?」と気遣うリヨンヒに「帰ったら病院へ行く」と告げ
議会に出席する為、プロベットは家を出た。
滞りなく会議は進んだが、プロベットは頭を押さえると
「そうか、余の役目はここで終わりか…」と呟き、そのまま倒れ病院に運ばれた。
駆けつけた家族の願いむなしく昏睡状態が続き10日後の29日22時40分。
連合政府帝都ジパングの病院で急性くも膜下出血により激動の生涯の幕を閉じた。
享年56歳。早すぎる死だった
「母と言い父と言いシズカと言い… そして貴方まで先に逝ってしまうのですね
 私より長生きしてくれるって言ったのに
 貴方の方が長生きしてくれると思っていたのに… 嘘吐き」
リヨンヒは夫の遺体に何時までも寄り添っていたと言う
後世のある歴史家は記す「後1日、発症が遅れていればア族による専制は続いていただろう」
ラブも「もし、プロベットが『帰ったら』では無く『今すぐに』病院へ行っていたら、
 数千万の命が無駄に失われる事は無かっただろう」
と彼の早すぎる死とその後の悲劇を評している。

国葬が営まれ、その早すぎる死を多くの者が悼んだ。弔問に訪れたショーン臨時元首に
「貴方は民を心の底から愛しておられた。上辺だけの学しかない私よりも
貴方の方が(元首に)相応しい」と言わしめ、国父と初代国家元首の称号を追贈された。
(つまり、元首は臨時→代理→初代→2代目(事実上の初代)と数える)
だがプロベット死後、議会で演説をしていたショーンだが演説中に心臓発作を起こし急死
2人の英雄が手を取りあって築き上げた連合政府は瞬く間に崩壊。
ショーンの息子ウエラーとプロベットの息子ケンセイを推す派が対立、内戦へと陥った。

その後、プロベットの娘プリアは後任の連合国艦隊司令長官として活躍し
内戦終結後はソース恒星系政府艦隊司令長官としてケンセイを支え
息子のケンセイは4代目(3代目)国家元首となり、治安維持名目で残されていた旧王朝軍を解体し
中央集権化を目論むも、異を唱える他恒星系政府らが決起しクーデターによって失脚。
その後、軟禁下に置かれていたが元老院の長老マクガイバの死後、再び決起し覇を唱え
次女ミライは軍を去り恵まれない子供たちにその生涯を捧げた。
妻リヨンヒは内戦終結後のSC147年76歳で子供たちに看取られながらその生涯を終え
プロベットと同じ墓に埋葬された。




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