装飾布穿エコムズ

第1話 チュートリアル

よそものの手を逃れたまーちゃんを待っていたのは、また地獄だった。
バオバブの森に住み着いた闇商人と伐採者。
マイマイ戦役が生み出した禍根の島。
悪徳と野心、頽廃と混沌とをリサイクル装置にかけてブチまけた、
ここはマイマイ島の出張クエストカウンター。

次回「闇取引」。
来週もまーちゃんと運搬に付き合ってもらう。


第2話 闇取引

食う者と食われる者、そのおこぼれを狙う者。
金を持たぬ者は出てゆけぬ罪の街。
あらゆる悪徳が武装するモーグの街。
ここはマイマイ戦役が産み落としたモーグ島のモーグシティ。
さらたんの躰に染みついたおかしの匂いに惹かれて、
危険な犬たちが集まってくる。
次回「モーグ」。
さらたんが飲むモーグのコーヒーは甘い。


第3話 モーグ

かつて、あの重々しきBGMに身を包まれた戦士たち。
自己を守る金色の魔法具に身を包んだ魔女の、ここは墓場。
無数の狩りキチたちの、
ギラつく欲望に晒されてインスタンスDに引き出されるウィッカ・アラディアシャドー。
魂フル装備のタンクたちが、ただ騎乗ペットを欲して激突する。
次回「回廊」。
回るルーレットから、スロットに熱いスキャターポイズンが突き刺さる。


第4話 回廊

最も危険な罠、それは時間切れ。
たくまずして仕掛けられたダンジョンの闇に眠る分岐点。
それは突然に目を覚まし、偽りの平穏を打ち破る。
マイマイ遺跡は巨大な罠の集積所。
そこかしこで、三方向分岐をくわえた大部屋が目を覚ます。
次回「遺跡の奥へ」。
パーティザンも、強大な最終関門。
全滅、時間切れ、御用心。


第5話 遺跡の奥へ

人の運命を司るのは、金か、偶然か。
それは当選確率を巡る永遠の謎掛け。
だが、スレ民の運命を変えたのは、闇羽インパクトと呼ばれた、あのアルマ。
えこえこらいぶの闇の中で走り抜けた戦慄が、今、アップタウンの街に蘇る。
次回「ダークフェザー」。
アイテム交換機の取りだし口の中から幼女が微笑む。


第6話 ダークフェザー

くじという確率の海に、見え隠れする清姫という目的。
どうやら、小数点以下の確率の根は深く重い。
人の運命は、神が遊ぶ双六だとしても、
当選までは一天地六の賽の目次第。
鷹と出るか、蛇と出るか、限界に挑むクレカ投入。
次回「清姫」。
スレ民、敢えて火中の蛇を掴むか。


第7話 清姫

ファウストは、メフィスト・フェレスに心を売ってペットになり果てた。
さらたんは、氷の国の魔女の溶岩噴出によって、地に臥した。
レミアは水晶に、己の運命を占う。
ここ、アップタウンの街でロアルマを買うのに必要なのは、ジュエルゴールドと少々の現金。
次回「取引」。
アイテム取引のコメント欄には死の臭い。


第8話 取引

昨日の夜、ラインナップに絶望して行く末を嘆いていた。
今日の昼、ロアを的に夢買うウェブマネーを買いに走っていた。
明日の朝、ちゃちな自信とちっぽけな後悔が、瓦礫の街に下位品を蒔く。
くじはガンホーが作ったパンドラの箱。
確率を問わなきゃ何でも出てくる。
次回「くじ」。
来月、そんな先の予算はわからない。


第9話 くじ

白のフリルで包まれた肩。
悪夢の再来と人の言う。
アップタウンの街に、闇羽インパクトの幻想が蘇る。
アリスの海原、パイレーツの服装に、
無敵と謳われた服飾コラボレーション。
情無用、命無用の二重籤。
この娘、30億ゴールド也。
最も高価な色替えアルマ。
次回「A&Pダークフェザー」。
スレ民、理不尽に向かうが本能か。


第10話 A&Pダークフェザー

鉄のロボが走る、跳ぶ、吼える。
金づちが唸り、ミサイルが弾ける。
鉄の腕が秘密の宝箱18をこじ開ける。
ワープポータルの向こうに待ち受ける、ゆらめく影は何だ。
いま、解きあかされる、DDサウスの深淵。
いま、その正体を見せるDDマルクトの謎。
次回「搭乗」。
まえたん、牙城を撃て。


第11話 搭乗

アルマとロア、職業、ココッコー、よくわからない植物。
縺れた糸を縫って、神の手になる運命の自動織機が飛び交う。
飛空庭の中に織りなされる、神の企んだ紋様は何。
巨大なタペストリーに描かれた無垢なるアルマ。
その時、タイニーは叫んだ。
さすがだね!と。
次回「絆の木」。
いよいよ空飛ぶ教室卒業。


第12話 絆の木

降り注ぐ火玉。
舞い降りる鉄騎兵。
喧騒と秘密と武力の街、アクロポリスが燃える。
圧倒的、ひたすら圧倒的パワーが蹂躪しつくす。
ささやかな装備品、芽生えた愛、絆、健気な野心、
初心者も熟練者も、男PCも女PCも、ドミニオンもタイタニアも呑み込んで、走る、炎、炎。
音量設定を無視した音をたててアクロポリスが…沈む…。
次回「チュートリアル」。
天使は泉の水を浴びて蘇る。






第13話 チュートリアル

何もかもが、確率の中に沈んだ。
微笑みかけてくるイラストも、芽生え欠けたアビリティベクトルも、属性値も。
そして、あらゆる悪徳も同じだ。
全てが振り出しにもどった。
冒険者は堕ちた魂を疲れた身体にまとって、泥濘と、硝煙の地に向かった。
次回「EXイリスアッセンブル」。
訓練されたものは誰もクレカ履歴を見ない。


第14話 EXイリスアッセンブル

遙かな確率の闇を走り、消耗品の嵐に曲折し、
価格操作の泥濘に揉まれてもなお、キラリと光る一筋の光。
だが、この糸は何のために。
手繰り手繰られ、相寄る運命。
だが、この運命は何のために。
炎熱のアルマシリーズに第2幕が開く。
次回「疑惑」。
まだ天羽は姿を見せない。


第15話 疑惑

回る弾倉、起きる撃鉄。
こわばった指がトリッガーを引く。
撃針が、空の薬室を撃ち、虚しい音を立てたとき、
皮肉にも、坑道の細道に死神が溢れる。
テンペストショット。
この、危険なスキルが、これこそがこのダンジョンに似合うのか。
次回「掃討」。
スロットが回れば、与ダメが上がる。


第16話 掃討

妹視点から見たのが幻想なのか。
兄の妹を想う心がが幻想を生むのか。
メインストーリーに理想を見るのが幻想に過ぎないことは、
冒険者の誰もが知っている。
だが、あの瞳の光が、奥地での茶番が幻だとしたら。
そんなはずはない。
ならば、この世の全ては電子記号に過ぎぬ。
では、目の前にいるのは誰だ。
次回「二度手間」。
妹愛なるものが牙をむく。


第17話 二度手間

変わる、変わる、変わる。
この世の相場をまわす計画が、奈落の底でまた動きはじめた。
天が軋み、人々は呻く。
技術が高まれば吹く風も変わる。
昨日も、今日も、明日も、確率に閉ざされて見えない。
だからこそ、切れぬ絆を求めて、褪せぬ相場を信じて求めて。
次回「技術革新」。
変わらぬ金券などあるのか。


第18話 技術革新

公開のための非公開。
改装のための撤去。
実装のその時から、連綿と続くこの愚かな行為。
ある者は悩み、ある者は傷つき、ある者は自らのセンスに絶望する。
だが、営みは絶えることなく続き、また誰かが紐を垂らす。
たまには朝日を拝むのも悪くない。
次回「飛空庭」。
天の声も、ピリオドを打たない。


第19話 飛空庭

想い、絆、縁。
人間的な、余りにも人間的な、そんな響きはそぐわない。
金の臭いに導かれ、地獄の炎に照らされて、
アイテム取引コメントの屑溜めの一つで出会った、
60億年目のアダムとイブ。
これは、単なる偶然か。
次回「かぶせ買いコメ」。
衝撃のあの日からをトレスする。


第20話 かぶせ買いコメ

人は、くじに何を求める。
ある者は、ただその月のお布施のため、くじを引く。
ある者は、理想のために己の家計簿を深紅に染める。
また、ある者は、実りなき野心のために、消耗品と粘土にまみれる。
粘土は汚れた魔物を映し、スケッチとなり、フィギュアとなって常に城を埋め尽くす。
次回「遡行」。
人は流れに逆らい、そして力尽きて流される。


第21話 遡行

大いなる衝撃が全ての始まり。
芽生えた意識は行動を、行動は魔法のカードを生み、魔法のカードはくじセットを求める。
くじセットはやがて、愛に行き着く。
愛はすべてに呵責なく干渉し、憎しみと同情の嵐を育む。
そして、放たれた請求書は誰を打つ。
次回「触発」。
当たるまで引けば敗北はない。


第22話 触発

炎熱の砂漠が、狂気をはらむ。
それぞれの望み、それぞれの運命。
せめぎ合う欲望と、絡み合う芋虫。
争奪戦をくぐり抜けたとき、突然現れた一刻の遭遇戦。
沈みゆく夕陽に、二つのドロップアイテムが照らされる。
だが、思いは、切なく\カッカラーン/。
次回「砂芋」。
夜の闇が茶番を隠す。


第23話 砂芋

鍵がなければ、町に戻れぬとするなら、
大地を走る機関車の贄となろう。
線路の上にしか通路がないものなら、
ただ一時の危険に身を任せよう。
それぞれの運命を担い娘たちが昂然と顔を上げる。
次回「横断」。
放たれた機関車は、標的を射るか。
座標端に到達して消えるか。


第24話 横断

崩れ去る期待、裏切られる箱、断ち切られる霊玉。
そのとき、呻きを伴って流される血。
人は、何故。
理想も愛も牙を飲み、涙を隠している。
血塗られた霊玉を手に入れるために、開くのは呪われた宝箱か。
次回「黒銀」。
マザーは、心臓部にたたずむ古びた剣。