『周公解夢全書』(しゅうこうかいむぜんしょ)または『周公解夢』(しゅうこうかいむ)は、敦煌から出土した夢占いの古書で、古代中国の王朝、周の周公旦が夢の解釈にまつわる伝承をまとめて編ませたと伝えられている夢判断または、夢占いの解釈書。
現在では偽書であり、名君と称された周公旦に仮託されたものであるという説がほとんどであるが、その内容の秀逸さから日本や中国などにおいて、夢占いの参考書・底本的存在として用いられることもある。
内容
『周公解夢全書』は、
詞曰:夜有紛紛夢、神魂預吉凶、莊周虛幼蜨、呂望、兆飛熊、丁固松生貴、江淹得筆聰、黃粱巫峽事、非此莫能窮。
【書き下し文一例】
詞に曰く、夜、紛紛の夢有り、神魂、吉凶を預く。莊周、幼蜨と虛むれ、呂望、熊の飛すを兆し、
丁固、貴き松が生ず、江淹聰し筆を得て、黃粱、巫峽の事。此れ能く窮まる莫かれに非ず。
の扉文に始まり、解夢(夢の解釈)を項目別に分けた全27篇からなる。
【扉文意味】
いにしえから詞でいうには、夜に見る夢とは、入り乱れてまとまりのないほど様々なものが有るものだ。
それは、神魂(または精神)が、その夢を見た者に吉凶の判断をさせるように預けたものである。
(以下は著名な人が見た夢の例。)荘周は幼蝶として戯れる夢(胡蝶の夢)を見て、呂望(呂尚)は熊が飛ぶ夢を兆しとして、
丁固は貴い松が生える夢、江淹は聡し筆を得る夢、黃粱は巫峽の事の夢などを見ていて、
紛紛たる夢はこれだけにきわまるものではない。
各篇については以下の通り。
一、天地日月星辰
二、地理山石樹木
三、身體面目齒髮
四、冠帶衣服鞋襪
五、刀劍旌節鐘鼓
六、帝王文武呼召
七、富室屋宇倉庫
八、門戶井灶廚廁
九、金銀珠玉絹帛
十、鏡環釵釧梳篦
十一、衣帳毯褥匙櫡
十二、船車遊行物件
十三、道路橋梁市集
十四、夫妻產孕交懽
十五、飲食酒肉瓜菜
十六、塚墓棺槨迎送
十七、文書筆硯兵器
十八、哀樂病死歌唱
十九、佛道僧尼鬼神
二十、被害鬥傷打罵
二十一、捕禁刑罰獄具
二十二、田園五榖耕種
二十三、水火盜賊燈燭
二十四、垢污沐浴凌辱
二十五、龍蛇禽獸等類
二十六、牛馬豬羊六畜
二十七、龜鱉魚蝦昆蟲
最終更新:2013年03月07日 22:02