「基準量」とは
「基準量」は、「かけられる数」とほぼ同じ意味で使われています。
違いもあります。かけられる数を使った場合、「かけられる数(被乗数)×かける数(乗数)=答え(積)」といった、かけ算の式の構文に焦点が当てられますが、基準量という言葉からは、かけ算を含む2項演算における被演算数の一つ(かけ算に限れば、因数の一つで、もう一つと区別するためのもの)という印象を受けます。
また、「かけられる数(被乗数)」の対となる言葉は、「かける数(乗数)」ですが、基準量については、これに相対する言葉は一意に定まりません。そもそも、「基準量」という言葉の認知度・普及度が、被乗数ほかよりも高いことはありません。
しかしそれらは、この言葉の欠陥となっておらず、逆にあいまいさや多様性により、教師向けの用語として、かけ算の意味の指導に利用されているように見えます。
文献
学習指導要領やその解説では、「基準量」と同じ意味になる語句が、微妙に表現を変えながら、出現しています。
解説書にも、見られます。
- 文献:中原2000では、乗法の意味(187頁)の中で、スカラー関係に基づく乗法の式として「(求める全体量:x)=(基準量:a)×(倍量:b)」とあります。
- 文献:前川2011では104頁に、「基準量が後に示された適用問題」と題して、第2学年向けの学習指導案を示しています。
外部リンク
最終更新:2012年12月04日 06:44