お三子狐

おさんこきつね

種別
別名  
住所 宮城県
特徴  仙台市、登米郡でいう化け狐。明治の末頃まで、日向の八ノ森にはオサンコという狐が、田圃を隔てた南方の茶臼森にも名前のある狐がいて、この間を通る人がよく騙されたという。 ▽明治43年の『米澤日報』には次のような話がある。仙台お裏林の付近に、九蔵という猟師が住んでいた。ある夜、戸外から九蔵の名を呼ぶ声が聞こえるので不審に思って見ると、1匹の狐が戸の節穴に尾を抜き差ししていた。翌日も同じようにしていたので、九蔵が尾を引っ張ると、狐は尻尾だけを残して逃げてしまった。暫く経ったある夜、また狐がやって来て「九蔵どん九蔵どん、尻尾を返してください」と言う。狐は翌日もやって来たため、九蔵は鉄の棒で打ち殺してしまった。夜が明けてからよく見れば、狐は古くから出没し、人を化かして取り食らっていたお三子狐であったという。
資料 『宮城縣史』
最終更新:2011年08月17日 20:52