おさん狐

おさんぎつね

種別
別名  
住所 鳥取県三朝町大谷
特徴  昔あるところに喜助という人がいた。喜助は貧乏であったため冬になっても糯米を買う金がなく、おさん狐を使って金儲けをしようと企んだ。奥の山へ行き「おーい、おさん、出てこーい」と呼ぶと、やがて狐が女に化けて出てきた。何の用かと問う狐に、喜助は人に嫁を世話してやることになったので嫁役を引き受けて欲しいと言う。祝言の夜が済んで朝になったら逃げてもよいと聞くと、狐はそれぐらいの時間ならと承諾した。喜助は次に嫁探しを頼まれていた家に行くと、嫁は見つかったが金が必要だと言って五円をせしめた。祝言の日、喜助はその家におさん狐を連れて行くと、自分は帰って寝てしまった。翌日、嫁が狐だと知った家の者が文句を言いに来たが、喜助は以前から高熱で伏せっていたと偽り場をやり過ごした。嫁に採らせた山ゴンボと蕗の根を薬の煎じかすだと言って見せると、訪問者も喜助に騙されたのではなく、狐に騙されていたのかと納得して帰っていった。こうして喜助は五円を得て、良い正月を迎えたという。
資料 『ふるさとの民話 第五集 鳥取県中部編』酒井董美

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最終更新:2013年01月11日 17:07