種別 | 狐 |
別名 | |
住所 | 福井県坂井郡長畝村 |
特徴 | 明治11年の秋、越前国坂井郡長畝村の百姓三隅福蔵が村から2丁程離れた田の小屋で稲の晩をしていると、夜10時ごろに妻がやって来た。福蔵は妻と月を眺めながら世間話などをし、夜更けには草を枕に情を交わした。そして翌年2月20日の夜、福蔵宅に20歳程の見慣れぬ新造が赤子を抱いて訪れた。女は、私はこの村に古くから住むおみつ女郎という狐で、貴方の女房に化けて情けを受け懐妊し、昨日この子を産み落としましたと語った。しかし、仲間の手前もあって自分が育てることも出来ないと言い、赤子を置いて名残惜しげに去っていった。赤子の体は人間のようだが顔は狐に似ていたという。福蔵夫婦が困り果てている内に噂が広まり多くの見物人が集まったが、狐の子は2日後に死んでしまったという。 |
資料 | 『読売新聞』明治12年3月12日 |