ブラジルから来た少年

04.ブラジルから来た少年(The Boys from Brazil 1979年 イギリス)

監督はフランクリン・J・シャフナー(Franklin・J・Schaffer)。主演はグレゴリ・ペック(Gregory・Peck)とローレンス・オリビエ(Laurence・ Oliver)

です。ヒトラーのクローン、グレゴリ・ペックの悪役、日本劇場未公開(テレビでは放映)といういわくつきの映画です。

アメリカの作家アイラ・レヴィンが発表した小説の映画化。ヒトラーの血液を保存し、ブラジルでクローンを成功させ、第三帝国の復興を図ろうとする

ペック扮する科学者ヨーゼル・メンゲレとそれを阻止しようとするオリビエ扮するユダヤ人リーベルマンとの葛藤を描いています。


ヨーゲル・メンゲレ役のグレゴリ・ペックです。
グレゴリ・ペックは、1916年生まれで、この映画の時、62歳です。私が一番最初にグレゴリ・ペックの映画をみたのは、「小鹿物語」でした。この映画
は、1947年に作られていますから、ペックは31歳です。息子を持つ若い父親役でした。時が経つと人間年をとるのが当たり前ですが、若い父親も老けた
ものです。



リーベルマン役のローレンス・オリビエです。
今世紀最大のイギリスの名優とうたわれたロレンス・オリビエは、1907年生まれですから、この映画の時、実に71歳になります。年はとっても二人の名優の共演は、見応えのある映画になりました。


Nikkormat ELですね。Nikon Fの普及品として発売されました。国内ではNikomat ELでした。

上の写真のユダヤ人の若者は、南米パラグアイでナチス残党の動きをカメラに収め、さらに盗聴器を仕掛けて会合におけるメンゲレの話を収録

することに成功しました。アパートに帰りリーベルマンに電話で、メンゲレの話をテープで聞かせている最中に、押し入ってきたナチスの残党

に刺されました。「世界各地の65歳になる公務員を94人殺す」というメンゲレの言葉だけが、リーベルマンの耳に残りました。リーベルマ

ンは、65歳になる公務員で事故死、変死した遺族を訪ねて周りました。そして驚くべき事にどこの遺族の中にも双子よりもよく似た瓜二つの

少年がいたのです。リーベルマンは、生物学研究所の教授のそれはひょっとするとクローンじゃないかとの言葉、刑務所に収監されている元ナ

チスの女看守がブラジルから運ばれてきた大量の赤子を手配した事があるという言葉などから、悪魔的天才医師メンゲルの壮大な計画だとさと

ったのです。その計画とは、ヒトラーは14歳のとき公務員の父親が65歳で亡くなっていますが、クローンをその同じ環境に置こうというも

のでした。そうすれば第2のヒトラーが出現すると信じたのです。

リーバーマンは、アメリカのペンシルバニアのある65歳になる公務員の家を訪ねました。しかし、メンゲルに先を越され公務員は銃で殺害さ

れた後だったのです。二人の格闘が始まり、リーバーマンは腹を銃で撃たれますが、なんとかメンゲルに閉じ込められていたその家の飼い犬ド

ーベルマンを解き放すことができました。放たれた犬たちはメンゲルを取り囲み、メンゲルは動けなくなり、リーバーマンは難を逃れました。

そこに帰ってきたのが、クローン少年です。


少年は、入ってくるなり、一人は腹を銃で撃たれて椅子に座りこみ、もう一人は顔に返り血を浴びて犬に威嚇され動けない様子を見て、なんと

二人の写真を撮りだしたのです。


ヒトラーのクローン少年が持ってるのはOlympus OM-1ですね。これがこの映画の主人公です

前髪を前に垂らし、しかも重傷を負った人間を救おうとせず、先に写真を撮ろうとする冷酷なヒトラーに似た少年です。

OlympusOM-1は当初OlympusMー1で発売されました。ところが、LeicaM-1と型名が同じだと西ドイツのErnstLeitz社からクレームがつき、急遽OM-1に変更

したといういきさつがあります。しかし35ミリ判フォーカルプレンシャッター式一眼レフカメラの軽量、小型化のさきがけとなったカメラに相違ありませ

ん。また、焦点板をミラーボックス側から交換するという特徴がありました。


しかもこの少年は、犬をけしかけメンゲルを殺害するに至るのです。悪役グレゴリ・ペックの最期でした。

今まで、アメリカの有名男性スターが、悪役を演じたのをみた事がありませんでした。ジョン・ウェイン、ゲーリー ・クーパー、ジェーム

ズ・スチュアートしかりです。グレゴリ・ペックにしても最初で、最後の悪役じゃないでしょうか。

(未完成)

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最終更新:2014年01月20日 06:42