旅情

06.旅情(Summertime 1955 アメリカ)

監督・脚本はデビッド・リーン(David・Lean)。主演は、オールドミスのアメリカ人をキャサリン・ヘップバーン(Katharine・Hepburn)。
中年男のイタリア人をロッサノ・ブラッツイ(Rossano・Brazzi)。英語の題名は「summertime」となっています。辞書をみると夏季、暑中等と書いてあります。どうも映画の内容からみると、ぴったりきません。これは日本で付けた「旅情」がぴったりだと思います。
今回は、スチールカメラではなくて、ムービーカメラをとりあげました。アメリカのベル&ハウエル社のフィルモという16ミリ撮影機です。この頃アマチュアは8ミリ撮影機を使うのが普通ですが、この映画のヘップバーンは金持ちなんでしょう、小型とはいえ16ミリ撮影機を使っています。通常、広角、標準、望遠の3本のレンズがCマウントと呼ばれるマウントに付いており、被写体によりレンズを回転させて切り替えます。ところが、写真1でわかるようにレンズが1本ありません。


写真1 キャサリーン・ヘップバーンの名撮影者振り。レンズ一本ないですよ


写真2 ヴェニスの美しい風景を撮りまくっています


写真3 撮りたいものが入らないので、バックしてたら運河に落ちてしまいました
映画をみた人にとっては、忘れられないシーンです


写真4 カメラは無事だよ!子供がカメラを受け取ってくれました
映画をみてた人は、人間が落ちてもカメラが水没しなくてほっとしたのではないでしょうか。私もほっとしました。

ここで一つ問題があります。カメラは写真4のように手提げのある方が上と考えるのが普通ですよね。ところが、写真2をみてください。キャサリン・ヘップバーンは、手提げのある方を下にして写真を撮っています。即ちカメラを逆さまにして撮っているのです。写真で示していませんが、動力源のスプリングを巻くシーンがありますが、右手で反時計方向に巻いていました。巻きにくそうでした。カメラをひっくり返すと左手で巻くことになりますが、親指で押す方向に巻く事になりますので、左利きの人には自然であろうと思われます。
1950年頃の物語なのに、1970年頃のカメラがでてくるような時代考証が合ってない例はありますね。そう考えるとこの映画の例もカメラを単に小道具として扱っているんだろうとすれば、たいした問題じゃない。あるいは私の見方が間違えているかもしれない。皆さんのコメントが欲しいです。


写真5 運命の出会い

キャサリンは、夢の欧州旅行を実現させ、ヴェニスにやってきたのです。サンマルコ広場の喫茶店のテーブルにつくと、背後からジーとみてる人を感じたのです。


写真6 翌日、ある骨董店に飾ってある赤いコブレットに魅せられて、店にはいると店主は昨日ジーとみていたロッサノだったのです。偶然の再会でした。


写真7 ロッサノには妻子がありましたが、男女の愛し合う事に何の理屈もいらないというロッサノの強い言葉に、キャサリンは折れてしまいました。そして数日間二人にとっては素晴らしい日々でした。音楽に聞き入る二人です。


写真8 美しい水の都を映像で捉えた場面です。


写真9 キャサリンは、別れられなくなりそうな自分の気持ちを恐れ、旅たつ事に決心しました。旅たつ日ロッサノは花を持って見送りにきてくれました。しかし、発車ぎりぎりだったので手渡す事ができませんでした。


写真10 有名な別れのラストシ-ンです

キャサリンは、いつまでもいつまでも手をふりつづけるのでした。


(未完成)


  • 連絡もらって今見ました。すごいことやってますね!
    映画懐かしいです。これからも度々見ます。 -- (I.Y.) 2013-09-02 21:08:25
  • I.Yさん、これからもずっと見てください。ありがとうございました。
    -- (kojirou4) 2013-09-03 11:59:44
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最終更新:2015年06月27日 19:20